10月14日に行われたダートグレードレースJpnI『マイルチャンピオンシップ南部杯』。今年も新旧マイル王対決の構図になりましたがレースでもその2頭の一騎打ち。激しい競り合いを制してレモンポップが連覇を達成しました。
最内1番枠から先手を取りに行った昨年の覇者・1番人気のレモンポップ、外14番枠から、やはり好スタートを切った今年のフェブラリーSの覇者・2番人気ペプチドナイル。レースは序盤からこの2頭の先行争いになりました。
馬体を並べてしのぎを削り続ける2頭、それを懸命に追う後続の形は結局序盤から3~4角、そして直線まで続きます。そしてレモンポップリードで飛び込んだスタンド前直線、ペプチドナイルがジリジリと迫り脚色で上回ったかと感じる瞬間もありましたが、レモンポップも迫られては引き離すしぶとさを発揮。2頭の差は最後まで無くなることはなく、レモンポップが3/4馬身差を付けてゴールを駆け抜けました。。
2着は最後まで迫ろうとしたペプチドナイル、3着争いは混戦になりましたが10番人気キタノヴィジョンが飛び込んできて気を吐きました。以下4番人気ミックファイア、7番人気アラジンバローズと入線。
勝ったレモンポップは昨年の勝利に続いての連覇となり南部杯史上8頭目の偉業を達成。国内のダートG1級レース5連勝も果たしました。
10月15日のメインレースは12Rの『スプリント特別』ダート1000m・7頭立て。本命は(5)ルチルクォーツです。
直近は白星先行でこそないものの牝馬重賞で4着、クラスターCで9着は評価が下がるものではありません。7月の岩鷲賞を出走取消したあと調子も徐々に上昇してきている印象。1000mはちょっと短いかもしれませんが苦手感は無いですし、近走成績を比べて人気が下がるくらいならむしろ狙い目と考えたいですね。
対抗は(2)ユイノダンディズム。岩手復帰戦となった前走が強い内容での勝利。芝の方が良い馬になったのかと思っていた先入観を見事に打ち破られました。距離短縮がどうか?は、JRA時代の芝1000mでの経験が新潟の直線コースでのものなのでダートで同じように考える訳にはいかないでしょうが、前走の印象からも短めの距離は悪くないですし、ここはさらに違った面を期待してみます。
(1)レディブラウンが三番手。当初予定のヴィーナススプリントを回避した影響はこの中間の調整過程を見る限り問題無さそう。春先のB2から急速に昇級してきた馬ですが、今はA級の短距離路線の有力馬の一角に数えられる存在になっています。当然ここでも勝ち負けを演じる存在に。
以下は(7)サンエイウイング、(3)ブンロート。少頭数でもあり、思い切って前で戦える馬と差し脚で勝負できる馬をヒモに。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(5)=(2)、(5)=(1)、(2)=(1)、(5)→(7)、(5)→(3)
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14日メインは岩手競馬の看板JpnI「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」(盛岡ダート1600m)。昨年、フェブラリーステークス、南部杯、チャンピオンズカップを制したレモンポップが2年連続で参戦。そして今年のフェブラリーSを快勝したペプチドナイルの初対決。悲願の初グレード制覇を目指すタガノビューティー、驚異の連対率を誇る南関東サヨノネイチヤ、昨年、無敗の南関東三冠馬に輝いたミックファイアなど見どころの多い一戦となった。
レモンポップはデビュー2連勝後、約1年の長期休養。そのため出世は遅れたが、4歳10月にオープン入り。重賞初挑戦・武蔵野ステークスは2着に敗れたが、続くGIII・根岸ステークスで雪辱を果たし、フェブラリーSも完勝。初海外・ドバイゴールデンシャヒーンに遠征したが、10着に敗退。デビューから11戦連続連対がついに途切れた。
帰国初戦に選んだのが昨マイルチャンピオンシップ南部杯。6ヵ月半ぶりの実戦だったが、3番枠から馬なりで主導権を握り、2着イグナイターに大差をつけて圧勝。2着に2秒差は南部杯史上で最大着差となった。続いてチャンピオンズカップでも逃げ切りを決め、JRA最優秀ダートホースに選出された。
