14日(金)メイン9レースは今年第二弾のダートグレード「第14回クラスターカップ」(Jpn? 盛岡ダート1200m)、14頭立て。
主軸はバンブーエール。今回、ただ1頭のG?ホース(08年 JBCスプリント・園田)であり、今年3月のドバイ・ゴールデンシャヒーン(G? アドナルシバ競馬場ダート1200m)で1秒差4着に健闘した。
このときを振り返ればウオッカがデューティフリーに挑戦して7着、カジノドライブがドバイワールドカップ8着。日本馬で最も期待の薄かったのがバンブーエールだったが、一旦下がりながらも外ラチぎりぎりから伸びて日本の応援団を喜ばせた。
帰国後はさきたま杯(浦和1400m)2着、プロキオンS3着と2戦とも伸び切れないで終わっているが、今回はドバイ4着以外すべて白星を飾っているダート1200m戦。G?ホースゆえトップハンデの59キロを課せられたが、メンバーも楽になった今回は首位を絶対に譲れない。
おそらくクラスターC以降は東京盃→JBCスプリント(名古屋)の路線を歩むに違いなく、その弾みをつける意味でもキッチリ勝ちたいところだろう。
相手捜しが混戦だが、一連の安定度からトーセンブライトが筆頭に落ち着く。ダートで通算9勝をマークし、3歳時にサラブレッドチャレンジカップ(金沢)、そして今年の黒船賞(高知)とダートグレード2勝。また08年・エルムS(札幌)2着、前々走・かきつばた記念(名古屋)2着など抜群の堅実さを誇り、着外に沈んだのは通算43戦してわずか9回のみ。
鞍上はここ3戦(通算5回)連続で安藤勝己騎手とのコンビで臨み、前記・黒船賞を1・1秒差で圧勝。また同騎手は7月、マーキュリーカップ(盛岡ダ2000m)でマコトスパルビエロに初重賞をプレゼント。コースを熟知しているのも心強い。
1つ不安点は意外にも1200m戦の経験がまったくないこと。直線で追い込んでも届かないケースも頭に入れておきたい。
タマモホットプレイは前走・プロキオンSが初ダート。終始5番手を追走し、4コーナーでちょっとモタモタしたが、直線で盛り返して5着。まずは及第点の走りを見せた。
芝で短距離のスペシャリストで鳴らし、04年スワンS(G?)、07年シルクロードS(G?)の2重賞を制覇。
気になるのは07年1月、淀短距離S以来、白星から遠ざかっている点だが、ダートへ新天地を求めて0・9秒差5着。2度目ならさらに適応力が出るだろうし、緩いコーナー2つの盛岡は歓迎のはず。
陣営にしても今回で結果が出ればダート路線へ完全変更するに違いなく、その意味からしてもクラスターCは正念場となるだろう。
メイショウバトラーは芝重賞1勝、ダートグレード9勝。驚くべきは31戦連続でダート重賞へ出走していること。しかも07年は10走、08年は11走とほぼ休みなし。まさにタフネス牝馬の典型で前々走・マリーンカップ(船橋)を連覇。依然、健在なりを証明した。
それでも△評価としたのはトーセンブライトとの直接対決の結果。今年に限っても黒船賞トーセンブライト=1着に対し、1・7秒差5着。かきつばた記念でトーセンブライト=2着、メイショウバトラー=4着。牡馬相手には苦戦しているのは否定できない。
とはいえ一昨年のクラスターC(水沢で実施)を優勝し、昨年の南部杯で2着を確保。この成績を考えればやはり軽視できないかもしれない。
コパノオーシャンズは前々走1000万下を勝って準オープン入りを果たした。昇級初戦・北九州短距離Sは上がり34秒の脚を駆使して0・3秒差3着。十分通用するメドも立ったのが心強い。
ネックは07年10月以来、久々のダート戦。小柄な牝馬でタフさを要求されるダートが微妙だが、未勝利脱出は阪神ダート1200m戦。それを考えれば適性がない訳ではないかもしれないが、タイムが1分13秒6。今なら間違いなく詰めると思うが、ここは着止まりの評価が妥当だろう。
一方、岩手の期待を集めるのがダンストンリアル。もちろん勝ち負けを期待するのは酷だが、前走・岩鷲賞は馬群を割って抜け出して快勝。昨年の南部杯でも岩手最先着6着に食い込んだことを考えれば電光掲示板に載る可能性もあるかも。
◎ ?バンブーエール
○ ?トーセンブライト
▲ ?タマモホットプレイ
△ ?メイショウバトラー
