松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
岩手で行われる3つのグレードレースのうち、2つ目が終わりました。JRAの強豪を真正面からねじ伏せたのは、船橋のプライドキム。クラスターカップ史上2頭目の地方競馬所属勝馬となりました。
レース評などは各所で語られるでしょうからここでは書きませんが、じつは私、プライドキムを目にしたのは今回が2度目。前回は川崎で行われた2004年の全日本2歳優駿のときで、当時中央所属だったプライドキムは、4馬身差の圧勝劇で2歳チャンピオンの座についたのでした。といっても、本当のところ私の遠征目的は翌日の報知オールスターカップのほう。こちらはウツミジョーダン&小林俊彦騎手が、南関馬を蹴散らし見事勝利したレースだったのですが、せっかくだからと予定を1日早めて川崎入りしGIレースを撮影していたのです。
そのときの勝馬が長いスランプを経て地方馬として復活したわけですが、まさか南関所属となって初めての遠征で岩手にやってきて、私の目の前で再びグレードウイナーに輝くとは! そういえばレース前の装鞍所で、プライドキムが私の方をじっと見つめていたっけなぁ……「お、久しぶりだね。今日は頑張ってきっと勝つから単勝馬券でも買っておいてよ。」……おっとっと、妄想モードに入ってしまいました。
ティーンエイジャー川島正太郎騎手の笑顔と、プライドキムの瞳が印象に残る今年のクラスターカップでありました。