
5月25日に行われた3歳馬のマイル重賞『イーハトーブマイル』。出走10頭の中には重賞勝ち馬が3頭含まれていましたが、勝ったのは重賞未勝利ながらも1番人気に推されていたユウユウコラソンでした。
転入初戦のブリスタイムが後続を引き離す果敢な逃げを打ち、ユウユウコラソンはそれを少し離れたところで追走する馬群の、その先頭という位置。3コーナーあたりでブリスタイムを交わして先頭に立ったユウユウコラソンでしたが、直後にはピカンチフラワーを始めマツリダマスラオやステイクラッシーら人気上位馬が連なっており、それらが一団となって4コーナーへと進みます。
そこからは先行粘るユウユウコラソンと外から攻めたピカンチフラワーの一騎打ち。ピカンチフラワーが前に出た瞬間もありましたが、ユウユウコラソンも即座に巻き返し、そして2馬身ほど引き離すとそのままゴール。ユウユウコラソンは自身21戦目、7度目の重賞挑戦で待ち望んだタイトル獲得を果たしました。
5月27日のメインレースは12Rです。B1級以下ダート1200mの『マグオート賞』。
ところで岩手競馬では重賞や特別ではない一般戦がメイン・準メインあたりのレースに入る時に植物の名前をタイトルに付ける事が多いです。今週で言えば25日10Rの「オーキッド賞」(オーキッド・・・蘭)、26日10Rの「ネモフィラ賞」、11Rの「ラビットイヤー賞」(ラビットイヤー、ラムズイヤーとも)など。
マグオートもやはり植物の名前なのですが、何か分かりますか?「よもぎ」なのだそうです。自分は調べるまで知らなかったので最初はてっきり自動車関係の会社の冠協賛レースかな?と思っておりました・・・。
よもぎと言われてもあまり花の印象がないですが、しっかり花を咲かせるそうです。今度はちゃんと見てみよう、よもぎの花。
さて予想に行きましょう。マグオート賞の本命は(3)サンダビュークです。
同馬は前走が岩手転入初戦、それまではJRAデビューで新馬勝ちを含む2勝、南関に転じてからは勝ち星無く、昨年8月以降休養に入っていて、5月5日の転入初戦が休み明けの復帰戦ともなっていました。
その前走は結果的には2着に終わったものの、レースぶりとしては2番手から先頭に立って直線では後続を突き放していたのですから十分に地力の高さを感じさせました。ここは勝ち馬の、直線坂あたりではまだ5馬身くらいあった差を詰めて交わしてしまった末脚に脱帽するほかないというものでした。自身も別に凄く止まっていたわけではないですからね。
JRA時代の勝ち星は芝1200mとダート1000m。1400mまでは出走していますが全体的には1200mまでが良いと言える戦績で、前回や今回の1200mは手頃な距離でしょう。前走とはまた少し異なる相手関係、力関係も少し変わっている感じはありますが、前走くらいやれるのなら今回も主役になれるはず。
対抗は(9)アビレを。以前はマイルでも崩れず戦えていた馬ですが最近は、1400mくらいになるとちょっと苦しいという印象で1000~1200mがベターに思えます。差し馬に辛い今週の馬場傾向がどうか?ですが、好展開を作ってくれそうな先行タイプは多そうで、そこに突破口を求めたいところ。
三番手は(11)コンバットココではどうでしょうか。前走で勝ったのは1800m。距離だけを比較すると悩んでしまいますが、この馬の戦績、1800mは初めてでマイルも前々走が初めて。1400mでも少し長いかと感じるような成績なのを見れば認識が変わります。ここは"初距離でも勝てるくらいに調子が良い"と受け取ってみましょう。
以下、850mで戦うことが多いですがその距離専門では無い、むしろ盛岡1200mくらいの方が面白い立ち回りができる(5)アースアワーと、ハマるとすれば集中力を欠かないうちに走りきれる短距離で・・・の(7)アスノヒロイン。
今週は差し馬が脚を使いきれないような馬場傾向が続いており差し馬を過信しづらいのですが、このクラスの1200m戦でなら前掛かりの展開になる可能性も決して小さくない・・・とみて差しタイプにも目を配っておきたいですね。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(9)、(3)=(11)、(9)=(5)、(3)→(5)、(3)→(7)、
