14日メインはシアンモア記念トライアル「第49回赤松杯」(水沢1600m)。新シーズンの古馬戦線第一弾が赤松杯。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられ、現時点での岩手トップがずらりと顔をそろえた。
昨年度の年度代表馬ノーブルサターンが、今年も赤松杯から始動する。昨年、シアンモア記念、北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞4勝。満場一致で年度代表馬に選出された。
今年も健在を誇示するか―が最大焦点だが、昨年の赤松杯4着。またマーキュリーカップ10着後、3ヵ月休養明け5着。500キロを優に超す大型馬でイメージは叩き良化型。中央時代も含めて休み明けは16戦1勝3着1回と振るわないのが気になるところ。加えて今年10歳。果たして休み明けから全能力を発揮できるか、半信半疑。実力は誰もが認めるところだが、あえて▲評価とした。
主軸にヴァケーションを指名する。2歳時にJpnI・全日本2歳優駿を制した大物が岩手入りしたのは一昨年4月。赤松杯2着から2戦目・シアンモア記念を優勝。その後、一條記念みちのく大賞典3着、JpnIII・マーキュリーカップで3着に健闘。年度代表馬に選出された。
昨年も一條記念みちのく大賞典を8馬身差で圧勝。年度代表馬はノーブルサターンに譲ったが、終盤のトウケイニセイ記念2着、桐花賞で3着を確保した。過去、休み明けは<0.3.2.2>。勝ち星こそないが、安定した取り口を披露している。さらに水沢1600mは<1.3.0.0>と連対パーフェクト。軸の見方で主軸に抜擢する。
グランコージーは岩手デビュー後、南関東を行き来して通算12勝。特に1600m戦で8勝マークと最も得意とする条件。昨年11月、南関東A2から3度目の里帰り。初戦の盛岡ダート1600m戦を0秒8差で逃げ切った。
そのパフォーマンスを評価され、トウケイニセイ記念で2番人気に支持されたが、3コーナーでもたついて9着。続く水沢1400m戦も同じようにもたもたして2着。不本意な結果に終わった。
しかし今年は転厩で心機一転。前走、メンバーが甘くはなったが、アッサリ逃げ切って好発進を決めた。メンバーが大幅強化、コーナーでもたつく不安はあるが、ノーブルサターン、ヴァケーションは今季初出走。一度実戦を使った強みを生かせれば逆転首位まで十分。
フレイムウィングスも今季初出走だが、仕上がり万全。中央ダート2勝、南関東B1級1勝から転入。岩手未勝利だが、北上川大賞典2着、桐花賞ではヴァケーションに先着2着。重賞でも勝ち負けを演じている。忙しいマイル向きではないが、安定度一目。
スズカゴウケツは中央ダート3勝、ほかに盛岡2勝、名古屋1勝。昨年の一條記念みちのく大賞典で2着に健闘し、高配当を演出した。昨年のトウケイニセイ記念8着後、南関東へ移籍して2戦連続3着。この経験を生かして一発をもくろむ。
グローリーグローリは昨年の覇者。その後も重賞・あすなろ賞を制し、岩手3勝。今年は3月から始動したが、馬体重増も影響して6着。ひと叩きされてどこまで体調アップしたか。それが好走のカギとなる。
◎⑦ヴァケーション
〇⑥グランコージー
▲⑤ノーブルサターン
△③フレイムウィングス
△①スズカゴウケツ
△⑧グローリーグローリ
<お奨めの1頭>
1R アヴェシオン
今回はメンバーが大幅に甘くなり、6頭立ての少頭数。過去4着が最高だが、千載一遇の勝機を迎えた
4月7日に行われた3歳馬の重賞『スプリングカップ』はフジユージーンが後続に2秒以上の差をつける大差圧勝。昨年以来の休み明け初戦をクリアすると同時に3歳クラシック路線へむけ好発進を決めました。
「控える競馬も考えていたが今日は返し馬から気持ちが入っていた。それで好スタートを切ったのでそのままいってしまう形(村上忍騎手)」というフジユージーン。自身はさして追う事もなく周回してそれで後続を全く寄せ付けないままゴール、2着以下に2.4秒もの差をつけただけでなくその前に行われた古馬B2級戦の勝ちタイムも大きく上回る好時計での勝利はまさしく圧巻。春初戦を強い走りでクリアして、次戦、東日本交流となるダイヤモンドカップへ向けこの上ない滑り出しとなりました。
