高橋貢が地元の意地を見せる!
伊勢崎のGIIレジェンドカップも優勝戦の日を迎えた。いつもの記念の優勝戦とはやや顔ぶれが異なるのは、GIIの企画開催ゆえだろう。単純なスピード戦では終わらなそうなメンバーとハンデ構成。はたして栄冠を掴むのは誰か。
予選、準決の4日間で最も上がりタイムが良いのは高橋貢の3・388。連日、最終12Rで走っているアドバンテージもあるが、エンジン状態的にも仕上がりは一歩抜き出ている。次に良いのが池田政和と浦田信輔の3・401。他の5選手は上がり3・41を切れていない現状。高橋貢に機力で付いて行けるのは池田と浦田だけ。
レース展開としては、0ハン最内の清水卓が先行して逃げ態勢に入る。それを塚越浩之がマークして行きそう。塚越は4日間をオール連対で来ている。今節はいつも以上のレース内容を見せている。逃げる清水を最初に交わす可能性があるのは、この塚越だ。影山伸はスタート不安とは言え、10線に叩かれることはないだろう。10線のスタートは最内の穴見和正がしっかりと先行。青島正樹が乗って出て、外枠勢も枠ナリに出そうだ。
清水と塚越の逃げペースでは逃げ切れるまではないか。10線勢の誰かがやってくる。今節の仕上がり的に穴見と青島では届かなそうだ。となると10線外枠の3車。
ここは今節の仕上がり1番の高橋が追い切るとみた。スタートこそ枠ナリでも、1周バックで好位に潜り込みそう。そこからは冷静に1車ずつ交わし、8周戦の利点をうまく活かして進出して行く。ランクで浦田に劣るとは言え、地元で他場の選手の内枠からのレースでは負けられない。地元ファンの声援をバックに力走を見せてくれる。
逆転があるなら23期勢。その中でも安定感抜群なのは浦田。ここまで負けなしの4連勝で来ている。完全優勝の可能性があるのは浦田のみ。高橋が抜け出す前の道中で、ワンチャンスを見逃さずに突いて行ければ先着も十分ある。また池田も、高橋、浦田の内枠に入った利をうまく活かし、先手先手の攻めができれば久々の優勝も夢ではない。0ハンの中では塚越が最も期待できる。ここまでオール連対のリズムの良さは驚異的。実力以上の走りができれば10線勢を振り切っての優勝もあるか。
◎高橋貢
○浦田信輔
△池田政和
△塚越浩之
▲清水卓
23期以前までの選手が出場・GIIレジェンドカップ!
今回は若手選手が不在。23期以前の選手のみが参加する企画開催。若手のスピードレースも迫力あるが、ベテランの捌き合戦もオートの魅力を存分に楽しめる。はたして、どの選手が優勝戦に名乗りを挙げるのか。
今回出場するS級選手は7人の予定。地元からは高橋貢のみ。S選手は全員、前走が船橋のGIプレミアムカップ。その時の動きが大いに参考になる。高橋貢は肝心の準決で5着だったが、それ以外はマズマズの内容。最終日もキッチリと1着で締めているので、今回に向けて悪い流れではない。更に、地元開催ということで気合は2割増し。外来勢の猛攻をしっかりと受け止める態勢を整えてくるだろう。
外来勢のS級は23期がほとんど。実力で言えば浦田信輔が一番だが、ここ最近のエンジンはイマイチ。プレミアムカップでは優出できなかったばかりか、シリーズを通して白星さえなかった。試走タイムから劣勢だったので、早々にエンジンを立て直すのが課題になる。浦田と同様、SGタイトルホルダーの池田政和はプレミアムカップの初日、2日目と白星を挙げたものの、3日目の雨走路で8着、準決では不成立と運に見放された。最終日もレース内容は良くなかったので心配だが、今回は大幅にメンバーが軽化されるのでその辺がどうか。
鈴木清は、プレミアムカップの初日にフライング。これは発走合図機が故障していた為、手旗によるスタートだったが、その発進でフライングを取られてしまった。その後のエンジンはそこまで崩れていない。フライングの後遺症がなければ、レース的には十分通用する。佐々木啓はシリーズ前半はエンジン折り合わなかったが、残り2日間は1着を2本取っており、リズムとしては上向き。竹谷隆は全く良いところがなかった。19期の岡部聡は、エンジン自体は安定していた。準決ではスタート遅れて展開が苦しくなったが、エンジン面は悪くなさそうだった。
S級以外では、岡松忠に注目。前走の地元3日間開催で久々に優勝を決めてきた。しかもシリーズを通してオール連対の好結果だった。これを弾みにかつての走りを取り戻してもらいたい。その優勝戦に乗っていたのは岡本博幸と青山文敏。岡本は優勝戦3着。予選準決はともに1着と好成績。青山も優勝戦4着で、予選準決が2着と1着。今回に向けて良いリズムで乗り込める。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
竹谷 隆〔飯塚 S-41(23期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-12(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
池田 政和〔船橋 S-29(23期)〕
鈴木 清〔川口 S-38(23期)〕
浅香 潤〔伊勢崎 A-14(23期)〕
やはり永井大介がフィナーレを飾った!
