松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 10月13日に行われたダートマイルのグレードレースJpnI『マイルチャンピオンシップ南部杯』は4番人気ウィルソンテソーロが優勝。人馬共にオールスターキャストとなった一戦を見事に制しました。
ハナを獲るかと思われていたシャマルをペプチドナイルが抑えてこちらが序盤先頭。「シャマル2番手」の実況に場内からどよめきが上がります。ウィルソンテソーロはそんな先行集団を6番手あたりで追走。勝負所では2列目4番手に進出すると、先行競り合うシックスペンス以下を直線であっさり突き放してゴール。自身としては約3年ぶりになるマイルでの勝利をグレード制覇で飾りました。
2着には初のダート挑戦だったシックスペンス、3着には昨年の2着馬ペプチドナイルが食い込み1番人気サンライズジパングは最後追い上げた物の4着まで。5着に兵庫エコロクラージュが食い込んで地方最先着を果たしました。
前日10月12日に行われた2歳馬の重賞『ネクストスター盛岡』は1番人気ラウダーティオがV。重賞初制覇となりました。
逃げたフォーティチュードを2番手で追ったラウダーティオ。2番人気ディオニスはその斜め後方に付けてラウダーティオをマーク。そんな隊列のまま3コーナーを過ぎます。
レースが動いたのは4コーナー。ラウダーティオが前を捉えに行くと間髪を入れずディオニスも外に出して外から並ぼうとする体勢に。この攻防がどうなるか?でしたが、「自分の仕掛けが早かったですが、道中息を入れることができていたので最後まで反応してくれました(山本聡紀騎手)」とラウダーティオがもうひと伸びを見せたところで勝負あり。1馬身ほどの差が変わらないままにゴール、ラウダーティオが前走2着の鬱憤を晴らす重賞制覇を果たしました。
10月14日のメインレースは12Rの『オクトーバーカップ』、B2級ダート1400mの特別戦。本命は(4)ドドーニサンサンを狙います。岩手での勝ち星はいずれも水沢、盛岡は現状3着が最高でもあって"水沢向き"のイメージがありますが、その3着が8月のB2特別オーガストカップ、今回も戦う相手と互角にやれているのですから盛岡でも展開ひとつだと考えます。元々軽めの馬場の方が良い馬でもあり、前半戦ほどにはタフな馬場ではない今ならその頃のイメージとは違う競馬もできて良いと見て本命に。
(2)コスモモカが対抗。勝っても負けても僅差になりがちのタイプですが、前半戦はB1のそれなりに歯ごたえのある面々を相手に崩れずにいたのですから堅実さはここでの上位と言えるでしょう。この馬もタフな馬場よりは軽めの馬場というタイプなのも、今の馬場を思えばここでの魅力になるのでは。
三番手は(6)エイカイゴールドを。南関時代の実績からは、距離や左回りは大丈夫として時計的にはB2はちょっと家賃が高いかなという印象。ただC1ならという時計ではありますし、であればここで極端に大きな差はないとも思えます。あとはスタートが決まれば。
以下、一進一退の振れ幅が大きめですがB1上位勢と戦っていたことを思えばここは相手が軽い感もある(7)フェアリー、ここでも時計互角、展開ひとつの(8)ハーツケリーまでを押さえに。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)=(6)、(4)=(7)、(2)=(6)、(4)→(8)
