GIIウィナーズカップ開幕!
浜松オートで24日~28日の5日間、GIIウィナーズカップが開催される。勝ち上がりとしては、25期以前と26期以降に分かれてレースが展開され、優勝戦には各4人ずつが乗る形になる。25期以前の洗練されたレースと、26期以降の若さ溢れる荒々しいレースとの両方が楽しめる。
25期以前の部では、やはり25期が中心になりそう。地元からはS級は遠藤誠。近況の成績はイマイチだが、今回は地元開催なのでエンジンをしっかり立て直してくるだろう。戸塚茂は前走の地元開催で優出。連日、良い逃げを見せており、今回も逃げる展開になるようなら注目したい。
地元以外の25期では若井友和、森且行、東小野正道、岩崎亮一、西村龍太郎がS級で参加。最も状態が良いのは森か。ここ何節かは試走タイムが出ているようにエンジンは仕上がっている。スタートを含め序盤の展開が決まれば、一気に先頭まで踊り出るケースが多い。東小野も今年に入り、1回優勝しているように状態は昇り調子。岩崎、若井はやや調子を欠いているが、すぐにでも立て直せる状態。西村に関しては厳しい戦いが想定される現状。
24期も注目の期。特に地元で長らくエースを張っていた伊藤信夫に期待。最近は、かつてのスピードを取り戻したかのような走りを見せることがある。同じく地元の斎藤正悟も、前走の地元開催で優出している。
地元以外の24期では、川口から佐藤裕二と中野憲人が参戦。佐藤は今年に入り、すでに2V。幸先の良いスタートを切っている。レースでも序盤から積極的に仕掛けて行く。中野のレース運びは佐藤とは対照的。スタートこそイマイチだが、レース終盤にかけて勢いを増すタイプ。
26期以降の選手で注目なのは地元3強と中村雅人。金子大輔、木村武之、佐藤貴也は今や浜松を代表する3選手。全国ランク1位の金子は、前走のSGでしっかりと優出。優勝戦では良い試走タイムを出したが、スタート後の展開がうまく行かず苦しいレースになった。しかし、エンジン自体は大きく上向いていたので今回楽しみ。木村と佐藤はエンジンもう一つ。本来の走りをするには、あとひと仕上げが必要。中村は絶好調。前走のSGでは執念の追い込みを見せての優勝。今回も優勝候補筆頭に挙げれらる。
他では、追い込み鋭い早川清太郎。田中茂、久門徹の飯塚26期。短ハンデ戦で最も力を出せる益春菜あたりが注目。また、前走の地元開催を完全Vで初優勝決めた今田真輔も、勢いとしては十分なので期待したい存在。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-4(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-8(25期)〕
田中 茂〔飯塚 S-11(26期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-22(29期)〕
好調・青山周平に抵抗できるのは...
今回出場するS級とA級上位の選手は、前走が飯塚のSG全日本選抜。そこで準優勝だったのが青山周平。この青山がシリーズの核になりそうだが、そう簡単には行かないのがオートレース。果たして他に優勝候補を挙げるとすれば...。
先述の青山が今回も力走するのは間違いない。青山は4月から伊勢崎の所属になる。伊勢崎のファンに存在感を再確認させるためにも、ヘタなレースは一つとしてできない。人間的にもエンジン的にも最高の状態で臨んでくるだろう。
その青山に待ったをかけるのは、絶対王者・高橋貢。高橋はSGの準決で3着になり優出を逃したが、それ以外の4日間はオール連対を果たしている。エンジン状態としてはかなりの位置を保っている。地元の走路で他場の選手に好き勝手させるわけにはいかない。予選や準決で青山と対戦することはないかもしれないが、もし2人とも優勝戦に進んできたら、全身全霊でもって先着にこだわるだろう。そうするためにも予選、準決をしっかりこなしてくるものと思われる。
S級で他に調子が良いのは池田政和と桝崎陽介。池田はSGの初日と2日目で白星を挙げている。シリーズ後半は失速してしまったが、近況はかつての動きを取り戻しつつある。特に、最近はシリーズ序盤で好成績を残すことが多い。桝崎はSGの5日間で4着以下がなかった。エンジンにだいぶ安定感が出てきている。
西原智昭はSGでフライングをしてしまったが、エンジンはマズマズ良さそう。浜野淳もSGは準決3着で優出ならなかったが、エンジン面はそれほど心配なさそう。松本やすし、大木光、鈴木清、松尾啓史の4車はやや不安残りのまま今節に参戦。
A級では、藤岡一樹が前走のSGで優出した。優勝戦はレース展開厳しかったが、怒涛の追い込みで3着に入る健闘を見せていた。他では、木村義明が前走の浜松で優出しての参戦。木村はその前の地元でも優出しており、好調が続いている。黒岩明は前走の地元4日間では、準決こそ5着になったが、それ以外の3日間は全て1着。伊勢崎勢では森村亮がスピードに乗った走りができている。新井淳もひと頃の軽いスランプを脱出しており、強烈なイン突っ込みが見られる。若手の吉原恭佑は、グレードレースを経験するたびに底力が増してきている。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
青山 周平〔船橋 S-6(31期)〕
池田 政和〔船橋 S-29(23期)〕
浜野 淳〔山陽 S-21(24期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-28(28期)〕
大木 光〔川口 S-35(28期)〕
鈴木 清〔川口 S-38(23期)〕
主力勢の追い込みが見もの!
