
最近、雑誌の出版部から撮影の仕事を頂く機会が増えました。雑誌と言っても競馬雑誌ではなく地元の情報誌や旅行ガイドでありまして、もしかしたら岩手県内、もしくは青森、秋田にお住まいの方の中には競馬と全く無関係な本の中に私の名前を見つけた人がいるかもしれませんね。
で、それら情報誌で多い撮影ジャンルが料理。これは動物の写真が撮りたくてカメラを始めた私にとって、もともとはあまり得意な分野ではありませんでした。それでも有り難いことに撮影依頼をいただき何度も撮っているうちに、いくらかまともに写せるようになったのではないかな、と自分では思っています。こんな私に仕事をくれる雑誌社の方々やライターさん達には大いに感謝ですね。
さてそんな訳で岩手県内を中心に様々なお店に行くのですが、ご存知のように岩手は大変広いのであります。面積は四国4県を合わせたよりも大きく、さらに内陸部と沿岸の間には北上山地が横たわっていて車移動には時間がかかります。都市部に住んでいる方にはなかなか感覚的に理解できないのでしょうが、以前、東京の出版社の指示で県内3カ所の写真を撮ってきてと言うのがあり、合計走行距離400kmほどを一日で廻ったこともありましたね。今の編集部はどこも岩手県内なのでそんなことはありませんが、やはり沿岸南部や北部に行くのは大変。たとえば大船渡に9時でアポイントメントを取っていれば、すんなり行って2時間、何かあっては困るので30分〜1時間の余裕をみれば6時頃にはこちらを出発しなければなりません。6時というと厩舎関係のみなさんには何でもない時間でしょうが、夜更かしの癖がついている私には辛いものがありますです。
余談ですが、岩手競馬ファンの中には遠くからいらっしゃる方も多く、宮古や西和賀町沢内、気仙沼(地理の分からない読者はYahoo!地図を)などから毎週、盛岡や水沢の競馬場に姿をみせています。さらには秋田・青森などから通ってくる人もおられるようで、本当に頭が下がりますね。
ところで、こうして県内のお食事処を歩いていますと、美味しい物情報が自分の中にたくさん集積されてきます。撮影終了後、お店のご厚意で「良かったら食べてってよ」となることも少なくなく、1日に3軒もごちそうになって腹がキツイなんてこともありますが、それでも“残さない主義”の私は全て美味しくいただいてきます(^^)。宣伝になってしまうのでここで店名を挙げるのは控えますが、ラーメンから自腹ではなかなか食べられないような豪勢な前沢牛ステーキまで、岩手にはとっっっても旨いものがたくさんありますね。なかでもパスタの国というイメージが変わるイタリアンの店や、涙が出るほどの地鶏卵プリン、初めて体験した火鍋やホヤのフライなどが印象に残っています。水沢にも“ラーメン王”が通うラーメン屋や、全国から通販の注文が集まるシュウマイを作っている中華料理店なんかがありますよ。もし興味がありましたら、競馬場で私に声を掛けてみて下さい。
(文/写真・佐藤到)
今日の昼食は以前から気になっていた近所のそば屋へ。
住宅街にひっそりとあるその店では、十割そばと、名物の「げそ天カレー」をおいしくいただいたのですが、ふと窓の外を見ると、そこはリンゴ畑。
私の住む滝沢村は、夏はスイカ、秋はリンゴがたくさん収穫されます。昨日あたりからこちらはすっかり寒くなって、あれ、もう冬?とも思えてしまいますが、リンゴが赤く実っているのを見ると秋をしみじみと感じますね。
しかし↑の写真、カメラマンのブログとは思えませんね〜。このときはカメラを持ち合わせていなかったので、携帯の内蔵カメラで撮りました。カメラマンといえどいつも重い一眼レフを持ち歩いているわけではないのです。(笑)
ところで、写真に写っている光るヒモのようなものは何か分かりますか?これは農作物を鳥害から守るテープで、ようするに風に揺れてキラキラ光り、実を狙う鳥たちを「びっくりさせる」もの。最近は少なくなった気がしますが、以前は田んぼのスズメよけとしてよく見られました。
私はこれを見るたび思い出すことが…