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13日メインは「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)。今年はどの有力馬が勝っても不思議なし。馬券的にも妙味たっぷりの魅力あるメンバー構成となった。
シャマルはダートグレード9勝。父スマートファルコンと同様、活躍サイクルが非常に長い。今年初戦のかきつばた記念は4着に終わったが、黒船賞(3連覇)、かしわ記念(2連覇)、さきたま杯を制し、JpnI2連勝中。自慢のスピードが冴え渡っている。南部杯にも2022年に参戦してカフェファラオの0秒1差3着に惜敗。メンバー最速タイ(もう1頭はゴールデンヒーラー)の上がりを披露した。本質的には平坦1400m向きだと思うが、今の充実度で盛岡マイルも克服。JpnI4勝目にまい進する。
ウィルソンテソーロは一昨年、JpnIII・マーキュリーカップを快勝後、中距離路線へシフト。昨年のJBCクラシック(佐賀)を制し、ほかにG/JpnI2着5回。今季も中東へ遠征してサウジカップ4着、ドバイワールドカップ7着。帰国初戦の帝王賞5着止まり。陣営は末が甘くなる2000mより1600mが合うと判断。マイルCS南部杯へ駒を進めてきた。何よりも武器は自在に立ち回れる脚質。鞍上は盛岡コースを知り尽くしている川田将雅騎手。
シックスペンスは補欠1番手だったが、グランブリッジの回避によって無事出走にこぎつけた。デビュー3連勝を飾り、スプリングSも快勝。続いて毎日王冠、中山記念を連勝してGII3勝。大阪杯で1番人気に支持されたが、伸びを欠いて7着。安田記念は12着に終わり、早々とダート挑戦を表明した。初ダートが最大ネックだが、父がキズナ、母がアメリカダート11勝、GI1勝。走る素地は十分ある。今後の路線が決まる重要な一戦となった。
ペプチドナイルは昨年、フェブラリーSを快勝し南部杯へ名乗り。当時、絶大な圧倒的な強さを誇っていたレモンポップに対し、真っ向勝負に出て世紀のマッチレース。レモンポップの逃げ切りに屈したが、最後は0秒1差まで肉薄した。ゴドルフィンマイル11着から帰国初戦だが、南部杯制覇に向けて手抜かりなし。
サンライズジパングはJpnII・不来方賞完勝からダート路線へ完全シフト。ジャパンダートクラシック3着、フェブラリーS2着、前走・名古屋グランプリ優勝。今やダート界の顔となった。エンジンのかかりが遅く、マイル対応が最大ネックだが、今回に限れば大外16番枠を引き当てたのは強運。3コーナーで好位につけることができれば好勝負必至。
リメイクは2023年のJpnIII・クラスターカップを含めて国内外のダート1200m重賞5勝。コリアスプリント2連覇後、ブリーダーズカップ・スプリント11着、中東2戦7、10着。ズブさが出てきたのを機にマイルに活路を求めてきた。
◎⑦シャマル
〇⑪ウィルソンテソーロ
▲⑭シックスペンス
△⑩ペプチドナイル
△⑯サンライズジパング
△①リメイク
<お奨めの1頭>
4R マグナドムス
中央未勝利から転入戦の盛岡1200mを完勝。前走は4着に終わったが、相手が強かった上、初コースも影響した。地元に戻って首位を奪回する

今週から戦いの舞台は盛岡競馬場へ移り、13日(月祝)、「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI)を頂点にクライマックスを迎える。12日メインは2歳重賞「第3回ネクストスター盛岡」(盛岡ダート1400m)。ビギナーズカップを含めて無敗3連勝レジェンドバローズは脚部不安が発生して休養。当面は治療に専念して復帰は来シーズンになるという。
