5日(土)メイン10レースはB1級・水沢1600m戦「白神賞」。有力馬はある程度絞れることができるが、実力接近。馬券的に非常におもしろい一戦となった。
主軸にブライティアメッセを指名。中央1勝は3歳未勝利ダート1400m戦(阪神)でマーク。500万下で頭打ちとなり、岩手に新天地を求めてきた。
初戦はA級B1級の混合戦で4、5番手キープから直線アッサリ抜け出して快勝。幸先のいいスタートを切った。馬場が軽かったにせよ、走破タイムも水沢1600m1分41秒0は優秀で今後の視界もかなり明るくなった。
しかも今回は自己の条件に戻ってB1級馬が相手。実質A級といってもおかしくないメンバーだが、ブライティアメッセは実際にA級馬をすでに撃破。中6日のきついローテーションだが、前走内容を素直に評価したい。
逆転筆頭はマイネベリンダ。B2級3連勝で臨んだ立夏賞。当然のように1番人気に支持されたが、ダート1000mの特別では最短距離戦。ダッシュ鋭く逃げたが、ウメノレイメイのマークがきつく直線失速4着に敗退。
このレースで受けたダメージは大きく、脚部不安が発生。約3ヶ月の休養を余儀なくされてしまった。
ひとまず8月に復帰し、初戦は息が持たず5着に敗れたが、ひと叩きされた前走快勝。しかも4番手に控える競馬での白星は収穫も大きく、逃げにこだわらなくなればこれから再度飛躍できる可能性が広がった。
マルブツワイルドはシーズン当初、本調子を欠いて凡走を繰り返していたが、徐々に立ち直り6月、水沢1600m戦で待望の白星をマークするや完全復活。前々走5着に終わったのは久々に芝に戸惑ったもので、ダート戦では4戦連続で連体中。この安定感が何よりも魅力に映る。
結果的に評価を下げてしまったエクストラポイントも怖い存在だ。中央500万下から今年6月に転入し、B2級で圧巻の2連勝。他陣営はこの2戦の強さに舌を巻き、オープンまでノンストップの印象を植え付けた。
しかし前走はエーシンスローインのまくりに抵抗できず敗れて2着。ちょっと拍子抜けした感じだったが、これは勝った馬を誉めるべき。佐藤雅彦調教師も手抜かりなく、じっくり調整をこなし満を持しての登場。主客逆転の可能性は十分にある。
ほかにも水沢マイルに短縮なら反撃必至サイレントカイザー、前走はマイペースに持ち込んで2着に粘ったブラックベガスも軽視できない。
◎ ?ブライティアメッセ
○ ?マイネベリンダ
▲ ?マルブツワイルド
△ ?エクストラポイント
△ ?サイレントカイザー
3連単は8、7、4、11の4頭ボックスとしたいが、点数が多くなるので8を1着固定からの流しがお奨め
馬複は 7−8、4−8、8−11、8−9
<お奨めの1頭>
11レース シュクジャンヌ
勝ち味の遅さがネックだったが、ここ2戦は格上の実力を存分に発揮。好調馬がそろっても信頼度高い水沢1600mなら大丈夫
土曜日のJRA新潟競馬、朱鷺ステークスに岩手からトーセンザオーが出走しました。結果は18頭立ての13着でしたが、勝ち馬から0.9秒差で終いの脚も決して伸び負けておらず、何より手綱を取った山本聡哉騎手はこれが初めてのJRA遠征・新潟競馬場での騎乗。それらを考えれば上々の内容だったのではないでしょうか。
岩手に帰ってきた山本聡哉騎手に聞くと開口一番「楽しかった〜!」。レースは思い通りに乗れたし一瞬良い脚を使って夢も見れたし、それにお客さんがたくさんいるスタンドが凄かったと目を輝かせていました。
「あれは本当にやみつきになりますよ。遠征に行ってJRAで乗りたい、という気持ちがよく分かりました」。JRAの試験を受けようかな〜なんてセリフまで飛び出すくらい、この遠征、若い山本聡哉騎手には大きな刺激になったようです。
さてトーセンザオーですが、この馬はそもそも、JRAに在籍したままでは希望のレースになかなか出る事ができないので地方から狙おう、という意図で移籍してきた馬。加えて、JRA時代の実績通り1400mでも長いかも、という芝向きの短距離馬だけに、比較的短距離戦が多い岩手でもなかなか希望の条件がありません。
