
3月10日(月)、第1R・C2級(850m)で2番人気に支持されたスピードスターが、2番手キープから逃げた1番人気ナナドリームをゴール前できっちり捕らえて快勝。陶文峰調教師が開業2戦目でうれしい初勝利を飾った。
前日9日(日)、岩手競馬の再開初日第3R・C2戦でメルティーショコラで調教師デビュー。3番人気4着だった。厩舎第1号を送った陶文峰調教師。「今までと違う"ドキドキ"を感じました。騎手時代と違って見守るしかできないですけども、その分違う目線で見ることができているのは新しい感覚です。結果4着でしたが、良いレースをしてくれたと思います。調教師としては新人で、分からないことがまだ多いので、これからも勉強して覚え ていきたい。最初から多くは望まないようにして、とにかくまず人馬とも怪我なく無事に完走できること。その後に結果がついてくれば良いのかなと思っています」
調教師デビュー後、以上のコメントを残したが、翌日2戦目で早々と初勝利を飾り、幸先のいいスタートを決めた。再び陶文峰調教師「思ったより早く初勝利をあげることができました。スピードスターは門別で1勝。大井で2勝。南関東C2級へ在籍していましたし、2月まで実戦を使っていた。それに前で競馬ができるのでゲート前からドキドキして見守っていましたが、ジョッキーがうまく乗ってくれました。馬主さんも水沢にいらっしゃっていましたから、いいタイミングで勝てました。いっしょに口取り写真も撮れましたから非常にうれしいです」
昨年11月24日(日)、「第46回北上川大賞典」(水沢2500m)でサクラトップキッドに騎乗。この一戦が騎手として最後の重賞騎乗となったが、見事勝利を飾った。さらに騎手ラスト騎乗となった11月26日(火)、最終12Rではゼットセントラル(2番人気)にまたがってロングスパートを決めて快勝。引退レースを勝利で締め括った。
そして今回は調教師2戦目で早々と初勝利を飾り、陶調教師に「持ってるな!」と祝福したら、にっこり。今後の目標は?の質問には「1勝したので、次は2勝目。今年の目標はあえて作らず一つ一つ積み重ねていきたいと思っています
ちなみに厩舎ユニフォームは陶文峰調教師が騎手時代の勝負服をイメージして作られた。赤ベースに黄色星。そして厩舎スタッフと相談して黒の斜線を加えた。チャンスがあったら陶調教師のユニフォームにも注目してほしい。
今週の岩手競馬
3月23日(日) 「第50回あやめ賞」(3歳牝馬 水沢1400m」
3月24日(月) 「夢・希望 未来へ前進」(B1級三組 水沢1600m)
3月25日(火) 「タンザナイト賞」(B1級一組 水沢1600m)
いよいよ今開催の通常開催は12月28日(土)~12月31日(火)の4日間で終了。2ヵ月余りの冬休みに入るが、先週は落馬中止が相次いだため高松亮騎手、南郷家全騎手、佐々木志音騎手が負傷。また山本聡哉騎手、坂口裕一騎手は4日間の騎乗停止。よって現在、騎乗可能な地元ジョッキーが13名となったため、急きょ4名の他地区ジョッキーが水沢で騎乗する。
桑村真明騎手(門別)12月28日~12月31日。青海大樹騎手(佐賀)12月28日~12月30日。金山昇馬騎手(佐賀)12月28日~12月30日。小松丈二騎手(佐賀)12月28日~12月31日。出水拓人騎手(佐賀)12月28日~12月29日。
この非常事態に助っ人で騎乗してくれるのはありがたい限り。4名の善意と協力により、ラスト4日間も水沢競馬が開催できる運びとなった。厳寒期の中ですが、好プレイを期待しております。
続いて遠征情報。12月31日終了後、短期免許による冬期間の他地区遠征騎手の情報が発表された。
・山本聡哉騎手=南関東、船橋・山下貴之きゅう舎。1月20日(月)~3月21日(金)。
・岩本怜騎手=高知、宮川浩一きゅう舎。1月3日(金)~2月19日(水)。
