執念の追い込みで中村雅人がV!
飯塚で行われたSG全日本選抜オートレースは船橋の中村雅人が制した。トップスタートから逃げ切りを図る青山周平を最終3コーナーで捕らえての栄冠。中村らしいレースっぷりを見せてくれた。
試走タイムは金子大輔が27で一番時計。中村と青山が次いで29。他の選手達は31以上とイマイチの数字だった。
レースはまず最内の青山が先行する。2枠の荒尾聡が乗って出る形だったが、中村が早々に捌き2番手に立つ。試走一番時計の金子は、スタート後に加賀谷建明と接触しかけ後退し、最後方からのレースを強いられた。逃げる青山のペースは素晴らしかった。離れて追走する中村以外は、突き放される一方だった。青山の逃げに必死に食らい付くのは中村。序盤ではその差は大きかったが、周回ごとに縮まっていく。そして、9周3コーナーでは中村が青山のインに入る素振りが見られた。これは伸びが足りず、1回引く形になった。ただし、最終3コーナーで再びインを狙っていく。思い切った突っ込みは、やや立ち上がりで膨らんだものの、しっかり回り切り先頭でゴール。
中盤までは青山の逃げ切りかと思われたが、中村は最後まで諦めなかった。最後の2周は青山も多少ペースが落ちたのかもしれない。元々、小さいコース取りで逃げる青山なので、普通に考えればペースは上がりにくい。しかし、青山の走りは小さく走ってもスピードが出る特殊なモノ。それでも最後は少しタレたか。狭い所でも突っ込んで行ける中村には分が悪かった。
このレースで動きが光ったのは藤岡一樹。スタートで前輪を浮かせてしまい7番手からのレースになったが、そこからの巻き返しが素晴らしかった。前を走る車の動きを冷静に見ながら、攻撃を仕掛けていく。3番手で粘っていた荒尾を差し込むと、はるか前方にいた中村、青山との差を一気に詰めて行った。レース後半の伸びだけで言えば、全車の中で一番だった。スタートで3から4番手くらいに出れていれば、十分優勝争いに参加できていた。今後の楽しみがまた一つ増えた。