次走は、そのためダート1200mの東京盃を目指し、さらにはJBCスプリントを狙おうという路線の模様です。東京盃は地方他地区馬の出走枠が少なくて出走できるかどうか未定ですが、大井のナイターを見た時、山本聡哉騎手がどんな感想を抱くのか、楽しみです。
月曜のメインレースは青藍賞トライアルのすずらん賞。8頭立てとなってはこの馬が負ける訳にはいきません。(8)アンダーボナンザです。
昨シーズン後半は飛ぶ鳥を落とす勢いだったアンダーボナンザですが、今シーズンは特別1勝を挙げたのみ。もうひとつ煮え切らない成績が続いています。
とはいえ、春先は上昇途上、最近は距離やコースが微妙に合わなかった感はあり、例えば前走なども彼にとってやや長い距離にもかかわらず自力で勝ちにいって、最後脚が止まり気味になったところを差されてしまったという印象でした。
今回は得意の水沢、得意のマイル。57kgにも全く不安感はなく、ここでこそ実績馬の貫禄を見せなくてはなりません。
対抗は思い切って(6)リュウノツバサを採ります。3歳時からいろいろな条件を走ってきましたが、どうやら適性は水沢のマイル以下にありそう。流れに乗って一瞬のキレで勝負する、岩鷲賞のようなレースが本来の姿に思えます。春先はピリッとしなかった気配もここに来て安定。人気の盲点になるだろう今回が狙い目。
(5)マヨノエンゼルは3番手。古馬相手に勝った前走は立派でしたが、上手く行きすぎの感もありました。もちろんメドが立った事には変わりないですが、押せ押せで狙うよりは今回は少し控えめに見ておこうというスタンスです。
とはいえ古馬に対し3kg軽い54kg、水沢マイルも合うでしょうし、前にも書いたようにこの馬は自分より強い馬がいれば余計に力を発揮するタイプ。再度好走するお膳立ては整った感。
このレース、先行したい馬が多いのですが、同型多数を承知の上で狙ってみたいのが(2)アサクサロータスです。最近のレースで見せている先行力・ねばり強さ、いずれも非常に目を惹くものがあります。2枠を引いた事でもあり、徹底先行なら面白くなるはず。
(1)エアムートンの前走はフロック視されがちですが、ここまでの成績を見る限り、負けているのは岩手でもトップクラスが相手。それに比べればここはむしろ相手が軽いくらいにも感じます。決して先行専門ではないし、意外に展開の利もありそうな予感。
◆買い目
馬単(8)=(6)、(8)=(5)、(6)=(5)、(8)=(2)、(8)=(1)
3連単 (5)=(6)=(8)のBOX、1頭軸(8)から相手は(1)(2)(5)(6)へ
30日(日)メインは伝統の牝馬重賞「第35回ビューチフル・ドリーマーカップ」(水沢1900m)。
今年も他地区からの遠征馬がなく、3年連続で地元同士の戦いとなったが、3年前、一昨年の覇者サイレントエクセル、昨年の覇者ジュリア。そして5歳世代トップのマツリダワルツ、4歳トップ・ピンクゴールド、そして重賞「ひまわり賞」を圧勝し、3歳トップの座を射止めたアンダーゴールドとそれぞれ世代?1の牝馬がそろって出場。ほぼベストと言えるメンバーが顔をそろえた。
しかし、それらをはるかにしのぐ実力牝馬クインオブクインが満を持して登場する。
クインオブクインの履歴を改めて紹介するのも何だが、旧地・笠松時代に重賞8勝。また05年、クイーン賞(船橋 G?=当時)2着、08年、エンプレス杯(川崎 Jpn?)3着など華麗な戦績を残して今年6月に岩手転入。
久々のビッグトレードと騒がれたが、噂に違わぬ強さで初戦を6馬身差で圧勝。2戦目はJpn?・マーキュリーカップへ名乗りを上げて地方最先着となる5着入線を果たし、B・ドリーマーCトライアル・フェアリーカップも余裕の逃げ切りを決めて2着サイレントエクセルに4馬身差。
転入当初からB・ドリーマーカップを狙ってのトレードと公言していたが、無事に出走。しかも地元馬に1度も先着を許さず、この大一番を迎える運びとなった。
