9月22日に行われた3歳牝馬の重賞・オータムティアラ。ひまわり賞の再戦ムードでもあったこのレースは1番人気に推されたリケアマロンが優勝。前走の雪辱を果たすとともに自身3つめの重賞タイトルを獲得しました。
ひまわり賞を制したコモリリーガル、同2着のコンバットスプーン、そして転入2戦目・4番人気のメイザーキック、さらにははまなす賞を勝ったマルーントリックが先行争いに飛び出していった中、リケアマロンはそれらの馬の壁の後ろに控える形の序盤。「他の馬の出方を見ながら進む位置を獲りたかった(吉原騎手)」という同馬は先行勢の隊列が徐々に崩れ始めた向こう正面に入っても同じ位置で様子をうかがいます。
リケアマロンが仕掛けたのは4角手前。粘るコンバットスプーン、追い上げるコモリリーガルに絞られたところを外から一気にまくって交わしたリケアマロンはその勢いのまま差を拡げ、最後は5馬身まで着差を拡げる完勝のゴールへ。3着に敗れた前走の雪辱を、その時の上位馬相手にきっちりと果たす勝利となりました。
9月24日のメインレースは12Rです。B1級二組・B2級一組混合、ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』11頭立て。本命は(5)ハローキャンディを改めて狙います。
前走は4着に終わった同馬でしたが、5頭立ての少頭数、スローの団子になる展開で本来の決め手を活かせなかったのが敗因と見ていいはず。実際、二走前に盛岡で勝った時、あるいは南関時代の大井での走りでも、流れのいい展開で決め手を活かす形で好走しています。前走が合わない展開だったことは間違いないでしょう。
その意味でベストはもしかするともっと短い距離、いっそ1200mとかの方が良いのかもしれませんが、マイルでも二走前の盛岡の勝ち時計は優秀なものでした。ここは前走の雪辱を期待したい一戦。
(3)ウイニングライブが対抗。こちらの前走も◎と同じレース、◎と同じように展開に泣いた印象もありました。何よりこの馬は前走が転入初戦、JRAでは芝の中距離を主戦場にしてきてダートだけでなくマイルも前走が初めて。それを思えば前走でいろいろとメドが立ったと考えていいでしょう。馬場状態も、回復が進むでしょうが前走時ほど乾いたタフな馬場ではないでしょうし、そこはこの馬の味方になってくれそう。
三番手は(6)アンジェリカルを。C1からB2に昇級してさらにここはB1の馬もいる相手強化ですが盛岡での時計で大きなひけは取っていません。ある程度先行有利の傾向が続いていそうな点に活路あり。
以下、(7)ソロムコはどちらかといえば盛岡の方が好相性、差し馬有利の傾向も欲しいタイプで条件はあまり味方では無いかもですが、長くB1上位で堅実に戦ってきた地力はここでも上位。そして(1)ミツカネムーン。芝短距離路線からの転入でいろいろ初物尽くしですが、JRA時代の走りの印象だと決め手勝負にならない方が有利に感じます。1枠からうまく流れに乗れれば上位に食い込めていいのでは。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)→(6)、(5)→(7)、(3)→(6)、(5)→(1)
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23日メインはB2級馬による特別「セプテンバーカップ」(水沢1600m)。前開催は格付け再編成により、格上馬と格下馬が入り交じっていたが、格上馬に軍配が上がったかというと決してそうではなかった。もちろん格上馬が優位の傾向だったが、今回のメンバーも案外のケースもあった。
