夏の大イベント、盛岡さんさ踊りが終わりました。
昨年、盛岡競馬場オーロパークを舞台に太鼓の同時演奏でギネス記録を打ち立てたさんさ。今年も昨年に続いて例年より1日多い4日間の日程で催され、増えた分で最終日に太鼓大パレードが行われました。4車線の中央通りを見渡す限り太鼓を持った踊り手が埋め尽くし、圧倒的な音が響いてスゴイ迫力でした。
ところでそのさんさ踊りパレードの中、一部の参加団体は仮装の衣装を披露していたのですが、その中に、なんだか昔の記憶を呼び覚ますものが。。。それは戦隊ヒーロー風の全身タイツスーツ。あれ、何で見たっけ?と記憶を手繰ってみたら、2007年の正月開催期に水沢競馬場で行われたアトラクション、『競馬戦隊勝つーん』でした。
覚えている方いらっしゃるでしょうか?実はこの演し物については『岩手競馬マガジン・テシオ』の07年開幕号の「トピックス」で取り上げる予定で原稿を書いていたのですが、ご存知のようにテシオが急遽休刊となり、お蔵入りしてしまったのでした。
未練がましいのですが、折角の機会なのでここで当時の原稿を引用してみましょう。
実際はこのとき急な発案のためか、準備不足で告知やきちっとしたシナリオも無くグダグダになってしまい、ふじポンの司会でなんとか盛り上げるも、寒い中見ていたお客さん達も「???」な感じに終わってしまったんですよね。当時の関係者の中には、思い出したくもないという方もいるかもしれません(^^;)。
う〜ん、でもですね。しっかりと段取りを踏み、シナリオやリハーサルなど十分な準備をして臨めば、騎馬オペラ『ジンガロ』とまではいかなくとも結構面白いイベントになると私は思うのですが。当時、廃止のウワサがちらほら聞かれる中、少しでも競馬を盛り上げよう、お客さんを楽しませようと立ち上がったジョッキー達の気持ちも素晴らしいですし、なんといっても現役競走馬を使った演し物なんてなかなか無いのではないでしょうか?(一頭一頭馬主に承諾を得たと聞いています)
関係者の方々、もう一度どうですか?
競馬のカメラマンをやっていると、時々「ファインダーを覗いていて勝つ馬がわかるようになってくるんじゃないの?」と言われることがあります。確かにわたくし、十年以上も馬の写真を撮っていますが、正直さっぱりわかりません!(爆)まぁごくごくたまには「あれ、あの馬あんなに元気に返し馬するヤツだっけ?」なんてこともありますが、カメラのレンズを通して違ったモノが見えてくる、なんてことはないですね。まだまだ修行が足りない?というより、撮影の時はピント・露出・構図・シャッターチャンスなどのことで頭が一杯になってしまいます。ちょっと違いますが、団体さんが整列した記念写真(『集合写真』と言っています)を撮るとき、整列のバランスはどうか、前後の人が重なって顔が隠れている人はいないかなどチェックしながら全員を見渡ししているのに、一人ひとりの顔は見ていないというのに似ています。団体の中に知り合いがいたことに気が付かない、なんてこともよくあるんですよ。
カメラマンでなくても、競馬の取材をしている人間は「いい情報もらって馬券でオイシイ思いできるんでね〜の!?」と言われるみたいですね。そんなことがホントにあるのなら、私の周囲の人達ももっと羽振りが良くなっているのでしょうが… 仮に厩務員さんが「今日、俺んとこの馬調子いいんだよ。絶対勝つぜ!」と言ったとしても、他の出走馬がもっと調子良いかもしれませんもんね。
または、それとは逆のパターンもありまして。。。
盛岡の某厩舎に所属するH君は、私とは乗馬教室仲間だったこともあり競馬場で顔を見れば声を掛けたりする間柄。そのH君が昨年の初冬、今度デビューする2歳馬がかなり期待できるから、たくさん写真を撮って欲しいと言ってきました。その馬はちょっと細い感じのする牝馬でしたが、賢そうな目でじぃーっとこちらを観察するような仕草が印象的で、走りはなかなか良いのだそうです。
実際に走り始めると新馬戦は惜しくも2着。その後も昨年度成績(0,2,3,1)と好走するも勝利には一歩届かず、この春からは着外も珍しく無くなってしまいました。どうやらH君も、今年度からは勝ちを焦らず、競馬を覚えさせることに作戦を切り替えたようでした。
そして今月のある日、装鞍所で彼と彼女を見かけて近寄っていくと、何だかふと、腰のあたりが一回り大きくなったような気がしました。「お、今日あたりいいんじゃない?」と話しかけると、「う〜ん、良くはなっているんだけどまだまだ… それに今日は相手が強いからね〜」とH君。ふ〜ん、そうか。さてレースがスタート。ゴール板前でカメラを構え待っていると、H君の愛馬は3〜4コーナーを手応え良くまわり、そのまま先行馬を交わしてするすると1着ゴールしてしまいました。結果は1番人気馬が4着だったこともあり、3連単1,355,690円の大波乱!
