え〜っと、水曜日担当でいつもあまり意味のない雑談をアップしている私ですが、なぜか毎週のように、水曜の夜になってから「あ、今日ブログ書く日だった…」と思い出すんですよね。そういうときは大抵ネタも用意していないので、そこから悩んでなんとか話題を捻り出し、水曜の深夜にサーバーに投稿。するとみなさんに読んで頂くのは木曜になることが多いです。前日の火曜日に書いておけば良いのですが、そういう真面目な行動って、私にはなかなか出来ないんですよね…
で、今週も水曜深夜にこれを書いているわけですが、今日はクリスマス・イヴなのです。ですから今夜はろうそくに火をともし、心静かにイエスさまに感謝して……な〜んてことは全くしません^^) 生憎キリスト教徒では御座いませんのでね。
そもそも世界的イベントデーになっている12月24・25日は、実際にはイエスの誕生日ではないそうです。伝えられているイエス生誕の様子を分析すると、実際の誕生日は6月という説が有力で、12月というのは別な宗教で行われている『冬至の祭り』を取り入れたものだとか。もちろん元々は現在のような大イベントではなく、バレンタインデーと同様、商売人達の戦略で次第にエスカレートしたのでしょうね。さらにはサンタクロースのあの格好。赤い衣装に三角帽というのも、某世界的清涼飲料水メーカーが創造したものなのだそうですよ。確かに赤ってあの会社のイメージカラーですものね。
そう聞くとクリスマスなんてあまり意味が無いような感じになりますが、でも私には重要な意義があります!美味しい料理やケーキを食べる口実としてですね(^^;) しかも我が家の場合、イヴ当日はお店が混んでいると嫌なので、外して別の日に行くのです。今年は明日あたり、仕事の取材で知った花巻の洋食屋さんに行こうかなと思っております。
(文・佐藤到)
最近、競馬場に行けない日が結構あります。もともとオープン級の競走も認定も交流も無いときは他の仕事を優先していましたが、今期後半はメインレースがオープン特別であっても、外せない依頼や用事が入ってしまったりしています。そうすると3日間開催の土日月1度も競馬に行けないなんてこともあり、そんなときは翌週、騎手や従事員のおばちゃんたちに「おや久しぶり。しばらく見なかったね!」なんて声をかけられたりして…(因みに2週連続で欠席したことは未だありませんが)。自分としても毎週一回は馬の姿を見ないと、調子が悪いというか物足りないというか、なんかイマイチな感じなのです。
さてそんなわけで先日の日曜も、寒菊賞はワタリシンセイキの勝利を信じつつ、用事で八戸と岩泉をまわってきました。かなり冷え込んだ朝5時半に出発し、順調に予定をこなして昼過ぎに終了。宇霊羅山の圧倒的な山容が迫る岩泉の街の、以前取材で訪れた美味しいイタリアンレストランで遅い昼食をとってから帰ってきました。岩泉というところは北上山地の真っただ中にあり、ここから盛岡方面に向かうには早坂峠を越えなければなりません。峠の前後には昨日降った雪が残っていて、今シーズン初めての本格的なアイスバーン走行になりましたが、快晴の空のもとの雪景色はものすごくきれいでしたよ。
ところで早坂峠には昨年秋に開通した「早坂トンネル」が通っており、それまでつづら折れの難所で冬はなるべく通りたくない、通りたくないけど岩泉の住人にとってはそこしかないというデッドオアライブな道だったのが、このトンネルによって一気に短縮されました。実際、私が初めて早坂トンネルを通過したときは、「え!?もう終わり??」と思うほどあっけなく峠を過ぎてしまい、今までのあのタイトな山道はなんだったのというぐらいトンネルの存在価値は大きい物です。
近年、岩手県では道路網の整備がめざましく進んでいます。前述の八戸から岩泉に向かうときに通った三陸沿岸でも、ところどころに自動車専用道が出来てきていて、将来これらは1本に繋がって「三陸自動車道」となるのだそうです。沿岸添いを走る国道45号線は、現在はリアス式の海岸部らしいアップダウンと急カーブが多いルートとなっており、三陸道が完成すれば絶大な効果を発揮するでしょう。また遠野から釜石へ抜ける仙人峠も、大胆に山々をブチ抜いた「釜石道」が完成しており、かつてトラックなどの事故が多かった細いループ橋を通らなくともよくなりました。