今年は2度目の中東遠征・サウジカップへ挑戦したが、12着に大敗。しかし帰国初戦、さきたま杯を完勝。この勝利で16戦11勝2着3回。国内では14戦連対パーフェクトを継続した。南部杯は連覇が多いことでも定評があり、2連覇に王手をかけた。
ペプチドナイルはデビュー2戦は芝を使って8、9着に終わり、3戦目からダートへシフトしていきなり3連勝。2戦置いて3勝クラスを卒業したが、以降はリステッドレース3勝にとどまった。しかし今年2月、フェブラリーステークスで11番人気の低評価を覆して快勝。ダート有力馬が海外遠征中だったことも勝因だが、それ以前はすべてダート1700m以上での勝利。初の1600mで初重賞、初GIを制した。前走・かしわ記念はヘリオスの逃げ切りに屈して2番手キープから3着に終わったが、ワンターンの盛岡マイルで巻き返しに転じる。
タガノビューティーはダートでデビュー2連勝を飾り、GI・朝日杯FSへ挑戦。初の芝だったが、4着に善戦した。続くシンザン記念6着後、ダート路線へ戻って活躍。昨年3月、コーラルステークス快勝後、13戦連続でダート重賞へ挑戦。かしわ記念2着2回、武蔵野S2着などの成績を収めている。ただタイトル獲得は一度もなし。追い込みに近い脚質のため届かないレースの連続。昨南部杯も4着に終わったが、2着イグナイターとは0秒2差。流れ次第では一気台頭のシーンまで。
サヨノネイチヤは3歳4月、大井1400m戦デビューし、15戦12勝2着2回。勝島王冠賞、ブリリアントカップ、大井記念と重賞3連勝を飾り、JpnI・帝王賞へ挑戦。キングズソードに1秒3差5着に善戦した。今度は1600mが舞台だが、過去6勝2着2回。父ダノンレジェンド、母父オレハマッテルゼなら距離短縮は望むところ。
ミックファイアは無敗6連勝で南関東三冠を制覇。トーシンブリザード以来の無敗三冠馬となった。続くダービーグランプリも貫禄で制し、東京大賞典へ挑戦。古馬とは初対決で8着。以降もフェブラリーステークス7着、かしわ記念5着。古馬の壁に突き当たっているが、南部杯で突破できるか注目が集まる。
ダイシンピスケスはデビュー5戦目の川崎条件交流で初勝利をあげ、2勝目を船橋でマーク。以降は2勝クラスにとどまっていたが、昨年12月から3連勝で一気にオープン入り。前走、7ヵ月休養明けの重賞初挑戦・白山大賞典(金沢)でも2着に粘った。メンバーはさらに強化されたが、本格化は疑いなし。
◎①レモンポップ
〇⑭ペプチドナイル
▲④タガノビューティー
△⑦サヨノネイチヤ
△②ミックファイア
△⑩ダイシンピスケス
<お奨めの1頭>
4R ロックオブソシジ
転入初戦を鮮やかなロングスパートで完勝。能力の違いを見せつけた。追ってからの反応がすばらしく、広い盛岡コースはさらに歓迎
今年もまたフェブラリーS覇者対前年の覇者の構図になった南部杯。本命は(1)レモンポップを採る。
昨年の逃げ切り勝ち、それも後続に大差を付ける圧倒的な勝利の印象は1年経った今でも強烈。それはファンのみならず関係者にとっても同様で、他馬の陣営からも「あの馬が今年も強いだろう」という声が必ず聞こえてくるほど。これがさきたま杯のような小回りコースなら、あるいはもっと長い距離なら、紛れが生じる余地もあるだろうが、ワンターン・マイルという力を出しやすいコース形態、特にレモンポップのような快速先行馬にとってはベストとも言える舞台でとなると、いきおいレモンポップの出方にどう対応するか?が話の前提になるのは仕方がないとも言えるだろう。
さて、レモンポップの前走・さきたま杯は終始行き脚を促す厳しい形にはなったが、それは小回り・1400mの条件で勝つために採った策であって、それで勝ち切ったことを高く評価していいもの。直前の追い切りでの併走遅れも実質的な本追い切りは事前に済ませており大きな影響は無いと見ていいもの。
カギは馬場状態で、今年は好天が続いた状態で本番を迎えることになりそうなだけに昨年のような超高速馬場ではない公算が高く、昨年のような大差勝ちまでは無いと考えるのが妥当なのだろうが、それでもこの馬の先行力は計算できるはず。