先日行なわれたSGの興奮冷めやらぬ飯塚で、今度は一般開催が行なわれる。記念レースとはまた違った競争が見られそう。最重ハンからの追い込みこそオートレースの醍醐味と捉えるファンも多く、原点に立ち返った楽しみを味わいたい。
飯塚前節のSGで優出し、今回参戦しているのは荒尾聡、加賀谷建明、岩見貴史。レースの間隔が空いていないので、この3人はエンジン的に好調のまま今回に臨める。ただし、加賀谷に関しては準決の雨に助けられての優出とも言えるので、良走路ではやや不安が残る。荒尾と岩見は武器のスタートからの速攻に期待できる。
飯塚の総大将・浦田信輔は、SGでは準決の雨に泣かされたが、それ以外の4日間はオール連対。良走路に関しては全く不安がない。オープン戦でも強いが、浦田の場合はハンデ戦の方が持ち味を出せるだろう。篠原睦もSGでは準決の雨で6着と、優出は逃したものの、それ以外はオール連対。雨は以前、ほとんど連対していた篠原だが、近況はそこまで連対率は高くない。逆に、良走路での安定感が増してきている。スタートの切れ味も健在なので、早めの仕掛けを見せてくれそう。
外来勢で楽しみなのは鈴木圭一郎。鈴木もSGでは準決で4着と振るわなかったが、それ以外の日は力強い走りを見せていた。エンジンと走路の折り合いも良いので、初日から良い走りができそう。鈴木と同地区の早船歩と内山高秀は、エンジンの仕上がりに不安を残している。整備でどこまで上向かせられるか。
近況イマイチの走りが続いているのは前田淳。SGでも5日間で勝ち星がなかった。同地区の岡部聡もSGでは見せ場がなかった。2人とも早めの立て直しを図りたいところ。川口の高橋義弘は、SGの初日で1着を取ったが、それ以外はパッとしなかった。かつてのスピードに乗った走りを取り戻してもらいたい。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
前田 淳〔山陽 S-13(27期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 S-15(32期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-26(27期)〕
高橋 義弘〔川口 S-31(29期)〕
手薄地元勢に外来勢が襲いかかる!
