22日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。4歳馬は南関東B3から再転入ボルドーグリフォン1頭のみで、ほかはすべて5歳以上。今後、重賞へ向かうと言うより、A級とB1級を行き来するメンバー構成と見ていいだろう。
アダマスミノルは中央未勝利に終わったが、ダート1700m~1900mで2着3回3着2回。昨年10月から南関東へ移籍して4戦目のB3級・浦和1400mで待望の初勝利をあげた。以降は頭打ちのレースが続き、4着1回が最高。岩手へ新天地を求めてきた。初戦は勝ったアンコールゲランが抜けた存在。7馬身差でぶっち切ったが、2着確保なら上々の滑り出し。いい脚を長く使えるのが持ち味。その分、勝ち味に遅い印象だが、軸の見方で筆頭となる。
リリーアローは昨年、2勝2着5回3着3回。着外は3度のみと堅実さを発揮。B1級の安定勢力として定評がある。今季もスタートはA級二組戦だったが、そこでも0秒4差4着に食い込んだ。前走は出走取り消ししたが、大事には至らず早々と乗り込みを再開。さほど影響がないと判断して差し支えない。アダマスミノルと同様、勝ち切れないのがネックだが、一連の安定度から上位評価が妥当。
サンエイブレーヴは2歳時から重賞路線に乗ったが、いまだタイトルなし。また3歳4月以降、ずっと白星から遠ざかっていたが、昨年8月、クラス再編成で最下級Cへ降格。4勝をマークした。これで弾みついたかと思ったが、勝ち切れないレースの連続。昨年終盤から4戦連続で4着にとどまった。しかし前走は出遅れながらも3着と一歩前進。鞍上・坂井瑛音騎手も今度で2度目の騎乗。久々の首位奪取なるか。
エスペルトは中央ダート1勝、南関東2勝・B3級から転入。3勝2着2回と連対パーフェクトを続けたが、2連勝後に脚部不安が発生。半年の休養を余儀なくされ、今年3月に復帰。まだ本調子を取り戻していないが、徐々に復調ムード。
マルケイアローは岩手生え抜きで7勝マーク。実戦を使われながら着実に地力アップ。昨年はA級まで出世し、現在はB1級に在籍。今季初戦は体重が減っていたのが気になったが、それでも3着を確保。馬体回復すればさらに上を望める。
ホワイトパスは昨年、高知から再転入。3戦目から5連勝を飾った。好調時にまとめて走るタイプ。キッカケをつかめばあっさりまで。
◎(8)アダマスミノル
〇(10)リリーアロー
▲(5)サンエイブレーヴ
△(9)エスペルト
△(6)マルケイアロー
△(7)ホワイトパス
<お奨めの1頭>
1R エムオーリボン
前走4着は内に包まれて自分の競馬ができなかったのが敗因。今回の枠なら巻き返し必至
21日メイン、「第24回留守杯日高賞」(水沢1600m)が"GRANDAME-JAPAN2024"3歳シーズンへ昇格したのが2010年。過去、川崎代表3勝、大井2勝、北海道2勝、岩手2勝。あとは船橋、浦和、金沢、名古屋、笠松がそれぞれ1勝と各地区からまんべんなく優勝馬が出ている。
ただ今年の遠征馬は3頭。18日、門別で「ネクストスター北日本」、翌週25日には大井・東京プリンセス賞があり、留守杯日高賞は間(はざま)。その影響も少なからずあると思うが、それでも遠征馬優位は変わらない。
ファーマティアーズはデビュー2戦目、大井1400m戦を5馬身差で圧勝。続く2戦5、4着から佐賀・フォーマルハウト賞へ遠征。2番人気ながら後方2番手からロングスパートを決めて完勝。地区レベル差をまざまざと見せつけた。その後、2ヵ月半ほど休養して南関東3歳牝馬クラシック路線へ乗ってユングフラウ賞7着、桜花賞6着。東京プリンセス賞の選択肢ももちろんあったが、水沢遠征は確勝を期してのこと。昨年優勝ワイズゴールドはユングフラウ賞4着、桜花賞4着から留守杯日高賞を0秒7差で完勝。大井勢2連覇に王手をかけた。
