高橋貢が強烈な追い込みを見せてV!
3日目、4日目は不安定な走路状態だったGIIさざんかカップも、最終日は天候に恵まれ終始、良走路でのレースが行われた。優勝したのは伊勢崎の高橋貢。
試走タイムは斎藤撤二が一番時計の27。次いで、荒尾聡と高橋貢が28。西原智昭が30、高橋義弘と平田雅崇と篠原睦が31。0ハン単騎の鈴木一馬が32と一番悪い時計だった。
スタート争いは0ハンの鈴木が残す。10線は西原が飛び出し、斎藤が2番手で踏ん張る。高橋義弘がやや出遅れて、他は枠ナリスタート。
鈴木がハイペースで逃げ、西原や斎藤は仕掛けるまで行かなかった。後ろでは中団の混戦を捌いて高橋貢が着実に順位を上げていっていた。西原、斎藤を交わすとあとは鈴木を残すのみ。そして、最終3コーナーで渾身の突っ込みを見せる。これが功を奏し先頭に踊り出た。
鈴木が記念初優勝なるかと思われた優勝戦だが、高橋貢が流石の追い込みを見せた。試走タイムは申し分なかったが、道中のレース運びは熟練の極み。レース経験の豊富さがなしえた優勝と言える。高橋貢は船橋で数々の激闘を演じてきたが、ここでも強烈な存在感を示した。高橋貢にとって船橋での最後のレースは3月のプレミアムカップ。ここでもファンの期待に応える走りを見せてくれそうだ。
最後のさざんかカップを制するのは荒尾聡!
不安定な走路状態の準決を勝ち抜け、8人のファイナリストが出揃った。今節は初日、2日目が良走路。3日目が重走路。そして、準決の4日目は重走路から始まり、最終レースに向かうにつれ徐々に走路が乾いていった。それでも最終レースは乾いてる所と濡れてる所があるブチ走路。
優勝戦の日は天気が回復する予定なので、良走路を想定しての展望とする。
今節、エンジンが最も良いのは荒尾聡。初日から3日目まで全て1着でまとめている。実力者の高橋貢は初日こそ白星を挙げたものの、その後はもう一息の状態。篠原睦も悪い状態ではないが、完調とまではいかず車の仕上がりに不安を残している。斎藤撤二、西原智昭らは準決の不安定走路に助けられて優出とみた。良走路の優勝戦では厳しくなるだろう。状態が尻上がりなのは高橋義弘。着を5、4、3、2と良化させている。最後に1を取りたいと本人も言っていた。平田雅崇は優勝するまでにはもう少し足りない状態。単独0ハンの鈴木一馬はエンジン悪くない。8周戦になって後半のペースがどうなるかがカギ。
スタート争いは、まず0ハンの鈴木は残しそう。10線はほぼ枠ナリだが、最内の斎藤は後手を踏む可能性大。本人もスタートの不安を口にしていた。トップスタートは西原か。それに高橋義弘、篠原、荒尾が乗って行く。その後に平田と高橋貢が出て行く。
当ブログでの本命には荒尾を挙げる。10線からトップスタートを切るまではないにしても、3から4番手には出れそう。今節は3連勝を挙げているようにエンジン面は不安ない。序盤で一気に先頭に踊り出て、そのままの押し切り態勢を築きそう。
相手には高橋貢を挙げる。展開的には楽ではないが、8周戦で通常より2周延びるのは好材料。レース運びの巧さを生かして追撃態勢を整える。次に篠原。武器であるスタート力は健在で、10線から先行まである。不安視されているレース後半のペースダウンも、近況は大幅に改善されてきている。鈴木も怖い存在。独走は得意な上に、スタートで後ろに叩かれる不安もない。10線勢がやり合うようなら記念初優勝の栄冠も待っている。一発怖いのは高橋義弘。枠が魅力だし、西原のスタートに乗って行けるのも有利な点。
◎荒尾聡
○高橋貢
△篠原睦
△鈴木一馬
▲高橋義弘
船橋の開催は残り3節!