サンエイブレーヴは岩手生え抜きで2歳、3歳時は重賞の常連。重賞タイトルには縁がなかったが、A級まで上り詰めて通算9勝2着6回3着7回。今季はB1に格付けされて4戦目を快勝。新人・坂井瑛音騎手に白星をプレゼントした。しかし、その後は凡走を繰り返して5戦着外。気難しい面をのぞかせたが、4走前2着で再び上昇ムード。前々回8着だったが、前回は鮮やかな逃げ切りを決めた。
最大勝因は村上忍騎手が強気に攻めたから。前々走はコスモモカに出鼻を叩かれて戦意喪失したが、前走は7番枠から強引にハナを主張。あとは気合いをつけながらレースを進め、0秒7差で逃げ切った。もちろんB2へクラスが下がったことも大きかったが、やはり展開次第。今度は1番枠を引き当て、逃げの手に出るのは確実。包まれなければ2連勝の可能性が高い。
メイショウメイスイは今季1勝2着3回3着2回。3走前・オーガストカップ8着に終わったが、以降は2、3着に巻き返した。また盛岡1勝に対して水沢7勝に加え、水沢1600m5勝と最も得意とする条件。サンエイブレーヴが凡走するケースも考えられ、逆転の目は十分ある。
エイシンガネーシャは京都ダート1800m1勝、園田5勝、南関東A2、金沢、笠松と転籍して転入。A級で3着4回を確保して前走はB2へ降格。1番人気に支持されたが、強気の連闘策が裏目に出て8着。今回は中1週のローテーションに戻って反撃に転じる。
コリコはシーズン途中まで苦戦の連続だったが、4走前の牝馬準重賞・フェアリーカップ3着をきっかけに復調。目下2戦連続で2着と安定した取り口を見せている。時計では見劣るが、相手なりに駆ける堅実派。ここでも上位扱いが必要。
ストロングフーヴスは2ヵ月半の休養から復帰後、4着最高だったが、成績どおり水沢が主戦場。有力馬がもたつけば勝ち負けに持ち込める。
パーペチュイティは気分屋の面があり、好走が続かないタイプだが、3走前の盛岡1600m戦を完勝。一発を警戒したい。
◎①サンエイブレーヴ
〇⑤メイショウメイスイ
▲⑧エイシンガネーシャ
△⑩コリコ
△④ストロングフーヴス
△⑪パーペチュイティ
<お奨めの1頭>
2R ミルキー
前走、大外から積極的に逃げてハイタイムで完勝。今回も同じ850mの外枠を引き当て、もう一丁いける
22日メインは岩手牝馬クラシック三冠目「第5回オータムティアラ」(水沢1900m)。過去4回は盛岡競馬場で行われ、OROオータムティアラの名称で実施されたが、今年は水沢へ移行。それに伴って名称も変更となった。
コモリリーガルは門別デビュー戦3着、2戦2着から4戦目に初勝利を飾り、4連勝をマーク。園田・プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流2連勝を飾り、"GRANDAME-JAPAN2023"2歳シーズンで総合2位。東京2歳優駿牝馬15着後、姫路一戦8着から門別へ帰郷。初戦を快勝し、3歳牝馬重賞2戦3着後に岩手入り。やまびこ賞は逃げ一杯5着に終わったが、ひと叩きされて動きが一変。ひまわり賞を0秒8差で逃げ切りを決めた。逃げにこだわるタイプではなく、1900mも守備範囲。岩手牝馬二冠に王手をかけた。
リケアマロンは中央ダート4着1回5着2回から金沢交流2着後、金沢へトレード。あっさり2連勝を飾り、重賞・北日本新聞杯を5馬身差で圧勝。石川優駿は2着に敗れたが、牝馬重賞・加賀友禅賞を逃げ切って完勝。重賞2勝目を上げた直後に転入。ひまわり賞で1番人気に支持されたが、伸びひと息で3着。輸送競馬、初の盛岡にもとまどったか。右回り・水沢に替わって反撃必至。
メイザーキックは中央芝1200m~1400mで2着3回、ダート1400m2着1回。転入戦は3着に終わったが、ペースも速かったか。1900mは未経験だが、祖母ラピッドオレンジは中央4勝、JpnIII・TCK女王盃優勝、マリーンカップ2着。母シトロプシスはダート1700m1勝、ダート1800m1勝とこなせる素地は十分。