その一方で今のところはちょっと『?』な花巻や渋民バイパスのような例もありますが、まぁそれは置いといて、この広くかつ山々で隔てられた岩手の県土が、道路網の発達により時間距離が短縮されるのは大変良いことですね。沿岸や山間にお住まいの競馬ファンでも、多少は競馬場に行きやすくなった方もいるのではないでしょうか。
…で、以上に挙げた道路は全て国の管轄。「そんなにお金があるなら岩手競馬にもう少し回してよ」と言うのはお門違いですよね。
以前、ガソリン価格が異常に上がったときは愚痴を書いたので、値下がりした今回も少しは話題にしないとフェアじゃないですね。
レギュラーガソリンはリッター200円も目前というところまで行きましたが、少しのあいだ上げ止まったかと思ったら突然の急降下。いま私はディーゼルエンジンの車を使っていますが、軽油はもうすぐ2桁かという値段になっています。こんな値段は十数年ぶりじゃないでしょうかね?いまだけの一時的なものなのでしょうか?
しかし先日もそう思って、燃料タンク半分ほど残っていたのを早めに満タンにしたところ、翌日スタンドの前を通りかかったらさらに1円安くなっていました!う〜む、なんか損した気分。ところがその次の日はまた1円値下がり!うぅっ、悔しいです!! 別に30円とか60円の違いでそれほど損をした訳でもないのに、こういうのって何故にこれほどショックなのでしょうか??私がケチくさいのかな?
それはともかく、先頃まではアクセルを踏む右足首の角度にまで神経を使い、やむを得ず踏み込んでしまったときには、頭の中の燃費計と料金メーターがチーンと上がる思いだった方も多いことでしょう。でも地球環境のためにはそのほうが良いのですよね。燃料費が下がったからと言って、無駄に加速したり、大した用も無いのに車で出掛けたりはしない方が良いに決まっています。私は信号などでの発信加速時に、アクセルをなるべく踏み込まずゆっくりと加速するようにしています。これはずっと以前から実践しているのですが、近年は『e-スタート』という名前を付けて、JAFやチーム−6%などが推奨していますね。ただ私の後ろについた車のドライバーには嫌な顔をされることが多いですが。
燃料高騰時にせっかく身に付いた節約意識。このまま忘れないでいきましょう。
(文・佐藤到)
上映期間ももう終わりに近いのですが、ようやく「三本木農業高校、馬術部」を見てきました。もし今後、DVDやテレビ放送をまっさらな状態で見たいという方は、以下は読まないでくださいね。
ストーリーは青森県十和田市の三本木農業高校馬術部に所属する視力に障害を持った競技馬と、担当となった女子生徒が次第に理解し合い、ラストでは障害飛越競技に出場するという実話に基づいた物語。主演?馬のモデルはタカラコスモスというサクラシンゲキ産駒の元競走馬で、東京の大学で競技馬となってからは数々の大会で優勝し「女王」と呼ばれた名馬だそうです。ところが残念なことに目の病気で左の視力を失い、処分されそうになったところを顧問の先生が引き取って三農馬術部に来たのでした。
映画はタカラコスモス(愛称コスモ)が既に馬術部におり、主人公の香苗が2年生のときから始まります。視界の半分を失ったコスモは気性が荒く、すぐ暴れて担当する香苗の言うこともまったく聞きません。そんなコスモに香苗も始めは「バカ馬」と言い放ってキレてばかりいたのですが、ある時から目が見えない不自由を理解し、懸命に世話をするようになって次第にお互い気持ちが通じるようになります。そして3年生最後の競技会を前に、「私がコスモの目になります!」と言ってジャンプに挑むのですが…
私も一度は乗馬を習う機会があったので、馬と心が通じたり通じなかったりするあの気持ちは少し分かります。それもあってかなり感情移入してしまったのですが、でも乗馬経験の無い人でも、馬が好き、馬の温もりが好きな人なら、ぜひ見てほしい作品だと思いました。