リトルカリッジはデビュー2連勝を飾り、若鮎賞へエントリー。しかし初芝にとまどって8着に沈んだが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着。フジユージーン相手に0秒4差に粘った。以降は順調さを欠いたが、終盤2戦を連勝。重賞・金杯を制した。しかも逃げ一辺倒から脚質転換に成功。控える競馬で2連勝を飾り、ひと皮むけた。当初、トライアル・あやめ賞の登録があったが、間に合わずスキップ。スプリングカップから始動して4着に終わった。当初予定よりレース間隔は詰まったが、ひと叩きされて上昇確実。2017年、ダンストンレガーメ以来の地元優勝の期待がかかる。
エレノーラは今年3月にデビュー。あっさり2連勝を飾り、前走は破格タイムで逃げ切って圧勝した。キャリア僅か2戦、初の右回り、初距離、長距離輸送などクリアーしなければならない課題は多いが、絶対能力でカバー。今回、賞金を加算ができれば今後の選択肢も増えるだけに陣営も力が入っているに違いない。
レッドオパールは門別4戦1勝から転入。年をまたいで3連勝を飾り、2歳重賞・寒菊賞、新設の3歳準重賞・奥州弥生賞を完勝した。気になるのは前走・あやめ賞3着。道中の手応えから直線で交わせる印象だったが、伸び切れなかった。相手強化か、連闘策がこたえたか。今回が真価を問われる一戦となった。
ミヤギシリウスはデビュー戦の芝4着だったが、2戦目の水沢1300mを圧勝。若駒賞でもミヤギヴァリアントの2着に健闘した。金杯5着後、テンコートレセンに移動。坂路で鍛え直し、あやめ賞を快勝。成長確かなことをアピールした。仮に重賞2連勝を飾ることができれば、牝馬路線の主役に躍り出る。
カリフィアは盛岡芝1000m・新馬戦を圧勝。重賞・ネクストスター盛岡で3着を確保した。以降は逃げ一杯のレースが続いたが、昨最終戦となった阿久利黒特別を快勝。今季初戦のあやめ賞でも渋太く粘って2着を確保した。同タイプがそろって展開がカギを握るが、すんなりなら残り目一考。
◎⑦ファーマティアーズ
〇⑧リトルカリッジ
▲⑩エレノーラ
△④レッドオパール
△⑤ミヤギシリウス
△⑨カリフィア
<お奨めの1頭>
5R ライヴマスタード
昨年8月以来の実戦を問題にせず、転入初戦を完勝。地力の違いを見せつけた。ひと叩きされ、さらに信頼度が増す
4月14日に行われた古馬マイルの重賞『赤松杯』。ここからシアンモア記念-みちのく大賞典へとつながっていく古馬戦線の本格的な幕開けを告げるレースはグランコージーが逃げ切り勝ち。近年の年度代表馬らを完封する見事な勝利を挙げました。
この春に盛岡から水沢に転厩、鞍上も初めて手綱を取る坂口裕一騎手となって挑んだグランコージーでしたが、初騎乗の懸念も何のその「あくまでも自分のペースで運んで、自分のタイミングで仕掛けようと思っていました(坂口裕一騎手)」と狙い通りの戦いを貫いての4馬身差完勝。グランコージー自身も3歳時のダイヤモンドC以来の重賞制覇、見事な復活劇ともなりました。
今週の水沢競馬場ではついに向こう正面の桜並木が満開を迎えました。桜を背景にしたレースを見ているとようやく春が来たなと、つい先日の3月下旬まで寒い日が続いていただけに余計にそう思うのですが、しかしこの週末は4月とは思えないくらいの気温の上昇にうんざりともさせられました。春と言うより夏。
そんな暑さのせいもあるのか、せっかく咲いた桜並木もはや散り始めているようです。桜並木とレースの光景をお楽しみいただけるのも今日あたりまででしょう。
さて予想に行きましょう。4月16日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、OP級の850m戦。本命は(8)ダイセンメイトです。
昨春に岩手に転入した時の同馬はC1級スタート。いったんC2級に降級しましたが秋にはA級まで上昇。その原動力となったのは短距離での快進撃、それも水沢850mでの好成績でした。この条件では昨年8戦して8勝、今季も3月30日の奥州弥生スプリントを勝って9戦9勝。1000mでも"長い"と感じさせるくらいの850mのスペシャリストです。その前走も結果の数字だけをみれば1馬身差の勝利ですが短距離でのその着差は決定的といえるもの。スペシャリストぶりは今季も持続と判断できる内容でした。
