
今開催から戦いの場が水沢へ替わり、その開幕を飾るのが九州・佐賀、荒尾所属の騎手交流戦「M&Kジョッキーズカップ」が3戦にわたって繰り広げられる。
Mはみちのく(岩手)、Kは九州の頭文字で前身は荒尾騎手招待競走。その後、九州騎手招待競走を経て平成13年から「M&Kジョッキーズカップ」へ発展、名称変更となった。今年は11月1日(土)から3日(月)まで3戦行われ、舞台が盛岡から水沢へ移ったが、ポイント戦ではなく一戦一戦が単発。第1戦はB2級・水沢1600mで行われる。
主軸はグッゲンハイム=阿部英俊。中央未勝利ながら札幌ダート1700mで2着1回。この実績があればB2通用は過去の転入馬で証明済みだったが、それにしても初戦の強さは際立っていた。
前走比プラス20キロと大幅な体重増だったが、2番手を楽々と追走。逃げたシンボリカッシーニを4角で早々と交わして先頭。あとは余裕たっぷりで2着に5馬身差の圧勝劇を演じた。走破タイムも文句なく、小回り水沢も難なくこなす。
逆転筆頭はオウシュウカイザー=沢田盛夫利。相手なりにか駆ける堅実さを身上とし、今シーズンも着外に沈んだのはわずか一度のみ。目下7戦連続で馬券対象となっている。
その反面、追い込み一辺倒の脚質ゆえ届かないケースが多く、取りこぼしがあることも否定できない。それでも行き脚ついてからの伸びが実にシャープ。沢田騎手がどんなレースをするのかも興味深い。
モエレアンドロメダはオクトーバーカップで後方のまま8着に終わったが、敗因は明らかに適性低い芝が合わなかったため。それ以前には今季5勝(3月の特別開催を含めると6勝)を荒稼ぎし、本格化を迎えた。佐賀リーディング5位・下條知之とのコンビが見もの。
センタージールはシーズン半ばまで白星に恵まれなかったが、5走前に1勝、そして前走と2勝。特に前走はハイペースにも助けられたが、鮮やかなマクリを決めて高配当を演出した。着順が安定せずムラな面は否定できないが、先日、地方競馬通算3300勝をマークした小林騎手の手腕に託したい。
ドーリーゴンザレスの充実ぶりも目を引く。年を重ねるごとに地力が強化され、今季<4.5.2.4>と末脚が冴え渡っている。ただ近走が示すように芝を最も得意とし、ダートは若干割り引きが必要だが、リーディング首位・村上忍騎手がそれをカバーするか。あとは脚質に幅が出てきたハルカゼゴールド=河野直人が押さえ。
◎(3)グッゲンハイム
○(10)オウシュウカイザー
▲(7)モエレアンドロメダ
△(1)センタージール
△(5)ドーリーゴンザレス
△(6)ハルカゼゴールド
3連単は3、10の1、2着折り返しから7、1、5へ3着流し
馬複は3-10、3-7、1-3、3-5
<お奨めの1頭>
6レース ローレルアズーリ
格付けに恵まれて岩手初戦をハイタイムで完勝。右回りは初めてだが、水沢は地元コース
5月から行われてきた盛岡開催も今日で終了。3つのグレードレース、芝の重賞、それぞれ熱く面白いレースばかりでした。夏の開催ではとことん荒れまくって"大万馬券祭り"があったのも印象深い出来事。馬券的には苦い思い出でしたけどね・・・。
この土・日の2日間はお天気も良く、競馬場の紅葉が秋の青空に映えて綺麗でした。昨年はほとんど赤くならないうちに終わりましたが、今年は急に寒さが厳しくなったせいかここ何年かで一番綺麗なくらいになりましたね。最終日にもう一度見たい、と思ったけれど月曜は天気が悪いのですね。それがちょっと残念。
さて、月曜メインの「遠野物語 プレ100周年レース」。A級一組戦ですが、この土・日にオープン級のレースがあったためか一組といってもちょっと手薄なメンバーです。
なにせ前走勝ち馬0、転入馬あり長期休養馬あり・・・。軸はともかくヒモは何とでもなりそうで、盛岡開催は最後まで悩まされそう。
本命は近走の安定度を素直に評価して(3)ダークマターとします。昨年の転入時から「好走すれども勝てない馬」の典型のような馬でしたが、この夏、内田利雄騎手騎乗で勝ってから馬が一変。それ以降も立て続けに勝ち星を挙げて8月以降だけで3勝しています。
前走こそ4着に敗れましたがそれはこの馬向きの展開にならなかったというだけの事。距離にしても、ここ何戦かの間に盛岡1800mで2勝、水沢1800mで1勝しているから問題はなし。心配があるとすれば前走のように先行馬のペースになって持ち味が活かせない場合ですが、このメンバーなら前走よりも強気に動けるでしょう。