数年前のこと。私の実家のある宮城県南部でちょっとしたミステリーが起こりました。市街から外れた山あいの田んぼの真ん中で、ある晴れた日の夕方、突然爆音が響き地面に1m程の穴が。穴の周辺では石やコンクリートが溶けてガラス化しており、数千度以上の高温になった痕跡が認められました。山あいと言っても付近には国道4号線と東北本線が走っているし小学校もあり、爆発物を仕掛けた様子は目撃されていません。また雷が発生するような天気でもありませんでした。
UFOのしわざか?あるいは隣の市が霊現象否定で一時テレビを賑わした大槻教授の出身地ということにひっかけて、「ほら!プラズマだ!!」騒ぎ立てる人もいましたが、まもなく目撃証言が出てきました。それによると、爆発の直前、スズメよけテープが風に吹かれて空を漂っていたというのです。スズメよけテープはアルミ製。現場には送電線が通っています。これにより、風で飛んできたスズメよけテープが送電線に引っかかって垂れ下がり、地面と接触。瞬間的に数万ボルトの電気が流れて地面に穴をあけたと結論づけられました。薄っぺらいアルミのテープは一瞬にして蒸発したのでしょう。
静かな田舎町のミステリーは、探偵ガリレオが登場するまでもなく解決しました。しかしスズメよけテープが外れて飛ばされていることはそれほど珍しいことでもありませんが、こんなことが起こるなら気を付けなければいけませんね。
(文/写真・佐藤到)
小野寺三男厩舎所属のムーンロードは2006年金沢デビュー。一時、佐賀を経て今年の開幕週から岩手競馬に出走し、菊池康明騎手を背にこれまで4勝と善戦している。
ムーンロードというと、直訳すれば月の道。太陽が星座の星々を背景に動いてゆく天球上の道筋を『黄道』というのに対し、月の道筋は『白道』と呼ばれる。しかし白道に当たる英単語は moon’s path だそうで、残念ながらムーンロードとは言わないようである。
黄道という言葉は『黄道12宮』つまり星占いの12星座で聞いたことがある方も多いでだろう。黄道12宮は黄道上を太陽が1年で一回りするときに通過する12の星座を占術のシンボルとして利用したもので、生まれたときに太陽が位置する星座がその人の星座(太陽宮)となるのはご存知のとおり。例えば冬の星座の代表格である牡牛座や双子座の人は6月7月あたりの生まれということに、私などは少し違和感を覚えてしまうことがあるが、しかし生まれの星座は輝く太陽と一緒に昼間の空に上っているわけだから、いわゆる季節の星座として夜空に見られる星座のイメージとは正反対で当然なのである。
一方、白道○○宮という言葉は聞いたことがないが、これは白道が18.6年の周期でそのルートが変化するためであろう。黄道も僅かながら変化はしているものの、その周期は2万5千年以上ととんでもなく長いので、西洋占星術の起源となる古代バビロニア時代から現在まで大きくは動いていない。
ところが東洋には『宿曜経』という“月の星占い”があるのだそうだ。これは紀元前のインドで文殊菩薩(!)が作り、仏教と共に中国に伝来して日本へはかの弘法大師空海が持ち込んだと言われている。こちらはなんと27もしくは28の“宿”があり、月の位置が一晩ごとに変化するのに対応して誕生日1日ごとに宿が変わってゆくという、結構めまぐるしい占術である。
占星術というと、よく「人間の性格がたった12に分類されるハズがない」「同じ日に生まれた人間は性格が同じということになるではないか」という声を聞く。しかし、ちかごろ西洋占星術に凝り出した知人によると、太陽・月・惑星などが成す角度(同じ誕生日でも年が違うと異なる)や、生まれた瞬間に東の地平線から上ってきている星座(上昇宮・生まれた場所=経度で異なる)などによって全く違ったものになるのだそうで、ひとくちに星占いと言ってもなかなか奥深い世界のようだ。そもそも占星術は天文学と一体として発達しており、近代、アイザック・ニュートンが登場するあたりまでは科学の一部門として認められていたのだから奥深いのも当然なのかもしれない。
さて、件のムーンロードは占星術的にはどうなのであろう?ムーンロードは2004年4月17日の門別生まれ。さきほどの知人に見てもらったところ、生まれた時間が分からないので詳しくは言えないが、という注釈付きで
行動と思考が一致するタイプで、感情が表に現れやすい
悪く言えば気まぐれ自分勝手で調子に乗りやすいが、
褒めれば伸びるタイプ
と鑑定された。関係者のみなさん、参考になっただろうか?