今回は直前にSGが行なわれていた関係で、S級とA級上位の選手は不在。A級中堅以下とB級による戦いになる。全体的な印象では船橋と川口勢に好調車が多く、地元勢は状態イマイチ。
船橋からは9選手参戦予定で、その内、前走の地元で優出した選手が4人。最も成績が良かったは新村嘉之の優勝。初日こそ6着だったが、その後はオール連対で優出すると、優勝戦では最後方からのレースを強いられながらも、豪快な追い込みを見せて見事快勝。センスの高さを再確認させられた。エンジンの波が緩やかな選手で、好調の今はまさに狙い時。初日から追いかけてみたい。
その新村に敗れ準優勝だったのが古木賢。初優勝がかかった優勝戦で先頭を走っていたが、最後には新村に突っ込まれ2着。それでもエンジンの上昇とともに、乗り手の積極性も増してきた。少なからず自信に繋がったことだろう。優勝戦3着だったのは木村義明。予選道中の被害で落車があったにも関わらず、準決でしっかり立て直し優出。優勝戦でも厳しい展開を巻き返して3着に食い込んだ。平川博康も優勝戦まで進み5着と健闘。スピードある走りは魅力だ。
川口からは吉田祐也と丸山浩信が、前走の地元で優出しての参戦。吉田は本来の車速が戻ってきた。冬場のスピードレースでも十分通用するし、今回のメンバーの中では上位級。連続優出してもなんらおかしくない。丸山もエンジンが仕上がっていた。優勝戦でも重ハン勢に簡単には抜かれず、直線では車が伸び返すような動きがあった。同じような仕上がりを維持できれば、今回も大いに活躍が見込まれる。優出はしていないが、初日に落車した不安を一掃できている牛沢和彦も、今回のメンバー相手なら決め手上位。
他の外来では、スピード出てきた栗原俊介や、前走の船橋で尻上がりにエンジン良くなってきた水本竜二、地元開催で優出し3着に入った緒方浩一あたりに注目。また、B級ではあるが、中原誠が前走の船橋で優出している。予選道中はオール連対の好内容。早々と逃げに入れる展開ならペースを上げられる。
地元勢はランクトップが鈴木辰己。往年の迫力は薄れているが、かつて一世を風靡したスタート力は健在。10M前の選手達を叩き、好展開に持ち込むことができれば連対も十分あり得る。同じく速攻派の鈴木静二、斎藤正悟にも期待したい。スピード戦なら関口隆広や鈴木健吾が見せ場を作れる。一発があるなら青嶋裕治だ。
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主な出場予定選手
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鈴木 辰己〔浜松 A-75(13期)〕
鈴木 静二〔浜松 A-87(20期)〕
岩科 州〔浜松 A-106(27期)〕
栗原 俊介〔伊勢崎 A-34(31期)〕
福村 唯倫〔船橋 A-41(25期)〕
吉田 祐也〔川口 A-46(29期)〕
畑 吉広〔山陽 A-81(20期)〕
水本 竜二〔飯塚 A-125(27期)〕
執念の追い込みで中村雅人がV!
飯塚で行われたSG全日本選抜オートレースは船橋の中村雅人が制した。トップスタートから逃げ切りを図る青山周平を最終3コーナーで捕らえての栄冠。中村らしいレースっぷりを見せてくれた。
試走タイムは金子大輔が27で一番時計。中村と青山が次いで29。他の選手達は31以上とイマイチの数字だった。
レースはまず最内の青山が先行する。2枠の荒尾聡が乗って出る形だったが、中村が早々に捌き2番手に立つ。試走一番時計の金子は、スタート後に加賀谷建明と接触しかけ後退し、最後方からのレースを強いられた。逃げる青山のペースは素晴らしかった。離れて追走する中村以外は、突き放される一方だった。青山の逃げに必死に食らい付くのは中村。序盤ではその差は大きかったが、周回ごとに縮まっていく。そして、9周3コーナーでは中村が青山のインに入る素振りが見られた。これは伸びが足りず、1回引く形になった。ただし、最終3コーナーで再びインを狙っていく。思い切った突っ込みは、やや立ち上がりで膨らんだものの、しっかり回り切り先頭でゴール。
中盤までは青山の逃げ切りかと思われたが、中村は最後まで諦めなかった。最後の2周は青山も多少ペースが落ちたのかもしれない。元々、小さいコース取りで逃げる青山なので、普通に考えればペースは上がりにくい。しかし、青山の走りは小さく走ってもスピードが出る特殊なモノ。それでも最後は少しタレたか。狭い所でも突っ込んで行ける中村には分が悪かった。
このレースで動きが光ったのは藤岡一樹。スタートで前輪を浮かせてしまい7番手からのレースになったが、そこからの巻き返しが素晴らしかった。前を走る車の動きを冷静に見ながら、攻撃を仕掛けていく。3番手で粘っていた荒尾を差し込むと、はるか前方にいた中村、青山との差を一気に詰めて行った。レース後半の伸びだけで言えば、全車の中で一番だった。スタートで3から4番手くらいに出れていれば、十分優勝争いに参加できていた。今後の楽しみがまた一つ増えた。