4月9日のメインレースは12Rです。B2級ダート1400mの特別『エイプリルカップ』。本命は(4)マイグレーションを狙います。
昨秋に岩手に転入して後の勝ち星はオープンの1200m戦ひとつにとどまっていた同馬でしたが、転入初戦を除けば好時計・好内容で健闘。重賞絆カップでも5着に食い込んでいるのですから力量は本物と見ていいはず。B1に降級した今季初戦は時計の差こそ大きくなかったもののしぶとく抜け出して、しぶとく粘り切る質の高い競馬。今回の好調メンバー、歯ごたえが増した相手関係の中でもこれなら主役になる資格は十分でしょう。
対抗は(6)ピラヴロス。昨年の今頃は3連勝、その後少し狂った歯車を修正して立て直して12月にC1級から再出発。そこからは安定した戦いが続いています。ここまでの戦績からは1400mが手頃と思えますし雨馬場も悪くなさそう。この馬から見ても歯ごたえが増した相手関係ですが、互角に、あるいは突破してもおかしくない存在。
(5)モンゴリアンキングが三番手。一進一退、人気の反対をいく事も多いこの馬ですが地力は高いと感じます。距離もマイルに比べれば1400mはずっと良いでしょう。上位争いの一角と見ます。
以下、まず(8)レディブラウン。2~3歳時はホッカイドウや南関の牝馬重賞戦線で存在感十分の走り。昨冬に岩手に転入した後の3連勝にも疑問のない実績です。時計比較ではそれほど優勢に見えませんが少し相手なりというところがある馬。前走のように楽に勝てないまでも上位争いに加わってきそう。(2)ピシュマニエもやや相手なり・展開なりなところがある馬。雨馬場で先行力が活きる馬場になれっていれば存在感が増しそうです。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(6)、(4)=(5)、(6)=(5)、(4)→(8)、(4)→(2)、(1)=(5)
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4月7日から新たに二名の騎手が岩手競馬に仲間入りした。金沢競馬・服部大地騎手(岩手所属は伊藤和きゅう舎・水沢)、新人ジョッキーの坂井瑛音騎手(菅原勲きゅう舎所属・水沢)。7日、服部騎手は第3Rから4鞍、坂井瑛音騎手は第4Rから4鞍。8日は服部騎手6鞍、坂井瑛音騎手2鞍に騎乗する。フレッシュ2名の動向に注目してほしい。
8日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級 水沢1400m)。このスプリント戦は全馬が適性を優先して出走申し込み。好調メンバーがズラリ顔をそろえた。
ヴァルラームは南関東で7勝をマークしてJpnII・東京盃に2度、JpnIII・東京スプリントに1度挑戦した実力馬。昨年9月に転入後、4勝2着1回3着1回。馬券対象から外れたのは盛岡マイル戦5着のみ。抜群の安定感を誇っている。
旧地・南関東大井1600mで1勝、転入後も1600m戦で2勝をあげたが、やはり本質的には1400m以下がベストの距離。今季初戦の水沢1400m戦でも後方からレースを進め、向こう正面からスパート。鋭く反応して4角先頭から、そのまま押し切った。しかもプラス15キロと太め残りでの結果。ひと叩きされてさらにシャープさが増すのは確実で2連勝に王手をかけた。
トチノヒーローは大井デビューで初勝利まで13戦を要した奥手だが、その後は着実に白星を積み重ねて通算7勝をあげたが、昨年6月以降は白星がなく岩手へ新天地を求めてきた。
初戦は2番人気に支持されて2着確保。2戦目は1番人気に支持されたが、ホワイトブライドに逃げ切りを許してクビ差2着。惜しいところで白星を逃がしたが、B1通用を証明した。過去の1着は1200m戦だったが、1400m対応も問題なし。鞍上・山本聡哉騎手は今度で騎乗2度目。特徴を手のうちに入れ、今度こそ首位を奪取するか。
ホワイトブライドは3歳重賞・ひまわり賞(オークス)2着、ウイナーカップ2着の実力馬。これまで調子を上げるのに時間を要したが、今季初戦3着から前回快勝した。盛岡巧者の印象があったが、「単なる巡り会わせだった」と瀬戸幸一調教師。前走は好枠から逃げ切ったが、折り合いがつくタイプで外枠も問題なし。すんなりの流れなら再現まで十分。
