開催前の狭間。岩手競馬は水沢、盛岡の2つの競馬場があり、盛岡開催の場合は水沢所属馬が輸送、逆に水沢開催の場合は盛岡の馬が輸送してレースを使う。その狭間で今回は自重して盛岡開催まで待機するケースも多い。しかも岩手地区はここにきて、いきなり気温が急上昇。そんなこんなでメイン10レースのB1級「奥州前沢よさこいフェスタレース」(水沢1600m)は、少頭数6頭立てとなってしまった。
言うまでもないが、競走馬は生き物だし、各陣営の描いているローテーションも様々。よって少頭数も仕方なし。その分も6頭に白熱レースを期待したい。
(ヤマニンエレメント 写真・佐藤到)
本命はヤマニンエレメント。前走はワラッテオクレヨ、カツイチヴィーナス、コスモアンファンが横一線でゴール。ヤマニンエレメントは0・2秒離された4着に敗れたが、これはカツイチヴィーナスが自らハイペースを形成して逃げ、それを追走した馬たちが撃沈。
結果、最後方にいたワラッテオクレヨが1着、後方2、3番手にいたコスモアンファンが3着。前で粘って残ったのはカツイチヴィーナス2着の1頭のみだった。
今回、そのカツイチヴィーナス、コスモアンファングの登録もあったが、自重。先着を許した上位馬が不在なら、ヤマニンエレメントに勝機到来は疑いないところ。しかも少頭数で俄然、レースがしやすくなったに違いない。
逆転候補はドリームアプローチ、ヒシリーガルが有力か。ドリームアプローチは中央では未勝利に終わったが、園田との条件交流で2勝。その後、名古屋へ転籍してA2へ編入。白星をあげることはできなかったが、一度2着に入るなどして今年5月に転入。
岩手では2戦とも5着だが、前走は展開にも恵まれて4着ヤマニンエレメントから0・1秒差5着だった。
今回はハイペースを望めそうにないが、ドリームアプローチは追い込み一辺倒の脚質ではなく、前に行ける脚もあり、地力で台頭できるはずだ。
一方、ヒシリーガルは前走、カツイチヴィーナスのハイペース逃げを深追いした格好で直線失速8着。敗因がハッキリしており、今度は二のテツを踏まず巻き返し必至と見るべきだろう。
評価に迷うのがマルタラヴ。中央3戦0勝から05年に岩手転入し、アッサリ2連勝をマーク。再び中央へ戻り、東京ダート1300m戦で1勝。その他にも上位入線をしたこともあったが、07年8月、函館で2着以降はずっと着外に沈み、戦いの場を再度岩手へ求めてきた。
中央格付けが1000万下。それでB1格付けなら当然通用するが、今回は如何せん4ヶ月ぶりの実戦。その点から△評価に収まったが、アッサリあっても不思議はない。
トウショウグローズも少頭数を歓迎のクチ。前回はハイペースをしのいで2着に粘ったように自分の競馬ができれば勝ち負けに持ち込める。今回は強力逃げ馬ノースアルテミスがいるので2番手の競馬になるかもしれないが、ペースが速くなることは100%あり得ない。よって流れ込みの線も可能だろう。
まとめると軸はヤマニンエレメントで不動だが、2着争いが混戦。馬券はオッズと相談して絞って買いたい。
◎ ?ヤマニンエレメント
○ ?ドリームアプローチ
▲ ?ヒシリーガル
△ ?マルタラヴ
△ ?トウショウグローズ
3連単は3を1着固定に2、5の折り返し本線。あとは1、4を3着に少々
馬複は2−3、3−5、1−3、3−4
<お奨めの1頭>
11レース コスモフェデラー
本日から“ミスターピンク”内田利雄騎手が岩手で騎乗開始。早くも初日から6レースの騎乗依頼があり、何勝するか楽しみ。コスモフェデラーは前回8着に敗れたが、芝が敗因。ダートに戻って巻き返し必至
来週の27日から、“ミスターピンク”こと内田利雄騎手が岩手で4度目の期間限定騎乗に入ります。
内田騎手は既に岩手入りしていて、これまで通り水沢競馬場の調整ルーム内に住みこんでレースに臨む予定。所属は三野宮通厩舎となります。