船橋で行われたプレミアムカップの優勝戦は地元の永井大介が制した。上がりタイム3.361と、圧巻の走りを見せた。
スタートは最内の青山周平が先行。すぐさま永井が青山のインに入ったが、立ち上がりでやや軌道を乱し青山に再びイン入られてしまう。しかし、その後は青山にマーク追走からチャンスを窺う。そして、態勢をしっかり整え綺麗に捌いて行く。逃げに入った永井は大きなコースを走れず、インを抑えて走る厳しい展開だったが、最後まで青山に隙を与えず1番にゴールに飛び込んだ。
試走タイムこそ各車それほど差はなかったが、最後は永井のレーサーとしての経験が優った形。船橋への思い入れは、優出した選手の中で一番だったと思われる。2着には青山が入り、3着は木村武之との競り合いに勝った中村雅人が入った。試走タイム一番時計の25をマークした鈴木圭一郎は、スタートで好位を奪えず車群に揉まれてしまった。これからは大舞台でのスタートが課題になってくる。西原智昭、東小野正道、荒尾聡の外枠勢は見せ場を作れなかった。
このレースをもって、船橋での開催は全て終わった。船橋所属の選手は各地のレース場に戦いの場を移すが、船橋で培った技術を思い存分見せ付けてもらいたい。
波乱が多くありそうなシリーズ!
今回は直前にプレミアムカップが開催されていた関係で、S級とA級上位の選手達は不在。A級中堅以下とB級選手による戦いになる。エンジン的に突き抜けた選手がいないので、優勝争いは混沌模様。誰にでもチャンスがある。気になる選手を挙げていく。
まずは地元から。今回出場する地元の選手の中で、最もランクが上なのは鐘ヶ江将平。前走の川口では優勝戦まで進んでいた。優勝戦では8着だったが、予選準決の3日間は全て2着。マズマズの安定感を示している。スピード自体はS級にも負けないモノがあり、スタートと捌きが安定すればもっと成績がついてくるだろう。鐘ヶ江と同じく川口の優勝戦に乗っていたのは井村淳一。井村の武器はスピード。エンジン仕上ったときの走りは、捲りを多用して強烈に攻め上げていく。前団で車群がゴチャ付いていても、展開を打開できる点は魅力。同じく川口の優勝戦に乗っていたのは牧瀬嘉葵。こちらも走りの特徴は井村に似ている。
阿部仁志は前走の山陽で優出した。阿部はスタートに甘さを残しているが、道中の捌きはかなりのモノがある。また、雨走路も苦にせず乗りこなすので天候に関わらず狙える選手。阿部と同じく山陽の優勝戦に乗っていたのは佳元光義。優勝戦では2着に入る大健闘。3日間シリーズでオール連対だった。独走に入ったときに持ち味を発揮できるので、ハンデが軽いときや0ハン単騎に置かれたときが狙い目。
外来勢ではそこまで好調な選手はいない。それでも連勝中の平川博康や、森村亮など快速派が来場。前団がバラけるようなスピードレースで活躍が期待できる。一発力があるのは稲原良太郎や青嶋裕治など。稲原は良い走りが連続しないタイプで、前日に良い走りをしていなくても当日は狙えることがある。青嶋は試走タイムが出なくても、レースで力走を見せることが多い。
今回は山陽のB級に注意したい選手が多い。日室志郎は前走の地元3日間開催では、オール3着以内の好結果。一人で走るとペースが上がるタイプで、早めに抜け出せそうな位置の時は狙える。西崎洋一郎も前走の地元3日間でオール連対の活躍。一時期スランプに入っていたときもあったが、今は完全に脱出し好走を見せている。白川秀行も長い期間の療養を乗り越えてから、完全に復調している。