伝統ある船橋のさざんかカップも今回で最後。と言うより船橋オートでの開催は今回を含めて残り3回。その状況にふさわしく、地元の選手はほぼ出場する。強力な外来勢を迎え入れ、レベルの高い走りが見られそう。
地元勢は充実してる選手が多い。船橋前節の優勝戦は船橋オールスターに近いメンバーだった。優勝した新井恵匠は、その後伊勢崎で4日間を走り、ここでも優出。エンジンの好調ぶりが窺える。前節船橋の優勝戦で3着だった永井大介も、その後伊勢崎で走り優出。この2車はレース場を問わずエンジンが安定している。
前節船橋で準優勝だった鈴木圭一郎は予選、準決を1着で勝ち抜けておりエンジンは心配ない。優勝戦でも新井を交わせそうな動きがあった。鈴木と同様に予選、準決を1着で突破し優出していたのは中村雅人と青山周平で、この両者も今回に向けて不安要素は見当たらない。レース当日の気候に合わせる程度だろう。復調気配ある池田政和、内山高秀も楽しみな存在。荒川哲也も優出していたが、今節からハンデの変動などには気をつけたい。
外来勢では佐藤裕二が絶好調。お正月の地元開催で優勝すると、その後の伊勢崎でも優勝し、今年早くも2V。素早いスタートからの速攻が冴えている。同地区の森且行、中野憲人は前走の地元開催で優出したが、当日は降雪のため開催中止。エンジンは仕上がっていただけに優勝戦で走りたかったことだろう。
他に、優勝して今節を迎えたのは篠原睦。前走の山陽の優勝戦はフライングをしてしまったが、レースでは力強い動きを見せていた。今後はスタート慎重になるかもしれないが、エンジン面は問題なさそう。同じ優勝戦には浜野淳も進出していた。
佐藤裕二が優勝した伊勢崎の優勝戦に乗っていたのは高橋貢と金子大輔。高橋が5着、金子が6着だったが、予選と準決はともに1着で勝ち上がっていたので、エンジンは悪いとは言えない。金子は全国ランクナンバー1の実力が伴ってきた。
飯塚の大将格・浦田信輔は前走が地元のGI。初日から4連勝を挙げ、優勝戦まで進み4着。本来の安定感が戻ってきている。
直前の伊勢崎開催では反則を取られてしまった木村武之と田村治郎だが、シリーズを通してエンジンは悪くなかった。冬場のスピード戦にも対応できている。岩崎亮一もここで走っていたが、初日に白星を挙げたもののエンジンはやや不足。船橋での上積みに期待したい。
他で注目なのは、船橋連続参戦になる佐藤貴也と益春菜。今回は短ハンデ戦が多くなりそうなので、特に益の活躍の場が広がっていくだろう。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
永井 大介〔船橋 S-5(25期)〕
青山 周平〔船橋 S-6(31期)〕
金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-8(25期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
好調者不在で誰にでもチャンスが!
