
6月8日(日)から始まった水沢競馬。現在、地方競馬の主催者で2つのコースを持っているのは岩手と園田のみ。南関東は基本4場の持ち回りだが、主催者は別々。さらに岩手競馬は1周1600m左回りバンケット=盛岡競馬場、1周1200m右回りフラット=と真逆のコース。
9日メインの「ジューンカップ」(B2級 水沢1900m)もコース適性と距離適性が重要なファクター。結果、前走1着馬ではない2頭が本線となった。みなさんも戸惑うかもしれないが、これが岩手競馬。盛岡競馬のパフォーマンスを前提にしながらもデータはいったんクリアーするのが賢明だと思う。
主軸にモンサンイルベントを指名する。阪神ダート1800m2勝、大井1800m1勝・南関東から転入後、2勝2着5回3着4回。今シーズンはまだ0勝だが、2着3回3着1回とマズマズの成績を残している。ただ、2着3回はいずれも水沢コース。前々走・メイカップで盛岡戦でも3着に突っ込んだが、盛岡コースはそれを含めて3着3回が最高。過去実績からも右回り巧者と見て間違いない。加えて1800m戦は3勝2着4回。1800m以上がベスト距離と見て良く、今回は待ちに待った一戦。今季初勝利へまい進する。
ウイニングライブは新潟芝2000m1勝から転入。岩手B1へ編入したが、昨年1勝2着1回3着1回と通用を証明した。今季は始動が遅れたが、C1へ降格してメンバーが緩和。休み明けを問題にせず初戦を快勝した。前走・新緑賞は4着にとどまったが、相手が強かった上、先行決着に泣いた一戦。評価ダウンにならない。1900m延長は望むところ。逆転のシーンまで十分。
ヤークトボマーは中央2勝クラス、高知8勝、門別1勝・A1から岩手入り。C1編入にも恵まれて初戦2着から2連勝を飾った。以降は6着2回、5着1回と伸びを欠いたが、3戦とも盛岡が舞台。追い込みタイプだが、コースが合わなかった。今度は右回り水沢に替わり、1900mも歓迎。盛岡戦のうっ憤を一気に晴らす。
ナリノバロンは南関東3勝2着3回8回から転入。4戦目の水沢1600m戦を快勝した。続くメイカップは9着に終わったが、前後して入着を確保。勝ち味に遅いが堅実さを発揮している。流れが速くなれば連対確保の可能性は十分ある。
アイリュールは函館ダート1700m3着1回から転入。2勝2着1回と好発進を決めたが、今季2戦から伸びひと息。頭打ちかと思ったが、B2級へ降格した前回0秒7差で逃げ切って完勝。自分の競馬ができれば再現まで。
ゴールドクレストは気性難を抱えて好、凡走の繰り返し。小回り水沢は割り引きが必要だが、通算11勝の格上馬。一発を警戒したい。
◎⑩モンサンイルベント
〇①ウイニングライブ
▲②ヤークトボマー
△⑥ナリノバロン
△⑦アイリュール
△⑧ゴールドクレスト
<お奨めの1頭>
2R スピードスター
前々走2着に敗れたが、前回で首位を奪回。850m戦も転入戦快勝で問題ないことを証明済み。もう一丁いける
今週から舞台は水沢競馬場へ移り、開催替わり初日8日メインは岩手クラシック二冠目「第33回東北優駿」(水沢2000m)。全馬が未知の2000mへ挑むのが焦点。おそらく距離の壁に泣く有力馬も出てくるに違いない。
リケアカプチーノは高知でデビューし、現在まで9戦5勝2着4回。転入初戦となった東日本交流・岩手一冠目「ダイヤモンドカップ」でも2着を確保した。優勝シーソーゲームは東京ダービーへエントリーなら、連対を確保したことを評価したい。昨年の2歳交流、今年の3歳交流戦はすべて遠征馬に凱歌。岩手在籍馬は苦戦の連続でリケアカプチーノはダイヤモンドCで岩手最先着2着。今回は初の2000mだが、全馬にも言えること。今回は地元同士の戦いなら順当に岩手二冠目を手にする。
