6月16日に行われた岩手の3歳三冠路線・二冠目『東北優駿』はフジユージーンが大差圧勝。デビューから8連勝、"無敗の3歳二冠馬"となりました。
既報の通り東京ダービーを回避して東北優駿に出走したフジユージーン。手綱を取った村上忍騎手も慎重にレースを進めたように見えましたが、しかし逃げるコンバットスプーンの2番手を馬なりで追走、2周目の3コーナー手前で先頭に立つと、あとは軽く大きなストライドのままに後続を引き離す一方。ゴールを駆け抜ける時もあくまで楽な手応えのまま。自身4度目の「大差」勝ちとなる勝利を、楽々収めました。
同馬はこれでデビューから8連勝、重賞は6連勝。無敗のままに二冠を獲得した勝利は単勝オッズ1.0倍という断然の人気のおまけ付き。次戦は9月3日、今年からJpnIIになった不来方賞となる予定。いよいよJRA勢との戦いに挑みます。
2着は4番人気サクラトップキッド、3着には10番人気のセイバイラックが飛び込んで断然の人気馬が勝ったにもかかわらず3連単は万馬券決着。2番人気に推されたレッドオパールは10着に終わっています。
6月18日のメインレースは12Rの特別戦『ジューンカップ』。ダート1900mというちょっとレアな条件で行われる一戦です。
一時は1800mの代替的な位置づけとしてA級戦で多く行われていた水沢ダート1900m戦ですが近年は数を減らしてシーズンに2~3戦程度に。今年は9月の3歳牝馬重賞オータムティアラがこの距離で行われることで注目度が上がるでしょうか。しかしシーズンの中ではちょっと珍しい距離なのは間違いありません。それだけに行われた場合には必然的に「この距離初出走」という馬が多くなってしまい、予想の手がかりを探すのに悩む条件でもあります。
さてジューンカップ、本命は(6)パーソナルマキとしました。
今年11歳ながらここまで4連勝中の同馬。デビューから全国を渡り歩きつつ、南関や東海地区ではA級でも戦ってきました。4連勝はC2級からスタートしたものではありますが、B2級の前走にしても危なげのない勝ち方を見せています。11歳夏になっても地力はしっかり維持、そして過去には1800mや2000mという距離も経験。この馬も経験としては1900mは初めてなのでその部分の課題はあるのでしょうが、ゆったり大きな走りはいかにもじっくり動ける距離向きと思えますし、ここでも期待をするに足る存在と見ました。
対抗は(9)デッドアヘッド。こちらもJRA時代から中距離メインで走ってきており、岩手に来る前の実績の中では1800m以上の距離での健闘が目についていました。この馬もゆったり大きなトビの逃げ馬。本来得意の距離で大きく変わってくるかも。
三番手は(8)ニシノブライアントでどうでしょうか。2000mでの実績・経験でならこの馬がメンバー中最右翼。岩手の水に慣れてきたと思える今なら注目していい頃合いでは。
以下、まず(4)ヤマショウリアンはじっくり流れに乗っていける距離の方が持ち味が活きそう。調子自体も春から徐々に上がってきている印象。もう一頭は(2)エイシンヌチマシヌ。相手なりに戦えるだけに初距離でもあまり苦にしない可能性を考慮して。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(9)、(6)=(8)、(6)=(4)、(9)=(8)、(6)→(2)
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17日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。今回はA級とB1級を行き来するメンバー構成。その力量比較が重要なファクターとなる。
ヴァルラームは南関東デビューで7勝をあげ、B1まで出世。2022年1月以降は勝ち星から遠ざかり、昨年9月に岩手入り。3勝2着1回3着1回と安定した成績を残した。今季も休み明け初戦を快勝し、2戦目6着から首位を奪回。2勝目をマークした。
前走は4着止まりだったが、逃げたアーバンキッド、2番手エイシンスコッティの先行2頭で決着。いつもどおり直線で伸びてきたが、ペースに泣いた一戦だった。今回はA級1度使ってB1へ降格は好材料。水沢1600m2戦2勝とパーフェクト成績。反撃に転じる好条件がそろった。
オンザブロッサムは東京芝1800m・2歳新馬戦を快勝。4戦目にデイリー杯クイーンカップ(GIII 14着)へ挑戦した。その後は1勝クラスで苦戦を強いられ、今年4月に岩手入り。2連勝をマークした。前走は8着に終わったが、1000mが合わなかった上、出遅れも致命傷となった。今回は実績がある水沢マイルが舞台。4歳の若さを武器に逆転を狙う。
