松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 今シーズンの盛岡競馬は次週18日(火)で全日程が終了。残すところ2週間となったが、今週も10日(月)~12日(水)までの変則開催。次週は16日(日)から18日(火)の通常開催に戻りますので、お間違いのないようお願いします。
10日メインはB1級「夢・希望 未来へ前進」(盛岡ダート1400m)。直結するのは10月26日、同じB1級・盛岡1400m戦。再戦ムードが漂い、印の序列も前走結果を重視した。
タイセイアゲインは左回りダートでデビュー2連勝を飾り、JBC2歳優駿13着からJpnI・全日本2歳優駿はアランバローズの4着。翌年に1勝を積み重ねて3勝クラスから南関東へ移籍して1勝マーク。今年3月に岩手入りした。当初は水沢で良績を残し、盛岡コースが課題だったが、2連勝で臨んだ前回快勝。盛岡1400m戦を快勝した。
元々がダート2連勝を飾ったのが中京ダート1800m、東京ダート1600m。南関東の1勝2着3回も船橋と左回りはむしろ望むところ。前回1着で盛岡コースを克服できたのが何よりも強調材料。勢いに乗って4連勝に王手をかけた。
ドルズプライスレスは中央ダート3着2回、門別交流2着1回から転入。8勝2着5回の成績を収めているが、強さとモロさが同居。極端な結果が続いていたが、年齢を重ねるごとに脚質に幅が出てきた。半面、勝ち切れないレースが続き、一昨年11月以降は白星から遠ざかっていた。それを払拭したのが前々走1着。2ヵ月半の休養も功を奏し、久々の美酒を味わった。前走2着だったが、タイセイアゲインとは0秒1差。逆転の可能性は十分ある。
パイアイヤーは中央ダート1400m以下で1勝2着1回3着1回から南関東へトレード。1勝・B2級から岩手入りして3勝3着1回。水沢戦は4着に終わり、左回り=盛岡コース向きは明らか。前走は3着だったが、流れも合わなかった印象。多少でもレースが流れてくれれば2頭に割って入るシーンまで。
メイショウイジゲンは3勝クラスから転入。オープン1勝からB1へ降格した前々走の盛岡1400mを逃げ切った。前走は7着だったが、2走ボケと解釈。格比較ではまったくそん色なく、巻き返しに転じる。
アダマスミノルは順調に使われているのが何よりも強み。夏場に調子を崩したが、寒い季節を迎えて状態アップ。前々走3着から前回快勝した。時計比較では見劣るが、上昇ムードに乗っている。
ツルマルベルは好、凡走の落差が激しいのは追い込み脚質のため。届かないケースも多いが、過去実績から1400mがベスト条件。ハイペースで一気台頭。
◎①タイセイアゲイン
〇⑦ドルズプライスレス
▲⑨パイアイヤー
△④メイショウイジゲン
△⑧アダマスミノル
△③ツルマルベル
<お奨めの1頭>
3R テンリッチスマイル
転入戦は3着だったが、相手が強かった。ここでは走破タイムが抜けており、首位を奪取するチャンス

11月2日に行われた古馬オープンの重賞『すずらん賞』。逃げ切りを図るヒロシクンと追い上げるヘリオスの競り合いに。ゴールまで続いた叩き合いを制したのはへリオス、9歳秋にして自身二つ目の重賞制覇となりました。
ダート1800mのすずらん賞、断然の人気を集めたのはヒロシクンで単勝1.2倍。レースも戦前の予想通り、ヒロシクンがハナに立って開幕します。直後にミニアチュール、内にヘリオス、外からはスズカゴウケツらもヒロシクンをマークしますが、逃げるヒロシクンの脚色に衰えは見えず、4角をまわる頃にはこのまま逃げ切り勝ちかと思われました。
しかし残り200m、後続集団から抜け出してきたヘリオスが前との差を一気に縮めてきます。残り100mでも両馬の差はまだ2馬身ほどありましたが追い上げるヘリオスの勢いは止まらず、ゴールまで残り50mを切ったあたりで馬体が並ぶとゴールではヘリオスが僅かに前に。「最後まで勝ったかどうか分かりませんでした」と振り返っていたヘリオス鞍上岩本怜騎手でしたが、ヘリオスがヒロシクンをクビ差捉えて勝利していました。
今年春に岩手に移籍してきたヘリオスは6月のあすなろ賞を勝って9歳にして自身初の重賞勝ちを達成。今回がそれに続いての2つめの重賞制覇となりました。
11月4日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、ダート1000mの12頭立て。本命は(1)オスカーブレインです。
近3走は敗れている同馬ですが、まず水沢は距離にかかわらずイマイチ走らない。盛岡の短距離なら話が変わる馬ですが、前走や3走前は馬場傾向が味方してくれなかったりあるいは相手がかなり強力だったりの分もありましたが1200mも少し長かったように思います。今回の盛岡1000mはこの馬にとって絶好の舞台、加えて1枠1番。この馬本来の走りを見せての逃げ切り勝ちを期待できる条件が整いました。4走ぶりの勝利を期待しましょう。