エェェェェェェェッ!! あのとき「おぉ!今日は調子いいよ!!」と言ってくれたら、馬単総流しぐらいは密かに買っていたかも!?(それでも約16万円!) ま、人生そんなもんですかね……
毎週水曜にアップしているわたくしですが、昨日は日中用事があったので夜中になってさぁ書こうとしていたら…
いきなりガガガと揺れましたよ。盛岡近郊の我が家は、ちょっと不安定なところに置いてあった鏡が落下して割れました。それだけで済んで、まぁ良かったのですが、先月の岩手宮城内陸地震では落ちなかったもの。体感的にも先の揺れより大きかったです。
盛岡競馬場も大丈夫とは思いますが、何かありましたらご報告いたします。
これを書いているのは地震発生から1時間ほど経ったところ。NHKの臨時ニュースをずっと見ていますが、それほど甚大な被害は現在のところ確認されていません。震源近くの岩手県洋野町の役場や商店の人と電話を繋いで様子を聞いたりしていて、ガラスが割れたり棚の物が落ちたり以上の話は無い模様。しかし洋野町は広く山間部の住民も多いので、明るくなってから何か分かってくるかもしれないので安心できないですね。
それにしても今年の岩手はどうなっているのでしょうか。天災による被害の復旧には莫大なお金がかかります。県のお金が少なからず投じられている事業に関係している者としては、気が気じゃないのですが。。。。
(文・佐藤到)
写真の場所はオーロパークの1コーナー外ラチ。こんなところに!?と思いますが、これは紛れもなく「エキスパンダー」ですよね?きっと誰かがその昔、雑誌の裏表紙あたりに載っていた広告にそそのかされ、マッチョでモテモテな自分を夢見て買ったものでは… というのは勝手な想像ですが、このスプリングの先に繋がっているのは、競走馬たちが帰ってくる引き上げ口に張り渡されたロープ。レース後の馬はここを通って走路を出て、待っていた厩務員のもとで騎手が下馬し鞍を外しますが、レース中はプールのコースロープのようなもので封鎖されています。
ところが、たまに騎手を振り落とすなどして放馬することがありますよね。そうすると馬というのは賢いもので、大概の馬はちゃんと帰り道を覚えていて自分でここに帰って来ます。ただ、飛び越せると思うのか、あるいはパニクっていて目に入らないのか、張ってあるロープに突っ込んでしまう馬が多いのです。(1回転してロープの向こう側に倒れ込んだ馬も見たことあります)そんなときでもなるべく馬が大怪我しないように、ロープが完全に固定されているよりはスプリングで伸び縮みした方が良いだろうという、手作りの工夫なのですね。
また、引き上げ口には向かわず走路をひたすらぐるぐると走り回ってしまう馬もいます。そんなときには係員が数人でオレンジ色のヒラヒラの付いたロープというかテープ?を持って、運動会のゴールよろしくコースを塞ぎ、あるいは上着を脱いで振ったり大きな身振りで制止を試みます。とにかく馬の視界の中で目立ってプレッシャーをかけ立ち止まらせようということなのでしょうが、それでも気が動転している馬は“制止ライン”を簡単に突破してしまうことも多いです。そんなときスタンドからは「なにやってんだよ〜体張って止めろ!」などという声が飛ぶこともありますが、もちろん体は張れません。(笑) 暴走するサラブレッドは人間のタックルぐらいでは止まらないでしょうし、仮に体当たりで止まるとしても、それで競走馬が怪我でもしたら大変。狩りで獲物を捕っているのではないのですからね。なので止まりそうもないなと思ったら、係員は早めにあきらめて道を空けるようです。で、最後はやっぱり馬が疲れて自分から止まるのを待つしかないんですね。
私が見た中では、オーロのコースを確か4周した馬がいました。距離にして約6km半!馬という動物はホントによく走りますね。運動不足な私だったら途中で倒れてしまいそうだなぁ。
(文/写真・佐藤到)
今週月曜日7月7日、おなじみのJRA条件交流競走 『フレンドリートロフィー・ターコイズ賞』に、先日の宝塚記念を勝って中央移籍後のGI初白星を挙げたばかりの(初GIは2007年NHKマイルカップで記録済み)内田博幸騎手が参戦しました。
内田騎手は今年2月まで大井競馬場に所属し、年間505勝の日本記録を持つ3000勝ジョッキー。岩手競馬には2006年のワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手選定競走以来の登場となります。そして岩手人として忘れられないのは、昨年3月、内田騎手が負債に苦しむ岩手競馬に100万円を寄付してくれたこと!夫人が盛岡の出身という縁があるとはいえ、「競馬人として存続し、売り上げを向上してもらいたい。地方競馬の騎手として岩手競馬がなくなるのは身に染みる 」と大金を投じてくれたことには、大変な男気を感じ、また感謝しても感謝し切れない思いです。
あれ、そういえばあの100万円は何に使われたのでしょうね?といっても歳入の一部として組み込まれてしまえば「このお金でファンのために○○を購入しました」というふうにはならないのでしょうが、例えば馬場の管理費に充当したとか、イベント関係の予算を増額してファンのために使った、とかいう報告があったほうが良いんじゃないでしょうかね……? まぁ、内田さん本人にはきっと伝えてあるのでしょう。
ところで、この前日6日は『ホテルメトロポリタン盛岡デー』と銘打ち、全レースに冠名を付し、勝馬投票券購入者へのプレゼント抽選会などがおこなわれました。その中の第8競走は「仁士&麻衣マリッジカップ」という名前。後日メトロポリタンで披露宴を行う予定のお二人は、このレース名のフリップを持って中継画面に登場したほか、メインレース、重賞・岩鷲賞の表彰プレゼンターを務め、そしてレース終了後には走路上で記念撮影をしました。広々とした芝コースを歩く新郎新婦。戦いのターフを歩くその姿は違和感があるかと思ったのですが、意外にも緑の風景にドレスが映えてすごくきれいでしたよ。この様子は披露宴会場でビデオ上映されるそうで、競馬ファンでもそうでない方にも、印象的な式になるのではないでしょうか?
昨年は「さんさ太鼓ギネスチャレンジ」というイベントがありましたが、競馬という枠にとらわれないこんなアイディアも面白いですね。いまこのブログをお読みの結婚間近なアナタ!次は貴方がオーロパークの“緑のヴァージンロード”をふたりで歩いてみてはいかがですか?