対抗は(4)タガノビューティー。追い込んで届かずが多いのは陣営も認めるところ。しかし末脚は常に強烈でG1級でも勝利目前まできているのも確かだ。昨年のこのレースや今年のかしわ記念、さきたま杯は前が止まらない状況に追い上げきれなかったが存在感はしっかり見せている。昨年のかしわ記念のように競り合う形に持ち込めたなら惜敗続きにピリオドも。
(14)ペプチドナイルが三番手。フェブラリーSは11番人気からの勝利だったが、本格化してきた今、その人気が彼の実力を反映したものとするわけにはいかない。この馬にとってのカギであり懸念は大本命の影響を受けやすい脚質になるという点。フェブラリーSのように勝負所までスムーズに、脚を使わずに流れに乗っていけるかが焦点で、それには◎の出方が大きく影響する。うまく流れを掴めたなら・・・だが果たして。
△筆頭は大井(7)サヨノネイチヤを。いろいろ初物尽くしなだけに過大な期待は禁物だろうが、帝王賞でもJRA勢の間に割って入っているように今の勢いは魅力十分。先行勢の動き次第では一角崩すシーンも想像してみたい。
そして(2)ミックファイア。マイルに矛先を変えてここ参戦も早い時期から決めていた。間隔は開いたが仕上がりは順調、あとは長距離輸送の影響がどうか?だけ。
(10)ダイシンピスケスは中距離で伸びてきた近走だが左回り・マイルを苦手にはしていない。間隔短めとは言えひと叩きされて挑んでくる点も有利と考えたい。
★印
◎1
○4
▲14
△7
△2
△10
★買い目
3連単フォーメーション
1,4→1,4,14→2,4,7,10,14
(横川典視)
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阿部英俊騎手が地方競馬通算2000勝へ王手をかけている。先週終了時点で1999勝。菅原勲元騎手、小林俊彦元騎手、村上忍騎手、山本聡哉騎手に続いて岩手競馬史上5人目の偉業達成に挑む。
阿部英俊騎手は1992年10月24日デビュー。翌年4月12日、ダートボーイで初勝利を飾り、1999年にはGII(当時)、東京盃をサカモトデュラブで優勝。岩手競馬でG(Jpn)IIを勝っているのは阿部英俊騎手のみ。みなさんも大記録達成の瞬間を見てほしい。
10月13日(日)、阿部英俊騎手の騎乗予定馬
1R ロデオスターメイト
4R リリーピンシャー
5R クリノサンレオ
6R ショコラショー
7R マイネルヒッツェ
8R メイショウソウゴン
9R サーフライド
11R コスモピエドラ
12R リュッカクローナ
13日メインはC1級一組「ポルックス賞」(盛岡ダート1600m)。出走全馬が前走・水沢戦を使った馬ばかり。さらに昇級馬、降格馬、3歳から古馬編入馬が入り混じり、波乱の要素をたっぷり含んだ一戦となった。
主軸にマルケイアローを指名する。岩手デビューで昨年はA級まで出世。今シーズンはB1級でスタートして3着2回。6月2日、B1戦3着後、2ヵ月半の休養から復帰。クラスがC1へ下がり、2戦目の前走2着にまとめた。これで今後のメドが十分に立ち、今回から得意の盛岡戦。特に盛岡ダート1600mは4勝2着1回3着1回とベスト条件。待望の今季初勝利を飾る。
パールホワイトイブは近親が有馬記念馬ブラストワンピースの良血馬。東京ダート1300mで2着2回から転入し、初戦2着。ブライティアブエナが逃げ切ったが、クビ差2着に惜敗した。小回りに加えて初の地方ダートにもとまどったか。今度は東京コースと同じ盛岡が舞台。古馬編入戦だが、むしろメンバーは楽。コース広い盛岡で首位を奪取する。
デルマアシュラは今季B2からスタートして1勝マーク。2走前からC1へ降格して2着、4着。前走は元A級ファイナルマズルが相手では4着も仕方なし。差しがきく盛岡で反撃に転じる。
ゴールドクレストは気分屋のためにアテにできないが、3走前のB1・盛岡1600m戦で35秒6の驚異的な上がりを披露して完勝。周囲を驚かせた。以降は5、4着に終わったが、ツボにはまれば一気突き抜ける。
クイーンカードは今年4月に待望の初勝利を飾った。以降は伸びを欠いた時期もあったが、近走2着2回3着1回と成長期に入った印象。上昇力なら引けを取らない。