対抗は(8)ケイジーウォリアをピックアップ。以前は盛岡1800mで3連勝した事もありますが近走はマイルの方がよさそうな結果。ただそれは自身の状態とも関係していたようです。夏を越して調子が上がってきたのはこの2戦の内容からも明らか、ならばこの距離でも期待していいでしょう。
3番手は(7)サンシャインヘイロを狙ってみましょう。どちらかといえば水沢がいいという事もあってのこの時期の始動でしょうが、当然盛岡がダメという事はないですし、最近は一息入った後の方が走りが良い。前走のような思い切った先行策を取ったりすれば、今の前残り馬場なら残り目も十分。
(6)トウショウアタックですが、距離実績はともかく長期休養明けを叩きつつ内容を悪くしながらの臨戦過程が気になる所。1000万下で好走しているならこのメンバーなら足りて良いはずも、今回は様子見という事で押さえ程度までの評価。
ちょっと気になるのが(10)ストロングラムダ。長期休養明けの前走は7頭立ての7着、しかし500kg前後の大型馬が順調に叩いていけばいずれ前進があっていい、というのがセオリー。その前走にしても1分58秒2で走っており、すんなり行ければ大きな差はなさそう。
★買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(7)、(8)=(7)、(3)=(6)、(3)=(10)
★お奨めこの一頭
9R:エイシンウルフオー
ここ何戦か地道に上昇を続けてきた。距離に不安なし、展開も向きそう。そろそろ頭まであっていい。
25日(日)メインは岩手競馬の最長距離ダート2500mを舞台に行われる「第32回北上川大賞典」。
盛岡での開催は3年ぶりで旧・盛岡(緑ヶ丘)、OROパークで行われた北上川大賞典でフロック勝ちはほとんどなく、真の実力が問われる。
その裏付けの一つは連覇した馬が多いこと。過去にスリーパレード、ボールドマックス、グレートホープ、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラ、グローバルゴッドが快挙を成し遂げ、ボールドマックス、グレートホープは3連覇の偉業を達成している。
以上の名前を連ねれば、ハッキリ分かると思う。岩手競馬の一時代を築いた強豪がズラリ。つまり、北上川大賞典がその時代を象徴するレースといっても過言ではない。
例外(失礼!)はグローバルゴッドだが、11歳まで現役で走り、北上川大賞典2連覇のほかにもみちのく大賞典を優勝。個性派で名を馳せ、ファンも結構多かった。ふじポンもグローバルゴットに出会って以降、競馬にのめり込んでいった。
話が逸れてしまったが、実力どおりに決まるのが北上川大賞典。今年の焦点は船橋・リュウノキングダムvs岩手の若き王者・マヨノエンゼルの雌雄対決に尽きる。
主軸をどちらにするか迷ったが、マヨノエンゼルの成長度に賭けてみたい。ポスト・ワタリシンセイキの重責を十分に果たして岩手クラシック二冠を獲得し、その後、古馬に殴り込みをかけ、すずらん賞、青藍賞と古馬の重賞・特別を連勝。南部杯でも岩手の大将格で臨み、地方最先着の6着に善戦した。
当初、不来方賞へ直行する予定もあったが、レース間隔が開きすぎるし、南部杯激走の反動もなく元気一杯。それで北上川大賞典を使うことになった。
ここ3戦ともマイルばかりに出走し、いきなり2500mを不安視する向きもあるが、元々がズブく追えば追うほど伸びるタイプ。スローでも折り合いを欠くことはほとんど考えられず、終い勝負に持ち込んで直線抜け出しを狙う。
一方のリュウノキングダムは5月に行われたシアンモア記念へ参戦。好位追走から4角で先頭に立ち、そのまま押し切る強いレースで快勝した。続いてみちのく大賞典へも登場したが、ダートグレードの常連キングスゾーン相手ではキャリアの差がハッキリ。直線で猛追したが、キングスゾーンの逃げ切りに半馬身差届かない2着に敗れた。
その後、地元に戻ってA2特別で1勝。重賞・埼玉栄冠賞ではハイペースの2番手を追走し、4コーナーで一杯となって5着に敗れた。
実績は言うまでもなく、ここでは№1。なんと言っても岩手所属馬に一度も先着を許していないのだから、能力は一枚上だろう。
ただ、不安点は中10日の強行軍と輸送になれているとは言え、盛岡は初コース。もう一つはスキャターゴールド、母父ロイヤルスキーの血統。レースセンスの良さが売り物で大丈夫とは思うし実際2000mを勝っているが、ステイヤーでないことは間違いない。
