
8月19日のメインレースは第10Rに行われる2歳芝の地方競馬全国交流重賞『ジュニアグランプリ』芝1600m・13頭立てです。
昨年のこのレースはダートに変更して行われ、本来の芝の舞台で行われるのは2年ぶり。そして例年9月下旬に行われていたのが昨年からは8月下旬に移動していたので、この時期に行われる"芝の"ジュニアグランプリは初めてという事になります。
以前はJRAの夏の北海道シリーズ等で芝に遠征した経験がある馬が転戦してくるパターンがあり、盛岡の芝は初めてでも芝レースの経験はあるということで参考にできたのですが、今年の遠征馬は全馬初芝となって評価が難しくなりました。
遠征馬が初芝でも力を発揮するか、あるいは芝経験がある地元馬がアドバンテージを持つか?ただそれはこのレースが今後もこの時期に行われるのであれば毎年カギになってくる部分ですから今年の勝敗の行方は今後の参考にもなるでしょう。その視点からも大事な一戦になるのでは。
さて予想に行きましょう。本命は(2)クラウニングカップです。
6月の門別での新馬戦は断然の1番人気に支持されながらも2着敗戦。前評判が非常に高い馬だっただけに意外でもありましたが、今からするとこの時は真面目に走っていなかった、ということだったようです。2戦目からはブリンカーを付けてきっちり勝利、3戦目、前走は2着でしたが敗れた相手は今週木曜の門別の重賞で本命級の評価がされるだろう馬、負けて評価は下がらないものです。
まだ遊び遊び走っている、経験を積んでもっと良くなっていく馬だというのが本馬を管理する田中淳司調教師の現時点での評価。まだ成長途上なのでしょうが、それでもここまで見せたパフォーマンスは十分なものですし、初遠征・初芝でも対応できそうな血統背景も期待をかけて良いものでしょう。
対抗は(12)ブルーメンガルテン。こちらも勝ち星こそ一つに留まっているとはいえ戦ってきた相手が重賞級で・・・という評価は◎と同様。初距離になる分・マイルの8枠になる分で対抗評価に留めましたが、鞍上が全てをカバーしてしまうかも・・・の可能性も十分。例えばよほどの馬体重の増減でもない限りは軽視するのは禁物。
地元の大将格(8)セイクリスティーナが単穴三番手。若鮎賞での勝ちタイム1分39秒1はここまでの同レースで最速。今年7月頃の芝は状態が良く時計も非常に速かったので、以前の8月中~下旬、芝の時計が落ち始めた時期の若鮎賞と単純比較してはいけないかもしれませんが、これだけの好時計ならの魅力は十分。現に盛岡の芝を勝っている地元の利、アドバンテージも武器になっていいでしょう。
以下、(10)ベイビーザロックはここまでの実績比較では他に比べてやや物足りませんがダートより芝の方が走りやすそうなフットワークに注目しての印を。(13)トゥーナスタディはデビュー時こそ成長途上ですぐには勝てませんでしたが、直近3戦で2勝2着1回、芝でも連続好走と完全に軌道に乗りました。大外枠を上手く乗り切れれば上位に。(横川典視)
●10Rの買い目
馬単(2)=(12)、(2)=(8)、(12)=(8)、(2)→(10)、(2)→(13)
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明後日19日は2歳・地方競馬全国交流「第27回ジュニアグランプリ」。昨年は芝走路の悪化によりダート1600mで実施したが、今年は当初の予定どおり盛岡芝1600mを舞台に行われる。今年は門別から3頭が参戦。いずれも芝競走は未経験だが、一昨年から過去10年の地区別優勝は北海道(門別)7勝、岩手3勝と北海道勢が優位に立っている。果たして今年は北海道に軍配があがるか、それとも岩手勢が2020年(マツリダスティール)以来の勝利を飾るか、注目の一戦となった。
18日メインはB1級馬による特別「秋桜賞」(盛岡ダート1400m)。前走1着馬は10頭中4頭。さらに1400m適性も重要なファクターとなり、馬券的にもおもしろいメンバー構成。
