
12月31日(日)、大みそか恒例となった岩手競馬グランプリ「第47回桐花賞」(水沢2000m)の出走予定馬が発表された。
・ヴァケーション(ファン投票1位)
・ゴールデンヒーラー(同2位)
・ノーブルサターン(同3位)
・オタクインパクト(同5位)
・レールガン(同6位)
・ホッコーライデン(同7位)
・スズカゴウケツ(同10位)
・グローリーグローリ(同17位)
・マナホク(同21位)
・ラブロック(同24位)
・マイネルアストリア(報道推薦)
・フレイムウィングス(報道推薦)
水沢2000mのフルゲートは12頭。補欠馬もいないので、最大頭数は以上12頭で覇を競う。戦前のムードはファン投票1~3位ヴァケーション、ゴールデンヒーラー、ノーブルサターンの三つ巴模様。結果は年度代表馬の争いにもつながり、各陣営とも力が入る。
昨年はノーブルサターンが優勝。南関東から転入初戦、トウケイニセイ記念と重賞2連勝を飾り、シーズンを終えた。2着はヴァケーション。JBCクラシック10着後、調子を崩したため、ぶっつけで桐花賞へ臨んだが、0秒1差で惜敗した。
しかし、今年のヴァケーションはトウケイニセイ記念2着。川崎・スパーキングサマーカップ12着以来、3ヵ月半ぶりの実戦ながら、早め先頭に立って見せ場十分。健在を誇示した。桐花賞でノーブルサターンを打倒できれば、年度代表馬の可能性も高くなる。
一方、ゴールデンヒーラーはフェアリーカップ、青藍賞を連勝し、復活宣言。南部杯は前年より2つ着順を落としたが、7着入線。船橋・クイーン賞は8着に終わったが、その後は桐花賞へ照準を合わせて調整を進めている。ベストは盛岡マイルだが、水沢コースも11戦6勝2着2回3着1回。
2歳時は最優秀短距離馬に選出されて3、4歳時は最優秀牝馬の栄誉を獲得。今年はさらにビッグな勲章が欲しいところ。今回のメンバーなら主導権を奪うのはほぼ確実。展開的にもカギを握るに違いない。
決戦の火ぶたは12月31日、15時35分(第10R)。この日をもって岩手競馬は冬休みに入り、まさに最終決戦の舞台となった。
毎年、この時期に悩まされるのが降雪による開催取り止め。先週12月18日(月)、降雪による走路悪化のために取り止めとなった。みなさんにご迷惑をおかけしたが、不幸中の幸い、17日(日)、19日(火)は無事、開催できる運びとなった。
開催情報の確認は岩手競馬公式ホームページ等をご覧ください。発表は午前7時から8時ぐらい。今週末は最強寒波の襲来が天気予報などで伝えられているが、奥州市水沢地区は曇り一時雪の予報。ただ、あくまでも予報ですので、開催情報は岩手競馬公式ホームページでご確認ください。
今週の岩手競馬
12月24日(日) メイン11R「夢・希望・未来へ前進」(B1級 水沢1400m)
12月25日(月) メイン11R「アラバスター賞」(B1級一組 水沢1600m)
12月26日(火) メイン11R「アンドロメダ賞」(B2級三組 水沢1600m)
文/松尾康司
12月10日(日)、金杯トライアル「第22回寒菊賞」(水沢1600m)が行われ、2番人気に支持されたレッドオパールが快勝。前半は5番手に控え、3コーナーからスパート。4角で先頭に立ったセイバイラックに並び、残り200mで交わすと3馬身差でゴール。北海道1勝から転入2連勝を飾り、初重賞を手にした。
山本聡哉騎手「ゲートの出方次第だったが、いいスタートを切れたし、外枠だったので馬なりで追走した。もう少し前の位置も取れたと思うが、入れ込みがきつかったので脚を貯めた方がいいと判断して5番手で我慢させた。前回、動き出しでもたついたので3コーナーからスパートをかけたら、今日は反応がすばらしく、最後がどうかなと思ったが、しっかり伸びてくれた。母(アイアムオパール)にも騎乗したが、気難しいけど能力がある馬だった。ボク自身も(手術から)復帰後の初重賞ですからね。非常にうれしいです」