ソーユアフロストは2500mの距離も合うはず。中央時代の6勝すべてが芝2000mでマークし、昨年の北上川大賞典では3着。今季未勝利だが、距離を味方に反撃の可能性は十分にある。
ゴールドマインは中央ダート1600~1800mで4勝。OROカップ10着は実績のない芝だったので度外視できるし、長距離といっても上がりの競馬になることは間違いなく、そうなれば出番となる。
あとは川崎・エンジンソウル、盛岡向きのピンクゴールドが連下押さえ。
◎(8)マヨノエンゼル
○(5)リュウノキングダム
▲(3)ソーユアフロスト
△(6)ゴールドマイン
△(1)エンジンソウル
3連単は8、5の1、2着折り返しから3、6を厚めに。あとは1、10を3着押さえ少々
馬複は 5-8、3-8、6-8、3-5
<お奨めの1頭>
8レース マルブツワーキング
前走・区界賞は芝が懸念されたが、案の定、後方から差を詰めただけに終始。しかしダートに戻れば実力の違いを見せつける
24日(土)メインはオープン馬による盛岡芝1000m「きんもくせい賞」、12頭立て。きんもくせい賞は3年前、芝2400m重賞で実施されボスアミーゴ、カネショウエリートが優勝。
しかし今年、芝2400m重賞は7月の「せきれい賞」へ集約され、きんもくせい賞は芝1000m特別へ様変わりした。
実は芝1000mを舞台にしたオープン戦は今回が初めて。条件クラスでは今年もFM岩手杯(7月11日 B1)、「姫神賞」(7月25日 B2)、ハーベストカップ(10月4日 B1)と3レース実施されたが、ついにオープンでも芝1000m戦が行われる。
ハッキリ言おう。これが特別なんてもったいない。何で重賞から特別に格下げされてしまったのか。
盛岡芝の特性を最大限に生かし、しかも有力各馬が別路線を歩んで臨んできて「きんもくせい賞」で最強芝スプリンターを決定できるなんて、これこそ岩手競馬の理想型だ。
賞金がどんどん下がり、馬資源の確保がさらに厳しくなっている昨今だが、「きんもくせい賞」にベストメンバーがすべて顔をそろえた。
芝の王道を歩み、OROカップではコスモバルクの2着ボスアミーゴ。中央芝ダート1200mで通算7勝をマークし、岩手転入初戦を2着にまとめたあと積極的に遠征を敢行したトーセンザオー。そして先に記した芝1000mを総なめにしたウメノレイメイもB1から果敢に挑戦。
この3頭はどの馬が勝っても納得。逆の言い方をすれば3頭どこからでも馬券が買え、興味二倍、三倍のレースとなった。
迷った末の結論はトーセンザオー。中央芝ダート1200mで通算7勝マークした短距離のスペシャリストで鳴らし、重賞でも入着の実績を誇っていた。
岩手へトレードされたのは中央在籍では除外の憂き目にあい、それならば地方から挑戦した方が確実に出走できると判断したから。それで岩手初戦2着後、JRA新潟・朱鷺ステークス、東京盃へ連続チャレンジした。
残念ながら2戦とも13着に終わったが、朱鷺Sでは0・9秒差に善戦。9歳馬ながら通用する可能性あることを証明した。
今回は盛岡芝巧者がそろったとは言え、過去実績が抜けているし、得意とする短距離戦。意外にも1000m戦は初経験だが、もちろん守備範囲。総合力で首位をがっちりキープする。
逆転筆頭はウメノレイメイ。まさに盛岡1000m戦の申し子的な存在で同条件のB1以下特別をすべて制圧した。しかもオープン馬57キロの負担重量に対し、55キロのハンデも恵まれた。
ただウメノレイメイは中央時代、ダート1200mで1勝した500万下の条件馬。一方のトーセンザオーは高齢馬とは言え、堂々の中央オープン馬。同じ舞台で走ること自体が無理があるとも解釈できる。
しかし、やってみないと分からないのが競馬。ウメノレイメイの最大強みは芝1000mを3度も経験し、58秒5の持ちタイムもあること。トーセンザオーが1000m特有のハイペースに戸惑えば逆転の可能性は十分あるだろう。
ボスアミーゴは▲評価になってしまった。盛岡ターフ王に対してこの評価は失礼だが、「年を重ねるごとにズブくなっている」(菅原勲騎手)のコメント。確かにかつては鞍上がゴーサインの支持を出すと矢のように反応していたが、確かに最近は勝負どころでもたつくシーンが見受けられる。
ウメノレイメイは前走、ハーベストCで上がり35秒0をマーク。仮にボスアミーゴはいつもと同じようなポジションにいた場合、33秒台の上がりを披露しなければならず、それを考えると1000m戦は割引材料になる。