主軸にウイニングライブを指名する。新潟芝2000m1勝から昨年9月に転入。当初は未経験のダートにてこずって1勝2着1回3着2回にとどまったが、今季5戦4勝4着1回。ジューンカップ(B2)を皮切りに、特別3連勝中。充実一途をたどっている。最大ネックは未知の1400m。過去最短は1600m戦で忙しい競馬にとまどわないかが不安だが、勢い一番。コース広い盛岡なら十分克服できる。
逆転筆頭はビクトリーサイト。南関東デビューで6勝2着6回。B1級まで出世し、名古屋へ転籍。2着1回3着1回が最高に終わり、岩手入り。A級3戦で5着1回が最高だったが、B1降格戦を完勝。2番手の積極策から4角先頭に立ち、そのまま押し切った。今回、負担重量58キロだったが、関本玲花騎手が騎乗するので2キロ減56キロ。弾みついてもう一丁いけそう。
キャンドルベリーは中央4戦0勝から南関東へ移籍。5戦4勝の成績を収めて再び中央入りしたが、4戦着外に終わり岩手に新天地を求めてきた。その選択が正解。先行力と粘りを武器に3勝2着3回3着3回とすべて馬券対象。前走もハイタイムで逃げ切りを決めた。すんなりの流れならあっさりまで。
ツルマルベルは典型的な追い込み脚質で取りこぼしも多いが、1400m専門に使われて2勝2着1回。前々走、見事な追い込みを決めた。先行激化すれば一気突き抜けるシーンまで。
ウインチャチャは中央未勝利、高知1勝、南関東5勝・B3級から転入。2戦目から1勝2着2回3着2回にまとめ、安定ぶりを発揮している。
タイセイアゲインは中央ダート3勝、南関東1勝・A2級から転入。B1へ再降格2戦目で反撃に転じる。
◎③ウイニングライブ
〇⑤ビクトリーサイト
▲⑦キャンドルベリー
△⑨ツルマルベル
△⑥ウインチャチャ
△②タイセイアゲイン
<お奨めの1頭>
1R ポムファッジ
南関東C2から転入後、盛岡1000m戦をあっさり連勝。地力の違いを見せつけている。相手強化感もなく、もう一丁いける
8月10日(日) 「第26回フェアリーカップ」(牝馬オープン 盛岡ダート1800m)
枠差も利してコモリリーガルが逃げ、2番手ミニアチュール。当然だったが、単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持された。3番手外にポンヌフ、4番手インにフューチャーアゲン、ケープライトは6番手に控えた。快調に逃げたコモリリーガルだったが、2番手ミニアチュールは手応え抜群。4コーナー手前で先頭に立つと2着ケープライトに大差(2秒)をつけて圧勝した。
1着・ミニアチュール=佐々木志音騎手
「スタートで出していったが、内からコモリリーガルが先手を主張したので2番手に控えた。道中、気負いなく楽に追走できたのも良かった。3~4コーナーから強気に行こうと思ったが、リズムを崩さないよう自分の競馬に徹した」
佐藤祐司調教師
「今シーズンは善戦止まり。悪い流れ続きだったのが心配だったが、3コーナーで勝利を確信した。次走はビューチフルドリーマーカップ2連覇を目指すが、JBCレディスクラシックへ挑戦してみたいと思っています」
17日メインは「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1200m)。各馬がそれぞれ死角を抱えて波乱含みの一戦だが、加点ではなく減点法でいくと主力は自然に落ち着く。
ソルデベラーノは今季3勝2着2回3着1回。馬券対象から外れたのは3走前6着のみ。この時は最内1番枠に入り、自己ポジションを取れなかったのが敗因。以降2戦を2、3着にまとめて軌道修正に成功した。今回の盛岡1200mも4戦1勝2着2回と自信の条件。揉まれない大外10番枠を引き当て、首位を奪回するチャンスを迎えた。
キャンプファイヤーは強烈な末脚が武器。好、凡走の落差が激しいのは展開に注文つくため。スローに落とされると決め手不発のケースも少なくない。特に今年は1000m戦で5、10、7着と苦戦を強いられているが、1200m戦は3戦1勝2着1回3着1回とすべて馬券対象。反撃に転じる。
