今週26日(日)から戦いの舞台は水沢競馬場へ替わり、12月31日(日)までの1ヵ月あまりの冬競馬に突入する。毎回、記すことだが、開催替わりは荒れるので定評がある。盛岡=ダート1周1600m左回りバンケットコースに対し、水沢=1周1200m右回りフラットコース。盛岡とは真逆のコース形態といっても過言ではない。
さらに氷点下が続くと馬場凍結対策として融雪剤がコースに撒かれ、ネバっぽい砂に変わる。特徴は芝コース巧者の活躍するケースが多いこと。馬場情報にはさらに確認してほしい。
発走時刻も変更する。26日(日)の第1R発走は10時30分で、最終第12Rの発走は16時45分。翌日27日(月)は第1Rが10時40分で、最終12Rは17時00分。28日(火)は第1R10時50分、第12Rは17時05分と若干変更するのでお間違えのないよう、お願いします。
26日メインはB1級馬による特別「ひいらぎ賞」(水沢1400m)。開催替わりに加え、前走で1400mを使った馬が不在。距離対応と水沢適性が重要なファクターとなる。
キモンリッキーは今年5月、南関東C1から再転入後、8戦5勝3着2回。馬券対象から外れたのは夏負けの影響が大きかったB1特別・秋桜賞11着のみ。直後に2ヵ月近く休養し、復帰戦3着から目下2連勝中。完全復活をとげた。
姉は通算18勝をあげ、南関東の短距離重賞で活躍中のキモンルビー(父コパノリチャード)。すぐ下の弟キモンリッキーもここにきて本格化を迎えた。今度の水沢1400mも3戦2勝と得意とする条件。決して楽なメンバー構成ではないが、コース適性と勢いを重視した。
サイタブラウンは中央未勝利に終わったが、ダート2着5回3着2回の好成績を収めた。岩手初戦はA級戦で2着にまとめ、この一戦を使ってB1へ降格。あっさり抜け出しを決めて2着に0秒6差をつけて完勝した。
ネックは初の水沢コースだが、ダート1400m戦は着外が一度もなく2着4回3着2回。中央時代、最も得意とする距離。小回りコースで武器となるのが先行力。好位キープから直線抜け出しを決め、2連勝を飾る。
ルチルクォーツは南関東B2から転入して昨クラスターカップで6着に健闘した。昨年9月以降は短距離を専門に使われ、今季2勝2着1回。2ヵ月ぶりの前走オープン・スプリント特別を完勝して今回はB1馬が相手。
水沢は850mの1勝のみだが、2走前、3走前に水沢1400m戦で連続4着。決して苦手としている訳ではなく、巡り合わせ。前回快勝で弾みがつき、2頭をまとめて負かすシーンまで。
リリーアローは相手なりに駆ける堅実さが身上。今季2勝2着4回3着2回。毎回上位争いを演じている。水沢1400mも過去1戦1勝とまったく問題ない。
コリコは南関東C2から転入後、すべて3着以上。3勝2着3回3着1回に加えて前回快勝。5戦ぶりの勝利を手にして勢いがついた。
セイオーキッドは前々走・盛岡1200m戦でメンバー最速の上がりを駆使して3着。追い込み脚質のため成績は安定しないが、ハイペースになれば一気に台頭。
◎⑨キモンリッキー
〇⑦サイタブラウン
▲②ルチルクォーツ
△③リリーアロー
△⑧コリコ
△⑤セイオーキッド
<お奨めの1頭>
3R ロイヤルワラント
転入初戦はスタートダッシュがつかなかったが、直線で鋭く伸びて2着。ひと叩きされてさらに良化確実
文/松尾庫司
11月19日に行われた岩手最長距離ダート2600mで行われた重賞『北上川大賞典』。盛岡のダートコースを一周半した戦いはノーブルサターンに軍配が上がりました。
最内枠からハナに立ったノーブルサターンはその後もレースの主導権を握り続け、終盤の勝負所からも手応えには余裕十分。直線最後こそフレイムウィングスが迫ってきましたがそれも1馬身と1/4の差を付けてゴールする余裕あり。今年はシアンモア記念に続いて2つめ、岩手では4つめの重賞タイトルを獲得して桐花賞連覇に向け大きく前進しました。
11月21日のメインレースは12Rです。A級一組ダート1600mの『2023盛岡ファイナル特別』。
今年は4月下旬からスタートした盛岡開催でしたがいよいよ今日21日が今季の最終日となります。
