
17日メインは2歳馬による地方競馬全国交流「第51回南部駒賞」(水沢1600m)。過去10年は北海道5勝、岩手5勝とまったく五分の成績だが、あくまでも岩手は世代レベル。昨年のフジユージーンが象徴だが、現時点で岩手は正直に言うと小粒。よって北海道勢優位は動かない感じだ。
ミラクルヴォイスの母ミラクルフラワーは、一條記念みちのく大賞典を含めて岩手で10勝、門別で3勝をマークした強豪牝馬。岩手のファンにもお馴染み。デビュー戦で逃げ切りを決めたが、2戦目から出遅れグセを出して5、3着。しかし4戦目を快勝し、ネクストスター門別へ出走。豪快なまくりを決めて重賞初制覇を果たした。長距離輸送、初コースが不安だが、克服できれば重賞2連勝の可能性が高い。
カセノタイガーはデビュー戦4着後、2戦目から2勝2着4回。前走・JBC2歳優駿を含め、メンバー最速の上がりを披露してきた。ネックは前半で置かれる脚質で小回り水沢対応がカギ。しかし過去に戦ってきたメンバーは門別一線級、JRA馬が相手。地力で水沢も克服する。
ナンパセンは門別1200m・新馬戦を6馬身差で圧勝。2戦目は1700m延長もこたえて6着。続いて1200mへ戻って首位を奪回し、サッポロクラシックカップ8着。オープンに戻って快勝、重賞・サンライズカップ7着。好走、凡走を繰り返しているが、自分の競馬ができれば巻き返し必至。
バリウィールはデビュー2戦目を快勝し、6戦3勝2着2回。馬券対象から外れたのは4走前4着のみと抜群の安定感。持ち味は軽快な先行力と強じんな粘り。有力馬に差しタイプが多く、先行有利の流れ。目下2連勝中と波に乗り、願ってもない絶好枠。あっさり逃げ切りまで。
スティールブライトはデビュー戦2着、2戦目を快勝して重賞路線へ名乗りをあげたが、リリーカップ4着が最高。ネクストスター門別で10着に沈んだが、続く門別1000m・0秒3差5着から盛岡・プリンセスカップへ参戦。積極的なレース運びから直線半ばで先頭。クビ差2着に惜敗した。牡馬相手にも好勝負必至。
ステラビアンカは門別1100m・新馬戦を快勝。2戦目は1700m延長も影響して4着に終わったが、距離2度目の前走で首位を奪回した。キャリアわずか3戦で伸びしろ十分に加え、中央、地方を問わず活躍馬を多数輩出するダノンレジェンド産駒。重賞初挑戦で制覇のシーンまで。
印はすべて北海道所属馬に付したが、岩手期待はマツリダマスラオ。調教の動きがなかなか実戦に結びつかなかったが、若駒賞で馬群を割って快勝。待望の重賞タイトルを手にした。レースに集中できれば上位進出が可能。
◎⑧ミラクルヴォイス
〇⑦カセノタイガー
▲⑤ナンパセン
△②バリウィール
△③スティールブライト
△④ステラビアンカ
<お奨めの1頭>
7R マグナムハート
前走8着は出遅れが致命傷となった。水沢850m1勝2着1回と問題なく、首位を奪回する
11月10日に行われた今シーズンの盛岡競馬での最後の重賞『絆カップ』は2番人気のウラヤが優勝。岩手転入後5戦目での嬉しい重賞初制覇となりました。
若干行き脚がつかない感じのスタートになったウラヤでしたが巻き返す脚はしっかりあって向こう正面半ばくらいまでには内の5番手あたり、先行集団の直後に取り付きます。 しかし外側に他馬が固まり始めてこのままでは行き場がないかと思われた4コーナー、内ラチ沿いが開いたところにさっと飛び込んだウラヤは即座に伸び脚を発揮してリードを広げます。直線は差し馬勢がそれぞれ脚を伸ばしてきましたがそれも1馬身差に迫るまで。この距離ではセーフティリードとも思える差を保ったままゴールを駆け抜けたウラヤはこれが岩手転入5戦目、自身のキャリアで初の重賞タイトルを獲得しました。
2着は外から追い込んだレディブラウン、3着はウラヤの後を追って内を突いてきたホッコーライデンが食い込み馬番3連単は23万7千円余りの高配当。1番人気ゴールデンヒーラーは10着に終わる波乱の結末ともなりました。
2024シーズンの盛岡競馬はこの11月12日をもって終幕となります。今季の盛岡競馬も様々な出来事がありましたが、ひとまずOROでのレースは来春までのお別れですね。