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26日(月)、金沢競馬場で『2025地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』全3戦が行われる。総合優勝騎手は8月23日(土)、24日(日)の両日、JRA札幌競馬場で実施される「2025ワールドオールスタージョッキーズ」の出場権が与えられる。岩手代表は昨年、リーディング首位を奪回した山本聡哉騎手。地方競馬のリーディンジョッキー12名が覇を競う。山本聡哉騎手の健闘に期待したい。
同日26日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 盛岡ダート1600m)。中心は前走パフォーマンスから迷いはなかったが、相手候補は一長一短。波乱の要素もたっぷり含んでいる。
ゴールドクレストは中央未勝利、笠松2勝、名古屋3勝から2021年8月に転入。盛岡で2勝後、南関東へ移籍。6勝をマークして2023年に再転入したが、3戦未勝利に終わり、再び南関東へトレード。昨年8月に3度目の岩手入り。2戦目の盛岡1600mで驚異的な上がり35秒6の決め手で完勝した。
レース後、関本玲花騎手に話を聞いたところ「飛んでいるような感じ。最高の気分だった」と興奮気味に語った。以降は勝利から遠ざかっていたが、前走は待望の盛岡1600m戦を迎えて決め手をさく裂。中団キープから3角まくりで久々の美酒を味わった。今度も同じ盛岡1600mが舞台なら追いかける手。2連勝へ王手をかけた。
相手筆頭はメイショウタニカゼとした。中央2着1回から岩手入り。いきなり3連勝後、南関東へ移籍。さらに4連勝を飾り、B2級へ在籍。昨年4月に再転入し、A級では3戦着外に終わったが、5ヵ月半の休養から復帰してC1級へ降格。メンバーが大幅に緩和されて2勝2着2回3着1回の成績を収めた。前走は伸び切れず4着だったが、一戦のみでB2へ降格。反撃に転じて当然だろう。
ナリノバロンは南関東3勝2着3回3着9回から転入。当初2戦は4着止まりだったが、3戦目2着から4戦目を快勝した。メイカップは1800mの距離が長く9着だったが、マイル短縮の前走3着に巻き返した。これで軌道修正できた。
アイリュールは中央ダート1700m3着1回から岩手入り後、2勝2着2回。近走は伸びを欠いているが、流れも合わなかった印象。加えて今回からB2へ降格したのも好材料。
モンサンイルベントは水沢2勝2着3回に対し、盛岡は3着3回が最高だが、前走・メイカップ=盛岡1800mで好調度を前面に3着好走。引き続きマークが欠かせない。
ビリーヴサンライズは前回快勝。待望の岩手初勝利を飾った。タイムは劣るが、今度は単騎逃げが打てるメンバー構成。展開を味方に粘りを発揮する。
◎⑥ゴールドクレスト
〇⑦メイショウタニカゼ
▲①ナリノバロン
△⑨アイリュール
△②モンサンイルベント
△⑩ビリーヴサンライズ
<お奨めの1頭>
3R シゲルアレグリア
転入2戦目から短距離にシフトして圧巻の3連勝。同じ盛岡1000mが舞台なら追いかける一手
25日メインは3歳重賞「第13回イーハトーブマイル」(盛岡ダート1600m)。次開催6月8日(日)に岩手クラシック二冠目・第33回東北優駿(水沢2000m)が控え、有力視されるメンバーは直行。マイル以下に適性ありの馬、復活を賭ける馬たちの戦いとなった。
主軸にピカンチフラワーを指名する。昨年の2歳・新馬勝ち第1号。続く2戦目2着から3ヵ月休養。復帰戦のビギナーズカップ3着、ネクストスター盛岡7着に終わったが、2歳牝馬交流・プリンセスカップ4着。道中は中団インからレースを進め、直線を向いて最内から伸びて2番手まで進出。最後は一杯となったが、北海道勢を相手に見せ場を作った。
その一戦後は南関東へ移籍して大井2戦を使って再転入。初戦の牝馬重賞・あやめ賞を快勝した。続いて留守杯日高賞の選択もあったが、再び二カ月ほど放牧。このレースに照準を合わせて乗り込んできた。未経験の1600m、今度は牡馬相手と不安要素は少なくないが、あやめ賞1着を素直に信じる手。牡馬を一蹴する。