アオイカツマは東京芝1600m1勝、中京ダート1400m1勝。南関東・大井1200m1勝から昨年暮に転入。A級初戦は6着に終わったが、ひと冬を越してB1へ降格。前走、待望の白星を飾った。前走も1番枠に入り、今回も同じ1番枠。ゲンがいい枠を味方にする。
ビッグタマテルーフは昨年、850m、1000m戦に活路を求めた時期もあったが、ペースが合わず凡走。1300mから1600mが守備範囲と分かったのが収穫だった。昨年終盤から今年2戦とも安定ぶりを発揮して2着2回3着1回4着1回。勝つまではどうかだが、馬券対象には外せない。
サトノマッスルは今季7、3着。いずれもスローペースに落とされたのが痛かったが、この馬は展開一つ。流れる競馬になれば一気突き抜けるシーンまで。
◎③ヴァルラーム
〇⑫トチノヒーロー
▲⑪ホワイトブライド
△①アオイカツマ
△②ビッグタマテルーフ
△⑩サトノマッスル
<お奨めの1頭>
7R チェリーブリーズ
前走2着は勝ったエスプレッシーボをほめるべき。苦しい展開から2着を死守して改めて地力を証明し、今度こそ首位を譲れない
3月の春競馬をステップに、4月7日(日)から2024年度の岩手競馬がスタートする。開催規模は前年と同じく全130日間(昨年度は1日取り止め)で、レギュラーシーズンも同じく12月31日で終了。約2ヵ月の冬休みを経て3月9日(日)から再開する。今年度も岩手競馬をよろしくお願いします。
開幕初日メインは恒例となった3歳重賞「第49回スプリングカップ」(水沢1600m)。1着馬から3着馬に東京ダービー指定競走・ダイヤモンドカップ(5月5日 盛岡ダート1800m)の優先出走権が与えられる。
注目は当然のことだが、昨2歳最優秀馬フジユージーン。デビュー戦からスケールの違いをまざまざと見せつけて5戦5勝。ビギナーズカップ、ネクストスター盛岡、そして地方競馬全国交流・南部駒賞も完勝。2016年、ベンテンコゾウ以来となる地元重賞をもたらしてシーズンを終了。全員一致で2歳最優秀馬に選出された。
南部駒賞後はオーナー所有の富士ファームで休養。当初、京浜盃挑戦も考えていたが、500キロを優に超す大型馬。無理をせず自重し、乗り込みに専念。スプリングカップ→ダイヤモンドカップが陣営の描いているローテーションに決まった。昨年11月以来、5ヵ月ぶりの実戦で仕上がり度合いが最大ネック。プラス体重は当然だと思うが、どのような体で今回出走するか。個人的にも再会を非常に楽しみにしている。
単不動。相手は各馬が一長一短。次位争いは若干不確定要素を含んでいるが、リトルカリッジが筆頭と見た。デビュー2連勝を飾り、3戦目の芝重賞・若鮎賞は芝にとまどって8着に終わったが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着に反撃。逃げてフジユージーンに0秒4差に健闘した。その後は順調さを欠いたが、終盤に2連勝。逃げ一辺倒から差す競馬を身につけて金杯も完勝。好ムードでシーズンを終えた。
今季始動が遅れたのが若干気になるところ。あやめ賞に登録があったが、スキップ。態勢がどこまで整ったかがカギを握る。これは最終チェックの場でもあるパドックを見ないと確信が持てないが、体重増減、毛ヅヤ、馬体の張りなどをしっかり見たいと思っている。
サクラトップキッドも今季初出走だが、遠野馬の里で冬場を過ごして坂路調教を消化。いきなりでも十分勝ち負けになる可能性は十分ある。あっさりデビュー2連勝。特に2戦目は2着に1秒9差で圧勝。その後は重賞路線に乗って南部駒賞5着、寒菊賞4着、金杯3着。決め手を武器とするタイプで本質的には盛岡向きだが、金杯3着なら上位争い必至。
サンエイキャノンは福島のテンコートレセンで鍛え直して帰厩。その効果が前走ではっきり。好位キープからあっさり抜け出しを決め、2着に0秒8差。パワーアップは誰の目にも明らかだった。父がパイロなら伸びしろも十分。ここでも好勝負を演じれれば将来も約束された。
ドリームキャッチは北海道1勝から転入戦を完勝。金杯7着、前走・あやめ賞7着は不満が残ったが、変わり身を期待したい。
◎③フジユージーン
〇①リトルカリッジ
▲④サクラトップキッド
△⑤サンエイキャノン
△⑦ドリームキャッチ
<お奨めの1頭>
3R ライヴマスタード