ジェイエルジェティは中央ダート1400m~1600mで2着2回3着1回。今回が岩手初戦だが、転入前の新潟ダート1800mで2番手をキープして0秒7差6着。いきなり勝ち負けに持ち込める。
コンバットスプーンは2歳時に2勝、重賞・ネクストスター盛岡で2着、ビギナーズカップで3着。冬場は南関東へ移籍して4戦着外に終わって帰郷。ひまわり賞、イーハトーブマイル、ウイナーカップで2着確保。メンバーが甘くなった前走はアッサリ逃げ切りを決めた。最大ネックは距離対応だが、すんなりなら持ち味の粘りを発揮する。
セイバイラックは盛岡ダート1600m1勝のみだが、寒菊賞、金杯で2着。今季も東北優駿、やまびこ賞で3着を確保した。詰めが課題でムラな面もあるが、長丁場が活躍の舞台。
◎(11)コモリリーガル
〇(2)リケアマロン
▲(4)メイザーキック
△(5)ジェイエルジェティ
△(8)コンバットスプーン
△(3)セイバイラック
<お奨めの1頭>
3R ビービーアクティブ
B2からC2降格戦は3着だったが、1着馬とは0秒2差。メンバーが手ごろになって今度こそ首位を奪取する
9月16日に行われた古馬マイルの重賞・マイルチャンピオンシップ南部杯トライアルの『青藍賞』はヒロシクンが優勝。みちのく大賞典に続いて2つめの重賞タイトルを手にしました。
1枠のグランコージー・5枠のヒロシクン。この2頭の先行争いになるとみられていたレースはやはりその通りの形で開幕。序盤はグランコージーが前に出て一周目のスタンド前を通過します。
レースが動いたのは向こう正面後半。グランコージーに迫っていったヒロシクンが交わして先頭、そこからリードを拡げていきます。それを見て一斉に動き始める後続。しかし差は縮まらないどころか4角をまわってさらに拡大。最後はヒロシクンが5馬身にまでリードを拡げてゴール、鞍上・高松亮騎手の大きなガッツポーズのおまけ付きの勝利となりました。
2着はゼットセントラル、3着はサクラトップキッドの後方待機組が直線で進出。ハナを奪ったグランコージーが4着に粘った一方、好位から追った1番人気ウラヤは最後失速し6着に終わっています。
9月17日のメインレースは12RのA級一組ダート1600m『白露特別』。本命は(2)マツリダワールドです。
ここ二走は6着・5着と連対圏から遠ざかっている同馬ですが二走前はかきつばた賞、前走は桂樹杯と準重賞での結果。いやそれ以上に差し・マクリ優勢で逃げ・先行馬に厳しかった馬場傾向の影響も受けた結果という印象がありました。逃げに持ち込めればしぶといことはそれまでの、5戦連続での3勝2着3回の結果が証明済み。加えて今週の水沢はタフな馬場ではありますが先行馬に有利な傾向にもなっています。同型がいないわけでは無いですが少々競り合う形になっても耐えることができるタイプですし、今の水沢は行ききってしまえるならその方が有利にもなる傾向。ここで巻き返しを期待しての本命視。
対抗は(1)ドルズプライスレス。6月の水沢以来の休み明けになりますが、この馬は使い込まれてからよりは休み明けでフレッシュな方が良いというタイプです。休み明け初戦が不利になるとは思わなくていいでしょう。
懸念とすれば距離。ここまでの戦績通りベストは1400m。昨年には今回と同様のメンバーを相手にマイルで勝っているとはいえ少し長い印象あり。フレッシュさを武器に食い下がるとみての対抗視。
三番手は(7)グレートキャンベラでどうでしょうか。前回のA級戦では完敗を喫しており、青藍賞があって一線級が不在の一組戦とはいえ相手強化感は確かにあります。ただ、今季はここまで4戦、昨年ほどの連勝ではないですがレースぶりは安定感が増している印象。勝ち負けとまでは言えませんが上位争いできる力は備えてきていると判断。