ユウユウコラソンは昨年2勝2着2回3着1回。冬場は南関東へ移籍して3戦3着1回から里帰り。初戦のネクストスター北日本は11着大敗したが、地元同士の戦いに戻って2連勝。実績の低い水沢で勝利を飾り、コース替わった前回も完勝。盛岡3勝2着1回とした。盛岡マイルは4戦2勝2着1回と最も得意とする条件。待望の重賞初制覇のシーンまで。
ステイクラッシーは2歳新馬戦を快勝し、2戦目・若鮎賞3着、3戦目1着と上々の滑り出しを切ったが、以降は苦戦の連続。南関東2戦も着外に終わったが、再転入戦のあやめ賞で差しに転じて2着。以降も留守杯日高賞2着、前走2着と好走を続けている。最後の詰めが課題だが、どんな相手にも連対を確保する安定度が最大の武器。
マツリダマスラオは若駒賞を優勝。交流・南部駒賞では岩手最先着4着を確保したが、気性難を抱えているため冬期間に去勢。復帰戦では貫禄の違いを見せつけたが、前走5着。敗因は去勢の影響で馬体重が30キロ近くも減ったため。本質的には盛岡向きだが、好走の条件は馬体回復次第だろう。
ミヤギヴォイジャーは相手なりに駆ける堅実派。着外4度のうち3回が交流戦で地元戦では抜群の安定感を誇っており、ここでもマークが欠かせない。
ブリスタイムはヒガシウィルウィンの半弟。門別未勝利から笠松へ移籍して3連勝。ネクストスター笠松も快勝した。ただ逃げ一辺倒のタイプで展開がカギを握る。
◎③ピカンチフラワー
〇⑤ユウユウコラソン
▲②ステイクラッシー
△⑧マツリダマスラオ
△④ミヤギヴォイジャー
△⑥ブリスタイム
<お奨めの1頭>
2R ディオニス
能力検査を余力残しで1着合格。レースセンスの良さが目を引いた。初輸送が課題だが、難なくクリアーする
5月18日に行われた古馬マイルの重賞『シアンモア記念』はヒロシクンが逃げ切って優勝。前走・赤松杯に続いて2戦連続での逃げ切り勝ち、重賞連勝を果たしました。
単勝1番人気に推されたのは赤松杯で2着に敗れていたフジユージーン、やはり前走で敗れていたヘリオスが2番人気、赤松杯を勝ったヒロシクンが3番人気、この3頭が単勝オッズ10倍以内という状況で開いたゲート。最内にグランコージー、大外にヒロシクンと逃げ馬が内外に分かれたことでどういう展開になるのか?と思われた先行争いでしたが、ヒロシクンが抜群のスタートとダッシュを決めた一方でグランコージーは僅かに出負け。序盤の攻防は一瞬で決着が付きました。
こうなれば強いヒロシクン。「自分がしっかりペースをコントロールできていたから自信を持って行けた」と鞍上・高松亮騎手が振り返るように、勝負所から迫ってきたフジユージーンにも馬体を並ばせるところまではついに迫らないままにゴール。前走に続いての逃げ切り勝ち、前走に続いてのフジユージーン撃破を成し遂げました。
1番人気フジユージーンは最後まで追い上げてはいたものの今回も2着。ヘリオスもやはり先行粘るミニアチュールを捉えることができず4着。その紅一点ミニアチュールが3着と牡馬の一線級の間に割って入りました。
ヒロシクンの次走は一條記念みちのく大賞典の予定。ここで重賞3連勝を、そして同レース連覇を狙います。
春の盛岡開催も早くも折り返し点を過ぎた5月20日のメインレースはOP級ダート1000mの特別戦『スプリント特別』。本命は(4)エメラルドビーチとしました。
前走の栗駒賞が岩手転入初戦だった同馬は結果3着ではありましたが、JRA時代に経験したことが無い小回りコースに対応しながらだった事を思えば、そしてヘリオスに先着していた事を思えばひとまず及第点以上、力量は確認できたと言っていいはず。
今回は自身初の1000m、ワンターンの盛岡に替わるのはプラス材料、一方でJRA時代にはしばしば出遅れがある馬だった事を思うとこの距離では不安材料。その辺の差し引きが悩みどころ。とはいえ、このあとの古馬短距離路線を考えると主戦場になるだろう盛岡コースでどれだけやれるか?は計っておきたい所でもあります。ここはそんな期待分をコミでの本命視。