昨年8月以来の実戦だが、1年休養明けのダート戦で一けた着順2回。C2十組は恵まれた上、能力検査でも好タイムをマークした。
3月30日に行われた古馬850mの準重賞『奥州弥生スプリント』は2番人気のダイセンメイトが優勝。自身の850m9勝目を準重賞制覇で飾りました。
ロケットスタートを決めたカクテルライトを巡る展開になったこのレース、ダイセンメイトは先行勢を前に置いての2列目内ラチ沿いの4番手の位置。「前が開くのを待っていた」岩本怜騎手、直線に向いて狙い通りに進路が開くとそこから末脚を伸ばして一気に先頭へ。大外からカタナが強襲しましたが差は1馬身まで。ダイセンメイトが"850mのスペシャリスト"ぶりを見せつける勝利を挙げました。
今日は3月31日、2023年度の最終日です。3月10日から実質新シーズンがスタートしている岩手競馬ですが区切りとしては今日までが2023年度。3月のラストに開催日が目一杯入っているのもこの区切りの、というか4月1日が月曜日になっている影響なのでした。
2023年度の発売金額は3月30日時点で600億を超え、ここでいう「前年度」の2022年、JBCがあった年度に比べると減となりましたがそのさらに前年度・2021年度からは増となりました。いわゆる"巣ごもり需要"が落ち着いて、一方で物価高の影響なども心配された2023年度でしたが、全国的に思った以上に健闘しているのかなという印象をうけます。2024年度も明るいシーズンになりますように。
さて3月31日のメインレースは12Rの重賞『白嶺賞』。古馬オープン級1400m戦のこのレースが新シーズンの短距離路線の勢力図を占う一戦。
ちなみに次週4月7日のスプリングCが3歳クラシック路線の、そのさらに次週4月14日の赤松杯が古馬マイル~中距離の、それぞれ新シーズンを占う一戦ということになります。この後のレースにもご注目を。
さて。本命ですが当初フジラプンツェルを採っていましたが残念ながら31日朝に出走取消が発表されました。ここでは予想を変えていきたいと思います。
本命は(4)ゴールデンヒーラーとしました。
古馬になった2022シーズンからは中長距離路線で牡馬とも渡り合ってきた同馬ですが今年は短距離方向に主眼を置くとのこと。昨年も春の始動戦に1400mの栗駒賞を選んでいますがこれはあくまでもレース間隔からの兼ね合いという面が強かったので、短めの距離を狙っていくという意味で短距離線から始動するのは初めてと言えるかもしれません。
とはいうもののその昨年の栗駒賞では3歳時以来の1400m戦にも戸惑うことなく快勝していますし、なんとなれば2~3歳時には1400mの重賞を3連勝してもいます。今回の距離に苦手感があるどころかむしろ得意と見ていいのではないでしょうか。
すでに春の始動戦を済ませているライバルたちに対して初戦のハンデはあるでしょうが、6歳のベテラン牝馬、力を出す仕上げは馬も陣営も手の内に入っているはず。まずは初戦から地力を見せてくれると期待。
対抗は(1)シガーヲスウオトコを。9歳馬の転入初戦、近年はレース間隔が広めというところは一応気になるところですが、中間は強めの追い切りをしっかりこなして態勢は整っているようです。大井の1200mだと流れが忙しく、1400mくらいの方が楽に流れに乗れそうな印象もあるレースぶり。あとは2月以来になる分の馬体重の変動に注意。
三番手は(5)アメージングラン。前走はその後850mに回った馬も多く結果を過信できないのかもしれませんが、高知に比べて軽い水沢なら戦いやすい事は示しました。ここでも流れひとつ・立ち回りひとつでしょう。
連下ヒモの一番手は(2)ドルズプライスレス。重賞は初挑戦、A級で勝ち星があるとはいえメンバー大幅に強化ですが、マイルより1400mの方が気持ちよく戦えそう。もう一頭は(11)ケイアイサクソニーを。前走はちょっと振るわなかったですが馬の気配は悪くなかった。昨年の戦績からも今一番力を出せるのはこの距離に思えます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(5)、(4)→(2)、(4)→(11)、(1)=(5)
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