松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 現在、岩手競馬で活躍中の山本聡紀騎手(水沢・板垣吉則きゅう舎所属)が騎乗期間の延長が発表された。延長前は11月4日までだったが、今シーズンの岩手競馬最終日12月31日まで騎乗する。
山本聡紀騎手は船橋競馬所属で4月13日から岩手競馬で騎乗。10月21日(火)終了時点で67勝2着66回3着39回。重賞も早池峰スーパースプリント、岩鷲賞(いずれもエイシントルペード)、ネクストスター盛岡(ラウダーティオ)と3勝をマーク。長兄・政聡騎手、次兄・聡哉騎手と山本三兄弟で人気を集め、実力も数字どおりに証明済み。これから岩手は厳寒期に突入するが、今後も熱いレースで岩手競馬を盛り上げてほしい。
27日メインはB1級特別「ひいらぎ賞」(盛岡ダート1600m)。上がり馬、格上馬が入り交じり、各馬にチャンスありの一戦。好レースが期待できる。
ナムラクレープは中央ダート1800m3着1回から高知へ移籍。初戦は4着に敗れたが、2戦目からアッサリ3連勝。直後に岩手へトレード。3歳B2戦を快勝し、当初の予定どおり岩手牝馬三冠目・オータムティアラに駒を進め、2番人気に支持された。
前半は後方2番手に待機策を採ったが、超スローペースに落とされたのが致命傷。メンバー最速の上がりを駆使したが、ミナトミナイトの3着に終わった。今回は古馬編入初戦。格上馬がそろったが、いずれオープン入りできる器。古馬B1メンバーを一蹴する。
タイセイモンストルは中央芝4勝・オープン、障害1勝から転入。盛岡芝を目指したトレードだったが、5戦を消化して4着最高。3走前からダートへシフトして4、3、2着。一戦ごとに着順をあげてメドが十分立った。前走10月13日のB1級一組戦で最先着を果たし、走破タイムでもリード。引き続き好勝負必至。
ケープライトはA級で走り続け、今季未勝利ながら牝馬重賞・フェアリーカップ2着。ほかにも2着1回3着2回と堅実さを発揮している。今回はB1へ降格して相手が甘くなったのは好材料。2勝2着1回の盛岡マイル戦で反撃に転じる。
ドテライヤツは門別重賞・瑞穂賞を優勝。昨年12月、門別A1級から転入したが、着外の連続。今季は3着3回と良化感をうかがわせ、9月からB級へ降格。2勝2着1回3着1回と毎回勝ち負けを演じている。反応の良さは水沢だが、盛岡もこなせる。
ビクトリーサイトは南関東6勝・B1級、名古屋A級を経て転入。当初は伸びを欠いていたが、目下3連勝中。C1級からB1昇級も難なく突破した。メンバーは強化されたが、勢いに乗っている。
サンエントジアスタは今季2勝2着4回3着2回。前走は5着だったが、相手なりに駆ける堅実派。勝つまではどうかだが、連下候補には候補には押さえたい。
◎⑥ナムラクレープ
〇①タイセイモンストル
▲⑨ケープライト
△③ドテライヤツ
△⑦ビクトリーサイト
△②サンエントジアスタ
<お奨めの1頭>
2R グランシャット
中央10戦すべて一けた着順にまとめ、5着3回。岩手C2下級編入は恵まれた格付け。順当に勝って今後に弾みをつける

26日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"「第41回プリンセスカップ」(盛岡ダート1400m)。過去10年は門別6勝、岩手3勝、浦和1勝と北海道勢がリード。今年は門別6頭、川崎1頭、迎え撃つ岩手5頭の計12頭で覇を競う。
主軸にセイクリスティーナを指名する。デビュー戦は2着に敗れたが、2戦目から4連勝の快進撃。若鮎賞、交流・ジュニアグランプリと芝重賞2連勝を飾り、続いて若駒賞へ駒を進めて牡馬相手に完勝。世代屈指の強豪に君臨している。入れ込みが激しいのがネックだが、陣営は折り込み済み。ジュニアGPに続いて遠征馬が相手だが、勢いと地の利を生かして迎撃。フジラプンツェル以来、3年ぶりの岩手優勝の期待がかかる。