ベルフラカンは昨年10月、盛岡ダート1600m8着後、戦列離脱。今年4月、能力検査を受けて復帰し、4戦4着2回が最高だが、ここ3戦はA級戦。相手が強かっただけではなく、自分の競馬ができなかったのが苦戦要因。今回のメンバーなら外目の枠でも主導権を握ることができ、マイペースに逃げ必至。ベストの水沢マイルを迎えたのも心強い。
エスペルトは昨年、南関東B3級から転入後4戦3勝の好成績を収めたが、脚部不安が発生。今年3月に復帰して入着一杯だが、ここ2戦に復調の兆し。そろそろ一発があるかもしれない。
ゴールデンギフトは相手なりに駆ける堅実さが身上。前々走は7着に沈んだが、前回快勝で軌道修正。成績が示すとおり水沢巧者。メンバーは骨っぽくなったが、軽視できない。
モレッキはかつてのシャープな切れは影を潜めて今季未勝利だが、大崩れなし。先行激化になった際に浮上。
◎③ヴァルラーム
〇①オンザブロッサム
▲⑦ベルフラカン
△⑧エスペルト
△⑨ゴールデンギフト
△②モレッキ
<お奨めの1頭>
4R ミヤギヴォイジャー
デビュー戦は2着に敗れたが、わずかクビ差負け。それでも走破タイムが抜けており、今度こそ首位を奪取する
16日メインは岩手二冠目「第32回東北優駿」(水沢2000m)。当初、無敗7連勝フジユージーンがJpnI・東京ダービーへ挑戦予定だったが、寝違えのアクシデントが発生したため自重。矛先を東北優駿へ変えたため1強ムードとなった。
フジユージーンは昨年6月4日、シーズン第一弾の2歳新馬・水沢850m戦を2秒2差で逃げ切り勝ち。以降も圧倒的な強さを誇示し、現在まで7戦7勝。重賞も目下5連勝中。今季もスプリングカップを2秒4差で圧勝し、東日本交流・ダイヤモンドカップを0秒7差で完勝。東京ダービー出走を表明したが、無念の遠征断念。幸い大事には至らず、たっぷり1ヵ月半の休養を取り東北優駿へ駒を進めた。今回は地元同士の戦いに戻り、能力の違いは歴然。順当に二冠を制す。
サクラトップキッドはデビュー2連勝を飾り、以降は重賞路線へ名乗り。南部駒賞5着から着順を一つ一つアップ。今季初戦のスプリングカップで2着を確保した。続くダイヤモンドカップ6着、イーハトーブマイル4着と伸びを欠いたが、流れが落ち着く2000m延長は大歓迎。追走も楽になれば持てる能力をフルに発揮できるはず。
レッドオパールは昨年11月、門別4戦1勝2着1回から転入。あっさり3連勝を飾り、重賞・寒菊賞、準重賞・奥州弥生賞を制した。あやめ賞は3着、留守杯日高賞3着と伸びを欠いたが、初の盛岡遠征・イーハトーブマイルを完勝。再び勢いを取り戻した。課題は2000m克服だが、折り合いさえつけばこなせるはず。走り慣れた地元水沢戦も強調材料となる。
バウンスライトは中央3戦0勝から転入。クラスにも恵まれてあっさり2連勝。勢いを駆って重賞・イーハトーブマイルへ挑戦して3着。重賞でも通用することを証明した。この結果からウイナーカップで1番人気に支持されたが、先行有利の流れに持ち込まれたのが致命傷。メンバー最速の上がりを披露したが、先行有利の競馬に泣いて3着に終わった。脚質から忙しい1400m戦より2000m向きは明らか。
ホッコーアドミラルは中央3戦0勝、佐賀2勝から今年4月に転入。相手なりに駆ける堅実さを武器に1勝2着1回3着1回4着1回。すべて入着を確保し、重賞へ初挑戦。メンバーは大幅に強化されたが、父はジャパンカップを制し、母は芝1200m~1400m5勝。秘めた素質を開花させるか注目が集まる。
コンバットスプーンは2歳時に2勝をマークして重賞・ネクストスター盛岡2着。冬場は南関東へ移籍して4戦着外に終わって帰郷。初戦のダイヤモンドカップは7着だったが、イーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着。2000mは明らかに長いが、超スローなら残り目一考。
◎⑨フジユージーン
〇⑥サクラトップキッド
▲⑧レッドオパール
△②バウンスライト
△⑤ホッコーアドミラル
△④コンバットスプーン
<お奨めの1頭>
2R ラポジート
水沢850mを51秒8で圧勝。良馬場で実戦以上の破格タイムをマークした。本番も同じ水沢850m戦。まずはレースパフォーマンスに注目
6月9日に行われたダート850mのスプリント重賞『早池峰スーパースプリント』は断然の1番人気に支持されたダイセンメイトが快勝。自身は初の重賞制覇、そして水沢ダート850mでの成績を11戦11勝とする勝利を挙げました。
ゲートが開いた瞬間こそ他の馬に先行を許したダイセンメイトでしたがそこからの加速で巻き返していくと3角で先頭、そして3~4コーナーでは手綱を押しつつ食い下がるライバルたちに対して自身は息を入れるくらいの余裕を見せながら直線へ。激しい2番手争いが繰り広げられていましたがダイセンメイトはその2馬身半も前で悠々ゴール。「ビジョンで後ろの様子を見たら大きく離れていたので」と鞍上岩本怜騎手のガッツポーズも飛び出しました。
