8月11日に行われた3歳牝馬の二冠目、重賞『ひまわり賞(オークス)』は2番人気のコモリリーガルが優勝。岩手転入2戦目、2歳時のプリンセスカップ以来の重賞制覇を果たしました。
1800mという距離での戦いは未経験という馬も少なくない中、前走も同じ盛岡1800mで戦っていたコモリリーガルは果敢に先行、自ら主導権を握る形でレースを進めます。「折り合いを欠くタイプでは無いけれど行き過ぎず・押さえすぎずを心がけた道中。最後まで手応え良く走りきってくれた(村上忍騎手)」。勝負所では後続が追い上げてきましたが逸れも難なく振り切って5馬身差快勝。村上忍騎手も思い通りに戦えたと納得のいく表情で振り返っていました。
8月13日のメインレースは12Rで行われる『はまなす賞』。このレースも本来は3歳芝の準重賞だったのですが今年はダート1600mで実施されます。
はまなす賞の本命は(6)ラブショックを採りました。
この春に岩手に転入してここまで掲示板圏内を確保、重賞で5着だった前走のその前までは3着以内を確保していたラブショック。前走は最内枠で出遅れてしまい5着に終わったものの、それでも最後は優勝争いをしている集団の直後まで取り付いてきてのこの結果だった事を思えば力量は証明できたと考えていいでしょう。
その前走でひとつ前の4着だったのがひまわり賞2着のコンバットスプーン。3馬身の差があったとはいえそれもここでは胸を張れる戦績に。少頭数の外枠で真価を発揮。
(7)サトノファントムを対抗に。サトノダイヤモンド産駒らしく腰高・胴長でゆったりとした身のこなし。実績もいかにも芝馬と感じるものだけにダートがカギなのは確かでしょうが、例えばオパールカップを勝ったベルベストランナー、こちらもJRA時代には芝の中長距離を使っていて、芝2400mの時計ではこちらが上回っていた・・・というのは手がかりのひとつになるのでは。台風の影響で軽いダートになったのも味方につければ初物尽くしでも。
三番手は(3)ゴーゴーダンサー。重賞級の面々に対してはあと一歩という印象ですが、それでも勢いに乗ってきていると感じる近走です。加えてこのメンバーならマイルでしっかり戦えているという点だけでも武器になるはず。
以下は残り少ない中でも絞り込みづらいですが、(1)マルーントリック、(2)カレンアイバーソンの二頭を。どちらもパワー型というよりは軽めの馬場の方が良さそうなタイプ。揉まれずに気持ちよく流れに乗れれば上位にも・・・の狙いで。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)→(3)、(6)→(1)、(6)→(2)
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11日メインは岩手牝馬クラシック二冠目「第38回ひまわり賞」(盛岡ダート1800m)。岩手生え抜きはセイバイラック、ティーエスフェアリ、プリズムスペクトルの3頭のみ。
また13日にある3歳準重賞・はまなす賞は芝1600mからダート1600mへ変更。春の牝馬路線の主役を演じたレッドオパールが距離適性を考えて、はまなす賞へエントリー。さらにオパールカップ5着ラブショックも同レースに出るため、結果的に出走メンバーが分散化された。
本命は金沢から転入初戦リケアマロン。中央ダート1400m以下で入着3回の実績から金沢・条件交流2着から金沢入り。初戦を0秒5差で完勝し、北日本新聞杯を圧勝。1番人気リメンバーアポロが向こう正面で競走中止のアクシデントがあったにせよ、2着に1秒1差をつけて重賞を手にした。
石川優駿はトライアル・北日本新聞杯の内容から1番人気に支持されたが、ナミダノキスに完敗2着。距離2000mが長かった感じだった。そのうっ憤を晴らすかのように牝馬重賞・加賀友禅賞を逃げ切り勝ち。今回のトレードはひまわり賞狙いは明らか。鞍上に手慣れた吉原寛人騎手を指名し、万全の態勢で臨む。