△ ?コパノオーシャンズ
3連単は13を1着固定に8、6、1流し。絞れば8、6の2、3着折り返し
馬複は 8−13、6−13、1−13、6−8
<お奨めの1頭>
6レース ウインライトアップ
ひと頃、伸び悩みの時期もあったが、目下3連勝中と再び上昇。昇級戦も今の勢いで突破する
10日(日)はJRA交流フレンドリートロフィー・ターコイズ賞」中央未勝利 岩手3歳2勝以下 芝1700m)が8レース、フレンドリートロフィー・ルビー賞(同 ダート1600m)が10レースに組まれ、メインの『若鮎賞』(芝1600m)は9レース(発走:16時25分)で実施する。
今シーズン第一弾の2歳特別。パドックなどでチェックして思うことは、例年以上に2歳馬が粒ぞろいだなということ。単純に血統レベルでも高いし、馬体の良さも目につく。
その中の1頭がサンデーゴールドだ。アドマイヤドンの初年度産駒は各方面から注目を集めているが、G?7勝が何といっても光るしJBCクラシック3連覇の偉業を達成。そのイメージが強くダート馬の印象だが、2歳時に朝日杯FSを制して最優秀2歳馬にも選出された芝ダート兼用のタイプ。母が牝馬2冠馬ベガなら納得がいくだろう。
サンデーゴールドはデビュー戦を出遅れながらも2着ダンストンルティーに0・4馬身差で完勝。2戦目はフラットリアにタイム差なし1着だったが、盛岡ダート1200mの走破タイム1分14秒9は2歳戦では滅多に出ない。以上のことからもスケールの大きさはうかがい知れる。
今回のカギは初の芝。490キロ前後の馬体に将来性も感じさせるが、逆に大型馬ゆえに芝は合わない不安がある。
しかし先に記したように2歳最優秀馬にも選出されたアドマイヤドンが父親。芝も走る素地は十分にあるし、元々「若鮎賞」はパラダイスフラワー、ダンストンジールなどが優勝馬に名を連ね、芝適性よりも総合力がモノを言うレース。結論は芝でもサンデーゴールドが主軸となる。
逆転筆頭はリュウノオパール。小柄な牝馬ながら、父がアグネスフライトで兄がヒシミラクル。もうこれだけで魅力たっぷりだ。ただパドックで見る限り、まだまだ子供の印象。体に身が入れば間違いなく出世するはずだ。
その片りんは前走でも披露した。前半は追走に手こずっていたが、直線を向いてから猛追。メンバー中一番の上がりで0・2秒差3着に食い込んだ。おそらく距離が伸びれば伸びるほどいいタイプに違いない。先物買いだ。
ロックハンドスターの馬体もなかなかのもの。デビュー戦は忙しい芝1000m戦が合わなかったのか完敗3着に敗れたが、2戦目を強いレースで快勝。父母両系とも長距離向きで1600mの舞台はもってこいだろう。
ウィッシュロマンスの芝1000mのタイム1分1秒9は平凡だが、あの時はコスモバルクも泣いた極端な不良馬場。良馬場だったら、確実に1分前後で駆け抜けていた。
ダンストンルティーは重賞・岩鷲賞を快勝したダンストンリアルの妹。牝馬ゆえ比較するのは酷だが、ちょっと小柄。その分だけ芝の適応力も備えているのかもしれない。
もう1頭、気になるのがストリーム。2戦目のダート1200m戦は5着に凡走したが、おそらく脚抜きのいい芝の方が合うタイプ。その意味で正念場を迎えた。個人的にはユメノセテコウユーの世代ただ1頭に頑張ってほしいと思っている。
◎ ?サンデーゴールド
○ ?リュウノオパール
▲ ?ロックハンドスター
△ ?ウィッシュロマンス
△ ?ダンストンルティー
△ ?ストリーム
3連単は10を1着固定に3、4の折り返し本線。あとは1、7、10にも流したい
馬複は 3−10、4−10、1−10、7−10
<お奨めの1頭>
11レース コスモフェデラー
前走は中団キープから豪快に抜け出して快勝。負かした相手が元A1級馬で走破タイムも文句なし。
9日(土)メイン10レースは3歳特別「サファイア賞」(盛岡芝2400m)、10頭立て。ポイントは一貫して重特路線を歩んできたダンストンジール、トキワノマツカゼ、センリグランピーら実績上位組に対し、JRAとの条件交流「フレンドリートロフィー・オニキス賞」1、2着マルブツコンバット、リュウノシンゲンが果たして通用するか否か。それに加えて全馬が未知の芝2400mも予想を難解にしている。
