
23日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"3歳シーズン・留守杯日高賞トライアル「第50回あやめ賞」(水沢1400m)。再転入組3頭、新参1頭、岩手在籍馬の力量比較がカギを握る一戦となった。
スノーミックスはデビュー戦2着後、遠野馬の里へ移動。リフレッシュと坂路で鍛え直して帰厩。2戦連続で圧勝し、心身ともにパワーアップしたことを証明した。続いて寒菊賞でエントリー。その時点での実力を測る予定だったが、降雪の影響で開催取り止め。再び遠野馬の里へ入り、今年2月に帰厩した。
春の目標は今回のあやめ賞。一度実戦を叩いて臨みたいと考え、出走登録。予定では3歳A級戦だったが、獲得賞金と頭数の関係でスプリングカップへ編入する運びとなった。キャリア3戦でいきなり牡馬一線級と戦うのは不安だったが、3着ミヤギヴォイジャーとはアタマ差4着。
最内に入って後方からのレースを強いられ、なおかつ初めて砂を被る競馬だったが、向こう正面から動き始めて3コーナー過ぎには3番手まで進出。最後はキャリア差もあって4着だったが、収穫の多い一戦となった。
普段はおとなしいが、パドックで若干入れ込み気味だったスプリングカップ。当日の馬体重には注意を払いたいが、今度は3歳牝馬同士の戦い。ほとんどの牝馬が初対決だが、前走パフォーマンスを信じる手。重賞初制覇に王手をかけた。
フタイテンホイールは若鮎賞4着から4戦目の盛岡1400m戦を快勝後、JRA入り。芝6戦を使って7着が最高だったが、相手が牡牝馬クラシックを目指す強豪では仕方なし。むしろ揉まれて強くなったであろうと判断できる。
ダート戦は岩手時代以来だが、兄はJRA現オープン・フタイテンロック。岩手1勝から南関東へ移籍して7連勝をマークし、中央3勝クラスを快勝。父がトーセンジョーダンからモンテロッソとなったが、ダート対応は問題なし。帰郷戦を勝利で飾る。
サンカリプソはスノーミックスと同じタワーオブロンドンの初年度産駒。門別3戦1勝から転入戦・ビギナーズカップ4着から2戦目を快勝した。以降は3戦着外に終わったが、終盤2戦3、1着。水沢替わり、1400m短縮も好走要因だった。今季初出走だが、意欲的に乗り込まれて態勢万全。ベストの水沢1400m戦で上位進出をもくろむ。
ピカンチフラワーは昨年の2歳新馬(盛岡1000m)勝ち第1号。続く2戦目2着から休養に入り、復帰戦ビギナーズカップ3着。ネクストスター盛岡は7着に沈んだが、牝馬交流・プリンセスカップで見せ場を作って4着。その後、大井2戦を使って里帰りした。転入前の大井1200mは4着だったが、最内1番枠で痛恨の出遅れ。それで4着なら上々の内容。いきなり勝ち負け必至。
ミカヅキカネミツはデビュー戦の門別1000mを1秒7差で逃げ切って圧勝。その後、園田へ転籍して4着最高。岩手初戦も2番手から失速したが、逃げタイプが絶好の1番枠。前走が大外だっただけにこの枠が味方する可能性もある。
ラグーンは高知2勝から南関東へトレード。3着が最高だったが、地区レベルから争覇圏内に位置するのは疑いないところ。
◎⑤スノーミックス
〇⑨フタイテンホイール
▲③サンカリプソ
△⑥ピカンチフラワー
△①ミカヅキカネミツ
△⑦ラグーン
<お奨めの1頭>
2R モモダンゴ
南関東から転入戦2着だったが、わずか0秒1差。水沢コースにも慣れて今度は首位を奪取する
3月17日、この稿からすると昨日になりますが、3月17日の水沢競馬は降雪のために6R以降が取り止めになってしまいました。
16日も小雪が舞う、今時期にしては寒い一日ではありましたが、17日は午後に入って雪が本格化。なまじ気温が高い分、凄く湿った雪で、冬場の「積もったから・凍結したから」とはまた状況が違う、雪交じりのシャーベットのようなコース状態になってしまった影響が大きかったと思います。
3月になっても積もるくらい降る事は決して珍しくはなくてですね、自分の記憶でも高速道路が通行止めになるくらいの雪が3月に降った事があったんですけども、ただ今回は量よりは状況、馬場状態の影響だったかと。