サンマルセレッソは中山ダート1200m1勝、佐賀6勝、笠松一戦を経て転入。当初3戦は凡走したが、徐々に調子をあげて3走前3着から前々回快勝。待望の勝利をモノにした。前走は8着だったが、相手が強かった上、外枠苦戦の馬場にも泣いた印象。一転して最内枠に入り、巻き返し必至。
ドロットニングは南関東B2級から再転入。初戦で逃げ切りを決めたが、以降は3戦連続で着外に沈んでいる。理由は明解。包まれる競馬、砂を被ると戦意を喪失するため。一気に失速する。今回も同型いるが、ハナさえ取り切れれば持ち味の粘りを発揮。
アースアワーは5月まで1勝2着3回3着1回と好成績を残したが、6月以降は入着一杯。粘りを欠くレースを続けているが、次第にメンバーが緩和。このメンバーなら一発あっても不思議はない。
ティンダルナインは浦和800m2勝から転入。1勝3着3回だが、1勝が盛岡1200m戦。すんなりの流れになればチャンスがあるかも。
◎⑩ソルデベラーノ
〇④キャンプファイヤー
▲①サンマルセレッソ
△⑥ドロットニング
△②アースアワー
△⑤ティンダルナイン
<お奨めの1頭>
3R テンフェリーチェ
岩手デビュー2連勝から中央入り。1勝クラスでは荷が重く9着最高だったが、C2編入は恵まれた。勝機ガッチリとつかむ
8月10日に行われたオープン牝馬の重賞『フェアリーカップ』は1番人気に推されたミニアチュールが人気に応えての大差圧勝。現岩手の女王の貫禄を遺憾なく見せつけました。
逃げたコモリリーガルの二番手につけたミニアチュールは「行ければ自分で、逃げを主張する馬がいればその二番手でも良いと思っていました。ただ前の馬に楽をさせないように、そして無理に矯めて自分の馬のリズムを崩さないように(佐々木志音騎手)」という意図から前にプレッシャーをかけながらの番手追走策。その手応えの差はレース終盤に向かうにつれ拡がり、4コーナー回っても持ったままで後続を引き離していきます。最後は大差、鞍上のガッツポーズと共にゴール。準重賞として行われた昨年に続きこのレース二連覇を達成しました。
続いて8月11日に行われたダートグレードレース『クラスターカップ』。こちらも1番人気サンライズアムールがV。急遽乗り替わりで手綱を取った高松亮騎手が嬉しい初グレードタイトルを手にしました。
近年ほどには抜けた馬がいないと見られていた今年のクラスターカップは単勝の上位人気もコロコロと入れ替わる混戦ムード。そんな中で1番人気に支持されたサンライズアムールはスタート直後の先行争いでハナを主張。後続を従えたまま4コーナーを回ります。直線に向いていったんはリードを拡げた同馬でしたが坂を越えて僅かに脚が鈍る。そこへ外から追い上げるキャンディドライヴ、盛り返してきたアドバンスファラオが迫ってきたもののサンライズアムールがクビ差残してゴール。同馬にとっての初重賞制覇、鞍上の高松亮騎手には自身初のダートグレード制覇となりました。
2着には7番人気の門別・キャンディドライヴ、3着には3番人気アドバンスファラオ。2番人気チカッパは4着でした。
8月12日のメインレースは11RのA級ダート1600m『立秋特別』。暦の上では秋が近づく立秋なのですがこの先も気温が高い日が続くようで秋はまだまだ先のよう。ただ、ここのところ日が沈んだあとの夕方や朝方は肌寒いと感じるくらいの気温にもなってきました。遠いようで秋は徐々に近づいてきているのかも。
さてこのレースの本命は(7)シンヨモギネスを採りました。
岩手に転入してここまで2戦、前走の1000m戦はさすがに距離が短かった印象でしたが転入初戦のマイル戦では2着同着、それがこの馬本来の力量でしょう。今回はその時の上位3頭が再び対決。この馬から見ればその時敗れた馬も登場してきていますが、コース経験を積んだ今なら雪辱を狙えると見ます。