(文/写真・佐藤到)
大盛況の南部杯が終わった翌日、私は機上の人となり、奈良へと向かっていました。いまは時間もお金も無い時期なのですが(金が無いのはいつもだな…)、親族の用事があってどうしても外せず、仕方なく早期予約割引の航空券を手配したのでした。私は国内旅行で飛行機を使うことがこれまであまり無かったのですが、早期割引って安いんですね。いかに安く行こうかと色々な交通機関やルートを検討していて、新幹線よりずっとお得だと知りました。さらに安価な夜行バスと迷いましたが、体力的負担と時間の有効利用を考えると、やはり空路をとるのが正解でしょう。なるほど、全国の競馬場を飛び回っているカメラマンやライターさんたちはこういうのを利用しているんですね。まぁ私の財布にはお得と言ってもかなりの負担でしたので、そうそう使うことは無いでしょうが…
いわて花巻空港から関空へ。そしてJBCを目前に盛り上がる園田競馬場を横目に、連絡バスでまっすぐ奈良県へと入りました。
ほどなく気が付いたのですが、住宅地の雰囲気が見慣れた東北の街とは違います。それは東北では少ない瓦屋根のせいなのですが、県境を越えて奈良に入ると、それまでの大阪ともまたずいぶん違って見えるんですよ。奈良の街の景色はどことなく重厚感を感じます。私が奈良に古都のイメージを持っていることや、向かったのが県庁所在地の奈良市ではなく南部の方だったせいもあるかもしれませんが、しかし少し観察してみると、それは折り重なる黒い屋根瓦と、漆喰で白や黒に塗られた壁から来ているようです。それが歴史的建物や古い民家だけでなく、普通の家でそういうデザインになっている家屋が圧倒的に多いんですね。新興住宅地らしき地区を除けば、新築の家でも周囲の雰囲気を守って建てているようです。
これは相当大変なことですよ。新しく家を建てるなら、今風の洒落た家にしたいと思う人が多いと思います。実際、近年の流行に影響され、田んぼのそばに南仏プロバンス風の集落が出現なんていう場所も日本中で多く見られるのではないでしょうか。しかし奈良の住人は街の調和を優先し、昔ながらの外観を建築家にオーダーしているんですよね。
同じことは、武家屋敷で有名な秋田県の角館でも感じたことがあります。こういう街の住民の方々は、自分たちの街を相当大切に思っているに違いありません。一方で、盛岡も含めた全国の多くの街では、高層マンションやショッピングセンター、再開発や道路拡幅などで、急速に「その街らしさ」が失われていっています。街並みや景色の価値を改めて考えさせられた、今回の旅でした。
次に私が奈良を訪れるのはずっと先のことになると思います。しかし素晴らしい古都の景色が、いつまでも守られることを願っています。
(文/写真・佐藤到)
先日このブログでカメラが故障した話を書きました。結局それは9万3千円という非常に痛い請求書を残して完治したのですが、身の回りのトラブルは実はこれだけにとどまっておりません。
私の家にはパソコンが3台あります。1台は家用のiBookで主に家内が使い、1台は私が仕事で持ち歩くWindowsなのですが、このノートPCには持病があり、たまにメモリが壊れるので、それでは仕事にならんとこの夏、もう1台安めのデスクトップ機を購入して都合3台となっていたのです。ところが最近、ノート2台が立て続けに起動しなくなり、Winの方は増設したメモリを外すことで直ったのですがiBookは未だに眠ったまま。。。仕事では少し使いにくいので完全に趣味で持っているMacchintoshですが、修理代をかけて復活させるかどうか考え中です。
さらに考えてみると、ここ3〜4ヶ月の間には炊飯器も電源が入らず買い換えたし、FAXやHDD-DVDビデオデッキも不調をきたしてハラハラした覚えがあります。ここまで次々と電気製品が壊れると、あまりのツキのなさにただの偶然ではないのでは?とさえ思わずにはいられません。
人にこの話をすると、たいていは静電気体質を疑われるか、あるいは何かに憑かれているんじゃないの?ということになります。話がオカルトめいた方向にいくと即、マユツバとみる向きもあるでしょうが、私は「科学で証明できないものは存在しない」というよりも、「科学はすべてを証明できるほど万能ではない」と考えた方がロマンがあって好きなタチなので、オカルトも否定はしません。とはいえ、私には霊感なんて全然ないし、ましてぼんやりとした人影を見たとか、夜中に体が動かなくなったとかいうことも一度もないのですが……
しかしそう考えてみると、以前テレビ番組で見た森公美子さんの話が脳裏をよぎります。森さんは私と同じ宮城県出身の声楽家ですが、むかしから霊感が強いのだそうで、亡くなった友人が幽霊となって遊びに来たエピソードは有名です。古典的イメージでいくと幽霊というものは沈痛な面持ちで恨めしや〜とか言うものだと思うのですが、このご友人、やけに明るく元気にお話をした上、「私ずーっと合気道やってで集中力あっから、ほらすっかり見えるでしょ。足のない幽霊っているでしょ?あれは集中力がたんねぇんだ!」とご教示なさったとか…。それは余談ですが、同じ番組内で、幽霊というものは電気系統だから電気製品をすごく使うという話が出ていました。
霊は電気製品をコントロールしやすい…。まさかね…、とは思いながらも、先日取材先のパワーストーンショップでお土産に頂いた、破魔と浄化の力があるという石を携帯のストラップに取り付けた私でした。。。。
(文/写真・佐藤到)