今回はライバルの半数が前走で破っている相手。外枠という点も8頭立てなら大きな問題にはならないでしょうし、850m10戦10勝も十分に可能と考えるのが自然。
対抗は(2)アップテンペストを。前走は◎と戦って7着でしたがあくまでも休み明け初戦ゆえと考えたいところ。昨年6月の早池峰スーパースプリントで2着があるように850mとの相性も悪くないはずで、ここは叩いた上昇分を大きめに見積もってみます。
三番手は(3)アヴェントゥリストを。こちらも水沢850mでは6勝2着6回と巧者ぶりを示してきています。流れひとつ、出足ひとつで◎とも互角に戦えていいはず。
△はまず(6)カタナ。9歳春ながら着実に上昇、そしてこの馬も850mは掲示板を外していない巧者。もう一頭は(4)ペルトラン。春初戦の勝ち星は馬場傾向にも助けられたという事になるのでしょうが、この短距離でも繰り出してくる末脚は一概に軽視できないもの。もつれた展開になった時の穴として押さえておきましょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)=(3)、(2)=(3)、(8)→(6)、(8)→(4)
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15日メインはA級一組「卯月特別」(水沢1600m)。一線級は前日の赤松杯でエントリーし、実質A級二組のメンバー構成。重賞ではどうかというメンツだが、逆に各馬にチャンスあり。馬券的に妙味ある一戦になったと思う。
中心は今季初出走でもマイネルアストリア。今年で岩手3年目に突入。一昨年は赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝。昨年は6月から始動して準重賞・すずらん賞優勝を含めて5勝2着2回3着2回。自分の競馬に持ち込むと強じんな粘りを発揮するが、ビッグレースでは苦戦とはっきりしたタイプ。昨年も馬券対象から外れたのは一條記念みちのく大賞典10着、桐花賞で8着に大敗。ほかはすべて3着以上にまとめた。
そのあたりは陣営も織り込み済み。今年も特別戦できっちり勝利をモノにして、チャンスがあれば重賞挑戦を考えているに違いない。今回、赤松杯をスキップ。それならば当面のターゲットは重賞・あすなろ賞。王道は赤松杯、シアンモア記念、一條記念みちのく大賞典。ちょうど有力馬が一息入れるであろう、あすなろ賞2連覇が目指すところだろう。
ボウトロイは門別2勝、南関東1勝・B3級、門別4戦(一度JRA札幌へ挑戦)を経て転入。2年間で通算9勝をマークした。昨年も5勝だったが、8月以降は着外の連続。次第に存在感が薄れつつあったが、昨最終戦を快勝。復活の手ごたえをつかんでシーズンを終え、今季2戦目を快勝。まだまだ通用することを証明した。
担当きゅう務員は何度か紹介したことがある牧野孝光さん。改めて感服した次第。さすがに重賞クラスでは厳しいが、メンバーが手ごろになればきっちり勝っていくだろう。
スパイスマジックは中央ダート1600m1勝、ダート1700m1勝。ほかに2着2回3着1回から岩手、園田を行き来して昨年再転入。戦列復帰に手間取って出走取り消しをはさんで9ヵ月半の休養を余儀なくされた。しかし復帰後は1勝2着1回3着1回。今季も初戦を3着にまとめたが、2戦目は競走除外。蕁麻疹が除外理由なら一安心。競走能力に支障はなく、早々と乗り込みを再開。気分一新する末脚を期待したい。
キモンリッキーは昨年、大井から再転入。一度11着に大敗したが、以降は5連勝を含めて8勝を荒稼ぎ。中央入りを果たした。ただ2勝クラスでは荷が重く8着が最高。4戦を使った岩手へ戻ってきた。過去、岩手の白星は1400m以下。マイル対応が最大ネックだが、前々走・阪神ダート1400mで1秒2差8着。1分25秒5のタイムをマークできれば、こなせる距離。3月まで実戦を使ってきたのも心強い。
ハクシンパーソナルは今季2戦8、4着だったが、いずれもスローペースに泣いた。水沢なら向こう正面からロングスパートをかけてひとまくり。展開はまれば一気突き抜けるシーンまで。