菅原勲調教師「今日はいつにも増してゲートが良かったので、ちょっと掛かっていたが、強いレースだったと思う。レッドオパールはどんな流れにも対応できるから、先々も楽しみ。母は自分のところで5勝(岩手では通算7勝)して繁殖入り。いい仔を出してくれた。今シーズンは今日の一戦で終える予定。レース前から寒菊賞を使うか、金杯を使うかの二者択一だったので、金杯は見送ります」
山本聡哉騎手のコメントにもあったが、母アイアムオパールは中央未勝利から岩手入り。通算7勝をマークしたが、主戦ジョッキーが山本聡哉騎手。その後、繁殖入りし、初年度産駒がレッドオパール(父ニシケンモノノフ)で、門別・山口竜一きゅう舎でデビュー。2戦目で初勝利をマークし、転入前の門別1000m戦で山本聡哉騎手が騎乗依頼を受けた。
と言うのは当日、同騎手は道営記念でホッコーライデンの騎乗依頼を受けて遠征。山口竜一調教師から「岩手の馬主さんだから、レッドオパールに乗ってほしい」と言われ、ほぼ時を同じくしてオーナーからも騎乗打診を受けた。
今回、寒菊賞優勝後、山本聡哉騎手にインタビューを依頼した。指の手術から復帰、重賞を制するまでの過程を書く予定なので、『うまレター』1月号をご覧になってほしいが、勝利インタビューの雑談での話が印象に残った。「久々の重賞もうれしかったが、縁があって岩手でもレッドオパールに騎乗。重賞も制覇できてみんなが喜んで、そして感謝されました。やっぱり勝つっていいですね」と。
翌11日(月)はオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ(2戦)」が行われ、坂口裕一騎手が1戦目4着、2戦目1着の成績をあげて総合優勝を果たした。
坂口裕一騎手「騎乗馬に恵まれましたが、2戦目(キモンリッキー)をうまくコントロールできなかったのが残念。それでも馬が強かったので勝つことができました。今回のボーナスはオフシーズンの旅行(坂口君、ごめん。ばらす。沖縄)資金にします。来年は3連覇を目指したいと思っています」
余談だが、第1戦の優勝は=高橋悠里騎手=アサンテギアだったが、2着に退けたのが1番人気サトノマッスル。実はサトノマッスルは高橋悠里騎手のお手馬で自きゅう舎所属。忖度なしに気迫あるプレーでわずかクビ差だったが、ゴール前で交わした。これぞゴールデンジョッキーズの戦い。2戦とも迫力満点だった。
今週の岩手競馬
12月17日(日) メイン11R 「冬至特別」(A級一組 水沢1900m)
12月18日(月) メイン11R 「白鳥特別」(A級二組 水沢1600m)
12月19日(火) メイン11R 「スプリント特別」(オープン 水沢1400m)
文/松尾 康司
先週12月3日(日)、水沢1600mを舞台に「第22回トウケイニセイ記念」が行われ、3番人気に支持されたノーブルサターンが完勝。2着ヴァケーションに1馬身半差をつけ、トウケイニセイ記念2連覇を飾った。連覇はトニージェント(3連覇)、テンショウボスに続いて史上3頭目と偉業を果たした。
レースは2番人気グランコージーが逃げ、1番人気ミニアチュールが追走。ハイペースを形成し、縦長の展開となった。3番手インにヴァケーション、4番手外にインテンスライト、5番手グローリーグローリ、その外にノーブルサターン。
グランコージーが快調に飛ばしたかに見えたが、3~4コーナー中間でヴァケーションが先頭。ノーブルサターンも遅れずスパートをかけ、直線は2頭のマッチレース。残り100mでノーブルサターンが抜け出し、北上川大賞典に続いて重賞2連勝を飾った。