サラサチャレンジは川崎1400m・新馬戦を快勝し、2戦3、4着から園田・プリンセスカップへ遠征。積極的なレース運びからココキュンキュンの2着に粘った。前走・金沢シンデレラカップ4着に終わったが、今度は走り慣れた左回りが舞台。待望の重賞制覇へ王手をかけた。
スルーザミルは門別1000mのデビュー戦をあっさり逃げ切り、重賞・リリーカップでは後方待機策に転じて3着。リュウノフライトが圧勝したが、2着とはわずかアタマ差。続くフルールカップは出遅れもこたえて6着、フローラルカップは距離が長く8着に終わったが、1400m短縮で反撃。
トリスティの母はアメリカで11勝してGI(ラブレアS)を制し、ほかにGII1勝、GIII1勝。門別1200m・新馬戦を快勝し、2戦目5着からJRA札幌芝1500m・クローバー賞へ挑戦して3着に健闘した。速い時計決着の盛岡1400mは合うはず。
ウィルラウスはデビュー2戦目を勝ち上がり、1700m戦で2着確保。JRA札幌・クローバー賞7着、前走・フローラルカップ6着と2戦着外に終わったが、決め手を生かせるワンターンで能力全開。
トリップスは門別1000m・新馬戦を逃げ切り、2戦4着からJRA札幌芝1200m・すずらん賞へ挑戦11着から門別1200mで逃げ粘って2着。大外がネックだが、天性のスピードが武器。
◎⑥セイクリスティーナ
〇⑧サラサチャレンジ
▲⑤スルーザミル
△④トリスティ
△⑪ウィルラウス
△⑫トリップス
<お奨めの1頭>
5R シンボリライト
新潟ダート1200mで5、7着。岩手C2下級編入は恵まれた上、盛岡ダート1200m戦も望むところ

10月19日に行われた3歳世代原型としては今季最後の重賞『トパーズカップ』。12頭が挑んだ戦いは1番人気リケアカプチーノが快勝。自身3つめのタイトルを獲得するとともに改めて世代最強をアピールしました。
レースは外枠から飛び出したユウユウコラソンとタナハシがそのまま先頭・2番手となって流れを作る展開。リケアカプチーノは先行集団の外に付けてこちらも流れをうかがいます。3コーナーを過ぎてじわりと先頭に出るタナハシ、それを見てリケアカプチーノも外から馬体を併せに行ってここからは二頭の一騎打ち。一足先にトップスピードに乗ったタナハシがいったんはリードを拡げますがリケアカプチーノも即反応、坂を越えたところで今度はリケアカプチーノがリードを拡げて勝負あり。最後まで余力十分のままゴールを駆け抜けて3歳トップの貫禄を見せつけました。
2着はタナハシが確保。その7馬身後ろで繰り広げられた3着争いは外から伸びた8番人気バイアメが制して馬番3連単は万馬券の波乱に。以下4番人気リュウノナポレオン、11番人気マルケイロジャーまでが掲示板圏内を確保。
前回のトパーズカップは2003年、3歳ダート1200mの重賞として行われました。リケアカプチーノはレースの歴史に22年ぶりに新たに刻まれた勝ち馬となりました。
10月21日のメインレースは12Rに行われるOP級ダート1200mの『スプリント特別』です。この路線の締めくくりは11月16日、今年の盛岡競馬最終週に行われる重賞「絆カップ」。そのほぼ一ヶ月前になるこのレースには絆カップを目指す馬も多数登場して前哨戦の趣となりました。
さてこのレースの本命は(2)ウラヤです。
今シーズンは3月の白嶺賞から概ね1ヶ月間隔を守って出走。勝ち星こそA級特別・OP特別の2勝ですがマイルの重賞でも好走するくらいに順調かつ好調をキープしてきました。そしてそのようにマイルにも出走しているものの陣営が考えているベストは盛岡の短距離、この1200m。近走も3戦続けてこの距離を選択し、今回も含めれば4戦連続、そして恐らく次戦になる絆カップまで行けば5戦連続で盛岡1200mで戦うことになります。それもこれも昨年に続いて絆カップを制するため。ここはしっかり勝っておきたいところです。