とは言え盛岡芝はボスアミーゴの庭。抜群の芝適性を発揮し、前記2頭をまとめて負かすシーンまで。
以下、桂樹杯(盛岡芝1600m)で2着エアムートン、過去にダートだが1200mで2勝、1000mで2着1回3着1回と短距離適性を誇るトロンハイム、早池峰賞を優勝フリーモアを連下押さえ。
◎(10)トーセンザオー
○(8)ウメノレイメイ
▲(11)ボスアミーゴ
△(7)エアムートン
△(6)トロンハイム
△(1)フリーモア
3連単は10、8、11の3頭ボックスが本線。あとは10、8の1、2着折り返しから7、6、1を3着押さえ
馬複は 8-10、10-11、8-11、7-10
<お奨めの1頭>
6レース エーシンエッティン
前走3着はスタートで後手を踏んだのが痛かったし、相手も強すぎた。今回のメンバーなら首位を譲れない
『各地の2歳主要競走7レースを約3週間で短期集中施行するシリーズ』(NAR・未来優駿サイトより引用)という未来優駿。この若駒賞から11月4日に行われる大井・ハイセイコー記念まで、全国の7つの2歳戦を一気に楽しみ、かつ全日本2歳優駿を目指す馬を探していこうというシリーズです。
若駒賞は岩手の2歳重賞戦線の中ではまだ序盤戦という印象がありますが、例年、この後に控える南部駒賞や金杯といった2歳(金杯は明け3歳)重賞レースを引っ張っていく馬がはっきりする戦いとなっており、ここでの戦いからは目が離せません。
昨年のこのレースではワタリシンセイキが勝って"2歳NO.1"の評価を確かなものにしました。今年はどの馬が勝ち上がり、この後に控える南部駒賞や金杯といった重賞レースでの主役となっていくのか?昨年は果たせなかった全日本2歳優駿への出走を目指してくれるのか?
また、今年の3歳二冠馬マヨノエンゼルは昨年のこのレースで3着になってから頭角を現してきたのですが、実はその時のマヨノエンゼルは11頭立て10番人気、全くの人気薄だったのです。
昨年の若駒賞ではワタリシンセイキ→ダンストンジール→マヨノエンゼルで決まって3連複も3連単も万馬券。今から思うと信じられない配当ですよね。
そんな第2の"マヨノエンゼル"が現れてくるかもしれない・・・というのも2歳戦の楽しみのひとつ。勝ち馬だけでなく上位争いをした馬すべてから目が離せませんね。
本命は素直に(8)ロックハンドスターとしました。前走の重賞・ジュニアグランプリでは1番人気に推された同馬でしたが、北海道・ボヘミアンの差し脚に屈して2着に敗退。しかし勝ち馬とは同タイム、また3着以下にははっきりとした差をつけており、再度岩手勢同士の戦いということなら優位なのは確かです。
また、ロックハンドスターはここまで芝で2勝を挙げているとはいえバリバリの芝馬という印象はなく、むしろダートの方が良さそうなタイプ。今後の戦いも当面はダート。となるとここはきっちり勝って、主導権を掴んでしまいたいレースです。
対抗は(5)ベルデンアインでどうでしょうか。前回のジュニアグランプリでも強く狙ってみましたが6着。ただそれは芝が合わなかった(芝そのもの・芝レースの流れ)のでしょう。ビギナーズカップで馬群を捌いて抜け出した戦いぶりは未だ高く評価できるもの。前走は距離経験になったという事にして再度狙い直し。
三番手は(9)リュウノボーイを。前走はダート1400m戦で完勝、前々走のジュニアグランプリでは人気薄ながら3着。確かにいろいろと条件が揃った感はあってこれらの結果を単純に鵜呑みにできませんが、こうも上昇ムードを見せられては狙わない訳にいきません。
(3)サンデーゴールドの評価は、ここでは軽めに留めました。ここまで5戦、掲示板は外していないし重特戦の内容も良し。ただまだまだ成長途上のようで脆いところも目につきます。あっさり勝っておかしくない力を持つとは思いますが、ここは連のヒモの一角までに。
あとはどっこいどっこいの面々。とはいえ認定を勝った後伸び悩んでいる馬よりはキャリア浅くとも未知の魅力のある馬を選んでみよう。という事で(12)パールレディ。父クロフネならダートで前進するタイプ。一気の距離延長は確かに不安点も、それは他も似たようなもの。
★買い目
馬単(8)=(5)、(8)=(9)、(5)=(9)、(8)=(3)、(8)→(12)
★お奨めこの一頭
4R:マイネルモント
ここまでは戦った相手が悪すぎた。ここは一気に相手軽くなって勝機到来。