(5)ルチルクォーツもどちらかといえば短距離での活躍が目につきますが、6月にマイルで勝っているように折り合い面は苦にしません。(3)オンザブロッサムのここ二戦は相手関係だけでなく距離も影響したでしょう。ここに入るとまだ時計がちょっと足りないと感じますが成長度、勢いを侮らないスタンスで。この2頭が押さえ。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(1)、(1)=(7)、(2)→(7)、(2)=(5)、(2)→(3)
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16日メインはJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯トライアル「第32回青藍賞」(水沢1600m)。1着馬に優先出走権が与えられる。現在、2連覇中のゴールデンヒーラーは北海道で休養中。現時点での目標は絆カップ―と佐藤祐司調教師。今年のラインナップは総入れ替え。岩手古馬の勢力図は大きく変わった。
主軸にヒロシクンを指名する。今年5月、中央1勝クラスから転入。B1級であっさり3連勝を飾り、岩手古馬の最高峰・一條記念みちのく大賞典へ挑戦。1番人気グランコージーの出鼻を叩いて先手を主張し、そのまま押し切って快勝。重賞初挑戦でいきなりタイトルを獲得した。
続いてJpnIII・マーキュリーカップへ駒を進め、今度はメイショウフンジンの逃げを阻止。周囲を驚かせたが、さすがに相手が強く3コーナーでクラウンプライドに交わされて失速。13着に沈んだ。その後は休養に入り、放牧先でも乗り込んで帰厩。青藍賞から始動する。最大ネックは大型馬で仕上がり度合い。ひと叩きした方がいいかも知れないが、2ヵ月ぶりなら臨戦態勢は整ったと見ていい。
グランコージーは今年、水沢・千葉幸喜きゅう舎へ転厩。いきなり3連勝を飾り、赤松杯、シアンモア記念と重賞2連勝。3歳時、ダイヤモンドカップ以来の重賞制覇を果たし、春の主役を演じた。
一條記念みちのく大賞典で1番人気に支持されたが、ヒロシクンが激しくハナを主張。加えて2000mの距離も長く4着。マーキュリーカップ14着に敗れた。評価に迷うのは前走・かきつばた賞5着。マツリダワールドが内枠から先手を奪って2番手を追走。自分の競馬ができなかったのが痛かった。しかし今回は絶好の1番枠。今回は主導権を握る可能性が高く、ベストの水沢1600m戦。近走のうっ憤を一気に晴らす。
ウラヤはガリレオの直系でイギリスダービー馬ニューアプローチ産駒。デビュー3戦目からダート路線へ変更し、1400m戦で3勝。中央3勝クラスで頭打ちだったため、岩手へ新天地を求めてあっさり2連勝。メンバーが甘かったとはいえ、実力の違いをまざまざと見せつけた。今度は一線級が相手だが、岩手2戦のパフォーマンスから十分通用する。
ゼットセントラルは今季未勝利だったが、前々走・東京カップけやき賞(中央2勝クラス)を快勝。鮮やかな直線一気を決め、2004年ゴールドレッグ以来の岩手優勝を果たした。前走・桂樹杯は9着だったが、スローに落とされたのが致命傷。ペースが速くなれば巻き返し必至。
ゲンパチプライドは中央2勝クラスから転入。1勝2着2回3着1回。JpnIII・クラスターカップで地元最先着を果たした。ベストは1400m戦だが、マイルもひとまず守備範囲。有力馬がもたつけば馬券対象となる。
◎(5)ヒロシクン
〇(1)グランコージー
▲(4)ウラヤ
△(6)ゼットセントラル
△(8)ゲンパチプライド
<お奨めの1頭>
3R マイジュネス
A級でも勝利実績があり、今回から最下級C2へ降格。メンバーが大幅に緩和され、久々の勝機を迎えた。