相手は(3)ゴールドボンドを。こちらは兵庫で実績を積んできただけに右回りの方が良いイメージがまだ抜けませんが、2走前、盛岡1000mで◎の僅差2着の走りを思い返せばここで十分通用するはず。枠順も手頃。三番手に(12)エイシントルペード。大外枠になった事で印は▲としたものの、近走で見せている逃げなくても戦える走りはなかなか魅力的です。スムーズに流れに乗れれば勝ち負けまであっていいと考えておきたいですね。
以下、(2)テングクラブは現級でなかなか勝ちきれないものの近走の存在感は十分に。千二や千四よりこの距離の方が良いでしょう。もう一頭(9)カリュウも差し脚が活きる展開になれば上位食い込み。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(1)=(3)、(1)=(12)、(1)→(2)、(1)→(9)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
2日メインは11月30日、水沢2500mを舞台に行われる重賞北上川大賞典トライアル「第48回すずらん賞」(盛岡ダート1800m)。一昨年まですずらん賞は1600mで行われていたが、昨年から1800mへ延長。準重賞から重賞へ再格上げされた。
ヒロシクンは昨年度の4歳以上最優秀馬。今季は赤松杯から始動し、フジユージーンの追撃を封じて快勝。続いてシアンモア記念も同様に逃げ切りを決め、春のマイル王に君臨した。続いて一條記念みちのく大賞典2連覇を狙ったが、3歳馬リケアカプチーノとの壮絶なマッチレースの末、惜しくもハナ差2着に敗れた。
マーキュリーカップは中央相手で10着に終わったが、夏休み明けの青藍賞でもフジユージーンを完封。2連覇の偉業を達成した。マイルチャンピオンシップ南部杯はスキップし、すずらん賞は予定どおりのステップ。今後、トウケイニセイ記念、桐花賞を目指すためにも今回は負けられない一戦。
ミニアチュールはオープン牝馬重賞・フェアリーカップを優勝。ビューチフルドリーマーカップ2連覇はならなかったが、牡馬相手にシアンモア記念3着、一條記念みちのく大賞典3着。あすなろ賞でも2着を確保した。前走は3着に終わったが、最内1番枠に入り自分の競馬ができなかったのが敗因。盛岡1800mは5戦4勝2着1回と最も得意とする条件。すずらん賞2連覇を狙う。
ライアンは昨年、芝からダート変更のせきれい賞、ファン投票・桐花賞とビッグレースで2勝。今季も2勝をマークしているが、シアンモア記念6着、みちのく大賞典4着。芝・せきれい賞12着と伸びを欠くレース。前走・青藍賞も5着だったが、スローに落とされたのが致命傷。多少でもペースが速くなれば反撃に転じて不思議はない。
スズカゴウケツは南関東から帰郷後、2勝2着2回。芝にトライして5、7着に終わったが、ダートに戻って2着2回から前回快勝。上昇ムードで臨むのが心強い。理想は好位インをキープできること。うまく脚を貯めることができれば好勝負に持ち込める。
ヘリオスは中央8勝。2022年、マイルCS南部杯ハナ差2着の再現を今年狙ったが、衰えを隠せず12着。それでも一戦ごとに調子を上げているのは確か。盛岡1800mはあすなろ賞快勝で適性を証明済み。
ラストマンは中央ダート4勝、南関東A2から転入。初戦7着だったが、矯正具を使用して軌道修正。6勝2着1回と抜群の勝率。過去にマーキュリーカップ5着の実績があり、格負けは一切ない。
◎⑩ヒロシクン
〇⑥ミニアチュール
▲④ライアン
△③スズカゴウケツ
△②ヘリオス
△⑦ラストマン
<お奨めの1頭>
2R ニルカンタテソーロ
前走1000m戦で強烈なまくり脚をさく裂させて1秒3差で圧勝。これで弾みがついてもう一丁いける

今週は11月3日(月)、「JBCデー」が船橋競馬場で開催されるため岩手競馬の開催はなく、それに伴って11月1日(土)、11月2日(日)、11月4日(火)の変則開催。またメインレースも1日が6R、2日が11R、4日は12Rとイレギュラーですので、お間違えのないようお願いします。
1日メイン6R(発走15時05分)は、今シーズン最後の芝レース「OROターフ特別」(盛岡芝1700m)。早い時間に行われるのは日没に合わせたため。照明施設はダートレースに合わせて設置されており、今の季節を考慮してのこと。現在の芝トップがずらりと顔をそろえた。
本命はシャイニーロック。父ベルシャザールは芝2勝、日本ダービー3着などの実績を残して4歳6月からダート路線へシフト。GI・ジャパンカップ・ダート、GIII・武蔵野ステークスを優勝。GI・フェブラリーステークス3着などの成績を残して種牡馬入りした。