昨年は韓国・釜山競馬場で日本人ながらリーディング獲得、マカオでは地元G1レースを優勝してまさに「世界のピンク」に。この2月には園田競馬場で行われた2000勝以上の騎手の祭典・『園田ゴールデンジョッキー』で総合優勝も果たしました。
また内田騎手はファンサービスの楽しさでも有名。レースでの活躍以外にもどんな逸話を残してくれるか、そちらも楽しみですね。
月曜のメインレースはC1級の1800m戦・焼石岳賞。出走10頭中9頭が前走優勝・残る1頭も2着で好調馬揃いなのですが、しかしどの馬も1800mの実績が薄く、距離が最大のカギになりそう。好調さを買うか、数少ない手掛かりを元にこの距離の適性を探るか?思った以上に悩まされるレースです。
本命は悩んだ末に(6)エアメギド。岩手転入後6戦5勝2着1回という成績はさすがはダービー馬エアシャカールの半弟というところ。ここまで5連勝してきていながら前走でC1級に上がって勝ったばかり、おかげでハンデ1kg増に留まっている点も有利に働きそう。
不安があるとすれば、距離が伸びるに連れてタイムや内容が平凡になってきているのが気になる点。勢い重視で行けばこの馬なのですが、あまり強気になりづらい部分があるとは思っておいた方がいいでしょう。
対抗は(10)ウイニングアーク。57kgに加え1800mの大外枠はかなりの不利。しかし旧所属地での1900mや2000mの経験が、勝ち星はないまでも豊富なのが魅力的です。前走の内容なら一ハロン延長もこなしていいはず。
意外に面白そうなのが(2)マンフッド。前に行ってバテないところ、それでいて脚も使えるところ、つまり安定度という点で優位さがありそう。しぶといタイプだけに距離延長がプラスになる予感も。
他にも面白そうな馬が何頭か。まず(8)ギンガスター。前走は-21kgでしたが、過去の戦いでは500kg台を超えると重い印象があった馬だけに483kgという体重がむしろ良かった感。今回再び大きく増えるような事が無ければ前走の再現も。
(9)ジョッキーポルカは血統的にこの辺までは持つ馬。外枠からでもうまく流れに乗れれば。
◆買い目
馬単(6)=(10)、(6)=(2)、(10)=(6)、(6)→(8)、(6)→(9)
◆お奨めこの一頭
3R:キャバックガール
前走があまりにも強い。走破時計の単純比較だけでも圧倒的優位だ。
21日(日)メイン10レースは「第37回一條記念みちのく大賞典」(水沢2000m)。2000年以降、当初は東北三県(上山、新潟)に門戸を広げ、その後も発展拡大。現在は全国の地方競馬に門戸を開放し、第31回マキバスナイパー(船橋)、第34回コアレスハンターと2頭の遠征馬が優勝。
今年は3頭目となる遠征馬優勝の可能性が非常に高く、有資格馬はリュウノキングダム、キングスゾーンの2頭。
まずはリュウノキングダム。南関東クラシック戦線に名乗りを上げることはできなかったが、着実に力をつけて南関東で通算6勝。初の他地区遠征となった前走・シアンモア記念では菅原勲騎手を背に、2番手キープから直線アッサリ突き抜けて圧勝。2着ブローザウインドに4馬身差をつけ、待望の重賞タイトルを獲得した。
船橋帰郷後は疲れを取ることに専念し、みちのく大賞典へ直行。2000mの距離も昨年8月、戸塚記念トライアル東京スポーツ盃・芙蓉賞快勝で経験済みなのが心強いが、それよりも何より上昇一途の4歳馬。この若さが眩いばかりに輝き、岩手重賞2連勝に自信満々で登場する。
(キングスゾーン 写真・佐藤到)
一方のキングスゾーンはただ1頭のグレードウィナー。07年、サマーチャンピオン(Jpn? 佐賀)で初のグレード制覇。その前後も全国を股にかけて活躍し、南部杯(Jpn? 盛岡)にも2度参戦。いずれも地方馬で最先着の4着に善戦した。