3月18日のメインレースは12Rです。A級三組・ダート1600mの『菫特別』。A級ですが実質的には昨年終盤戦でB1級、この春にA級に昇級した馬たちの戦いと見ていいところ。ただしB1級の上位組は勢いのある馬が集まることが多くわりと常に激戦。ここからより上を目指すような馬も出てくる戦いと考えたいところ。
さて本命は(3)タイセイメガロスを採りました。
昨年春に笠松から岩手に移籍、当初はA級に入り、勝ち星こそ無かったもののA級一組戦でも健闘していました。秋からはB1に降級して11月に待望の岩手初勝利。終盤、出走予定のレースが立て続けに取り止めになってしまいましたが、それが無ければもうひとつくらい勝ち星を増やしていておかしくない勢いがありました。
昨年勝った時は差し競馬だったのですが、本来は好位先行から押し切っていきたいタイプ、その意味で距離はある程度長い方がいいタイプではあります。ただマイルが短いという事は無くて、むしろマイルでも手堅く流れを作ることはできる馬。ライバルたちの距離実績から見ても展開利、有利さは十分にあると判断しました。
(4)ライトフィールダーが対抗。なかなか白星先行とは行かないのがもどかしいですが、そのかわり2歳時からダートで3着を外していない堅実な成績。3歳戦から古馬戦に入ってからも走る度にクラスに対応してきた印象があります。直近二戦は1400mですがマイルも問題は無いでしょう。ここでどれだけやれるかに期待しつつの対抗格。
三番手は(6)マルーントリックでどうでしょうか。3歳戦から古馬編入された当初は苦戦しましたがB1降級で2連勝と地力があるところを示しました。A級でも、例えば◎が昨春に戦っていた相手と、◎と同じくらいのタイム差で戦っていたのですからひとまず十分なものだったといいたいところ。ここがいわゆる試金石。
△はまず(2)ホッコーライデン。ある程度スムーズに馬群を捌ける、流れに乗れる展開になればまだ侮れないものを持っているはずですし、今回のメンバーでならそれもやりやすいのでは。もう一頭は(11)サンエイブレーヴを。以前からちょっとあてにしづらいところがありますが地力は高い馬。大外枠はむしろ気分良く戦いやすいのではと考えてピックアップしてみます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(6)、(4)=(6)、(3)→(2)、(3)→(11)
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今週から岩手のオープンクラスがスタートした。まだヒロシクン、ミニアチュール、ノーブルサターンなどトップグループはじっくり待機。おそらく各陣営とも赤松杯から始動する可能性が高い。また年度代表馬および3歳最優秀馬フジユージーンはぶっつけでシアンモア記念へ向かう予定。各馬の動向は分かり次第、報告したいと思っている。
一方、オープン短距離路線は17日(月)、12R「スプリント特別」(水沢850m)からスタートするが、先週11日(火)、B1級・850m戦で余裕の逃げ切りを決めたアップテンペストも春のスプリント重賞・早池峰スーパースプリント(6月15日 水沢850m)へ向けて好発進を決めた。
昨年の覇者ダイセンメイトが引退し、繁殖入り。今回のスプリント特別はポスト・キラットダイヤ、ダイセンメイトを占う意味でも重要な一戦となった。
主軸にサラサワンを指名する。中央1戦0勝(2戦目は競走除外)から3歳時に岩手入り。あっさり3連勝を飾った。続くC1特別・岩洞湖賞は1600mの距離が長く9着に終わり、直後に南関東へトレード。9勝2着2回3着2回の好成績をあげ、A2級まで出世した。
不安は転入前2戦連続で着外に沈み、850mも未経験だが、川崎900m1戦1勝なら問題なし。何よりも岩手在籍馬が12月以来の実戦に対し、サラサワンは2月まで使われてきた点が強味。仮に今回を快勝するようなら短距離界の主役に躍り出る可能性も高く、注目の一戦となった。
カタナは中央ダート4勝・オープンから大井、名古屋を経て転入。スプリントをメインに使われて通算8勝をマークした。昨年はA級で2着1回3着1回からシーズン途中でC1へ降格。メンバーが大幅に緩和され、5勝3着2回の快進撃を演じた。今回はオープン復帰戦となるが、水沢850m6勝と最も得意とする条件。あっさり首位まで十分。