シャイニーロックは逆パターン。デビューからダート路線を歩んで2勝マーク。4歳6月から芝へ路線変更して3勝をあげ、2023年のGII・読売マイラーズでシュネルマイスターの0秒1差4着に健闘した。その後、大井、門別、名古屋を経て今年3月に転入。C2格付けにも恵まれて初戦を完勝。2戦目は4着に敗れたが、以降は破竹の6連勝。
芝重賞・いしがきマイラーズはB2級から格下挑戦だったが、0秒9差で圧勝。続いて芝全国国交流・OROカップも完勝した。以上の結果から古巣でもあるJRA富士ステークス(GII)へ挑戦。しんがり負けを喫したが、相手はGI・マイルチャンピオンシップでも有力視されるメンバーがずらり。自身は34秒6の上がりを披露したが、相手が強すぎた。今度は2戦2勝の盛岡芝が舞台。遠征の影響さえ残っていなければ順当に勝利を手にする。
ギャレットは2歳時に芝重賞・若鮎賞を優勝。3歳時に笠松へ移籍して3戦3着1回から里帰り後はダートでもそこそこの結果を出したが、活躍の舞台は盛岡芝。通算5勝2着2回3着2回と現役屈指の盛岡芝巧者で名を馳せている。今季も芝2400m交流・せきれい賞2着、OROカップ4着、前々走快勝と好実績を残している。前走は5戦ぶりのダートでも2着と好調をアピール。シャイニーロックがもたつけば逆転のシーンまで。
カレンルシェルブルは中央芝2000m~2200mで5勝をマークして笠松1戦を経て転入。ダートでは4着1回が最高だったが、芝に替わって反応が一変。せきれい賞3着から芝1600mで待望の岩手初勝利を飾った。前走7着はダート戦で仕方なしの結果。今季最後の芝で一発を狙う。
ラングロワは中央芝2勝、笠松1勝から一昨年転入。ダート2着1回が最高に対し、盛岡芝は4勝2着3回3着2回。前走の芝1700mも完勝した。現在、B2戦を勝ったばかりだが、芝適性なら引けを取らない。
スノーパトロールは今季初戦の水沢1600mを快勝し、年をまたいで4連勝。以降は白星から遠ざかったが、前々走でシーズン2勝目をあげた。好、凡走の落差が激しいが、気分よく競馬ができれば芝でも好走する。
ハウファアイルゴーは3走前の芝1600mを快勝。メンバー強化だが、芝向きは明らか。
◎⑨シャイニーロック
〇③ギャレット
▲⑥カレンルシェルブル
△⑤ラングロワ
△⑧スノーパトロール
△⑦ハウファアイルゴー
<お奨めの1頭>
11R ワイマング
相手なりに駆ける堅実さを身上として1勝2着3回3着1回。最後の詰めが課題だが、軸には打ってつけ

10月26日に行われた2歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『プリンセスカップ』は門別・トリップスが逃げ切り勝ち。同馬は遠征で自身初の重賞タイトルを獲得しました。
12頭立ての大外からの競馬になったトリップス。戦前は「内でハナを主張する馬がいたら番手でも良いと言われていた(高松亮騎手)」でしたが、文字通りロケットスタートを決めてそのままハナへ。後続の追撃を受け止めつつも最後まで手応えも脚色も衰えることなく逃げ切ってV。キャリア6戦目で重賞制覇を達成しました。
2着には直線追い上げたフェアリーライズ、地元のセイクリスティーナは3着に終わっています。
10月28日のメインレースは12Rです。B1級一組・ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。本命は(3)ベラジオホープを採りました。
デビューは兵庫、7歳夏まで園田・姫路で戦い続けていた馬で左回りは岩手に来てからが初めてという馬。しかしそれでも、転入初戦はJRA交流戦で苦戦しましたがC1降級の二戦目で3着、盛岡3戦目の前走で勝利とコースにもしっかり対応してきました。距離に関しても兵庫時代は1400mまでの経験でしたが岩手でマイルにも対応。手堅い先行力も含めて中心の期待。
対抗は(6)アメイジングスター。先週ほど馬場の外が伸びない傾向の今週ですが、この馬に関しては展開次第。マイルも同様だけに一発の狙い目は十分。(7)ゼットセントラルも重賞での苦戦が目につきますが地元馬同士のA級特別では徐々に存在感を増していました。降級でもありそろそろもう一歩前進。
(9)モズユイユイは降級戦・末脚期待可能ですが枠順が外過ぎないか?を懸念して印は控えめに。時計で差がなく立ち回りも案外相手なりに動ける(5)メイショウタニカゼにも一点。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(7)、(3)=(9)、(3)→(5)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