マイネルシュラークは大井C2から転入初戦のC1・盛岡1400mを強いレースで完勝。以降は6、3着だったが、コース替わり歓迎。
◎⑫マルケイアロー
〇⑥パールホワイトイブ
▲⑤デルマアシュラ
△③ゴールドクレスト
△⑧クイーンカード
△②マイネルシュラーク
<お奨めの1頭>
2R ロワアブソリュー
前走は2ヵ月近くの休養から復帰戦だったが、C2では能力が違うとばかり快勝。走破タイムも文句なく、2連勝にまい進する
10月6日に行われた2歳馬の重賞級認定競走『ネクストスター盛岡』は3番人気のポマイカイが優勝。5月に新馬戦を制してからの約5ヶ月ぶりの勝利を重賞タイトルで飾りました。
レースは戦前の予想通り2番人気ラポジートがハナに立って開幕。ポマイカイは外枠から好スタートを決めて2番手を確保します。それなりによどみのない流れ、後続は、結果的にはこの前の2頭を見ながら進む形。いわば目標になる形になった同馬でしたが鞍上・高松亮騎手は「自分の馬のリズムを大事にしていました」とあくまでも折り合い重視のスタンス。
後続が徐々に迫ってきた3~4コーナー、ここで勝負をかけて先頭を奪うポマイカイ。ロングスパートをかけた形になった同馬の脚色はさすがに徐々に衰え、一団となった後続が急激に詰め寄ってきますが、ゴールでは1馬身半、まだまだ縮まらない差がそこにはありました。
ポマイカイはこれで7戦2勝、重賞は3度目の挑戦で初勝利。次戦は「適距離が地元にないので早めの休養入りも含めて検討中」と管理する菅原勲調教師でした。
1番人気サウザンドマイルは最後追い詰めてきましたが及ばずの2着。3着は一団の中から10番人気ユウユウコラソンが食い込んできて馬番3連単は19万3240円の波乱の結末となりました。
10月8日のメインレースは12Rです。B1級ダート1600mの『ハダル賞』、12頭立てです。
"10月8日"というとカレンダーの位置的には例年南部杯が行われている頃。大体概ね8日~10日頃に行われますからね。しかし今年はカレンダーの配列上一週間ずれた形になって南部杯は来週14日の開催。先週あたりまではまだ残暑残暑と愚痴をこぼしていましたが、10月も中旬が見えてくるとさすがに寒さも感じるようになってきました。来週も朝晩の冷え込みがはっきりしてくる模様。秋を飛び越えて冬が来るのではないかと戦々恐々です・・・。
さて予想に行きましょう。ハダル賞の本命は(11)トーセンカタリーナを採りました。
3歳の昨年は芝の方が良いのかという印象もあった同馬ですがマイルくらいの距離ならダートでも問題なく、直近では4戦して2勝3着1回の安定した成績を挙げてもいます。前半戦は勝ち星がなかったのですが、それにしてもB1級の上位組で、ほとんどが勝ち馬から1秒圏内だったのですから、やはり地力はあるという評価だ妥当でしょう。
他の馬が作った展開に左右されがちなタイプゆえに人気を背負う方になると不発にもなりやすい。地力接近で人気も割れるここくらいの方がむしろ戦いやすいし、力量を発揮できると見ました。
対抗は(7)カミノカガヤキ。転入後4連勝、非常に安定した戦いぶり・安定して強さを発揮する走りは古馬編入のここであっても魅力的なもの。戦績から距離にまだ課題があると考えて対抗に留めましたが勢いは軽視できないものです。
三番手は(2)エラボレート。近年は長めの距離に特化したような戦績ですが少し前はマイルが主戦場。軽い馬場ですんなり前に行ければ・・・の怖さは今でもあるはず。
ヒモはまず(8)ツルマルベル。先の盛岡開催時は外捲りがハマるコース傾向を味方に連続好走していました。今開催はそこまで極端な傾向ではないのですがワンターンのコースが戦いやすいタイプなのは確か。もう一頭は(3)モールを。A級やB1で戦っていた馬の中では頭打ち感を感じさせる近走ですが、夏頃は古馬の今回位のメンバー相手に勝ち負けしていましたし実際時計も互角。人気の盲点、穴狙いならこの馬。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(11)=(7)、(11)=(2)、(7)=(2)、(11)→(8)、(11)→(3)
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