ラウダーティオは新馬戦を1秒8差で圧勝し、2戦目は0秒7差で完勝。続くビギナーズカップはレジェンドバローズとの無敗馬対決で注目を集めたが、1秒2差2着に完敗。加えてパドックから入れ込みが激しく、体力を消耗したことも敗因だった。以降はネクストスター盛岡に照準を絞り、態勢を立て直すことに専念。レジェンドバローズ不在の今回は首位を奪回する絶好のチャンス。
ディオニスは5月、盛岡ダート1000m・新馬戦を1秒6差で圧勝。その後、3ヵ月の休養を経て戦列に復帰。2着に0秒7をつけて完勝。危なげなく2連勝を飾った。前走8月31日、ビギナーズカップがあり、2着ラウダーティオ1分27秒2に対し、ディオニスは1分28秒4。机上の論理では完全に水をあけられたが、休み明けを叩かれて気配アップは確実。逆転首位まで十分。
フォーティチュードは門別・新馬戦2着から2戦目を快勝。4戦1勝2着1回3着1回から岩手入りして初戦をアッサリ逃げ切って好発進を決めた。今回は重賞が舞台。メンバーは骨っぽくなったが、ハイレベル門別2歳戦線で鍛えられてきた経験を前面に、首位争いを演じる。
トゥーナスタディはデビュー2戦目の盛岡ダート1200mを勝ち上がり、芝・若鮎賞、芝交流・ジュニアグランプリで連続2着。JRA・芙蓉ステークスへ挑戦し、しんがり負けを喫したが、好位を追走できたのは収穫。遠征疲れが残っていなければ好勝負必至。
セロームは4戦1勝2着1回3着2回。重賞・ビギナーズカップでは1、2着馬に離されたが、3着を確保した。小柄な牝馬で完成度一目。強力牡馬がそろったが、ここでも持ち味の堅実さを発揮する。
ロジータサンライズはデビュー2戦目の門別1200mを快勝。7戦1勝から転入し、初戦の若駒賞5着。最後方追走から直線で差を詰めただけに終わったが、ワンターンの盛岡の方が合いそうな印象。
◎⑦ラウダーティオ
〇①ディオニス
▲②フォーティチュード
△⑪トゥーナスタディ
△⑩セローム
△③ロジータサンライズ
<お奨めの1頭>
5R プレシャスアセット
岩手の水が合い、JRA交流を快勝し、牝馬三冠目・オータムティアラでも2着確保。オルフェーヴル産駒が一気に素質を開花させた。実績ある芝で首位を奪回する

10月5日に行われた牝馬のスプリント重賞『ヴィーナススプリント』は3番人気レディブラウンが優勝。自身初の重賞タイトルを手にしました。
人気を集めたのはミニアチュールで単勝オッズは1.6倍。しかしそのミニアチュールが1枠1番からのスタートで中盤まで馬群の中から動けなかったのに対しレディブラウンは向こう正面ですんなり外に出して捲っていける位置を確保していました。「手応えが凄く良かったので早めに動いてリードを取っておこうと(鈴木祐騎手)」外3番手から仕掛けた同馬は勢いに乗って4角先頭、そして直線もそのまま後続を寄せ付けないままゴールを駆け抜けて勝利。2歳時から数えて17度目の重賞挑戦、なかなか手に入れる事ができなかった重賞のタイトルでしたが、そんなこれまでが嘘のような圧倒的な強さでの戴冠劇となりました。
2着にはこれが重賞初挑戦のチアフルヴォイスが入り、ミニアチュールはさらに4馬身差の3着まで。このレースでも連覇達成はならず・・・でした。
秋の水沢開催は本日7日まで。前半や終盤はそれなりに気温も高く「秋」という感じがちょっと薄かったですが、ここからは最低気温が一ケタ台になっていくようで秋らしさも急速に強まっていくのでは。
次週からの盛岡開催は初日12日に2歳重賞『ネクストスター盛岡』、2日目の13日には『マイルチャンピオンシップ南部杯』が行われます。盛岡競馬もお楽しみに!
