22日(月)メインはA級一組「文月特別」(盛岡ダート1600m)。各馬が一長一短のメンバー構成で波乱含みの一戦。人気も思った以上に荒れるに違いない。
ゲンパチプライドは中央ダート1400m1勝、ダート1200m1勝。2勝クラスでも入着実績があり、今年3月に転入。白嶺賞、栗駒賞と水沢1400m重賞で連続2着を確保。地方ダートも問題ないことを証明した。
3戦目は盛岡ダート1600mが舞台。マイル未経験だったが、ハイタイムをマークして完勝。距離を問わずワンターンの盛岡1600mが合った。続く水沢1600m戦は1周競馬にとまどって3着。前走・栗駒賞は最内1番枠に入って出遅れたのが致命傷。位置を挽回するために仕掛けて3角先頭。この戦法が仇となり、直線一杯4着に沈んだ。
これで評価が微妙になったのは否定できないが、今度は大外枠に入って自分の競馬に徹することができるのは確実。3走前にワンターンならマイルも問題ないことを証明済み。メンバーも手ごろになり、首位を奪回する。
ゼットセントラルはいい脚を長く使えるのが武器。シーズン当初は仕上がり途上だったため入着止まりが続いたが、実戦を使われながら徐々に良化。前走はミニアチュールが圧勝したが、ゼットセントラルは後方待機策からメンバー最速の上がりを駆使して2着を確保した。
盛岡マイルは過去3勝2着5回とベストの条件。スローに落とされても自分で動けるのが強味。前走2着で本調子を取り戻したと解釈すれば今季初勝利の局面を迎えた。
ヤマニンエステルは水沢でもそこそこの結果を出すが、本質的にはサウスポー。水沢2勝に対し、盛岡8勝でも裏付けられている。今季も2戦目から水沢で連続2着から4戦目の盛岡戦を完勝。その後は水沢開催をスキップし、盛岡まで待機。2着に0秒4差をつけて逃げ切った。
前走がA級三組だったが、今回はA級一組。相手は骨っぽくなったが、コース適性でカバー。再び好枠を引き当て、逃げ切り3連勝まで十分。
ボウトロイは今季初戦4着、一條記念みちのく大賞典10着以外はすべて馬券対象。今季も抜群の堅実さを発揮している。前走は出遅れがこたえて3着だったが、ゼットセントラルとは0秒1差。巻き返しに転じて不思議はない。
ファルコンビークは一昨年5月、重賞・川崎マイラーズを優勝。その後は苦戦を強いられ、障害2戦を経て転入。3ヵ月半ぶりの実戦がネックだが、地力一目。久々でもアッサリのシーンまで。
マツリダワールドは先行力と強じんな粘りを身上とし、4戦連続で連対を確保。すんなりの流れなら軽視できない。
◎(10)ゲンパチプライド
〇(5)ゼットセントラル
▲(2)ヤマニンエステル
△(6)ボウトロイ
△(7)ファルコンビーク
△(4)マツリダワールド
<お奨めの1頭>
3R ガイストフォル
南関東B3から転入してB1級4着から最下級C2へ降格。能力の違いを見せつけて1秒7差で圧勝した。出走取り消し後でレース間隔が開いたが、能力の違いが明白
21日メインは「第4回いしがきマイラーズ」(オープン 盛岡芝1600m)。7月7日に行われた地方競馬全国交流「せきれい賞」(盛岡芝2400m)が豪雨のため走路が悪化。芝からダート2000mへ変更され、ディープインパクト産駒ライアンが優勝し、2着マンダリンヒーロー。芝を狙ってきた遠征馬、地元岩手も影響大。今回のいしがきマイラーズにせきれい賞組が5頭がエントリー。各陣営にしてみれば仕切り直しの一戦となった。
主軸にギャレットを指名する。2歳時は芝をメインにローテーションを組み、芝重賞・若鮎賞を優勝。芝交流・ジュニアグランプリでモリデンブラック(北海道)の2着確保などで活躍。冬場は笠松へ移籍して3戦3着から里帰りしたが、そこからスランプが始まった。初戦の芝準重賞・はまなす賞は1番人気3着に敗れ、以降は苦戦の連続。ようやく立ち直ったのは昨年7月、浜木綿賞(B1・芝1600m)。1年9ヵ月ぶりの勝利を飾った。
その後、さらに2勝をマークして南関東へ移籍。浦和2000m(B3級)を快勝して再び岩手入り。初戦を2着にまとめた。前走は伸びを欠いて6着に終わったが、いしがきマイラーズに照準を合わせて調整。万全の態勢で臨む。今回は芝実績の高いメンバーが顔をそろえたが、盛岡芝3勝2着1回3着2回と他をリード。絶好の勝機を迎えた。