主軸にマルブツコンバットを抜擢する。前走・オニキス賞(芝1700m)で通算2勝目。阿久利黒賞で2着トキワノマツカゼ、3着ダンストンジールから離されること2秒以上。優勝マヨノエンゼルから2・9秒もの大差をつけられて9着に敗れた。
この馬を本命視するのは明らかに危険だが、オパールカップの結果を振り返れば理解できると思う。
最先着3着に食い込んだのがセンリグランピーだった。3コーナー手前から大外を回ってロングスパート。勝ったエイブルインレースに0・2秒差、2着フレンチマリーには0・1秒差に善戦した。
ネックは好走が続かないこと。追い込み一辺倒の脚質ゆえ着順が安定せず、凡走するケースも結構多い。マルブツコンバットがオニキス賞でマークしたタイムが1分48秒4。オパールCのセンリグランピーは1分46秒5。このタイム差は計り知れなく大きいが、今回は2400mが舞台。
マルブツコンバットが父サッカーボーイ、母父ビワハヤヒデと明らかにステイヤー血統に対し、センリグランピーは父がスキャターゴールド。母父はリアルシャダイなら距離も持つと思えるが、父はミスプロ系のスピードタイプ。
最終的な決め手は距離適性と見たが、結果はいかに。
トキワノマツカゼはオパールCが生涯初の芝レース。盛岡初遠征(七時雨賞)の際に物見ばかりしてレースに集中できず0・6秒差3着。初ものに不安があり、結果も6着に敗れたが、鞍上・板垣騎手が「芝には戸惑わなかった。経験を積めば克服できるはず」とコメント。それを考えれば芝2度目の今回、エンジン全開のシーンも十分あり得る。
マルブツコンバットに強い印を打つならリュウノシンゲンも評価を上げなければならない。オニキス賞で0・1秒差2着。初の芝に加え、スタートで出遅れて後方からの競馬を強いられながら連対を死守した。父がネオユニヴァース、そして母父がノーアテンション。これはもう芝2400m戦を待っていました―の血統だ。
ダンストンジールはオパールCで見せ場もなく後方のまま8着。かつては芝適性の高さの評価もあったが、この結果を見せつけられてはちょっと強気になれない。それでも現3歳?1マヨノエンゼルに七時雨賞で土をつけた実力馬。ノーマークにはできないだろう。
もう1頭おもしろいのがマイネルビバーチェ。母は95年のオークスでダンスパートナーの2着に食い込んだユウキビバーチェ。中央4戦着外に終わったが、岩手転入後は1勝2着1回3着1回。3歳C1からの挑戦で大幅にメンバー強化は百も承知だが、血統だけで狙ってみる手があるかも。
◎ ?マルブツコンバット
○ ?センリグランピー
▲ ?トキワノマツカゼ
△ ?リュウノシンゲン
△ ?ダンストンジール
△ ?マイネルビバーチェ
3連単は6、3、9のボックスが本線。あとは6、3の1、2着折り返しから9、1、8、2流し
馬複は 3−6、6−9、3−9、1−3
<お奨めの1頭>
11レース エクストラポイント
圧巻の強さで転入2連勝。走破タイムもすでにB級のものではなく、A級入り間違いない
この週末、盛岡市内では『盛岡さんさ踊り』が繰り広げられています。市内の目抜き通りを一杯に使っての太鼓や踊りのパレードは壮観で、盛岡の夏が最も盛り上がる一大イベントとなっています。
さて、この『盛岡さんさ踊り』は例年8月1日から4日間(以前は3日間)の日程で行われているのですが、皆さん、気付いてました?さんさ踊りの期間中の日曜メインレースで「3番」が勝ったことがないことに。
●2008年・・・フェアリーカップ/3番エメラルドスズラン→9頭立て9着
●2004年・・・不来方賞/3番スウィープザボード→12頭立て5着
●2003年・・・エレガンスカップ/3番クインテスハート→7頭立て7着
●1999年・・・若駒賞/3番プラウドキング→8頭立て3着
●1998年・・・ビクトリーカップ/3番タカラダイリン→8頭立て5着
ちなみに上の延べ5日間の馬番3の連対数は7、連対率は12.7%。まあ悪くもないけれど良くもないというところでしょうか。
面白いのが3の倍数の6と9で、上と同じ日の馬番9の連対率が16.3%、馬番6は実に23.6%です。
えー、こうやって書いてきましたが今年の対象日は昨日の2日。3番・6番・9番の結果は果たしてどうだったでしょうか・・・?