ラヴェイは門別1000m・新馬戦を完勝。4戦1勝から昨年転入し、初戦2着以降は苦戦の連続。盛岡対応にも手こずったが、徐々に本来の動きを取り戻して重賞・金杯を快勝した。今季初戦のスプリングカップでも2着にまとめたが、ネクストスター北日本7着、ダイヤモンドC11着に完敗を喫した。しかし前者は北海道勢が強い中、岩手最先着。ダイヤモンドCは盛岡が合わなかったと解釈すれば反撃必至。実績ある水沢に替わって本領を発揮する。
サンロックンロールは門別・新馬戦2着だったが、1着エイシンハリアーは園田へ移籍して兵庫ユースカップ優勝、交流・ネクストスター西日本2着だからレベルは推して知るべし。その後、半年の休養を経て佐賀へ移籍。あっさり4連勝を飾った。5戦目は1750mへ延長され、出遅れを喫したため後方からの競馬。メンバー最速の上がりを使ったが、3着。岩手初戦でも出遅れたが、直線一気に伸びて快勝した。距離対応がネックだが、小回り右回りなら克服十分。
ユウユウコラソンは岩手2勝2着2回3着1回から南関東へ移籍。3戦3着1回から帰郷し、ネクストスター北日本は11着だったが、以降は3連勝を飾り、重賞・イーハトーブマイルも完勝した。一戦ごとに地力アップは疑いなし。
サウザンドマイルはデビュー戦2着に終わったが、ひと叩きされて動き一変。2連勝を飾り、若鮎賞を1秒差で圧勝した。続いて交流・ジュニアグランプリ3着、ネクストスター盛岡2着後、骨折が判明。7ヶ月の休養を余儀なくされたが、復帰戦4着。この一戦を使って上昇確実。
タカラクロロックはいまだ未勝利ながら2着5回。前半で置かれる傾向があり、勝ち味に遅いが、ばりばりのイギリス血統の持ち込み馬。2000mに活路を拓くか。
◎⑦リケアカプチーノ
〇⑧ラヴェイ
▲④サンロックンロール
△⑩ユウユウコラソン
△⑤サウザンドマイル
△②タカラクロロック
<お奨めの1頭>
8R リュウノナポレオン
3歳有力馬はメイン・東北優駿へエントリーし、手薄なメンバー構成。きっちり首位を奪回する。
6月1日に行われた古馬・ダート1800mの重賞『あすなろ賞』はこれが岩手転入後3戦目のヘリオスが優勝。9歳の初夏にして自身初の重賞制覇を果たしました。
M3重賞ながらシアンモア記念の上位馬も顔を見せる好メンバーとなった今年のあすなろ賞。2番人気に支持されていたヘリオスは、しかしスタート直後に躓いて後手をふむ形に。すぐに巻き返したものの1コーナーでは6~7番手あたり。先行有利な馬場傾向でもあり一瞬不安がよぎりましたが鞍上は「無理に脚を使わなくてすんで結果的に良かった(岩本怜騎手)」。
向こう正面から動き出したヘリオスは逃げるグラシアスを追い上げる集団に加わって一気に上昇、3~4コーナーではミニアチュールの外に並んで交わす勢い。直線の攻防は、粘るミニアチュールを坂の上あたりで捉えてその勢いのままゴール。9歳夏、通算47戦目での初めての重賞タイトル獲得となりました。次走はさきたま杯とみちのく大賞典の両にらみですが前者が有力です。
6月3日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、オープンのダート1200m戦、10頭立て。
5月のGW初日からスタートした2025シーズン最初の盛岡開催も今日6月3日でひと区切り。次週からは初夏の水沢開催へと舞台を移します。約一ヶ月のそれを終えての次の夏の盛岡開催ではいよいよグレードレースシーズンが開幕。早くも次の盛岡開催が待ち遠しくなってきました。
さてメインレースの予想です。本命は(4)ユイノダンディズムを狙います。
今季は3戦して前走の2着が最高。二走前の栗駒賞で大きく引き離されて敗れた馬がいるのは厳しいようにも見えますが、三走前の白嶺賞、こちらの比較であれば今回のメンバーでも上位争いができておかしくない走りを見せていたと言えるはず。
もう一点、岩手では3勝を挙げている本馬ですが、盛岡での勝ち星は昨年10月の1000m戦。この内容が悪くなかった。コーナーを回りながら加速する・・・のような動きがあまり得意ではないように見えるこの馬だけに水沢よりは盛岡の方が持ち味を活かし切れる可能性が大。距離もマイルより良いはず。相手関係は楽ではないですが舞台設定は合うと見て本命に推してみます。