逆転筆頭はコモリリーガル。2歳時に園田・プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流プリンセスカップを連勝。"GRANDAME-JAPAN2023"2歳シーズン第2位に入った(優勝はシトラルテミニ)。東京優駿牝馬15着後、園田へ移籍。姫路を一度使って門別へ帰郷。1勝3着2回の成績から今度は水沢へ移籍。初戦のやまびこ賞は逃げ一杯5着に終わった。しかし評価ダウンは禁物。やまびこ賞を叩いて動きが一変。陣営も変わった手応えを十分感じ、前走より強気の発言も心強い。
セイバイラックはデビュー4戦まで芝を使われて2着2回。5戦目は当初予定が芝1600mだったが、ダート変更。これが功を奏して初勝利を飾り、重賞の常連。寒菊賞2着、金杯2着など上位を確保し、着外は4走前・イーハトーブマイル8着のみと抜群の安定感を誇っている。やまびこ賞でもコモリリーガルに先着3着を確保した。最大ネックは勝ち味に遅いことだが、ここでも上位扱いが当然。
コンバットスプーンはネクストスター盛岡2着、ビギナーズカップ3着(1着はいずれもフジユージーン)。南関東から再転入後もイーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着と粘りを発揮した。気になるのは1800m対応だが、牝馬同士なら克服十分。
ノースビクトリーは南関東2勝2着1回3着3回から転入。転入戦の3歳B1戦4着だったが、3ヵ月半ぶりの実戦がこたえたか。変わり身を見せれば実績からアッサリまで。
ルボートンは京都芝1600m・2歳新馬戦3着。転入初戦は出遅れたが、字堯なまくりを決めて快勝した。その後もJRA条件交流(芝)2着など実力一目。一発の可能性を秘めている。
◎⑩リケアマロン
〇⑤コモリリーガル
▲⑨セイバイラック
△⑥コンバットスプーン
△④ノースビクトリー
△⑦ルボートン
<お奨めの1頭>
1R エルビエントソプラ
能力検査で盛岡1000m・1分1秒6の破格時計をマーク。満を持して出走し、好発進を決める
8月4日に行われる予定だった重賞『岩手県知事杯OROカップ』そして同じ日に予定されていた九州騎手交流戦『M&Kジョッキーズカップ』はいずれも直前の豪雨によるコース状態悪化のために取り止めとなりました。
10R・12Rが『M&Kジョッキーズカップ』、11Rが『岩手県知事杯OROカップ』の予定だったのですが、8R後から降り始めたいわゆる"ゲリラ豪雨"のために9R以降がすべて取り止めに。あとになってみれば1年の間でもめったに遭わないような豪雨だったわけですが、いずれにせよ非常に残念な結果でした。
『M&Kジョッキーズカップ』も九州の騎手を招いて行うのは16年ぶりだったのでファンの皆さんも楽しみにしていましたよね。今期中の再戦は難しいとの事で、次回、来年度以降の改めての機会を待つ事にしましょう。
8月6日のメインレースは11Rです。OP牝馬による準重賞『フェアリーカップ』。1着馬から3着馬までに『ビューチフルドリーマーカップ』の出走権が与えられるトライアル競走には10頭が出走します。
本命は(9)ミニアチュールです。
今季当初はマイル路線でスタートしたミニアチュール。赤松杯までの敗戦を見て短距離に進んだところが1000mのスプリント特別快勝、850mの重賞でも4着と高いスピード能力を発揮して見せました。マイルに戻っての前走がそして8馬身差の圧勝。これが勝つ味を思い出した勢いなのか、あるいは3歳"変則四冠馬"の地力なのか、昨年の強さを取り戻したと感じさせています。
もう少し振り返ってみれば同馬は実は盛岡では5戦5勝と負けていません。3歳時だけならともかく、古馬になってもマイルと1000mという別々の距離で勝っているのですからコース適性の高さは相当なものと考えるべきでしょう。そして距離に関しても昨年のひまわり賞で1800mを、OROオータムティアラで2000mをいずれも圧勝。この実績であればここでも中心の期待をかけるのにふさわしいと言えるでしょう。