・小林凌騎手=佐賀・手島勝利きゅう舎。1月4日(土)~3月2日(日)。
・塚本涼人騎手=笠松、後藤正義きゅう舎。1月4日(土)~1月31日(金)。
12月22日(日)、最終12R終了後、陶文峰元騎手の引退セレモニーが行われた。セレモニーには陶元騎手のご家族、中学校の同級生、水沢農業乗馬部の仲間なども列席し、花束を贈った。
引退セレモニーはインタビュー形式で行われた。陶文峰元騎手「最後の重賞騎乗となった北上川大賞典でサクラトップキッドで優勝できましたし、ラスト騎乗のゼットセントラルでは騎手生活を噛み締めながら騎乗しましたが、勝ったのはできすぎ、自分でもビックリ。無事にレースを乗り終えて(騎手を)やり切ったと思います。レース後、初めてウイニングランをしてゴール前でステッキをスタンドのファンに投げましたが、届かなかった。ですから戻って改めてファンへ渡しました。一番の思い出はデビュー戦です。アブミが外れて焦りましたが、何とかゴールできたことです。本日は寒い中、最後まで待ってもらえてすいません。これからは調教師として頑張りますので、陶きゅう舎の応援をよろしくお願いします」
同じく引退情報。ゴールデンヒーラー(牝6歳 父タートルボウル・佐藤祐司きゅう舎・水沢)が12月23日(月)、スプリント特別5着で現役にピリオド。生まれ故郷の下河辺牧場で繁殖生活に入る。
2020年6月にデビューして35戦16勝2着6回、重賞11勝。2020年に最優秀短距離馬、2021年、2022年と2年連続で最優秀牝馬に選ばれ、2022年のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)で5着に善戦した。引退式は12月29日(日)、最終12R終了後に行われる。
今週の岩手競馬
12月28日(土)メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 水沢1400m)
12月29日(日)メイン12R「クレマチス賞」(B1級一組 水沢1600m)
12月30日(月)メイン12R「第49回金杯」(2歳 水沢1600m)
12月31日(火)メイン12R「第48回桐花賞」(ファン投票 水沢2000m)
先週12月16日(月)、水沢競馬は降雪の影響により、安全かつ公正な競馬の施行の支障があると判断され、競馬開催を取り止めとなった。それに伴い、2歳重賞「第23回寒菊賞」も取り止め。楽しみなメンバーがそろっただけに残念な限り。雌雄対決は12月30日(月)、2歳最終重賞「第49回金杯」(水沢1600m)まで持ち越されることになった。
今回の開催取り止めは今年に限ったことではない。昨年も12月18日(月)が降雪の影響で取り止め。一昨年(2022年)も12月18日(日)から20日(火)までの3日間が開催取り止めとなった。
かつては年明けの「成人の日」(1月の第2月曜日)前後が降雪の"山場"だった。昨年度から通常開催は12月31日までとなったが、当時は1月の第2週ぐらいまで岩手競馬が行われていた。しかし近年は気候変動の影響なのか、12月の第3週から強烈な寒波に襲われている。
2021年度は12月19日(日)は走路悪化のため第3R以降は取り止め。20日(月)は第4R以降、取り止め。翌21日(火)は全レースが取り止め。さらに26日(日)、27日(月)は降雪の影響で取り止め。31日(金)は走路悪化のため第4R、第7R以降は取り止め。年明けの1月2日(日)は走路悪化のため第6R以降、取り止め。1月3日(日)は全レース取り止めとなった。2020年度も同様に計8日間(12月30日は第2R以降、取り止め)の取り止め。
北国の宿命だが、この季節は天候との戦い。みなさんにはご迷惑をおかけしますが、開催の決定は当日朝7時ぐらい。岩手競馬の公式ホームページ等に告知されますので、ご確認ください。