今日は地方競馬の女性騎手が競う『レディースジョッキーズシリーズ』も行われます。今年は比較的穏やかな、しかし夜は冷え込みそうな天候の1日になりそう。
夏は猛暑、秋に入ってもいつまでも暑かった・・・と思えばいきなり寒くなったりとよく分からない天候が続いた印象の今年の盛岡開催でしたけども、ラスト1日、ごゆっくりお楽しみいただければ。
さてメインレース。本命は(2)フジラプンツェルに期待をかけます。
昨年の2歳時は世代ナンバーワンとして活躍した同馬は、冬期間のJRAでの激戦の影響が残っていたのか岩手に戻ってもなかなか本来の走りができずにいた印象。しかしそれも夏を過ぎたあたりから大幅に上昇気配を見せていて、この馬らしい走りも戻ってきている印象です。
好調時であってもマイルは少し長いかというイメージがありますし、今回も古馬A級のマイル路線の相手とすれば歯ごたえがある顔ぶれ。決して楽ではないかとは思いますが、ここはこの馬の地力発揮に期待しての◎。
対抗は(1)ゼットセントラル。A級上位やOP級のみならず重賞でも好走している実力馬。脚質的にどうしても前残り傾向が強い馬場の影響を受けてしまうのですが、それでも上位に食い込んでくる高い地力はやはり軽視できないものです。
三番手は(5)マツリダワールドを。2着だった前走ですがそれは初めての古馬との対戦。それでレールガン、北上川大賞典3年連続入着のこの馬を相手にしての2着なら及第点以上の内容と言えるはず。徹底先行を挑んでくれば怖い存在に。
以下、同型が多い分と外枠という点で狙いを下げざるをえなかった(10)ドルズプライスレスですが先行しきれるかどうかがカギの馬だけに一概に軽視は禁物。(7)セイヴァリアントは秋の復帰後の2戦がまだこの馬らしくないのは確かですが、いわゆる休み明け3戦目に加えて例年冬場に調子を上げる馬、一応の警戒を。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(1)、(2)=(5)、(1)=(5)、(2)→(10)、(2)→(7)
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20日メインは「スプリント特別」(盛岡ダート1000m)。オープン馬のスプリンターがずらり顔をそろえたが、勝敗のカギは1000m対応。距離適性が大きなファクターとなった。
アップテンペストは重賞3勝。いずれも1800m戦だった。今年6月、笠松から里帰りして初戦の早池峰スーパースプリント(水沢850m)でキラットダイヤの2着を確保した。その後も1勝2着2回の成績をあげているが、凡走するケースも多々。自分の競馬ができないとモロさを出してしまう。
それを裏付けるのが再転入後の1勝は850m戦。1200m戦は<0.1.1.4>。過去に1勝をあげているが、最後の粘りが甘くなってしまう。ただ、クラスターカップで逃げたドンフランキーに3コーナー手前まで食い下がっていたように、JRAでも引けを取らないスピードを持っている。
対して盛岡1000m戦は一度使ってアヴェントゥリストの2着。行った切りで決着したが、2番手キープから粘りを発揮した。その時の59秒1はダイセンメイト、カタナと同じ持ちタイム。2番枠にダイセンメイトは逃げがベストだからアップテンペストは2番手に控えれば共存共栄。ダイセンメイトは残り100mで脚が上がるケースが多く、きっちり差し切れる計算ができる。
ダイセンメイトは金沢2勝、名古屋1戦を使って転入。1400m2戦とも着外に沈み、陣営はスーパースプリント路線へシフト。それがズバリはまって水沢850m7戦7勝。盛岡ダート1000m戦は4戦2勝。合計9勝を荒稼ぎし、前々走・ハーベストカップは初の芝だったが、守備範囲の1000m戦で2着に粘った。
続いてOROターフスプリントへ駒を進めたが、走路悪化のためダート変更。ダイセンメイトには好都合だったが、よりによって12頭立て12番枠。大外に入った上、スタートで出遅れ。しんがり負け12着も仕方なしだった。