対抗には(6)ユウユウレラシオンを。◎と同世代の牝馬で対◎ではひまわり賞4着・OROオータムティアラ2着の結果があります。どちらも勝った◎との差は大きく着順の数字だけで過信はできませんが、近走の気配も悪くないようですし、A級通用の力量を見せている点も魅力に。
三番手は(5)バードハズフロウン。連続好走とはいえB級でのもの、ここでどうか?はまだ未知数ですが、実質B1レベルのメンバーが多いのなら大きな差はないでしょう。忙しい流れになると動けませんがじっくり・ゆったり動ける形なら別にハナにこだわるわけでもない。ここはその希望が叶う展開になるとみての▲評価。
以下、まず(8)オンザブロッサム。前走時は逃げ馬がかなり優勢だった日という点は考慮が必要ですが、好走続く近走の勢いならダート1800mの条件でも力を出せるはず。(1)アドマイヤハイジは実績通りに芝がベストなのは確かでしょうが、転入初戦・二戦目はB1ダートで健闘しています。距離が大きな問題になるとは思えない、むしろ長めの距離の方が動きやすそうな印象もありますし、芝専用と決めつけずに押さえておきたいですね。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(9)=(6)、(9)→(5)、(9)→(8)、(9)→(1)
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5日メインは「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)。次開催にJpnIII・クラスターカップが控えており、スプリント戦線の上位組はスキップ。それでも距離に自信ありのスペシャリストがそろった。
本命はスターオブケリー。門別2勝から南関東へトレードされ、2着4回から3歳交流・ハヤテスプリント(盛岡ダート1200m)に参戦。5番人気ながら鮮やかな逃げ切りを決めた。また芝1000m交流重賞・OROターフスプリントにも参戦して4着。
その後、金沢、南関東などを転籍して今年6月に転入。初戦は11着に大敗したが、2戦目の岩鷲賞(盛岡ダート1200m)で3着に逃げ粘った。前走・いしがきマイラーズは芝にとまどったというより、1600mが長かった印象。逃げ失速7着だったが、仕方なしの結果。今度はベストの1200m戦に替わって岩手初勝利のチャンスを迎えた。
レディブラウンは門別1勝後、南関東へ移籍。浦和・桜花賞で3着の実績があり、B2へ在籍。一度、門別に戻り、昨年12月に岩手入り。これまで6勝2着2回3着1回。馬券対象から外れたのは4走前6着一度のみ。抜群の安定感を誇り、A級入り後も2戦連続2着にまとめている。
脚質は自在だが、基本は差しタイプ。いい脚を長く使えるのが持ち味で今回の大外11番枠は問題なし。盛岡1200mも2戦1勝2着1回と連対パーフェクト。今回もしっかりと馬券対象を果たす。
アブシンスは今年8歳の牝馬だが、1勝2着2回3着1回と健在を誇示している。マイルまでならどんな距離もこなすが、今季は徹底して1200m以下を使われて、特に盛岡戦は通算11勝。盛岡1200mでも2勝2着2回の好成績を収め、絶好の1番枠を引き当てたのも強調材料となる。
ユニコーンはドゥラメンテ産駒。デビューは3歳6月まで遅れたが、門別1勝から高知へ移籍。5勝をマークした。続いて佐賀へ転籍して2勝マーク。B級から岩手入りし、いきなり重賞・岩鷲賞へ挑戦。出遅れながらも6着。スタートに課題を抱えているが、前走1000mより1200m向きは明らか。
セイシークエンスは今シーズン3着2回が最高だが、いずれも盛岡戦でマーク。その2戦を含めて盛岡5勝2着7回3着3回。対して水沢は2着1回にとどまり、典型的なサウスポーと見ていい。前走3着に巻き返して上昇ムードも心強い。