対抗は(5)スプラウティング。前走・栗駒賞では6番人気での勝利でしたが休み休みの臨戦過程で良化途上かと懸念されたのが人気が低かった理由。勝ったこと自体をフロック視するのは避けるべきです。意外に経験が少ない1200mですが左回りには苦手感無し。
三番手は(3)ロードオブザチェコ。JRA3勝クラスから転入初戦だった前走を圧勝。その前走は今回に比べれば手薄に感じる相手関係ではありましたが、8馬身差で勝った事を思えば相手が強化されてもの計算。JRA時代は右回り主体でしたが元々は南関東デビューで左回りを主戦場としていました。初盛岡でも力は出せると判断。
あとはまず(10)レディブラウン。栗駒賞は折り合いを欠いた分なのか白嶺賞とはうって変わった苦しい走り。元々盛岡1200mは得意な舞台ですし、巻き返す力量もある馬。もう一頭は同じ8枠の(9)グットフォーチュン。1200mも少し長い感じになる戦績ですが水沢より盛岡向きのタイプ。コース替わりを前に今シーズンのメドを立てておきたいところでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(5)、(4)=(3)、(5)=(3)、(4)→(10)、(4)→(9)、
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5月3日(土)から始まった盛岡競馬も今週3日(火)でひとまず終了。次週8日(日)から舞台は水沢競馬場へ移る。今回は7月1日(火)までの約1ヵ月間。8日(日)には岩手クラシック二冠目・東北優駿、29日(日)には岩手古馬の最高峰・一條記念みちのく大賞典が控えている。
盛岡開催も残りわずか。7月6日(日)から再び盛岡へ戻り、芝競走もスタートするが、まずは今開催の盛岡をきっちり勝利したいところ。週末、毎週のように雨が降り、馬場が結構変わったのが今回の特徴だった。今週土曜日は降水確率70%。今回も当日の馬場状態をしっかり把握した上で臨みたい。
2日メインはA級一組「初夏特別」(盛岡ダート1600m)。フルゲート12頭が争うが、注目の1頭ミヤギヴァリアントがエントリー。今回はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、興味深い。順調に使われれば重賞でも勝ち負けできる器は間違いない。
ミヤギヴァリアントはモーニン産駒でデビュー戦を1秒6差で圧勝。続いてフジユージーンに戦いを挑んで1秒3差2着に完敗。絶対能力の違いを見せつけられたが、3戦目を快勝して軌道修正。続いてフジユージーン不在の重賞・若駒賞を大差で圧勝。2歳No.2を確定させたが、レース後に種子骨骨折が判明。7ヵ月半の休養を余儀なくされた。
昨年は6月に復帰して完勝。3ヶ月の休養をはさんで順当に勝利を収めたが、再び骨折が判明。3歳シーズンは2戦のみに終わり、今年4月に戦列復帰。いきなり古馬オープン馬が相手だったが、0秒2差で完勝。通算成績を7戦6勝2着1回とした。
今回は1ヵ月半ぶりの実戦だが、順調に乗り込まれて仕上がり上々。菅原勲調教師の青写真は「重賞挑戦は秋ぐらいかな」とのこと。前走よりメンバーが骨っぽくなったが、迷わず追いかける。あとは体重の変化にも注目したいと思っている。
セイヴァリアントは2022年、中央ダート2勝、南関東1勝から岩手入り。マイルをメインに活躍し、準重賞・すずらん賞優勝、トウケイニセイ記念2着、シアンモア記念3着、赤松杯3着など重賞で好走した。翌2023年のトウケイニセイ記念3着後、名古屋へ移籍。5勝をマークして再転入した。5月まで実戦を使われ、3走前の1700m戦を快勝ならば初戦から勝ち負け必至。
ゼットセントラルは昨年、3勝2着2回。追い込み脚質のため展開に注文がつくが、青藍賞でヒロシクンの2着を確保した。今季2戦とも6着に終わったが、前走は1ヵ月半ほど実戦から離れて順調さを欠いたため。元々が叩き良化型で盛岡マイル4勝2着5回と得意の条件。ひと叩きされて上昇確実。