参考までに岩手県奥州市水沢区の天気予想、もとい天気予報は22日(日)、23日(月)は雪マークがありました。盛岡から車移動する(約70キロメートル)小生も天気予報とにらめっこしながら当日を迎えます。
話は替わるが、12月19日(木)、大みそかの恒例行事・岩手競馬グランプリ「第48回桐花賞」(水沢2000m)のファン投票結果が発表された。
第1位 フジユージーン 1,219票
第2位 ヒロシクン 779票
第3位 ミニアチュール 439票
第4位 ゴールデンヒーラー 396票
第5位 ノーブルサターン 388票
第6位 サクラトップキッド 365票
第7位 カミノコ 258票
第8位 サルサレイア 257票
第9位 グランコージー 224票
第10位 ゴールドギア 207票
*以下は省略
報道推薦 ボウトロイ フレイムウィングス
フルゲートは12頭。ファン投票1位・フジユージーンはすでに報告したとおり、楠賞優勝で今シーズンは終了。来春に備えて休養に入ったため出走見送り。現時点では11位・レールガンが繰り上がりで出走しそうだが、最終出走馬はレース確定までお待ちください。
今週の岩手競馬
12月22日(日)メイン12R 「冬至特別」(A級一組 水沢1600m)
12月23日(月)メイン12R 「田瀬湖賞」(C1級 水沢1600m)
12月24日(火)メイン12R 「マリーゴールド賞」(C1級五組 水沢1400m)
岩手競馬は1月1日(月)から冬休みに入ったが、3月10日(日)から再開。2ヵ月ぶりに水沢競馬場へ蹄音が戻ってくる。
全国的な傾向だと思うが、今年の岩手は過去に経験がないほどの暖冬。2月19日、盛岡地区の最高気温は17・1度。2月の最高記録を更新した。同日、岩手県沿岸では20度越えたところも3ヵ所あった。
毎年、暖冬傾向を感じていたが、それでも2月で17度には驚いた。この時期の盛岡は雪かきが日課。前日の夜から空を見上げ、翌朝には家の周りの雪かきを行う。もちろん好んで、ではない。雪かきをしなければ車を動かすこともままならないからだ。子供たちは雪が降ると喜んで雪遊びをするが、大人たちはげんなり。いずれ溶けるのだが、その日に雪かきを済ますのが義務だからだ。
しかし今年は雪かきが極端に少なかった。調べてみたら1月26日から24日間連続で積雪なしだったそうだ。これも盛岡では観測史上初めて。いかに降雪が少なかったかを裏付けている。
ところが3月の声を聞いて、いきなり寒さと雪が戻ってきた。最低気温がマイナス5度前後、最高気温もプラス5度を行き来して寒暖差も大きい。岩手競馬の再開を前にして寒さを噛み締めている。
なぜ、気温、天候のことを長々と書いたか。馬券検討にも大きく影響するからだ。今年は超暖冬と報告したが、やはり冬は冬。冬毛が残っている馬が少なくない。冬毛があるから走らないとは言わないが、仕上がり途上であるのは確か。今年の暖冬から厳寒がどう影響するか。特に裸の競走馬に影響がない訳がないはず。そこで頼りになるのが仕上がり状態。発売締め切りまで、しっかりパドック、返し馬をチェックしてほしい。
ようやく本題に入ることができた。例年のことだが、冬休み明けは馬もジョッキーも、そして予想者も久々の実戦のため手探り状態。さらにクラス再編成もあり、比較材料が極端に少ない。
ただ、そのような条件下でも、いくつかのセオリーがある。
①クラスが下がった(降格)馬を基本重視
近走成績が悪くてもメンバーが甘くなっているのは確か。特に岩手競馬ではオープンから最下級へ一気に降格する馬は少なくない。オープンでは追走一杯だったが、一転して先行するケースも多々。
②馬体重の増減をチェック
休み明けは体重が増えているのが当たり前。ただプラス幅が大きい場合は割り引くのがベター。逆に体重減でも勝った馬には次走までチェックが必要。張りがなければ割り引き。久々で激走した場合、その反動も考えられる。