何度も書いていますけども自分は盛岡に住んでいるのでどちらかと言えば盛岡競馬の方がいろいろ楽で、早くも来年の盛岡競馬が待ち遠しくなっているのですけども、この後の水沢競馬にも各世代の重賞競走が続きますし大晦日には桐花賞も控えています。今シーズンの岩手競馬、次週からは水沢競馬を最後までお楽しみください。
さて予想に行きましょう。11月12日のメインレースは12R『2024盛岡ファイナル特別』、A級三組ダート1600mの12頭立てです。レース名通りにこれが今季の盛岡競馬のラストレース、自分もしっかり当てて盛岡開催を終えたいところですが果たして。
このレースの本命は(8)グラシアスです。
転入初戦の前走は2着だった同馬でしたが、外々を周らされる形になって、それでも先頭に立ったところを勝ち馬に差されてしまった・・・という2着でしたからこれは現級通用・岩手通用のメドは十分に立った内容だったと評価していいでしょう。
そして今回はその前走の勝ち馬が抜けて、前走比較では本馬が最先着になるメンバー構成にもなりました。となれば今度は勝機、この馬の順番と考えるのが妥当なはず。
(7)ジャッジが対抗。今年の前半戦ころまでは逃げ先行を主戦法にしていた本馬でしたが夏頃からは好位・差しの形を採り始め、それが徐々に板についてきています。近走も勝ち切れないまでも立ち回りは堅実。もう一歩前進があっても不思議ではない段階と見ます。
三番手に(2)ウイニングライブ。昇級になりますが近走の時計比較で遜色がないですし、前走などもケープライトを相手に最後まで食い下がっての3着だったことを思えば力に不足はないでしょう。ここでも流れひとつで白星まで。
(3)マルーントリックは古馬戦に入って苦戦の印象ですが、前走は3着ジャッジからなら2馬身ほどの差ではありました。一気に勝ち負けとまではまだ言えないまでも馬券圏内争いくらいなら加わってきていい頃合い。もう一頭は(11)マイネルアストリアを。前走のように結果的に目標にされるとしても行き切れれば面白い存在に。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(7)、(8)=(2)、(7)=(2)、(8)→(3)、(8)→(11)
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追悼・トーホウエンペラー②
トーホウエンペラーは当初、中央デビューの予定だったが、慢性的な脚部不安を抱えてたため未出走で岩手入り。常に脚元と相談しながら、3歳・12月31日、ようやくデビューにこぎつけた。
さすが後のGI2勝馬。無敗9連勝を飾った。東京カップけやき賞4着に敗れたが、オープンまで出世したJRA・ウインマーベラスでは仕方なし。その後は軌道修正し、翌年の12月31日、桐花賞を優勝。わずか丸1年で最下級から岩手トップを極めた。
菊池武くんが振り返った。「現在も馬にかかわっていますが、あれ以上の馬に出会ったことがありません。とにかくパワフルでした。球節に爆弾を抱えていましたし、骨が固まるのも遅かったけど、体力がけた違いでした。IQも高かったと思います。桐花賞の勝利は村上忍くんといっしょに考えた頭脳プレー。バンチャンプがいましたから、意識的に下げたのも勝因でした。桐花賞の勝利は大きかったと思います。これで全国でも通用する手ごたえをつかみました」
翌シーズンも快進撃を続け、赤松杯、シアンモア記念を連勝し、帝王賞へ挑戦。初グレードがいきなりGIだったが、5着に健闘。続いてマーキュリーカップ3着、エルムステークス2着、青藍賞1着、マイルチャンピオンシップ南部杯2着。グレード制覇も手の届くところまで近づいた。
*このコーナーは次週に続きます。
11日メインはA級一組「晩秋特別」(盛岡ダート1600m)。年度代表馬を目指すヒロシクンが登場。トウケイニセイ記念の前哨戦にこの一戦を選んだ。
ヒロシクンは中央1勝クラスから転入後、B1級で3連勝をマークして岩手の伝統重賞・一條記念みちのく大賞典へ強気の挑戦。メンバーが一気に強化されたが、鮮やかな逃げ切りを決めた。最大勝因は淡白な性格を高松亮騎手が理解していたから。自分の型に持ち込まないと走る気をなくす癖を分かっていたので、強気に攻め続けて金星をあげた。