柳葉敏郎さんが演じる顧問の古賀先生は、競技に使えない馬を置いてどうするのかと言われながらも、「こういう馬がいることが何か生徒のためになるんじゃないか」と反対を押し切って引き取りました。そんな古賀先生と、それを許した校長は、それを最高の形で体現した香苗とコスモに、「ありがとう」と感謝の気持ちを表します。もちろん、暴れてばかりの担当馬に心底嫌気がさし、馬術部に入ったことも後悔しはじめていた香苗も、恐怖心から心を閉ざしていたコスモも、お互いが信頼の絆で結ばれ、心を開いてお互いに感謝。そして仲間の部員達などなど皆がみな、馬を中心に暖かな気持ちに包まれる…。それが青森南部地方の自然を背景に、しっかりと描かれていました。見て心温まる映画とは、こういうのを言うのですかね。
最近の日本映画は有名俳優やタレントをたくさん出して、その出演シーンをつくるためか話が散らかって、なんだかすっきりしない作品が多い気がします。この映画も柳葉敏郎さんや、校長役で松方弘樹さんが出演し、そして主演の長渕文音さんは長渕剛さんの娘だそうです。しかしキャスティングで話題を稼ごうという感じが全く無く、しっかりストーリーに没頭することが出来ました。また、こういう出演者が体当たりで何かを体得し、吹き替え無しで演技に挑む映画が私は大好き。例えば『スウィングガールズ』なんかも私のオススメ日本映画に入ります。この作品もエンディングで役者さん達の“修行風景”が映されますが、こうして撮られた映画はなぜか本物の迫力が伝わるんですよね。
余談ですが、柳葉敏郎さんはいまは実家のある秋田の大仙市にお住まいとのこと。こんな日本を代表する素晴らしい役者が、比較的近くの街で生活しているというのはなんだか嬉しいですね。田舎者丸出しの感覚ですが、私は柳葉さんを角館の祭りの中で見掛けたことがあり、それもあってなんだか親近感がある俳優さんです。(笑) そうそう、この映画の主題歌『この胸に…』でメジャデビューを果たしたSTMG(「ステゴマ」と読みます)は岩手の紫波町出身でした。これでますますこの映画を応援したくなりますね。機会がありましたら、みなさんもぜひ見てください。
え〜また競馬のブログでカーレースの話を出すと「オマエよっぽどネタが無いんだな」と思われるでしょうが…
そう思って書かずにいたフォーミュラ1の最終戦、考えるほどあまりにも劇的だったので話さずにはいられずやはり書きます。既に結果を知っている、あるいは当日深夜の生放送を見ていたという方もいらっしゃるでしょうが、しばしお付き合い下さい。
チーム・マクラーレンに所属するイギリス人ルイス・ハミルトン v.s. スクーデリア・フェラーリのマシンに乗るブラジル人フェリペ・マッサ(スクーデリアはイタリア語でチームの意)。2008年のF1世界選手権は、この2人の対決という構図で進行してきました。最終戦ブラジルグランプリに臨む2人がここまで獲得したポイントは、94対87。1〜8位まで与えられるポイントを計算すると、最終戦でハミルトンが5位以内に入れば、たとえマッサが優勝し10ポイントを獲得しても年間チャンピオンが確定するという、ハミルトン絶対有利な状況でファイナルラウンドに向かいました。ハミルトンは昨年もポイントでリードした状況にありながら、最終戦逆転負けを喫した経緯があり、今年こそは史上最年少で王座を獲得したいという意気込みがあります。また一方のマッサは、長い間「皇帝」と呼ばれたミハエル・シューマッハのチームメイトとして脇役に徹し、シューマッハ引退後も“速いときは速いけど崩れやすい”という有り難くない評価が定着していました。しかし今シーズンは速さと共に強さも身につけ、大きく成長してシーズンの主役に台頭してきました。
11月2日、マッサの地元ブラジルはフェラーリレッド一色に染まり、応援する地元ファンの前でマッサは完璧な走りを披露。隙を見せることなくトップでゴールへ向けひた走ります。しかしハミルトンも確実な走りに徹してチャンピオンの条件を満たす4位を走行していました。