ジェットモーションはデビュー4戦目・中京2200mを快勝したが、続くアザレア賞6着後、脚部不安が発生して2年の長期休養を余儀なくされた。復帰戦から2連勝。一戦置いて3勝クラスを快勝し、ついにオープン入りを果たした。
さすがに相手がきつく札幌日経オープン4着が最高で今年3月、高知へトレード。6戦1勝から岩手入りし、初戦に芝・せきれい賞を選んだが、冒頭に記したように芝からダート変更。結果9着だったが、ダートでは仕方なし。当日の天候、馬場が気になるところだが、芝でこそのタイプ。待ちに待った盛岡芝でどのようなパフォーマンスを見せるか注目が集まる。
レベランスは新潟芝1800m・2歳新馬戦1着、東京芝2400m1着、中京芝2200m1着。いずれも左回り芝で白星をあげ、障害2走から岩手入り。2戦目の水沢1600m3着が最高でほかはすべて着外。前走・せきれい賞は待ちに待った一戦だったが、無念のダート変更。それでも上がり38秒1をマークして7着。今回はジェットモーションと同じく仕切り直しの芝で持てる能力をフルに発揮できるか。
アーバンキッドはGIII・毎日杯2着、ラジオNIKKEI賞3着。3勝をあげてオープン入り。その後、障害1勝を経て2021年に転入。初戦のOROカップでロードクエストの2着に突っ込んだ。翌年は順調さを欠いたが、昨年復活。いしがきマイラーズ2着、芝準重賞・桂樹杯で3着。ダートでも好走し、今年も近2走2、3着で健在を誇示した。11歳馬でも軽視できない。
サンデージャックは中央芝で2勝。2勝クラスでも3着2回の実績を誇る。ダート戦では5戦とも大敗を喫しているが、芝で一変の可能性がある。
ブローヴェイスは3歳芝2400m重賞・サファイア賞を優勝。ダート対応も問題なく中央1勝クラスから再転入後も1勝。相手強いが好調キープ。
◎⑩ギャレット
〇④ジェットモーション
▲⑤レベランス
△③アーバンキッド
△⑧サンデージャック
△⑥ブローヴェイス
<お奨めの1頭>
2R エリカフォンテーヌ
函館・新馬戦7着後、2年の長期休養から復帰。初戦を0秒6差で完勝した。パワフルな走法で2連勝をモノにする
7月15日に行われた今季の岩手での最初のグレードレース『マーキュリーカップ』。遠征馬10頭・地元馬4頭のフルゲートで行われたレースはJRAクラウンプライドが優勝。意外にも自身初の国内重賞制覇となりました。
逃げの手に出るのはJRAメイショウフンジンかと思われた今年のこのレースでしたがそのハナを叩いたのが地元のヒロシクン。そこにクラウンプライド、同じく地元のグランコージーも加わってメイショウフンジンは4~5番手あたりで動けない形に。
3コーナー、クラウンプライドがヒロシクンを捉えに行って先頭へ、これを合図にしたかのように後続勢も一斉に上昇開始。一足先に抜け出したクラウンプライドを目指します。
直線の坂にかかってもクラウンプライドのリードは3馬身ほど。このまま押し切るかと思われたのですがまだまだ決着はついていませんでした。内を突いたロードアヴニール、外から追い込んだビヨンドザファザーがクラウンプライドを追い詰め、交わしたかと見えたところがゴール。3頭一線のゴールではクラウンプライドがわずかにハナ差、リードを守り切っていました。
同馬はこれが昨年9月のコリアC以来、国内では2歳11月以来の勝利で国内での重賞勝ちも初。コリアC連覇を目指して貴重な勝利を手にしました。
7月16日のメインレースは12Rです。18時ちょうど発走の『夢・希望 未来へ前進』、B1級芝1600mの12頭立て。
先週までは開催日になってからのゲリラ豪雨のような大雨で芝のレースは取りやめになったりそうでなくても悪化した馬場状態になったりとたいへんでしたが、今週は、木曜以降ほとんど雨が降っていない事もあって良い状態での芝のレースが行われています。
この16日は8RのJRA条件交流戦とこの12Rと芝戦が2つ。ここも良い状態でのレースが楽しめそうです。突然の夕立とかなければいいなあ・・・。
さて12Rの本命は(7)アドマイヤハイジを採りました。