マーキュリーカップ13着後、福島へ移動して休養。青藍賞で復帰して2着に0秒8差で完勝。秘めた才能を全面開花させた。南部杯15着後、適クラがなかったが、トウケイニセイ記念へ向けてひと叩きが欲しかった。佐藤雅彦調教師「確認したところ56キロで出走できると聞いたので、この一戦を使います」。トウケイニセイ記念へ向けて弾みをつける。
グローリーグローリは昨年、中央オープンから転入後、赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝。今季当初は脚元不安から順調さを欠いたが、徐々に調子を上げて1勝2着3回。夏に弱いタイプで2ヵ月半休養し、復帰2戦目の前走2着。これで本来の動きを取り戻した。
ボウトロイは調子の波が少なくコンスタントに結果を出すタイプ。準重賞・桂樹杯優勝を含めて今季4勝2着2回3着5回。前走3着だったが、気配落ちなく上位争いの一角を形成する。
マツリダワールドは先行力と粘りを身上に毎回好走。今回は願ってもない1番枠を引き当て逃げ必至。あとはヒロシクンが可愛がってくれるかどうか。楽に逃げることができれば残り目は十分。
サクラトップキッドは東北優駿でフジユージーンの2着から重賞・やまびこ賞を快勝。待望の初重賞を手にした。古馬初対決の青藍賞でも3着を確保したが、すずらん賞7着。展開に注文つくが、決め手上位。
セイバイラックは通算1勝のみだが、一連の安定度一目。前走A級一組2着も評価に値する。
◎⑦ヒロシクン
〇⑥グローリーグローリ
▲②ボウトロイ
△①マツリダワールド
△④サクラトップキッド
△⑤セイバイラック
<お奨めの1頭>
5R アージェント
転入初戦を持ったままで圧勝。能力の違いを見せつけた。1400m延長も問題なく、追いかける一手
10日メインは今シーズンの盛岡競馬で行われるラスト重賞「第14回絆カップ」(盛岡ダート1200m)。3歳馬から10歳馬まで幅広くエントリーし、牝馬も12頭中7頭。盛岡重賞フィナーレを飾るにふさわしいメンバーが顔をそろえた。
このレースに合わせてゴールデンヒーラーが戦列に戻ってきた。2歳時から主役を演じ続け、牡馬も相手に重賞11勝。2歳時、最優秀短距離馬、3、4歳時には最優秀牝馬に選ばれた強豪牝馬。今シーズンは短距離路線にシフトして白嶺賞を皮切りに栗駒賞、岩鷲賞と重賞3勝をマークし、4戦4勝のパーフェクト成績。破竹の進撃を続け、クラスターカップ挑戦も視界に入れていたが、体調が思わしくなく断念。生まれ故郷の北海道へ移動して休養に入った。
今回は4ヵ月ぶりの実戦となるが、休み明け実績4戦4勝。まったく苦にしないどころか、久々の方がレースに集中できるのがゴールデンヒーラー。ご存じの方も多いと思うが、今年一杯で現役にピリオド。来期から生まれ故郷の下河辺牧場で繁殖に入るため、競走生活も残りわずか。重賞12勝目に王手をかけた。
トーセンキャロルは3歳時、ひまわり賞(オークス)、OROオータムティアラの牝馬クラシック二冠を獲得。翌年は重賞・岩鷲賞を制し、絆カップ2着。冬場は南関東へ移籍して4戦消化後、3ヵ月半の休養をはさんで帰郷。OROターフスプリント4着、ヴィーナススプリント3着。前走は5着止まりだったが、1000mの忙しい競馬が合わなかった。
今度は4戦1勝2着2回の盛岡ダート1200mが舞台。状態も申し分なく、ゴールデンヒーラーがもたつくようなら逆転の目は十分ある。
グットフォーチュンは中央ダート1400m1勝、ダート1000m1勝から転入。水沢2戦・早池峰スーパースプリント9着、前々走・ヴィーナススプリント8着に凡走。輸送競馬が合わない印象だった。対して盛岡は6戦2勝2着2回3着2回とすべて3着以上。交流・OROターフスプリントはマッドシェリーに0秒1差の惜敗だった。
前走は伸びを欠いて3着止まりが不満だが、盛岡戦も今回がシーズン最後。何とか勝利を飾り、重賞初制覇で締めくくりたいところだろう。