距離も問題なし。実力もお墨付き。そして逃げて良し、控えても良しの自在脚質とどれを取り上げても不安要素はほとんどなし。よほどのことがない限り、負ける要素は見当たらない不動の大本命となった。
相手も順当にサイレントエクセルが務める。担当厩務員が先週、ポツリともらした。「ピーク時の(サイレント)エクセルだったら、どうだったか分からないよ」と。
その言葉もうなずける。3歳時のサイレントエクセルはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。3歳牝馬の重特3連勝を飾り、G?・ダービーグランプリへ果敢に挑戦。JRA強豪相手に3着に大健闘した。返す刀で古馬相手にB・ドリーマーCへ駒を進め、2着に10馬身差をつけて圧勝。しかも盛岡ダート1800mレコード(当時)も塗り替えてしまった。
しかし昨年から次第に衰えが見え始め、盛岡1800m戦の1勝のみ。北上川大賞典で2着に食い込んで気を吐いたが、以降はひと息のレース続き。なかなか結果を出せないでいたが、前走・フェアリーCでは少頭数5頭とは言え2着を死守。牝馬同士なら戦力になることを証明した。
今回の水沢1900m戦は4戦3勝と実績の高い条件。最強世代の面子に賭けても次位は譲れないだろう。
ピンクゴールドは追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないレースの連続だったが、フェアリーCでは3着。懸念材料だった体重もひとまず安定し、ロングスパートが決まるか注目。
マツリダワルツもシーズン当初、後方のままを繰り返していたが、徐々に復調気配をうかがわせ、前走2着。逃げたいジュリア、アンダーゴールドをクインオブクインが早めに交わしたら台頭のシーンも十分。
アンダーゴールドは未知の魅力がある。今年の3歳馬は元気が良く、マヨノエンゼルが古馬陣を一蹴。そのほかの古馬編入馬も大活躍中でもしかすると思った以上のレベルかもしれない。
そのジュリアは昨年のウィナーだが、順調さを欠いて今季4戦のみの実戦。今回は久々を叩かれた上積みは見込めるだろうが、仮に万全でも同型のマークが明らかにきつい。道中で可愛がってくれないと残り目は薄い。
◎ ?クインオブクイン
○ ?サイレントエクセル
▲ ?ピンクゴールド
△ ?マツリダワルツ
△ ?アンダーゴールド
△ ?ジュリア
3連単は3を1着固定に9、4の折り返し本線。あとは5、6を3着押さえ
馬複は3−9、3−4、3−5、3−6
<お奨めの1頭>
4レース ナイスデイ
二代目ナイスデイ。初代も岩手デビューし、繁殖後はスーパークリークを送り込んだ。こちらは男の子だが、能検タイムから初戦もらった
29日(土)メインはC1級「田瀬湖賞」(水沢1600m)、11頭立て。好調馬がそろったが、主軸はラストトレジャーに落ち着く。
中央1勝は障害戦だったが、未勝利ダートでも入着実績。それらの賞金から佐賀ではA2級へ格付けされ、やはり荷が重かったのだろう。3着2回の他にも着を拾いながら、壁を突破できないで岩手へ新天地を求めてきた。
その選択はずばり正解。最下級C2へ編入し、初勝利をアッサリ飾るや、3連勝をマーク。レースぶりも実に豪快で大外から鮮やかなマクリを連発した。
昇級初戦の前走はモエレアンドロメダに押し切られたが、これは勝った相手を誉めるべき。2着はしっかり死守し、C1でもまだ大丈夫なことを証明した。
水沢1600mは今回が初めてだが、レース内容を見る限り、むしろ歓迎と解釈して間違いないだろう。
相手筆頭はドーリーゴンザレス。前走は芝適性を存分に発揮し、待望のシーズン初勝利を飾った。ダート戦もまったく問題なく、ハイレベルの焼石岳賞、リアス賞でエアメギドの連続2着。ラストトレジャーとの追い比べが見ものとなる。
人気の盲点になりがちなのがアルペンリリー。理由は着順がムラだからだが、自分の型に持ち込んだときの強さは格別。前走も2着に6馬身差をつける見事な逃げ切りを決めた。ここもマイペースの逃げから、そのまま押し切るシーンまで。
センタージールは着止まりの連続だったが、前走1着でようやく吹っ切れた。これで弾みがついて有力馬をまとめて負かす可能性も十分。