レディブラウンは昨年、7勝2着5回3着1回。重賞・絆カップでウラヤの2着確保と充実したシーズンを送った。持ち味は牝馬らしくシャープな切れ。昨最終戦もきっちり勝利で締めくくった。気になるのは初の850m戦。過去最短は1000mで3戦2勝。ひとまず短距離適性は問題ないようだが、850m戦は何度も記したが、特殊レース。実力は認めても▲評価に落ち着く。
オスカーブレインは2歳時にサッポロクラシック(門別1200m)、3歳交流・ハヤテスプリント(盛岡1200m)と重賞2勝。昨年12月に転入し、3戦とも着外に終わったが、冬休みでリフレッシュ。自分の競馬ができればアッサリまで。
ファルークは函館ダート1000m1勝、南関東C1級を経て2022年に岩手入り。最下級C2からスタートして8勝マーク。ついにオープン入りを果たした。相手は強化されたが、850m5勝2着3回。適性は引けを取らない。
◎④サラサワン
〇②カタナ
▲①レディブラウン
△⑤オスカーブレイン
△⑦ファルーク
<お奨めの1頭>
1R トラネスハープ
B1級・850mで3着2回4着1回の成績をあげ、最下級C2へ降級。メンバーが大幅に甘くなり、順当に勝機を迎えた
先週9日(日)から再開した岩手競馬。11日(火)、第4Rで1着グレースアイリス(11番人気)、2着ハーツケリー(6番人気)、3着ドナマギー(5人気)の順で入線し、3連単817万1760円。いきなり岩手競馬の最高配当を記録した。
従来の記録は2009年12月13日。水沢競馬の537万8990円。約300万円も上回る特大万馬券が飛び出した。勝ったグレースアイリスはドゥラメンテ産駒で中央未勝利から転入。5戦目に3着、9戦目で初勝利を飾ったが、その後は入着止まり。しかも今回はC2級五組からC2級一組に入り、メンバー強化。11頭立て11番人気だったが、低評価を見事覆した。
好走要因は4番手インに入れて、うまく流れに乗れたこと。前半3日間の傾向は逃げ有利、差し有利ではなくインで脚を貯めていた馬の好走が目についた。人気薄でもうまく内で競馬ができるか否か。今週は傾向が変わる可能性も高いが、まずは内有利だったことをインプットしてほしい。
16日(日)メインはA級一組「弥生特別」(水沢1600m)。当初、桐花賞1、2着ライアン、ミニアチュールの登録もあったが、新シーズンから始動予定。圧倒的な存在が不在になって各馬にチャンス十分。重賞・赤松杯にもつながるメンバー構成となった。
本命はグランコージー。昨年も3月の春競馬から始動。鮮やかな逃げ切りを決め、赤松杯、シアンモア記念と重賞2連勝。春の主役を演じた。続く一條記念みちのく大賞典で4着に敗れ、以降も粘りを欠くレースの連続。入着一杯でシーズンを終えた。
今年8歳を迎えたのは気になるが、1600m10勝とベストの距離に加え、重賞制覇過去5回のうち4勝が水沢1600m戦。今回はトップグループが不在で好発進を決めるチャンス。好枠も引き当てマイペースに持ち込んで逃げ切りを決める。
ボウトロイは昨シーズン、最も充実した1年を送った。4勝2着3回3着5回。前々走・トウケイニセイ記念では、後に4歳以上最優秀馬に選ばれたヒロシクン相手にハナ差2着まで肉薄した。こちらは盛岡、水沢を問わず1600m戦で最大能力を発揮する。
昨年も同じく弥生特別へ出走してグランコージーの1秒1差4着。この結果を重視して印の序列を決めたが、勢いはボウトロイの方が上。こちらを軸にする手も十分。
マツリダワールドも昨年5勝2着5回3着5回の好成績を収め、前走まで7戦連続で馬券対象を果たした。武器は軽快な先行力と強じんな粘り。特に水沢1400mで2勝2着1回と活躍した。今回のマイルは気持ち長い印象もあるが、それでも粘れるのが心強い。先にも記したように先週と同様、内が有利の馬場なら単まであり得る。
ドテライヤツは南関東デビューで3勝マーク。門別移籍後も4勝をあげ、2022年には重賞・瑞穂賞を6馬身差で圧勝した。昨年12月に岩手入りし、1番人気に支持されたが、粘りを欠いて9着。案外の結果に終わったが、冬場の休養で心機一転。巻き返しに転じて全く不思議はない。