対抗は(4)エイシントルペードを。前走はハナを獲れない形の展開でしたがそれでも流れに乗って2着を確保。敗れはしましたが逃げ一手ではない点を示したのは収穫だったのでは。
岩鷲賞でウラヤを退けた時は前が止まらない傾向が強かった日。今回はもしかしたら逃げ先行馬に不利な傾向かもしれませんが、前走のような競馬もできるとのことであれば選択肢も増えるだろう・・・と見ての対抗評価に。
三番手は(7)ロードオブザチェコ。こちらも間隔を取り、真夏も避けて余計な消耗を防いできたのは◎と同様。白星先行でこそないもののしっかり力を出してきているのも同様です。距離はもうひとハロンあった方が戦いやすいかもですが勝ち負けできる力はあると見るべきでしょう。
連下ヒモとなるともうどこでも選べそうなので、敢えて狙うならということで8枠の2頭、(10)オスカーブレインと(11)エスクマを。距離はもうひとハロン短いか長いかした方がよりベター。ですがどちらも盛岡とは好相性ですし、自分の形で戦えれば上位に姿を見せていていいはず。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(7)、(2)→(10)、(2)→(11)
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10月12日(日)「第3回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
ラウダーティオがゲート内で立ち上がったが、鞍上・山本聡紀騎手は折り込み済み。うまくなだめて互角のスタートを切って逃げたフォーティチュードの2番手を追走。3番手にイタズラベガ、4番手外にセローム、5番手インにディオニス、続いてフォーエバートライ。ラブコラージェンは先団から少し離れた位置を取った。前半3ハロンが34秒4。2歳戦では超ハイペースとなった。
直線を向いてラウダーティオがフォーティチュードを交わして先頭。内からラブコラージェン、外に出したディオニスが接近したが、ラウダーティオが1馬身差をつけてゴール。初重賞を手にした。
1着・ラウダーティオ=山本聡紀騎手
「ゲートを出てしまえば速い馬。2、3番手がいいなと考えていたから理想の位置がとれた。今日は反応が良かったし、外から兄の馬(ディオニス)が来たが、最後まで頑張ってくれた。あとは砂を被ったりして競馬の幅を拡げていければ、もっと強くなる。まだ課題が多い馬ですが、潜在能力は高いと思います」
板垣吉則調教師
「2戦目からゲート内で立ち上がるのが癖になってしまった。4コーナーでディオニスが手応えよく上がってきたが、今日は前回(ビギナーズC)と違って息が入ったのか追い出してから反応して引き離してくれた。これ以降の2歳戦はマイル戦しかないですからね。今後は距離との戦いにもなっていくと思います」
20日メインはA級一組「金華特別」(盛岡ダート1600m)。先週にJpnI・マイルCS南部杯があったため、実質第2グループの争い。カギを握るのは転入馬バトルバーリライの動向だろう。
本命はそのバトルバーリライにした。一貫して南関東で走り続けて13勝2着12回3着6回。着外に沈んだのはわずか3度のみ。今年9歳を迎えたが、転入前2戦を3、4着にまとめて健在を誇示した。メインは大井だったが、左回りも大井左回り1650m、浦和で経験して1勝2着3回3着3回。ほかの2回も4着とまったく崩れなし。このメンバーなら地力で突破できる。
ボウトロイは重賞では家賃が高いが、平場で抜群の安定感。今季4戦目からすべて3着以上にまとめ、目下2連勝中と好調サイクルをキープ。盛岡替わりも問題なく、こちらが軸にする手も十分考えられる。
スズカゴウケツは南関東から里帰り。4戦目を快勝後、芝を使って5、7着に終わったが、ダートに戻って2戦連続で2着を確保した。昨あすなろ賞優勝を含めて盛岡5勝。メンバーも手ごろでシーズン初勝利のシーンまで。