③パドックで状態をしっかりチェックする
先に記したことと重複するが、比較材料がないときにこそパドック気配は重要。気合い、馬体の張り、そして入れ込み度合。久々の実戦なので戦闘モードは当然だが、入れ込みすぎると空回り。見極めは難しいが、まずは決めつけること。基準を作れば、今後にもつながる。
④輸送がある盛岡所属馬が有利か、地元水沢所属馬が有利か
ご存じのとおり岩手競馬は水沢、盛岡の二つ競馬場があり、所属馬も2ヵ所。今回は水沢競馬だから盛岡所属馬は約1時間半の輸送がある。これがマイナスになるケースもあるが、昨年は盛岡から輸送した馬の好走が目についた。ただ今年も同じかというと、その限りではない。まずは再開初日10日の傾向をつかむのがベター。
⑤近日まで実戦を使っている馬が有利
岩手在籍馬は2ヵ月以上の休み明け。それに対して1月、2月まで実戦を使ってきた転入馬は臨戦態勢が整っていると見て間違いない。もちろん例外はあるが、息持ち面からも有利に運ぶ。あとは実戦ではないが、能力検査を使い、好タイムをマークしていれば上乗せ要素がある。
以上のセオリーは過去の集積から。オールマイティーではないので、その点はご了解ください。
文/松尾康司
12月26日(火)、第9R・B1級・850m戦で村上忍騎手がチベリウスで逃げ切りを決め、地方競馬通算4000勝を達成した。前日25日(月)、第2R・C2級ビュウティマドンナで快勝し、4000勝にリーチをかけたが、以降は白星なし。強心臓で定評があるが、やはり大台達成は相当なプレッシャーだったに違いない。
26日、第5Rでベロニカブレインに騎乗したが、まさかの出遅れから3着惜敗。26日の達成は厳しいかと思われたが、続く第6Rでは9番人気マルケイヴェスパーで4着入線。これが村上忍騎手の真骨頂で、いい意味で腹をくくった。そして1レースを置いて自きゅう舎のチベリウスで記念すべき4000勝を飾った。
村上忍騎手「4000勝は春からの目標だった。途中ちょっと勝てない時期もあって、自分では特に変わりはなかったと思うが、勝てないと"あれ?"という感じにもなってしまった。来年に持ち越してしまうかなとも思ったりもしたが、年内に達成できて良かった。厩舎の勝ち星のことも頭にあって(※所属の村上実厩舎の地方競馬通算1600勝)それも達成できたらなと、自分の気持ちの中にあったから、自分のきゅう舎の馬で、同時に達成したので凄くホッとしている。菅原勲騎手の記録にも近づいてきたそうだが、その辺はあまり意識しない。ケガがないように乗って行ければと思っている。来年は自分の勝ち鞍もそうだけど、おもしろそうな馬たちがいるので、そこで何とか良い仕事ができればと思っています」
岩手競馬の通算最多勝は菅原勲元騎手(現調教師)の4127勝。今年、村上忍騎手は12月26日(火)時点で167勝と独走でリーディングジョッキー首位を堅持し、リーディングに返り咲くのは100%確実。
村上忍騎手のすごさは"一戦入魂"。どんな下級戦でも全力投球で臨み、勝利に対する貪欲さ、意欲は誰よりも強い。だからきゅう舎の支持、ファンの支持も大きいと思う。
村上忍騎手が『おもしろそうな馬たち』がいると語ったのは現2歳トップ2のフジユージーン、ミヤギヴァリアントとも主戦ジョッキーを務めているから。すでに2頭は休養に入っているが、復帰すれば主役を演じるのは確実だ。
村上忍騎手は1977年2月生まれだから現在46歳。そして騎手デビューが1994年7月デビューだから区切りの30年目。2012年から調騎会騎手部会会長の重責も務める"岩手競馬の顔"。いずれ聞いてみたいと思っている。"4000勝から見える世界はどんな感じですか?"と。
今週の岩手競馬
12月30日(土) メイン10R 「第48回金杯」(2歳 水沢1600m)
12月31日(日) メイン10R 「第47回桐花賞」(オープン 水沢2000m)
文/松尾庫司