フレイムウィングスは転入後は未勝利だが、桐花賞2着、北上川大賞典2着。昨年もあすなろ賞3着、すずらん賞2着などで健在ぶりを発揮した。ジリ脚タイプで勝ち味に遅く、2000m以上向きだが、地力で上位進出。
スターシューターは大井1400m以下で通算13勝。転入初戦の水沢850mで鮮やかなまくりを決めた。2戦目は3着に終わり、今回の1600mは初距離だが、小回り水沢ならこなせるはず。軽視できない。
◎③グランコージー
〇④ボウトロイ
▲①マツリダワールド
△⑤ドテライヤツ
△⑧フレイムウィングス
△②スターシューター
<お奨めの1頭>
1R ジャスタヘイロー
転入戦は3着に終わったが、初距離もこたえた。条件2度目で首位を奪取する
14年目の3月11日になりました。2011年のこの日起きた東日本大震災は岩手県にも大きな被害をもたらしました。以来復興が進められてきましたが、震災の影響は未だに各地に残っているように見えます。
折しも今年、そんな3月が迫ってきた時に大船渡・陸前高田で大規模な山火事が発生して、またしてもの避難生活、またしてもの被害を受けた方がおられるというニュースもありました。災害というものは常に身近にあると改めて心に刻むと同時に、山火事被害からの1日も早い復旧を、そして東日本大震災の被害を受けた方々の心の安寧を、改めてお祈りいたします。
3月9日から始まった春の水沢競馬。今月に入る頃まで、というか2月になったくらいから雪が積もるような日が増して寒さが堪えるような感じだったのですが、いざ競馬が始まるとなると日差しも一転春めいてきたように感じます。夕方からはまだまだ寒いんですけども春はどんどん近づいてきている印象。
一方競馬の面から見ると、盛岡競馬場はかなり雪の影響があったようですが、水沢競馬場の方は案外雪が少なく調教も進んでいたとのこと。馬の仕上がり具合にはまだしばらく違いというか、2月になってからのドカ雪の影響がありそうです。
3月11日のメインレースは11Rの『東日本大震災津波を語り継ぐ日』、B1級一組・ダート1600mの11頭立てです。
先にも触れた競馬場間の仕上がり具合の差と、そして今週の水沢競馬場はこの時期にしては軽めの、時計が速い・先行馬が戦いやすいコース傾向になっている点に注意しつつの予想として、本命は(4)サンエイコンドルを採りました。
昨秋以降はB1に降級していたとはいえ昨年の今頃はA級で勝ち星も挙げていた馬。その昨年4月15日のA級二組での勝利は2番手先行から圧勝しています。一組戦で大敗してからリズムを崩していた印象ですが、降級して、そして戦いやすい水沢に変わって勢いを取り戻してきたように見えます。他にも先行タイプはちらほらいますが戦法の手堅さではこちらが上位と判断。そうなれば今の馬場も味方して・・・と見ての本命視。
対抗は(3)マツリダショパン。前走は鞍上が上手く導いた印象が強いですが、前残り傾向が強かった中でマクリ差しを決めたのは馬にもそれだけの勢いがあったと考えたいもの。今の馬場傾向は味方ではないかもですがその勢い継続に期待したいし、マイルなら好位からの競馬をしていた点にも注目しつつ。
(7)フェブサンカラが三番手。昨年終盤はC級→B2級と上がってきていたところで、今回の元A級も多いB1では相手強化感があるのは確かですが、時計自体にさほど大きな差が無いのも確か。コース慣れ・クラス慣れが進んでいるとすればもう一歩前進もあっていいと判断。
以下、まず(2)ジャッジ。勝ち星からは少し遠ざかっていますが、昨年の終盤は復調気配濃厚で勝ち切れなかったのは展開が向かなかっただけの印象がありました。あとは仕上がり具合がカギ。(6)エイシンガネーシャも昨年後半は勝ち切れないながらの安定感、存在感は戻ってきていた印象。こちらも流れひとつで上位食い込みがあっていいでしょう。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(7)、(4)→(2)、(4)→(6)
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