10月7日のメインレースは12Rです。OP・ダート1400mの『スプリント特別』。本命は(2)エスクマを狙います。
前走はマイルの東京カップけやき賞で9着、前々走はマイルのA級二組戦で1着と近走は続けてマイルに出走していますが、その前は1400mで4連勝していたり1200m千でも好走していたりとマイルよりはもうひとハロン短いあたりが良い印象がある戦績でした。短距離重賞で好走している馬もいて相手関係は楽ではないですが時計比較で差はない点に期待してみます。
対抗は(4)ケープライト。こちらも直近2戦は中距離で戦っていますが1400mも苦にしていない戦績です。順調に戦えてきている点も強みになると見てこの評価。
三番手は(3)サンエイウイングを。白星先行ではない近走なのでちょっと目立たないですが短距離ではそれなりの強敵とも大きな差が無く戦えてきており力量は軽視できないものがあるはず。昨年ほどの勢いはないか・・・という今年ではありますがまだ侮るのは危険でしょう。
(5)ロードオブザチェコは重賞でも上位争いをしており実績比較では上位になる存在。過去の戦績からひと叩きして上昇するタイプと考えて今回はここまでの印に留めましたが、この相手関係なら初戦からあっさりも。気配に注目。もう一頭は(7)テングクラブを。なかなか勝つまでに至らないでいますが距離やコース、相手関係にも対応してきている印象。ここで上位に食い込む力はもう備わっていると考えます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(3)、(2)=(5)、(4)=(3)、(2)→(7)
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9月21日(日)、水沢第8R・3歳C2戦でマジカルキャンディに騎乗した関本玲花騎手が1着。地方競馬通算200勝を達成した。岩手競馬の女性騎手最多勝は故・高橋優子さんの209勝。
関本玲花騎手「シーズン前から200勝は意識していましたし、上半期は順調でした。ただ後半に突入してからなかなか勝てない時期が続きました。特に残り10勝からが勝てませんでしたが、残り1勝からサラッと勝てて良かったと思います。200勝達成で、みんなから"おめでとう"と言われました。岩手競馬の女性記録は209勝ですか。年内には記録を更新したいと思っています」
関本玲花騎手は2019年10月5日デビューで今年6年目。翌々日7日、騎乗7戦目で初勝利を飾り、今回200勝を達成した。高橋優子騎手は1970年にリーディング5位、重賞・日高賞を優勝。1972年にはリーディング4位。関本玲花騎手の記録更新の日を楽しみにしたい。
6日メインA級一組「神無月特別」(水沢1600m)。カギを握るのは一昨年の年度代表馬ノーブルサターンの動向。6月29日以来の実戦で当日の馬体重、状態をしっかりチェックしたい。
本命はボウトロイ。シーズン再開当初は伸びを欠いていたが、4戦目3着から本来の動きを取り戻して続く1戦を快勝。以降も安定した取り口を披露して現在まで2勝2着3回3着2回。前走ではマイペースの逃げに持ち込んで0秒6差で完勝。今季2勝目をあげた。順調度が何よりも強み。軸に打ってつけと言っていいだろう。
ノーブルサターンは中央ダート4勝、南関東1勝(名古屋交流)から転入。過去、重賞を6勝をマークして一昨年は年度代表馬に選出された。昨年は未勝利に終わったが、それでも北上川大賞典2着、シアンモア記念3着、桐花賞3着で健在を誇示。今シーズンは赤松杯3着後は伸びを欠いてみちのく大賞典9着後、休養。3ヵ月ぶりの実戦だが、格でアッサリまで。
スズカゴウケツは南関東から再転入後、着外が続いたが、4戦目を快勝。続いて芝へ連続挑戦していしがきマイラーズ5着、OROカップ7着。盛岡芝適性差も出たが、ダートに戻って前走2着。落ち込みなしをアピールした。実力は昨年、重賞・あすなろ賞優勝でも推して知るべし。2頭をまとめて負かす。
ダブルラッキーは今季初戦こそ4着だったが、以降はすべて3着以上。4勝2着3回3着3回と抜群の安定感を誇っている。ここ2戦2、3着と上限も見え隠れし始めたが、自己能力を出し切って上位争いを演じる。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。着実の白星を積み重ねて水沢1400m重賞・ウイナーカップを快勝。続くやまびこ賞5着、オパールカップ4着に終わったが、目下2連勝中。軌道修正できた。
ユウユウコラソンは昨年1勝のみにとどまったが、今季5勝。充実一途をたどり、重賞・イーハトーブマイルを優勝。今回は不来方賞以来の実戦に加え、小回り水沢がネックだが、成長を続ける3歳馬。古馬も突破の構え。
◎③ボウトロイ
〇⑦ノーブルサターン
▲⑥スズカゴウケツ
△②ダブルラッキー
△①リュウノナポレオン
△⑧ユウユウコラソン
<お奨めの1頭>
2R ゴレイジョウ
中央1勝クラスから転入後、圧巻の3連勝。前走は初の水沢850mも難なくクリアーし、連勝を伸ばすのみ