トーセンマッシモは今季2勝2着1回。前走は出走取り消ししたが、それ以前は2連勝。ボウトロイを3着に退けた。取り消しの影響もさほどなく主力争いの一角を形成する。
ノーブルサターンは今季初戦の赤松杯3着。上々の滑り出しだったが、以降はあすなろ賞4着が最高。3ヵ月の休養から前走復帰して6着止まり。年齢的な衰えは隠せないが、叩かれて変わり身どこまで。
ダブルラッキーは初戦こそ4着だったが、以降は4勝2着3回3着4回と持ち味の堅実さを発揮。有力馬がもつれれば台頭十分。
◎⑩バトルバーリライ
〇⑦ボウトロイ
▲④スズカゴウケツ
△③トーセンマッシモ
△①ノーブルサターン
△⑧ダブルラッキー
<お奨めの1頭>
8R キープオントップ
中山ダート1800mで2着を確保し、転入前の札幌ダート1700mでも4着。C1編入に恵まれて初戦からいける

19日メインは3歳重賞「第25回トパーズカップ」(盛岡ダート1800m)。同レースの創設は1980年。当初は3歳(旧4歳)特別で1600mを中心に行われ、2000年から短距離重賞へ格上げ。盛岡ダート1200m条件で実施されたが、2003年を最後に休止。今回は22年ぶりに復活し、距離も1800mへ変更となった。
中心はリケアカプチーノで不動。8戦5勝2着3回の成績から転入。初戦の東日本交流・ダイヤモンドカップはシーソーゲームの2着に終わったが、岩手3歳同士の東北優駿を圧勝。続いて古馬伝統の一條記念みちのく大賞典へ挑戦。ヒロシクンとの壮絶なマッチレースに持ち込み、ハナ差で制して快勝。3歳馬初のみちのく大賞典馬に君臨した。
JpnII・不来方賞は追走一杯で6着だったが、マークした2分2秒9は2014年、JBCクラシック(盛岡)でコパノリッキーの6着ナムラタイタンの2分2秒6に次ぐ岩手所属馬では史上2頭目の最速タイム。ナルカミは続いてジャパンダートクラシックも優勝し、ハイレベルの戦いだった。今回は地元同士、しかも同世代3着なら敵う相手は1頭もなし。順当にトパーズカップを制し、今後に弾みをつける。
焦点は相手候補。筆頭にユウユウコラソンを抜てきする。2歳時は2勝2着。冬場に南関東へ移籍して3戦3着1回から里帰り。2戦目から3連勝を飾り、重賞・イーハトーブマイルを優勝。東北優駿でも3着を確保した。前走5着だったが、初の古馬A級に加えて水沢が舞台。今度は得意とする盛岡に替わり反撃必至。
キングミニスターは門別1勝からダート変更となった交流・ジュニアグランプリを快勝。JpnI・全日本2歳優駿8着後、南関東へ移籍。2戦とも二けた着順に沈み、岩手転入。当初は本調子を欠きながらも3着4回。重賞・やまびこ賞でも3着に入った。不来方賞10着後はトパーズカップへ照準を合わせて態勢万全。
タカマキファイブは2歳時1勝のみにとどまったが、今季2勝2着3回3着1回。重賞・やまびこ賞では前記キングミニスターに先着2着を確保した。典型的な追い込み脚質でコース広い盛岡が主戦場。持ち味の決め手をフルに生かす。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。2勝2着2回から1400m重賞・ウイナーカップを快勝した。その後も2勝を積み重ねて古馬へ編入。前走A級戦でユウユウコラソンに先着4着。1800mが気持ち長いが、地力アップは明白。
タナハシは中央芝2400m3着1回から転入。格付けにも恵まれたが、あっさり2連勝をマークした。相手は一気に強化だが、距離を味方に上位進出を狙う。
◎⑥リケアカプチーノ
〇⑩ユウユウコラソン
▲①キングミニスター
△③タカマキファイブ
△⑤リュウノナポレオン
△⑪タナハシ
<お奨めの1頭>
5R ジェイエルライナー
前々走・東京ダート1400m戦で2番手キープから4着入線。格付けに恵まれて初戦からいける