月曜メインはサラ系A級一組の「久慈琥珀レース」、ダート1800mです。8頭立てですが重賞勝ち馬5頭を含め重特の常連が多く、なかなかの好メンバーとなりました。馬券も、狙いようによってはどこからでも入って行けそうですね。
ここでの本命は、あえて実績上位馬を外して(2)ソフトパワーを狙ってみたいと思います。
転入初戦の前走は少頭数に加えて枠順も良く、楽に主導権を奪えました。今回は確かにいろいろ厳しくなりますが、とはいえ前走のあの内容ならここでも十分通用するはず。
そして、JRA時代のこの馬は計29戦中、右回り4戦0勝に対して左回りは25戦3勝という徹底したサウスポー。東京コースの経験も豊富で坂に対する不安も無し。これはもう、この馬を推すしかないでしょう。
(8)アンダーボナンザも当然ながら手強い存在。1400mは短すぎ、2000mは長すぎ。1800mもやや長い印象がありますが、5月には同じ盛岡1800mの特別・あすなろ賞を勝っていますし、それにこのメンバーなら追走の位置取りも楽なはず。普通に考えて勝ち負け。
(1)トーホウライデンは年齢と共にズブくなっているのか、今ならむしろ1800mくらいが合いそうな気配があります。前走もこの馬なりに悪くない戦いをしており、前走の着順だけを見て軽視するのは怖いですね。
だいたいこの3頭が優勢と見ますが、他に挙げるならまず(3)グッドストーン。忙しい距離は合わない馬で前走は度外視可。今回はここ何戦かの中で一番楽に戦える条件だけに見直してみたいところ。
3歳二冠の(7)マヨノエンゼル。現時点では走破タイムが見劣りするし、この時期に歴戦の古馬と同斤量なのはちょっと辛い条件。自身の成長力でどこまでカバーできるか、なのですが、ここで好走できれば今後が面白くなるはず。そんな期待をしながら見てみたいですね。
◆買い目
馬単(2)=(8)、(2)=(1)、(8)=(1)、(2)→(3)、(2)→(7)
2日(日)メイン10レースはオープン牝馬による『ビューチフル・ドリーマーカップ』トライアル「フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。
格付け時点での頭数が12頭だったが、順調さを欠いている馬に加え、クインオブクインの登録に恐れをなしたのか回避馬が続出。5頭立ての少頭数となってしまった。表現は適切ではないが、馬なりでも勝ってしまうメンバーとなった。
クインオブクインは今年6月、旧地・笠松でスプリング争覇、オグリキャップ記念と重賞2連勝直後に岩手転入。正直、我々もこのビッグトレードには驚きを隠せなかったが、初戦の強さとパフォーマンスには驚いた。
頭をグッと下げる、いわゆる鶴首走法は何度も見てきたが、クインオブクインの仕草は別次元だった。楽々と先手を取ると鶴首のように頭を下げたかと思ったら、さらに首をヒザに近づけて手綱を持っていた村上忍騎手が落馬するのではと心配するほどの下げ方だった。
そのあたりを櫻田康二調教師に聞いてみたところ「自分も向こうのレースを見ていてビックリしました。(村上)忍君にもそのクセは伝えましたし、普段から攻め馬をつけているので大丈夫でした」
道中何度かその仕草を繰り返していたが、いざ追い出しにかかると『変なクセ』を出さずにゴールへまっしぐら。2着に6馬身差の圧勝劇を披露した。
続くマーキュリーカップは4、5番手を追走。さすがに中央勢が上位4着までを独占したが、地方最先着5着入線を果たした。
今回は牝馬同士の戦いに加え、順調度でも他を大きく引き離してリード。よほどのことがない限り負けることはないだろう。
絶対の主軸がいて、しかも5頭立て。馬券的に妙味も薄れてしまったが、そうなれば相手も絞らなければならずサイレントエクセル、ピンクゴールドの2頭をピックアップ。
サイレントエクセルは昨年1勝のみにとどまり、今年は4着が最高。ひと頃の勢いが完全に薄れてしまったが、みちのく大賞典で岩手最先着4着。岩鷲賞はしんがり10着だったが、タイム差は1・1秒。決して大負けした訳ではなかった。
元々のニックネームが“夏女”。暑い季節に最も能力を発揮するタイプだけに、今回こそ2着を死守したい。
ピンクゴールドは追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないケースが多々。しかしシーズン当初、減っていた馬体重も徐々に回復し、直線長い盛岡がベストの舞台。
今回は間違いなくスローペースになるだろうから、追走もおそらく楽。上がりの勝負になればサイレントエクセルに先着する可能性も十分にある。
あとはマツリダワルツも押さえたいところだが、5月25日の盛岡ダート1800m戦でピンクゴールドは1着馬から0・3秒差3着だったのに対し、マツリダワルツはほぼ同じ位置からスパートしたが、1秒差5着。これを考えると割って入るのはきついと見るのが妥当だろう。
◎ ?クインオブクイン
○ ?サイレントエクセル
▲ ?ピンクゴールド
3連単は4を1着固定に3、1の折り返し
馬複は3−4、1−4
<お奨めの1頭>
11レース ラストトレジャー
佐賀から転入後、アッサリ3連勝をマーク。今回からC1へ昇級し、距離も1600mへ延長されたが、まったく問題にしない