高松亮騎手「今回も強い競馬をしてくれて頭が下がります。感謝しかありません。前回(北上川大賞典=2600m)は緩い流れだったが、今回は距離が1600m。間隔も短かったので半信半疑の面があったが、返し馬の感じ良くて、これならば大丈夫だと思った。あとは流れを見ながらレースを進めた。早めに先頭に立ったヴァケーションに離されないで追走できたから、直線で交わすことができれば勝てるなと思った。次走の桐花賞はみんなが狙っているレースでしょうが、ぜひ連覇したいと思っています」
板垣吉則調教師「今日は中1週のローテーションだったが、状態が良かったので心配にはならなかった。2600mらいきなり1600mに短縮されても気にならなかった。去年もトウケイニセイ記念を実際に勝っていますからね。4ヵ月休養したのは夏負けもあったからだが、今の季節が合うんでしょうね。次走は予定どおり桐花賞。2連覇を目指します」
終わってみれば昨年の桐花賞と同じ結果。3歳馬ミニアチュール、快速グランコージー、新興勢力の挑戦も少なくなかったが、ノーブルサターン、ヴァケーションは格の違いを見せつけた。
ノーブルサターンはトウケイニセイ記念の連覇で今シーズン、シアンモア記念、北上川大賞典に続いて重賞3勝目。大混戦だった年度代表馬の争いから一歩抜け出した格好だが、仮に桐花賞をヴァケーションが優勝すれば、逆転の目も十分。まさに大みそか12月31日が雌雄決戦の場となる。
同日、トウケイニセイ記念の表彰式終了後、木村暁騎手の引退セレモニーが行われた。開始が17時ぐらいからだったが、多くのファンが木村暁騎手の引退、そして調教師合格を祝った。
木村暁元騎手「寒い中、たくさんの方々が集まってくださってありがとうございます。ジョッキー仲間のみんなにも感謝します。調教師開業は2月。3月競馬に合わせて準備を進めていきます。今後は調教師として岩手競馬を盛り上げていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
木村騎手、お疲れさまでした。今後は調教師として強い馬を育てて岩手競馬を盛り上げてください。
今週の岩手競馬
12月10日(日) 「第22回寒菊賞」(2歳 水沢1600m)
12月11日(月) 「ゴールデンジョッキーズシリーズ(2戦)」(10R・B2級水沢1400m、11R・B1級・1600m)
12月12日(火) 「阿久利黒特別」(2歳 水沢1600m)
文/松尾 康司
千葉博次きゅう舎所属の木村暁(さとし)騎手が12月1日に調教師免許を取得。それに伴い、11月30日をもって騎手を引退する。同騎手は2002年4月20日デビューし、7戦目(4月29日)、ロイヤルエリートで初勝利。また昨年5月8日、ヴァケーションに騎乗してシアンモア記念を優勝。初重賞を獲得した。
ラストライド(最後の騎乗)は11月28日、第12R「夢・希望 未来へ前進」(B2級四組)エイシンヌチマシヌ。5番人気に支持され、後方待機策から渾身の追い込みに賭けたが、善戦及ばず6着。しかし3着以下は0秒1差。横一線でゴールし、馬券対象にはあと一押しだった。
調教師免許の合格後の木村暁騎手インタビューを紹介したい(IBC岩手放送 競馬中継より)。
木村騎手「初挑戦でまさか合格するとは思っていませんでした。毎日多くの時間を使って勉強しましたが、集中してできました。一次試験が競馬法でしたから、難しかったですね。この世界に入ったら仕事を全うしたかったので、いずれ調教師になりたいと思っていました」
―今回、調教師試験を受けようと決めたのは?