ボウトロイは昨年4勝2着3回3着5回。重賞・トウケイニセイ記念でヒロシクンにハナ差2着まで肉薄した。今シーズンはまだ迫力を取り戻していないが、前走3着で復調のメドが立った。
ドルズプライスレスは昨年3着4回にとどまったが、重賞・白嶺賞、栗駒賞で3着。近走は差しに転じて安定感が出てきたが、今回は絶好の2番枠。強気で逃げれば強じんな粘りを発揮する。
ドテライヤツは門別・瑞穂賞ウイナー。転入後は伸びを欠いているが、今季3着2回。ようやく岩手に水にも慣れてきた。
◎③ミヤギヴァリアント
〇⑨セイヴァリアント
▲⑩ゼットセントラル
△⑤ボウトロイ
△②ドルズプライスレス
△⑧ドテライヤツ
<お奨めの1頭>
1R スピードスター
転入初戦を快勝。前走は2着だったが、相手が強かった。このメンバーなら首位を奪回する
6月1日メインは一條記念みちのく大賞典(6月29日 水沢2000m)トライアル「第26回あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
ヘリオスは中央ダートで8勝をマーク。2022年のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯では果敢に逃げてカフェファラオの2着に惜敗するなど、ダートグレードで名を馳せた強豪。今年2月、フェブラリーステークス11着後、高知へトレード。0秒4差で完勝し、直後に岩手入り。
栗駒賞から始動し、単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持されたが、伸びを欠いて4着。案外の結果に終わり、続いてシアンモア記念へ出走。ひと叩きされ、ベストの盛岡マイル戦で2番に支持されたが、再び4着止まり。年齢的な衰えが見え隠れした。
転入2戦で目についたのはズブさ。1400m、1600mの流れに乗れず追走に手こずっていた印象だった。それならばゆったりと流れる1800mの方が能力を出せる可能性も十分ある。過去、中央でダート1800m戦を2度使って着外だったが、現状を打破するのは距離延長かも知れない。ヘリオスがこのまましぼんでしまうのか、正念場を迎えた。
サンビュートは中央ダート1800m~2100m3勝から門別へ移籍。その後は南関東、門別を行き来して7勝マーク。2022年、道営記念、2023年、瑞穂賞と重賞2勝を獲得した。以降は勝ち星から遠ざかり、園田へ転籍。2着3回から岩手入りした。
初戦のA級戦で1番人気に支持されたが、59キロの負担重量、マイルの忙しい競馬が合わず4着。評価が微妙になったが、今度は1800mに延長され、57キロに軽減されたのも好材料。盛岡コース2度目で本領を発揮する。
ミニアチュールは前走・シアンモア記念3着。今季2戦は伸びを欠いたが、元々が叩かれ良化型。舞台が盛岡に替わったのも好走を後押しした。盛岡1800mは過去3戦3勝のパーフェクト成績。並みいる牡馬を一蹴し、今季初勝利を飾るか。
スズカゴウケツは4度目の岩手。赤松杯6着、シアンモア記念8着と精彩を欠いたが、昨年のあすなろ賞を優勝。初重賞を手にした絶好の舞台で反撃に転じる。
フレイムウィングスは相手なりに駆ける堅実さを身上として昨年のあすなろ賞3着。勝ち切れないレースが長らく続いたが、前回快勝。これで弾みがついた。
ノーブルサターンは一昨年の年度代表馬だが、昨年未勝利。それでも桐花賞3着で古豪健在を誇示。シアンモア記念は9着だったが、前々走・赤松杯で3着に気を吐いた。
◎③ヘリオス
〇⑦サンビュート
▲⑨ミニアチュール
△①スズカゴウケツ
△⑧フレイムウィングス
△②ノーブルサターン
<お奨めの1頭>
3R グレートゴールド
前走は4着にとどまったが、それでも走破タイム上位。スタートが課題でも今度は首位を奪回する