サイタブラウンは中央未勝利ながらダート戦で2着5回3着2回から岩手入り。6戦連続で連対を続けている。前走タイムは見劣るが依然、底を見せていない。
◎①マイネルアストリア
〇④ボウトロイ
▲②スパイスマジック
△⑩キモンリッキー
△⑤ハクシンパーソナル
△⑪サイタブラウン
<お奨めの1頭>
2R バルボア
今季2戦目から850m戦へ路線変更して2連勝中。元A級の実力を見せつけている。ここも追いかける手
14日メインはシアンモア記念トライアル「第49回赤松杯」(水沢1600m)。新シーズンの古馬戦線第一弾が赤松杯。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられ、現時点での岩手トップがずらりと顔をそろえた。
昨年度の年度代表馬ノーブルサターンが、今年も赤松杯から始動する。昨年、シアンモア記念、北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞4勝。満場一致で年度代表馬に選出された。
今年も健在を誇示するか―が最大焦点だが、昨年の赤松杯4着。またマーキュリーカップ10着後、3ヵ月休養明け5着。500キロを優に超す大型馬でイメージは叩き良化型。中央時代も含めて休み明けは16戦1勝3着1回と振るわないのが気になるところ。加えて今年10歳。果たして休み明けから全能力を発揮できるか、半信半疑。実力は誰もが認めるところだが、あえて▲評価とした。
主軸にヴァケーションを指名する。2歳時にJpnI・全日本2歳優駿を制した大物が岩手入りしたのは一昨年4月。赤松杯2着から2戦目・シアンモア記念を優勝。その後、一條記念みちのく大賞典3着、JpnIII・マーキュリーカップで3着に健闘。年度代表馬に選出された。
昨年も一條記念みちのく大賞典を8馬身差で圧勝。年度代表馬はノーブルサターンに譲ったが、終盤のトウケイニセイ記念2着、桐花賞で3着を確保した。過去、休み明けは<0.3.2.2>。勝ち星こそないが、安定した取り口を披露している。さらに水沢1600mは<1.3.0.0>と連対パーフェクト。軸の見方で主軸に抜擢する。
グランコージーは岩手デビュー後、南関東を行き来して通算12勝。特に1600m戦で8勝マークと最も得意とする条件。昨年11月、南関東A2から3度目の里帰り。初戦の盛岡ダート1600m戦を0秒8差で逃げ切った。
そのパフォーマンスを評価され、トウケイニセイ記念で2番人気に支持されたが、3コーナーでもたついて9着。続く水沢1400m戦も同じようにもたもたして2着。不本意な結果に終わった。
しかし今年は転厩で心機一転。前走、メンバーが甘くはなったが、アッサリ逃げ切って好発進を決めた。メンバーが大幅強化、コーナーでもたつく不安はあるが、ノーブルサターン、ヴァケーションは今季初出走。一度実戦を使った強みを生かせれば逆転首位まで十分。
フレイムウィングスも今季初出走だが、仕上がり万全。中央ダート2勝、南関東B1級1勝から転入。岩手未勝利だが、北上川大賞典2着、桐花賞ではヴァケーションに先着2着。重賞でも勝ち負けを演じている。忙しいマイル向きではないが、安定度一目。
スズカゴウケツは中央ダート3勝、ほかに盛岡2勝、名古屋1勝。昨年の一條記念みちのく大賞典で2着に健闘し、高配当を演出した。昨年のトウケイニセイ記念8着後、南関東へ移籍して2戦連続3着。この経験を生かして一発をもくろむ。
グローリーグローリは昨年の覇者。その後も重賞・あすなろ賞を制し、岩手3勝。今年は3月から始動したが、馬体重増も影響して6着。ひと叩きされてどこまで体調アップしたか。それが好走のカギとなる。
◎⑦ヴァケーション
〇⑥グランコージー
▲⑤ノーブルサターン
△③フレイムウィングス
△①スズカゴウケツ
△⑧グローリーグローリ
<お奨めの1頭>
1R アヴェシオン
今回はメンバーが大幅に甘くなり、6頭立ての少頭数。過去4着が最高だが、千載一遇の勝機を迎えた