評価に迷うのがグラスバラード。順調ならば当然勝ち負けなのだが、今回は約2ヶ月ぶりの実戦。それが微妙だが、前々走も同じ2ヶ月の休養明けをいきなり1着。素質で久々を克服できるかもしれない。
あとは元B1級セイントプラウドも軽視はできないだろう。
◎ ?ラストトレジャー
○ ?ドーリーゴンザレス
▲ ?アルペンリリー
△ ?センタージール
△ ?グラスバラード
△ ?セイントプラウド
3連単は1を1着固定に6、5の折り返し本線。あとは3、7、11を3着押さえ
馬複は 1−6、1−5、1−3、1−7
<お奨めの1頭>
9レース ケイジーウィザード
ここ2戦はダークマターに完敗だったが、今回は目の上のたんこぶが不在。メンバー有利明白でキッチリ白星をゲット
昨日の甲子園、花巻東は残念でしたね。水沢競馬場でも、試合開始の前に帰る人とか試合が始まるとラジオや携帯のテレビで観戦する人が実に多く、サイレンの音がスタンド各所から聞こえてきて試合開始がはっきり分かったほど。
結局、試合の大勢が決するまではレースの売上げも低迷。岩手県民にとってはそれだけの一大事だったわけですね。
さて、今開催から3歳馬が古馬編入されて同じレースで戦うようになったのですが、その成績はどうなっているかというと、22日・23日ともに4勝を挙げています。22日の全11R中3歳馬が出ていないレース(および2歳戦)が3、3歳馬だけのレースが1、23日は3歳馬が出ていないレースが4でしたから、そこを勘案すると2日間で7/14。3歳馬の勝率は5割という事になります。
なかなかがんばっているじゃないか、という成績ですが、しかし勝ち星の多くはC2級の下位。C2級の上位やB1級、B2級あたりだと人気の3歳馬が勝ちきれなかったシーンも目立っていました。
距離別に見ると1300mでは5戦4勝、1400mでは6戦3勝なのに対し1600mでは3戦0勝。今回の水沢競馬はかなりの先行有利な状況で、1400mや1600mという距離で古馬を相手に先行する、前に行き切るというのが意外に高いハードルなのでは、と感じます。
今日のメインレース・はまゆりトライアスロンレースは非常に難解なレースになりました。前走優勝馬は0、さらに言えば7月・8月に勝っている馬も0。好走はすれども勝ち味には遅い馬が多く“これ”と決めかねます。
先行有利の状況を考えて本命に推すのは(6)バルクとしました。しぶとい先行力が武器のこの馬、一時はちょっとスランプ気味でしたが前々走、1000m戦を使った頃から迫力が戻ってきました。クラス的にも相手関係的にもここは手頃。いいところまで粘ってくれるでしょう。
対抗は(2)フェニックスクインでどうでしょうか。2歳時は短距離専門かと思っていましたが意外に距離の融通が効く感じ。戦法にも幅があるし、折り合いさえつけば上位争いに加わってきます。
(8)セユウブラボーは水沢1800mを全く苦にしないタイプ。ここのところムラはありますが状態は悪くないはずで一発の魅力は十分。ただ、わりと後方から動いてくる脚質が今のコース状態にマッチするかどうかが心配。
この距離で逃げてこその(9)ダンストーンアレスですが、ここ4戦がほとんど最下位かブービー。状態面でちょっと不安を感じます。とはいえ陣営はその辺をあまり問題視していない様子。確かに馬体重もあまり変動していないし、もともとマイルとか盛岡戦では割引の馬ではあります。展開ひとつ、うまくハナ奪えれば怖いかも。
最近の気配的にそろそろと感じるのが(1)トッチンコボ。長めの距離も苦にしないしB2で力が足りないという事もないはず。少しでもペースが速くなってくればチャンスも。
◆買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(8)、(2)=(8)、(6)=(9)、(6)→(1)
3連単 (2)=(6)=(8)のBOX、(2)(6)(8)=(2)(6)(8)=(1)(2)(6)(8)のフォーメーション