前走は同じB1条件の芝特別「朝顔賞」に出走して2着。自分はその時は、それ以前のダート戦での気配から評価を上げずにいたのですが、終わってみればさすが芝実績豊富な馬、2着とはいえ見せ場十分、存在感十分のレースぶりでした。
その前走時も雨が降り始めて少し緩み始めてもいた芝コースでの戦いだったのですが、それで中団からマクって2着というのは、これは本物の芝馬にしかできない芸当といっていいはず。JRA時代には札幌・函館での洋芝経験も豊富な馬。100m短縮がカギになるかもしれませんが、今度こその期待をかけてみましょう。
対抗は(1)ビルボードクィーンを。JRAから始まって各地を転戦、3歳時には一戦だけ岩手に在籍して重賞に出走したこともありましたが盛岡の芝は初めて。今回はそれがカギとなりますが、JRAに再転入した昨年は2勝クラスで勝てないまでも健闘していました。枠順も含め注目。
三番手は(8)リョウフウ。朝顔賞では4着でしたが最後方近くからまくり上げて上がり最速の脚を見せています。芝馬かどうかを計る手がかりのひとつが末脚で、芝馬はなんだかんだ言って他以上のキレをみせるもの。芝の経験はほとんどなかったこの馬でしたが前走を見る限り芝でもやれる手応えはあったと見るべき。
以下、直近の気配は決して悪くなく、芝も待ち望んでいたはずの(12)エムワンハルコ。マイルの大外はどうしても不利なので印はここまでですが軽視しすぎるのは禁物。(6)エイシンユカラは昨年の芝1000m準重賞ハーベストカップで上がり最速だった馬。前走は休み明けでしたし、100m短縮も変わる材料になり得ると考えたいですね。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(8)、(7)→(12)、(7)→(6)
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本命は(9)クラウンプライドだ。様々な不利が重なった前走の結果はまず度外視。昨年のチャンピオンズカップから大敗が続いている形だが、同じ昨年のコリアCや帝王賞の走りを思えば近走の苦戦は力量以外の部分、運のようなところに敗因を求めて良いだろう。盛岡2000mは3歳時のJBCクラシックで当時の王者テーオーケインズと互角に渡り合った経験あり。少し間隔が開いた点も、日本と海外を股にかけて結果を出してきているこの馬なら大きな不安は無い。ここで復活の勝利を手にする。
(1)メイショウフンジンが対抗。3年連続のマーキュリーC挑戦、昨年は3着に食い込んでいてコース適性・コース経験に問題は無いと言える。前走のミトノオーのような強力同型がいないここなら本来の先行策で戦えそうだがなんとなれば番手でも競馬はできる。1枠からうまく流れを作れるかどうかがカギだろう。
三番手は(11)ギガキングを狙ってみよう。2歳時から盛岡との相性の良さをみせており遠征馬ながら盛岡での重賞勝ちが二度。一昨年のマーキュリーCでは5着を確保してもいる。その盛岡巧者ぶりは一目置けるしなにより鞍上が不気味。勝ち負けまでは過信できないにせよ馬券圏内の期待はかけてみていいだろう。
ヒモは3頭。まず(3)テンカハル。地方交流重賞では中団から攻めることもできるし左回り実績も豊富。気持ちよく流れに乗れれば上位に食い込んでくる。
(13)ビヨンドザファザーは展開に注文がつきやすい印象が否めないが盛岡のような適度に広くてタメが作れるコースは戦いやすいはず。
そしてもう一頭は(8)ケイアイパープル。前走を見る限り地方に転じても力の落ち込みはないし、であればこの春までメイショウフンジンらと互角に戦えていた馬。地方所属となって盲点になるようならむしろ狙い目にも。
★印
◎9
○1
▲11
△3
△13
△8
★買い目
3連単フォーメーション
1,9→1,3,9,11→1,3,8,9,11,13
ワイド
1-11、9-11、3-11
(横川典視)