対抗は(8)ボウトロイ。昨年春からここまで、重賞ではちょっと苦戦しますがA級特別では掲示板を外していません。以前よりも安定感を増しているとも思える近況を思えば当然軽視はできない存在。
(9)トーセンマッシモを三番手にしましたが、今回はシンヨモギネスの上積みを見込んで本命に採ったのでこの馬を"勝ち負けできる▲"の意味でここに据えたというだけの事。力量は◎○▲拮抗でしょう。そして、今週ここまで雨が多めで湿り気が多い馬場になっているのはこの馬にとって有利な材料にもなりそうです。前走に続いてこの馬が勝利・・・でも何ら不思議なし。
以下は重賞では苦戦も徐々に勢いを取り戻してきていた(6)ドテライヤツ、実績から見て距離は少し長いかと感じますが南関A2で通用するならの(3)ミズワリヲクダサイ。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(8)、(7)=(9)、(8)=(9)、(7)→(6)、(7)→(3)
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11日メインはJpnIII「第30回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)。今年はJRA5頭、北海道1頭、岩手8頭の計14頭で覇を競う。当然と言えば当然だが、馬券対象はJRA5頭、極論すれば4頭に絞ることができる。あとは序列になるだろう。
チカッパはデビュー3戦目からダート路線へシフト。3戦目に初勝利を飾り、昇竜Sで3勝目をマークしてダートグレード路線へ名乗り。兵庫CS2着からJpnIII・北海道スプリントC(3歳限定)を完勝。続いて古馬相手にJpnII・東京盃を快勝。ダート短距離路線のトップグループに躍り出た。JpnI・JBCスプリント(佐賀)はタガノビューティーの強襲に屈したが、4角で先頭に立って2着に粘った。カペラS6着後、リヤドダートスプリントでサウジアラビアへ遠征。後方のまま10着に終わり、帰国初戦のさきたま杯7着。3戦連続で着外続き。左回り対応、復調度合いがカギを握るが、ワンターンの盛岡1200mで復活ののろしをあげる。
サンライズアムールは3歳3月にデビュー。3戦目からダート路線を歩み、いきなり3連勝。翌年に3勝クラスを卒業し、以降も着実に白星を積み重ねて昨年12月、カペラSで重賞初挑戦。超ハイペースの3番手を追走し、直線半ばで先頭。見せ場を作って0秒2差4着。続く2戦は着外だったが、前走・水無月ステークスを快勝。テイエムトッキュウの逃げをきっちり捕らえた。これまで通算8勝。6歳の円熟期を迎え、初タイトルへ王手をかけた。
アドバンスファラオは父が37年ぶりのアメリカ三冠馬アメリカンファラオ。産駒カフェファラオ、ダノンファラオなどで日本でもおなじみ。デビューから一貫してダート1本で走り続け、2戦目の福島1150mを快勝。以降ダート1400m3勝、ダート1200m1勝。ここ3戦は出遅れ、内に包まれるなどの不利が敗因。先手か、すんなり好位を追走できれば持てる能力をフルに発揮。鞍上・笹川騎手の手腕に託す。
ダノンスコーピオンは芝1600mを舞台にデビュー2連勝を飾り、朝日杯FS0秒2差3着。翌年、GIII・アーリントンCからNHKマイルCを連勝。GIホースの仲間入りを果たした。続く富士S3着後、伸びを欠くレースの連続。今年3月からダートに活路を求めてきた。変更2戦目の東京盃では6着ながらメンバー最速の上がりを披露して0秒3差。前走・東海ステークスは9着だったが、自分の競馬が出来ず終い。ダメージが少なかったことから、レース間隔が詰まってもあえて参戦する。
◎⑥チカッパ
〇④サンライズアムール
▲⑦アドバンスファラオ
△⑨ダノンスコーピオン
△⑭ヒビキ
<お奨めの1頭>
2R ナナドリーム
3ヵ月の休養から復帰後、圧巻の3連勝。能力の違いを見せつけている。迷わず追いかける手