トキノパイレーツは主戦場が1600mだが、3走前の盛岡1200m6着ながら好タイムをマーク。条件2度目で上位進出。
◎(2)スターオブケリー
〇(11)レディブラウン
▲(1)アブシンス
△(7)ユニコーン
△(6)セイシークエンス
△(4)トキノパイレーツ
<お奨めの1頭>
3R ガイストフォル
出走取り消し後の前走2着だったが、タイム差は0秒1。今度はメンバーが大幅に緩和され、順当に首位を奪取する
4日メインは地方競馬全国交流「第26回OROカップ」。今年は芝1700mからダート1600mへ変更して行われる。OROカップがダートで実施されるのは第4回(2002年 優勝はトーヨーデヘア)以来、22年ぶりとなった。
マンダリンヒーローは昨年、アメリカへ遠征。GI・サンタアニタダービーでハナ差2着に惜敗し、ケンタッキーダービーにも挑戦(12着)して春の話題をさらった。帰国後は黒潮盃から始動して2着。以降も戸塚記念2着、ダービーグランプリ2着。続いて佐賀記念10着に沈み、オープン2着、ブリリアント4着からせきれい賞に参戦。芝に活路を求めてきたが、芝からダート変更。それでもメンバーが甘くなって1番人気に支持されたが、勝負どころでもたついてライアンの2着に終わった。
今度はダート1600mが舞台に替わるが、距離よりも自身のメンタルが問題。解決策として今回はブリンカーを着用予定だという。レースに集中さえできれば地力の違いは明白。2歳以来の勝利を飾り、復活の舞台としたいに違いない。
アトミックフォース中央芝2000m4勝。その後、南関東へ移籍して2戦目から2連勝をマークして盛岡芝2400m交流・せきれい賞へ参戦。適性の違いを見せつけて完勝し、続いてOROカップも優勝。盛岡芝で持てる能力をフルに発揮した。昨年は東京大賞典から休養に入り、ひと叩きされてOROカップへ参戦。2連覇を果たした。
今年はせきれい賞2度目の制覇を狙ったが、ダート変更。逃げの手に出たが、直線一杯5着に終わった。今度もダートが舞台だが、走り頃の休み明け3戦目。ロゾヴァドリナ以来、史上2頭目のOROカップ3連覇を目指す。
ヴィゴーレは中央芝3勝から南関東へ移籍。昨年、5戦1勝からせきれい賞へ参戦。メンバー最速の上がりで快勝した。その後も1勝をマークして、ほかでも安定した取り口を披露。連覇を狙った前走・せきれい賞はダート変更でも3着確保。いい脚を長く使えるのが武器。盛岡ダート2戦目で首位を奪取する。
グランコージーは転厩で心機一転。自慢のスピードが冴え渡り、開幕から3連勝。赤松杯では3歳・ダイヤモンドカップ以来の重賞制覇を果たし、シアンモア記念も優勝。春の主役を演じた。一條記念みちのく大賞典はヒロシクンに出鼻を叩かれて自分の競馬に持ち込めず、2000mも長く4着。今回はダート1600mへ変更されて急きょエントリー。過去1600mは通算10勝とベストの条件。
ライアンは2歳時、平和賞優勝を含めて4勝3着1回。3歳時には羽田盃で2着を確保したが、以降は鳴かず飛ばず。今年春、岩手へ新天地を求め、初戦の赤松杯で2着。続くシアンモア記念は4着に終わり、芝を使いたいとの意向から芝・せきれい賞へエントリー。ダート変更は予定外だったが、直線抜け出しを決めて快勝。2歳以来の勝利を飾った。1600m対応がネックだが、これで弾みがついた。
ビジンは中央ダート1700m2勝、芝2500m1勝から南関東へ移籍。初戦は6着に終わったが、重めも敗因。ひと叩きされて体が絞れてくれば軽視できない。
◎⑥マンダリンヒーロー
〇⑧アトミックフォース
▲⑫ヴィゴーレ
△①グランコージー
△③ライアン
△⑪ビジン
<お奨めの1頭>
4R イントゥフリー
一戦ごとに岩手の水に慣れてきて2戦連続2着。前走タイムも抜けており、今度は首位を奪取する