ジュランビルは中央芝3勝、ダート1勝・オープンから南関東へ移籍。以降は積極的に遠征し、イヌワシ賞(金沢)2着、佐賀ヴィーナスカップ優勝、秋桜賞(名古屋)3着。その後、半年の休養を経てOROターフスプリント5着から転入。ヴィーナススプリントで2着を確保した。1200mは芝2勝、前走・水沢1400m2着なら距離は問題なし。好メンバーがそろったが、格でアッサリのシーンまで。
ウラヤは中央3勝クラスから転入。余裕の2連勝を飾り、青藍賞で1番人気に支持されたが、好位一杯6着。南部杯13着と2戦着外に沈んだが、今回はメンバー緩和。1200mは未経験だが、タイプ的にはむしろ合いそうなムード。
ルチルクォーツは水沢1300mのコースレコードを更新。ヴィーナスSP4着、前々走3着に終わったが、前回直線一気を決めて快勝。これで勢いを取り戻した。
◎⑧ゴールデンヒーラー
〇⑤トーセンキャロル
▲①グットフォーチュン
△④ジュランビル
△②ウラヤ
△⑨ルチルクォーツ
<お奨めの1頭>
4R ドリーミンマン
デビュー戦の東京ダート1600mで6着を確保。今回は5月以来の実戦だが、能力検査を使って態勢は整った
11月3日に行われた2歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『プリンセスカップ』は門別勢対岩手勢の構図。結果は門別勢が3着まで独占、勝ったのは1番人気のエイシンナデシコでした。
岩手ラポジートの逃げを門別勢が追う形になった序盤、エイシンナデシコは馬群の中5番手あたりを追走。意外に落ち着いた流れになり門別勢が動き出したのは4角が近づいてから。馬群を捌いて抜け出してきたのがスティールブライト、エイシンナデシコは外に持ち出して追い上げる態勢、ここまでが緩い流れだっただけに最後は各馬同じような脚色の競り合いが続きましたが、一歩前を行くスティールブライトを外からエイシンナデシコが捉えたところがゴール。クビ差の決着は1番人気に軍配が上がりました。
2着はスティールブライトが確保、接戦の3着はリコーシュペルが粘り切って"表彰台"は門別勢が独占。5着も門別ハッピータレイアでしたが地元ピカンチフラワーが4着に食い込んで気を吐きました。
11月6日のメインレースは12Rの『夢・希望 未来へ前進』B2級三組・ダート1600mの12頭立て。本命は(6)ライジングサミットを採りました。
転入後3連勝中、川崎のB2B3から岩手のC2級転入はさすがに楽だったという事になるのでしょうが、連勝している事によって走る度に相手強化があり、加えてコース替わりや距離延長もありながら連勝、それも強さを増すかの走りを見せているのは降級だけが勝利の要因では無いと見るのが妥当でしょう。
そして走破タイムの比較でも、自身の前走はC1級でのものですがB2に入ったここでも全く遜色ないと言える時計です。さらに言うならば今回のメンバーの多くは夏のクラス替えでB2に上がってきたばかりで"昇級"というほどの相手強化感もありません。ここでも主役になる事ができる可能性は大と見ます。
対抗は(7)フェルサイト。こちらは3歳未勝利からの転入でしたが着実に勝ち星を重ね、古馬に編入されても勢いは通用しました。前走も初マイルで歯ごたえある古馬を破っていますし、◎同様昇級となっても力量通用と判断。
(8)ピースワンドルチェが三番手。ここまでの勝ち星は全て1200m~1400mの範囲にある馬ですが近走や昨年の走りからもマイルがダメという事はないはず。昨年もそうでしたが秋頃もこの馬が走るタイミングと思えますし、ここでは伏兵以上の評価をしてみたいところです。
以下、昇級で苦戦の形も時計の差はあまりない(2)ニーケススマイル、降級だけで無く前半戦の頃よりも気配が良く感じる(10)レベランスを穴っぽいヒモ候補に。3着あたりはもつれてもおかしくないメンバー構成でしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)=(8)、(6)=(2)、(6)→(10)
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