ところがレース終盤、サンパウロの空はものすごいドラマを演出します。突然降ってきた大粒の雨がみるみるコースを濡らしていき、軽自動車並みの車重に数百馬力のエンジンを搭載したF1マシンは、ドライ用タイヤでは操縦が極めて困難な状況に。特に今年からはトラクションコントロールという、一種の電子式安定装置が禁止されているので、ドライバーは大変です。各マシンは緊急ピットインを行いウェット用のタイヤに交換。リスクを避けたいハミルトンも当然レインタイヤに履き替えます。ところがコースに戻ったハミルトンのポジションは、4位からひとつダウンしていました!このときトヨタのティモ・グロッグは残り少ない周回数をドライタイヤで走りきる作戦を選択し、ピットインしたハミルトンの前に出ていたのです。これが劇的キーマンその1。
しかしこれだけならハミルトンはまだ5位。王者の冠は手の中にあります。ところが、ハミルトンの後ろには劇的キーマンその2=セバスチャン・ベッテルが迫っていました。ベッテルはF1デビュー2年目ながらめきめきと成長を見せている注目株。今年のイタリアグランプリでは、性能の劣るマシンに乗りながらもとうとう初優勝を挙げています。しかも雨のレースは得意中の得意。徐々にハミルトンの背後に迫ると、コーナーで膨らんだハミルトンのインを突き、ついにチャンピオン候補を圏外に引きずり下ろしてしまいました!まさに天国から地獄へ突き落とされたハミルトン。昨年の悪夢がオーバーラップしてきます。この瞬間、ただでさえお祭り好きなブラジル人観客は総立ちで歓喜の渦。ハミルトンは再び5位を奪い返そうとベッテルに食らいつきますが、相手がミスをしない限りそうそう抜けるものではありません。とうとう6位のまま最終ラップの最終コーナーまで来てしまいました。先頭ではマッサがトップでチェッカーフラッグを受けます。この時点ではマッサがワールドチャンピオン!
その瞬間、私が見ていたCS放送の実況アナは、一瞬事態を把握しきれていませんでした。最終コーナーで不安定な挙動のマシンをかわすベッテルとハミルトン。「最終コーナー、ベッテルに続いてハミルトンがグロックを抜きます……え?グロッグ!!??」ドライタイヤで奮闘を続けていたグロッグが、降り続く雨に足元をすくわれ、まともにドライブ出来ない状況でスローダウンを余儀なくされていたのです。これでハミルトンが王者圏に再浮上!!マクラーレンのピットでは、ハミルトン一家がまさに飛び上がって歓喜に包まれました。片やフェラーリのマッサファミリーも、なんと最終コーナーで起こったドラマを把握しておらず抱き合って喜んでいましたが、チームスタッフに事実を告げられようやく状況を理解します。テレビでは音声を伝えてはいませんでしたが、会話は画面から容易に推測できました。「いや、違うんだ!…違うんだよ…」「えっ…!?」
そしてマッサは表彰台の一番高いところで、目を真っ赤にしながら左胸に手を当て『誇り高き敗者』をアピール。ハミルトンは表彰台には登らずに嬉し涙を流しました。
どうですか?1レース300km×年間18ラウンドの戦いが、最終戦最終ラップの最終コーナーで決着。1ポイント差で明暗を分けるという、見応えのあるドラマでした。ただ、両者ともシーズンを通してミスや取りこぼしが多く、チャンピオンシップポイントが100点に満たない王者という意味で、チャンピオン不在の年だという意見もありました。完璧な王者が君臨したシューマッハ時代や、互いに高いレベルで競ったセナ対プロストの時代とは比較にならないと言うのです。
しかし、2008年のブラジルグランプリが伝説のグランプリに加えられることは間違いありません。ファンとしては、見ていて面白いドラマチックなレースが一番なのですから。
競馬も同じではないでしょうか。世界最高峰、あるいは日本トップクラスのレースでなくとも、見て面白い、引きずり込まれるようなドラマがあれば、地方、岩手でも十分にファン心理を引きつけられると思うのです。
(文・佐藤到)