今節出場する中で、絶好調の選手は特にいなく、優勝争いは混沌としている。それでも飯塚勢が地の利で外来勢を払いのけるか。
地元のランクトップは田中茂。前走は川口だった。3連勝を挙げ優勝戦まで進んだが、優勝戦の日は降雪のため中止打ち切りとなった。リズム良く勝ち上がっていただけに、優勝戦で走りたかっただろう。レース場が変わってどうなるかだが、同じようなエンジン状態になれば優勝はその手にぐっと近づく。
地元のS級で他に調子がマズマズなのは桝崎陽介と東小野正道。ともに前走は船橋3日間開催。桝崎は準決で2着だったが、このシリーズは準決8バトル制で1着のみが優出。そのため優勝戦には進めなかったが、連日試走タイムは出ていた。東小野は準決3着だったが、初日に1着を取っておりエンジンは上々。
地元のS級は久門徹と竹谷隆も出場するが、エンジン的にはやや不足。しかし、地元なら整備もやりやすく、早い段階での立て直しもありそうだ。
山陽からはS級が3選手出場予定。佐々木啓は前走の船橋では初日1着だったが、その後はやや失速。それでもエンジンが大崩れすることは少ない選手なので、それなりの状態には持っていける。角南一如は前走の地元で優出。しかし、優勝戦では見せ場を作ることができなかった。松尾啓史は優勝戦まで進めなかったが、最終日は強い勝ち方をしての白星。今後につながりそう。
最後のS級は遠藤誠。エンジンはずっと好調だったが、ここ2節くらいは少し落ちてきた。ただし、全く戦えてないわけではなく、乗り手でカバーして善戦はできている。早めにエンジンを良いときの動きに戻したい。
A級で好調なのは藤岡一樹、丹村飛竜、浅田真吾あたり。藤岡は前走の地元で優出。優勝戦はイマイチだったが、ここ何節もエンジンは高い位置で安定。スタートも切れている。丹村は前走の船橋3日間で2、3、1着。不安要素だった車のバイブレが解消しており、ここからの巻き返しがありそう。浅田も前走は船橋3日間。準決2着だったが、準決8バトル制だったため優勝戦には進めなかった。それ以外の2日間はともに1着と好調を誇示していた。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-11(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-25(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-28(28期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-34(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-12(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
角南 一如〔山陽 S-45(27期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-47(25期)〕
高橋貢不在の今節は早川清太郎、田村治郎が守護神に!
今回は地元の王者・高橋貢が不在で、地元のS級は早川清太郎と田村治郎の2名。外来は強豪者揃いで、地元の牙城を守り抜くことはできるか。
双璧の一角・早川清太郎の前走は飯塚GI。肝心の準決で反則をしてしまったし、シリーズを通しても勝ち星がなかった。ただし、今回は地元走路。最近の早川は、遠征よりも地元での活躍が目立つ。不本意に終わった飯塚開催のウサを今回晴らしたいところ。もう一人のS級は田村治郎。前走は船橋3日間開催。準決は2着だったが、この時は準決8バトル制で、1着のみが優出という勝ち上がりだったので、優勝戦までは行けなかった。それでも連日良いタイムが出ていたのでエンジン面は上々だ。
外来の一線級は木村武之、永井大介、岩崎亮一といったあたり。しかし、外来で最も状態が良いのは新井恵匠。前走の地元開催ではそうそうたるメンバーを相手に優勝。タイムも素晴らしいモノが出ていた。スタートも切れており、序盤も好展開に持ち込みやすい。若手だけに勢いに乗りたいところ。
その優勝戦で3着に終わった永井だが、エンジンはマズマズといったところ。予選と準決はしっかり1着を決めていたので、それほど心配はない。岩崎は前走が飯塚GI。珍しく準決に乗れなかったが、後半3日間はオール連対を果たすなど、エンジン面に不安を抱えてはいない。木村武之は前走の川口で2着を3本重ね、最終日は降雪のため開催中止。さすがの安定感を示していた。
加賀谷建明はフライング累積の呪縛から完全に開放され、本来のスタートが切れる状態になった。高橋義弘も復帰してからレースを重ね、徐々に元の走りに近づきつつある。伊藤信夫、西村龍太郎はエンジン仕上がってるとは言えないものの、調整次第では十分戦える状態にある。
A級では、前走の初日に反則をしてしまった三浦康平だが、その後の2走はともに2着。前々走の川口では準優勝を決めているだけに、エンジンはかなり高い位置にある。青島正樹はS級にいても何らおかしくない実力の持ち主。前走が今回と同じ伊勢崎なので、セッティング的にアドバンテージがあるか。地元若手では吉原恭佑が着実に力を付けており、今後の成長が楽しみな現状。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-22(29期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-37(30期)〕
木村 武之〔浜松 S-4(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-24(24期)〕
永井 大介〔船橋 S-5(25期)〕
新井 恵匠〔船橋 S-39(30期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-8(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-26(27期)〕