ダイセンメイトの1000m戦をレースリプレイをチェックしてほしい。900mまでは快調に飛ばすが、最後100mでは脚が上がってしまう。それでもセーフティリードがある分で2勝しているが、気持ち長いのは事実。今回は絶好の2番枠を引き当て、先手を主張する可能性大。あとは楽に逃げることができるか否かが好走の分かれ目となる。
セイシークエンスは昨年6月、大井1勝から転入。昨年は2勝2着2回。今シーズンも3勝2着4回3着2回。着外2度のみと安定した成績を残している。差しタイプで展開不問。軸の味方では筆頭と見てもいいが、9着に敗れたのが今回と同じ盛岡1000m戦。過去に1勝2着1回の実績があるが、本質的に1000m向きではないはず。よって単穴候補に落ち着く。
カミノコは昨クラスターカップ5着に象徴されるように1200mがベスト距離。強烈なまくり脚を披露するが、前半で置かれるのがネック。前崩れになるのが好走条件となる。
カルーナブルガリスは5走前、盛岡芝1000mのコースレコードを更新。ダート1000m戦でも1勝をマークしたが、理想が逃げの手。展開がカギを握る。
カタナは早池峰SS3着後、休養を余儀なくされて5ヶ月後に復帰したが、マイナス21キロ。急激な体重減も影響した絆カップ10着に終わった。馬体回復なら侮れない。
◎③アップテンペスト
〇②ダイセンメイト
▲①セイシークエンス
△⑥カミノコ
△⑧カルーナブルガリス
△④カタナ
<お奨めの1頭>
6R ヤカンヒコウ
前走、マイペースの逃げに持ち込んで1秒4差で圧勝。待望の初勝利をマークした。距離延長も突破の構え
文/松尾庫司
19日メインは今シーズンの盛岡フィナーレを飾る岩手競馬の最長距離戦「第45回北上川大賞典」(盛岡ダート2600m)。一昨年まで2500mで行われていたが、昨年から2600mへ延長。昨年優勝したジェイケイブラックの2分49秒7が基準タイムとなるが、当初登録があったジェイケイブラックは出走を見送り。ファンが多いだけに残念な限りだが、名うてのステイヤーがずらり顔をそろえた。
ノーブルサターンは中央ダート1800mで2勝をマークしてJpnII・兵庫チャンピオンシップ2着、JpnI・ジャパンダートダービー5着。さらに2勝を積み重ねて2019年、JpnIII・マーキュリーカップではグリムの2着。その後、南関東へ移籍して梅見月杯オープン(名古屋)1勝をあげたが、以降は勝ち星をあげることができず昨年12月、岩手入り。いきなりトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾った。
今季始動戦の赤松杯は4着だったが、2戦目にシアンモア記念を完勝。9歳を迎えても衰えなしをアピールしたが、一條記念みちのく大賞典7着、マーキュリーカップ10着。3ヵ月の休養に入り、10月に復帰。大幅な体重減も影響したのか5着止まりに終わった。
当初、東海菊花賞へ出走申し込みをしたが、残念ながら抽選モレ。急きょ、矛先を北上川大賞典へ変えた。最大ネックは未知の2600mだが、マーキュリーカップ2着、桐花賞1着(いずれも2000m)なら問題なし。またGI・東京大賞典にも2度挑戦した格上馬。格を前面に重賞5勝目へまい進する。
フレイムウィングスは中央ダート2勝2着2回3着2回から南関東1勝・B1を経て転入。シアンモア記念4着、一條記念みちのく大賞典3着。JpnIII・マーキュリーカップでは地方最先着6着に健闘した。以降も準重賞・すずらん賞3着、JRA交流・けやき賞でも3着を確保したが、いまだ岩手未勝利。詰めの甘さが付きまとったが、今度は2600mが舞台。じり脚タイプなら長丁場は大歓迎だろう。
スズカゴウケツは中央ダート1600m2勝、ダート1800m1勝をあげて3勝クラスへ在籍して昨年10月に転入。初戦を快勝して2戦目・OROカップ7着から名古屋へ転籍。6戦1勝から再び岩手入りしてシアンモア記念2着、一條記念みちのく大賞典2着に健闘し、高配当を演出した。続くマーキュリーカップ9着から2ヵ月半休養したがひと叩きされた前回快勝した。距離対応がネックだが、大舞台で強さを発揮。加えてスロー必至なだけに、先行力あるのが最大の武器となる。