着差2馬身半は51秒弱のレースの中でのそれだけの差だと思えば相当強いと評価できるもの。"水沢ダート850mのスペシャリスト"の呼び名通り、それにふさわしいレースだったと言えるでしょう。
6月11日のメインレースは12Rの『撫子特別』、A級三組ダート1600mの9頭立ての一戦です。本命は(4)エイシンスコッティを採りました。
前走が岩手転入初戦だった同馬は単勝7番人気の評価でしたが終わってみれば2着以下を4馬身引き離す圧勝とも言える勝利。初めての左回り、初めての直線の坂で、そのうえ昨年8月以来の実戦。最後はやや苦しそうにも見えましたがそれだけの"初物尽くし"で勝ち切っただけでも高く評価していい内容だったのでは。
その前走はA級二組のレースでしたが実質的には今回の三組四組くらいのメンバー。勝ったとはいえそれだけではまだ過信は禁物ですが、休み明けをひと叩きされた上積みに加えて今回は戦い慣れていると言える右回り平坦のマイル戦。前走同様の強さを見せても不思議はないでしょう。
対抗は(3)ドゥーベ。JRA時代には芝のマイル・ダートの1400mで勝ち星あり。直近の南関東ではちょっとつかみ所が無いというか評価しづらい結果が続いていますが、ダート・マイルという条件には対応できそうな戦績ですし、今回のメンバーでなら流れにも乗りやすいでしょう。
(6)タイセイメガロスはこれまでの好走の多くが1800m以上で距離はマイル以上の方が良いタイプ。ただ重賞だった前走は別としてその前の2戦は好内容でした。調子の良さに期待しての三番手。
ヒモとしてはまず(8)アマルインジャズ。かなり手薄になった相手関係で安定感ある水沢なら結果も変わってきていいはず。(9)ダブルラッキーも同様ですね。ここなら2着だった二走前のような結果も期待していいでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(6)、(3)=(6)、(4)→(8)、(4)→(9)
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10日メインはA級一組「初夏特別」(水沢1600m)。次開催に一條記念みちのく大賞典が控え、このメンバーからも名乗りを上げる可能性大。その意味でも目が離せない一戦となった。
ゲンパチプライドは中山ダート1200m1勝、東京ダート1400m1勝。2勝クラスでも入着実績があり、今年3月に転入。水沢1400m重賞・白嶺賞、栗駒賞で連続2着。ゴールデンヒーラーにはかなわなかったが、オープン通用を証明した。
前走はマイル延長、初の盛岡など不確定要素がそろったが、0秒2差で完勝。ワンターンの盛岡でさらに本領を発揮。ハイタイムもマークした。これで選択肢が増えたのが何よりも収穫。今回は水沢1600mが舞台だが、重賞2戦の内容を見れば問題なし。2連勝に王手をかけた。
グローリーグローリは昨夏以降は精彩を欠いて今季2戦も着外に終わったが、3戦目の水沢1800m戦を完勝。復活の手ごたえをつかんで重賞・あすなろ賞2連覇を狙ったが、伸びをひと息で4着。まだ本来の動きを取り戻せずにいるが、徐々に体が絞れてきているのは好材料。今回は一線級が不在でメンバー有利。首位奪回に燃えている。
ステイオンザトップは中央芝3勝から2022年に転入。初戦を快勝し、岩手伝統の一條記念みちのく大賞典へエントリー。鮮やかな直線抜け出しを決めて重賞初制覇。続く一戦も快勝したが、脚部不安が発生。1年の長期休養を余儀なくされた。昨年8月に復帰して4着だったが、再びリタイア。前走は8ヵ月ぶりの実戦で6着だったが、幸い反動なし。みちのく大賞典出走のためにも好レースを見せたいところ。
タイセイアベニールは中央芝1200m5勝・オープンから転入。栗駒賞5着、前走・スプリント特別(盛岡1200m)4着。スタートで後手を踏むが、終いの脚シャープ。マイル延長がネックだが、3歳時に端午ステークス(京都ダート1400m)2着ならこなせる距離。ペース次第で突き抜けるシーンまで。
ゼットセントラルはいい脚を長く使えるのが武器。入着止まりに終わっているが、ここ3戦はスローに落とされたのも敗因。多少でもペースが流れれば連対も可能。
マイネルアストリアは好、凡走の落差が激しいのは逃げタイプだから。気分良く4コーナーまで逃げることができれば残り目あり。
◎③ゲンパチプライド
〇④グローリーグローリ
▲②ステイオンザトップ
△⑩タイセイアベニール
△①ゼットセントラル
△⑨マイネルアストリア
<お奨めの1頭>
1R ミラクルレインボー
前走は半年ぶりの実戦だったが、まったく問題にせず完勝。叩かれて気配アップは確実で2連勝に王手をかけた