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15日メインは今シーズン第一弾のダートグレード競走「第28回マーキュリーカップ」(JpnIII 盛岡ダート2000m)。今年はマーキュリーCを皮切りに、4ヵ月連続でダートグレードが楽しめる。位置づけは帝王賞で上半期の中~長距離が終了。このレースから秋以降のダートグレードが始まる。
クラウンプライドはダート3戦2勝からUAEダービー(ドバイ)へ遠征。2着に2馬身以上の差をつけて完勝し、ケンタッキーダービーにも挑戦した。帰国後、日本テレビ盃を2着にまとめ、JBCクラシック(盛岡)はテーオーケインズの2着、チャンピオンズカップはジュンライトボルトの2着。
翌年も遠征を敢行してサウジカップ5着、ドバイ・ワールドカップ5着。帰郷初戦の帝王賞でハナ差の僅差負け。惜しくもJpnIタイトルを手にできなかったが、コリアカップ(ソウル)を圧勝。海外2勝目を飾った。
しかし、以降はチャンピオンズC11着、2度目のサウジカップ9、かしわ記念12着。着外が続いているが、かしわ記念は1コーナーで前がカットされて躓くアクシデント。それが最後まで尾を引いた。最大ネックはダメージからどこまで回復したか。影響がないとすれば、今回のメンバーでは断然の実績。GII(UAEダービー)1勝で負担重量57キロだが、久々の勝利を飾り、復活の舞台としたい。
メイショウフンジンはデビュー3戦目を勝ち上がり、4歳6月、3勝クラスを快勝。直後にマーキュリーカップへ挑戦して得意の逃げ戦法に出たが、テリオスベルが強引にまくられたのが致命傷。7着に沈んだ。その後も2勝をマークし、ダイオライト記念2着などの成績からマーキュリーCへ再び挑戦をしたが、またもやテリオスベルにペースを乱されて3着。
以降、白山大賞典2着、佐賀記念3着。前々走はブリリアントステークスを快勝し、GIII・平安ステークスでも3着に健闘。パワーアップを確実にした。その後はマーキュリーC1本に絞って調整を進め、テーマはもちろんリベンジ。今回は"天敵"テリオスベルが引退したため不在。今年も54キロで出走できるのは強味。3度目で重賞初制覇なるか、期待が高まる。
ロードアヴニールはデビュー戦の阪神芝1800m11着に敗れ、以降はダート路線へシフト。5戦4勝、目下3連勝中と成長一途。しかも3連勝とも1番人気に支持された。前走・中山3勝クラスでは終始インに包まれる苦しい競馬を強いられ、直線でも周囲が壁となったが、一瞬だけ空いた馬群をついて快勝。着差以上に強さが際立っていた。レースは粗削りだが、破壊力抜群。今年1月以来がネックだが、重賞初挑戦で制覇のシーンまで。
テンカハルの母ジンジャーパンチはアメリカGI6勝、通算12勝の強豪牝馬。姉に重賞4勝、オークス2着ルージュバック。兄にGI・大阪杯を制したポタジェがいる超良血馬。芝で3勝をマークし、5歳2月からダート路線へ変更。日本テレビ盃2着、浦和記念(いずれもJpnII)3着を確保したが、東京大賞典7着。休み明け後もブリリアントS9着、平安ステークス13着。マーキュリーCへ活路を求めてきた。
ビヨンドザファザーの父はカーリン。3歳時にブリーダーズカップ・クラシック、プリークネスSを優勝。翌年にドバイワールドCなども制し、2年連続でエクリプス賞年度代表馬に選ばれた歴史的名馬。母父は大種牡馬ガリレオ。新潟ダート1800m・2歳新馬戦を快勝し、8戦目に2勝目をマーク。GIII・レパードSで4着を確保し、その後も2勝をあげた。以降はオープンの壁が厚かったが、前回・アハルテケSを鮮やかな直線一気を決めて快勝。上昇ムードが心強い。
アラジンバローズはデビュー2戦目を快勝したが、脚部不安が発生して1年3ヵ月の長期休養。そのため出世は遅れたが、4歳8月に3勝クラスを卒業。以降もオープンで2着1回3着2回と堅実さを発揮し、昨年8月に園田へトレード。5戦3勝2着1回。前走7着に敗れたが、5ヵ月半ぶりの実戦に加えて太目も影響した。ひと叩きされて変わり身どこまで。
◎(9)クラウンプライド
〇(1)メイショウフンジン
▲(5)ロードアヴニール
△(3)テンカハル
△(13)ビヨンドザファザー
△(7)アラジンバローズ
<お奨めの1頭>
1R ガーデンアイル
今回は7ヵ月ぶりの実戦だが、B1から最下級へ降格。メンバーが大幅に緩和された。