マイネルアンファンは中央ダート1800m2勝、ダート2100m1勝。南関東でも2勝をあげ、B1クラスに在籍して転入。格付けにも恵まれて5勝2着2回3着1回。着外が一度もなしと抜群の安定感を誇っている。不安は重賞・青藍賞でしんがり負けを喫したことだが、前回快勝で軌道修正。東京ダート2100m1勝、大井2000m1勝と距離延長は望むところ。
レールガンは中央2戦0勝から転入。東北優駿(岩手ダービー 2000m)3着、やまびこ賞3着。また北上川大賞典にも2年連続で挑戦して一昨年はエンパイアペガサスの2着、昨年はジェイケイブラックの3着。岩手で素質が開花した。得意の長距離戦で悲願の重賞制覇を狙う。
ゴールドギアは芝2000m以上<3.3.2.19>。中央オープン・芝2400m(メトロポリタンS)、芝2600m(札幌日経オープン)2着。岩手でもせきれい賞で2着を確保した。ダート替わりも重賞・あすなろ賞(1800m)2着なら問題ないはず。
◎①ノーブルサターン
〇④フレイムウィングス
▲⑩スズカゴウケツ
△⑪マイネルアンファン
△⑤レールガン
△⑦ゴールドギア
<お奨めの1頭>
2R カガロケット
転入2戦目で2着に1秒5差の大差をつけて圧勝。地力の違いを見せつけた。相手強化だが、2連勝濃厚
文/松尾庫司
11月12日に行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『南部駒賞』は地元のフジユージーンが1番人気に応えて快勝。自身は無敗の5連勝を飾ると共に、このレースとしては6年ぶりとなる地元馬制覇を果たしました。
9頭立てとなった南部駒賞、フジユージーンはスタートで若干遅れるところを見せたもののすぐに巻き返すとその後は余力十分の手応えで追走。勝負所でしっかり反応するとライバルを置き去りにしてゴール。強力遠征勢との戦いも難なくクリアしました。
同馬はこれでデビューから5連勝、重賞は3連勝。このあとは休養に出、来春の再始動まで英気を養う予定です。
11月14日のメインレースは9Rになります。JRA条件交流の『カシオペア賞』、岩手はB1級以下・JRAは1勝クラスのダート1600m戦です。今季の盛岡開催もあと一週間を残すのみ。JRAとの条件交流戦もこれが今季ラストとなります。JRAの若手ジョッキー対岩手のベテランジョッキーという構図にも注目の一戦。
なお5枠5番テーオーアマゾンが出走取消となって8頭立てになっております。ご注意ください。
このレースの本命は(4)ルパルテールを採りました。
昨年の同条件戦に出走してその時は僅差の2着。その後は勝ち星を増やせずにはいるものの1勝クラスで勝ち馬から1秒圏内の戦いができているのなら地力は十分にあると判断して良いでしょう。どちらかといえば1200~1400mの範囲が主戦場ですが、コーナーが少ない形態の条件なら距離にも対応できるのは昨年の経験が示しています。仕上がり早のタイプのようですしひと息後でも大きな割引はないでしょう。
対抗は(6)サンエイコンドルでどうでしょうか。強気の競馬がハマり始めてここに来て2連勝。パワーある走りが今の馬場傾向に合っているように見えますし、盛岡コースへの対応ももはや問題ないと見て良いでしょう。あとは展開ひとつ。
三番手は(9)アーバンキッド。10歳も冬になりましたが近二走の走りを見て分かるとおりまだまだ力量を保っています。芝とは言えJRA時代にはオープンで戦っていた馬。1勝クラスが相手なら・・・という期待も可能。
(8)キングレガリアは中5日の強行軍が気になりますがここは予定通りの模様。それなりに好走してきているとはいえ中央場所の1勝クラスで好走している馬が相手ではどこまで・・・な評価は否めないところでここは押さえまで。(1)ルージュフェリークも使い込まれている割には大きな変化がない今年。距離経験の豊富さを活かせれば。(横川典視)
●9Rの買い目
馬単(4)=(6)、(4)=(9)、(4)=(8)、(6)→(9)、(4)→(1)
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