「今年春、先生(千葉博次調教師)から打診を受けたので、それならば受けてみようと。免許交付は12月1日ですが、準備に結構、時間がかかります。ですから3月の春競馬開幕から開業したいと思っています」
―どんな調教師になりたいですか
「関係者、ファンから愛されるきゅう舎作りが第一。そして強い馬を育てて岩手競馬を盛り上げたいと思っています。騎手引退は後ろ髪を引かれるところがありますが、前に進むしかない。これから忙しい日々が続くと思います」
木村暁騎手の引退セレモニーは12月3日(日)、最終12R(発走:16時30分)「第22回トウケイニセイ記念」の表彰式終了後。20年余りの騎手生活にピリオドを打つ木村騎手にエールを送ってほしい。
今週の岩手競馬
12月3日(日) メイン12R 「第22回トウケイニセイ記念」(水沢1600m)
12月4日(月) メイン12R 「スプリント特別」(オープン 水沢850m)
12月5日(火) メイン12R 「師走特別」(A級一組 水沢1600m)
文/松尾庫司
先週21日(火)で今季の盛岡競馬は全日程が終了した。シーズンフィナーレを飾った重賞は岩手競馬のロンゲスト・レース「第45回北上川大賞典」(盛岡ダート2600m)。
1番人気は一昨年2着、昨年3着レールガン、2番人気に支持されたのは芝2400m交流・せきれい賞2着ゴールドギアだったが、優勝は5番人気ノーブルサターン。最内1番枠を引き当て、先手を主張。あとはマイペースに持ち込んで鮮やかな逃げ切りを決めた。
高松亮騎手「行く馬が不在だったし、盛岡だとゲートがいい。それに内枠も引いたので、逃げようと思った。最初はある程度、流れを速くしてからペースを落としたが、2、3番手につけた馬が控えてくれたので競馬がしやすくなった。ペースがペースだったから、どこかで動く馬がいるだろうとは思っていたが、残り400mでゴーサインを出したら反応してくれたので、これなら大丈夫だと思った。北上川大賞典は勝ちたい重賞の一つでしたから、とてもうれしい。今回は休み明けを叩いて状態も上がっていたので、冬の大一番に向けていい結果を出せたと思う」
板垣吉則調教師「7月から秋田の牧場に移動して完全休養させた。なので復帰戦は体重が減っていてもあまり気にならなかったし、ひと叩きされた今回はいい感じで仕上がったと思う。自分のイメージでは530キロ台がベスト。今日ぐらいがちょうどいいと思っている。今後の予定は状態を見ながらだが、昨年と同じくトウケイニセイ記念、桐花賞を考えている」
ノーブルサターンは昨年12月に南関東から転入。いきなり重賞・トウケイニセイ記念、桐花賞と2連勝を飾ってシーズンを終了。今季は休み明け2戦目のシアンモア記念を快勝し、健在を誇示した。以降は一條記念みちのく大賞典7着、マーキュリーカップ10着から休養。復帰戦5着を叩いて反応が一変した。
今シーズンのオープン戦線は勝ち馬が次々と替わり、混とん状態ままで12月を迎えたが、ノーブルサターンは今度でビッグレース2勝目。古馬陣では一歩リードした印象。それでも年度代表馬の座は桐花賞までもつれるのは確実。
現時点での候補馬は一條記念みちのく大賞典を圧勝したヴァケーション、フェアリーカップ、青藍賞圧勝で復活を遂げたゴールデンヒーラーは29日、JpnIII・クイーン賞(船橋)も重要レースとなった。
そしてダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)、ひまわり賞(オークス)、OROオータムティアラと牡牝馬クラシック四冠を獲得したミニアチュール。ロジータ記念は善戦及ばずブービーに敗れたが、桐花賞へ駒を進める可能性は相当高く、大みそかの恒例行事・桐花賞が年度代表馬に直結する一戦となった。
今週の岩手競馬
26日 メイン12R 「ひいらぎ賞」(B1級 水沢1400m)
27日 メイン12R 「太夫黒特別」(2歳 水沢1600m)
28日 メイン12R 「夢・希望 未来へ前進」(B2級四組 水沢1600m)
文/松尾庫司