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主な出場予定選手
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鐘ヶ江 将平〔飯塚 A-55(31期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-58(28期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-65(32期)〕
亀井 政和〔伊勢崎 A-60(28期)〕
新村 嘉之〔船橋 A-105(27期)〕
岩科 州〔浜松 A-106(27期)〕
福永 貴史〔山陽 A-145(25期)〕
押田 幸夫〔川口 A-237(32期)〕
永井大介が有終の美を飾る!
船橋オート65年の歴史に幕が下りるとき。プレミアムカップの優勝戦が船橋最後のレースになる。優勝戦に進出したメンバーはそうそうたる顔ぶれ。地元船橋からも5人の選手が進出した。最後のレースで勝利の美酒を味わうのは誰か。
準決では第1弾から波乱があった。9Rで先頭争いをしていた荒尾聡と桝崎陽介が接触。競争車が走路上に残り、競争不成立になった。そのため、9Rから優勝戦に進出したのは、予選中の得点上位2車。荒尾聡と東小野正道が優出となった。また、12Rでもスタート後に森且行と岩田行雄が接触し落車。こちらは走路上に競争車が残らなかったため、競争は続行された。
優勝戦の枠番選択は、選択順1位の青山周平が1枠に入る。その後は、2位の木村武之が2枠、3位の永井大介が3枠と選択順に内枠から埋まっていったが、7位の荒尾聡は8枠を選び、8位の東小野が7枠に入る小波乱もあった。
まずはスタート争いだが、ここは最内の青山が先行するとみた。準決でも青山は1枠から先行している。1枠からのスタートには手応えを感じているハズ。それに乗って出るのが永井、木村の順。中村雅人から外は枠番ナリとなりそう。もしかしたら大外の荒尾がカマシ気味で出て行く可能性もある。
スタートが想定通りになると、青山が逃げ態勢に入るわけだが、そのペースはどれほど上がるか。近況の青山はレース後半のタレがなくなり、ゴールまでハイペースで走るケースが多い。最後まで先頭を譲らず逃げ切りも十分あるだろう。しかし、当ブログでの本命には永井を推す。準決では上がりタイム3.355の一番時計をマーク。エンジンの仕上がりは一歩抜けている。逃げる青山をマーク追走から隙を見て差し込みそう。地元船橋の選手にとって、地元で走れる最後のレースになるわけだが、地元5人の中で最も船橋レース場に思い入れがあるのは永井。気持ちを込めて8周回を走り切るとみた。
相手候補には青山を挙げる。スタートで先行できそうだが、ペースが上がればそのまま逃げ切れる。次に、中村を推す。4枠からならそれほど遅れずに出て行けそう。3~4番手に付けられれば、中村にとって十分勝負圏内。道中の鋭い追い込みで劇的なレースを見せてくれるかもしれない。その次は木村と鈴木圭一郎。どちらもエンジンの仕上がりは良い。序盤の位置取り次第では上位争いに参加できる。西原智昭もここ一番でスタートを決めることがあるので注意は必要。
◎永井大介
○青山周平
△中村雅人
△木村武之
▲鈴木圭一郎