対抗は(2)オスカーブレイン。揉まれたり他の馬に前に出られたりすると走りが鈍ってしまう所があり、小回り水沢ではなかなか気持ちよく戦えずにいましたが、盛岡に替わった前走では逃げ切り圧倒、コースが合う事、スピードに陰りはない事をまとめて証明しました。ここも同タイプがいないわけではないですが枠順有利、馬場傾向も恐らく有利に働いてくれるでしょう。連続逃げ切り勝ちのチャンスは大。
(5)ラストバリオンが三番手。1200mでも既に長く1000mも上限に近いかも・・・という戦績で、今回のカギは初コース・初距離への対応。二走前にオスカーブレインを破っており力量はここ通用の物があると証明済み。ここでも好走して850m専用でない事を示したいところです。
(6)サラサワンの前走は勝ち馬がちょっと強かったという他無し。距離は対応できるでしょうしここでも上位争いの一角と判断。(1)グットフォーチュンは休み明けになる分で今回はここまでの印にしましたが、昨年の今頃は短距離戦線の中心の一角として戦っていた馬。1000mもベストだけに軽視しすぎるのは禁物でしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)→(5)、(2)→(5)、(4)→(6)、(4)→(1)
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今週も金曜日から雨が降っている。その影響で18日は高速決着の可能性が高いが、先週も馬場が乾いてくると時計がかかり、内コースが苦戦の傾向があった。13日(火)は内を大きく開けてレースが多かったのが目についた。果たして今週はどのような傾向になるのか。コース把握は馬券検討の重要なファクター。みなさんもしっかりチェックしてほしい。
19日メインはC1級「新緑賞」(盛岡ダート1600m)。前走1着馬が12頭中8頭と好調馬がズラリとそろった。しかも上位人気馬は4、5歳に集中し、伸びしろも十分。非常に楽しみな一戦となった。
ウイニングライブは中央芝2000m1勝2着1回。GII・セントライト記念へ挑戦(13着)した実績があり、昨年9月に転入。B1級で1勝2着1回3着2回と上々の成績を残した。終盤2戦は着外に終わり、今季はC1級へ降格。前走は4ヵ月ぶりの実戦だったが、格上ぶりを如何なく発揮。好位から抜け出しを決め、地力の違いを見せつけた。今度は盛岡1600mに替わるが、B1級で3戦1勝3着1回ならまったく問題なし。2連勝へ王手をかけた。
マウリノの母マウレア(父ディープインパクト)は中央デビュー2連勝を飾り、阪神JF3着、桜花賞、オークス5着。マウリノは中央芝7戦0勝から岩手入り。2勝2着1回の成績をあげて再び中央入りしたが、4戦二けた着順に終わって再転入。あっさり2連勝を飾った。特に前走は内枠に入り、包まれる厳しい競馬だったが、見事はねのけて完勝。C1卒業は時間の問題だろうと思わせるに十分の内容だった。勢いに乗って3連勝のシーンまで十分。
オレアヌエヌエは2歳時2戦2着1回から7ヵ月半休養。昨年は1勝2着4回の成績をあげたが、9月の3歳・B1戦7着から再び休養。前走は7ヵ月ぶりの実戦だったが、ハイタイムをマークして快勝。好発進を決めた。成長を続ける4歳馬がひと叩きされてさらに気配アップは確実。このメンバーで通用するか興味深い。
オーヴァーザトップは中央芝3着2回から転入後、2勝2着5回3着1回。着外が一度もなく、相手なりに駆ける堅実さが身上。C1特別・夏油賞を完勝した。前走4着の評価が分かれるところだが、外目を回るロスが大きかったと判断。1600mなら自己ポジションを取りやすく巻き返し必至。
タイキクラージュは昨年B1級からC1級へ降格。今季初戦を快勝したが、以降2戦着外。前途に暗雲が立ち込めたが、近2走3、2着で軌道修正。いい脚を長く使えるのが武器。ここでもマークが欠かせない。
アメイジングスターは今シーズン3戦1勝2着1回。前走は後方待機策からメンバー最速の上がり39秒0の脚を駆使して直線一気を決めた。ペース速くなれば再現まで。
◎②ウイニングライブ
〇①マウリノ
▲⑩オレアヌエヌエ
△⑨オーヴァーザトップ
△⑥タイキクラージュ
△④アメイジングスター
<お奨めの1頭>
2R シゲルアレグリア
南関東C1級から転入後、あっさり2連勝。前走は大外から逃げ切りを決め、枠順も問題ない