気になるのは近走ちょっと精彩を欠いていることだが、かきつばた記念(Jpn? 名古屋)7着、さきたま杯(Jpn? 浦和)9着はグレードハンター・スマートファルコンが相手。現在、同馬はグレード6連勝中と突っ走り、キングスゾーンと似たような脚質なので仕方なしの結果だった。
それで新たな局面を切り開きたい(原口調教師)との意向で、みちのく大賞典をターゲットに選んだ次第。しかも黒船賞(高知)9着を機にブリンカーを着用。その効果が出始め、いい頃の精神力と集中力を取り戻したという。
さて結論だが、キングスゾーンのキャリアを重視し主軸に推す。リュウノキングダムの上昇度も見逃せないが、2000m経験があるもののタイムが物足りないし、ここ一番では格がモノを言う。
対する岩手勢は今シーズン古馬戦線の結果から遠征馬に比較して見劣りするのは否定できない。ただカネショウエリート、アンダーボナンザは叩かれながら良化傾向がはっきり。そこの活路を見出したい。
アンダーボナンザは一戦ごとにレース勘が戻ってあすなろ賞を快勝。いまや岩手のトップに君臨したといっても過言ではない。母アンダースワローがそうだったように、本質的にはマイラーだろうが、心身ともに充実した今なら2000mも克服十分。前半は無理をせず、直線勝負に賭ければ台頭の可能性もある。
カネショウエリートは積極的なレース運びが功を奏し、あすなろ賞、かきつばた賞と連続2着。いずれも僅差に敗れており、距離延長で徐々に本領を発揮し始めた。ただキングスゾーン、リュウノキングダムが早めに動いて3コーナーでもたつくようだと苦しいかもしれない。
評価に迷うのがショーターザトッシ。ここ2戦シアンモア記念5着、あすなろ賞7着に凡走。これは体重減の影響が大きく、パドックでも明らかに細く映っていた。岩手初戦の赤松杯で見せたパフォーマンスは本物。馬体さえ回復すれば反撃に転じて不思議はない。
あとはコース適性あるサンシャインヘイロも怖いが、あくまでも連下押さえ。
◎ ?キングスゾーン
○ ?リュウノキングダム
▲ ?アンダーボナンザ
△ ?カネショウエリート
△ ?ショーターザトッシ
△ ?サンシャインヘイロ
3連単は6、9の1、2着折り返しから8、4本線。あとは10も押さえが必要
馬複は6−9、6−8、4−6、8−9
<お奨めの1頭>
11レース ニシネホウジュ
好評の騎手ハンデ戦、第三弾。水沢マイルを最も得意とし、52キロの軽ハンデも味方する
20日(土)メインはA級二組「田瀬湖湖水まつりレース」、水沢1600m、10頭立て。有力視されていたメタモルキング、エアルーアが自重し俄然、ヒカルメイオーには恵まれた組み合わせ。A級戦での初白星はほぼ手中にした感じだ。
中央1戦後、岩手へ転入。当初は5ヵ月半ぶりの実戦が影響して2、3着にとどまっていたが、4戦目から連勝街道まっしぐら。圧巻の10連勝を飾った。中5日で臨んだB2・睦月賞(1月3日)で3着に敗れ、連勝ストップしたが、冬休み明けから3連勝をマーク。ついにオープンまで昇り詰めた。
さすがにメンバーが骨っぽくなり、なかなか勝てないが、特別・あすなろ賞で大外から鋭く突っ込んで0・2秒差3着。これでオープン通用のメドが立った。前回・けやき賞はレベル差が明らかのJRA勢が相手で6着に沈んだが、岩手勢では最先着を果たした。
今回は一気にメンバーが楽になり、いかにも勝ってくださいの一戦。順当勝ちを収めて以降の重特挑戦に弾みをつけたいところだ。
相手はトキノプリンセス、ケイジーウォリアの2頭。トキノプリンセスは月に1回のローテーションをキッチリ守り、2着1回3着1回。先行力と粘り強さを武器に、安定した取り口を披露している。距離もコースも今回はベスト。マイペースの逃げに持ち込めばアッサリのシーンまである。
ケイジーウォリアは毎回、自己の能力を出し切るタイプで大崩れしないのが身上。ここ3戦は足踏みを続けているが、こちらも水沢1600mがベストの条件。よほどスローに落とされない限り、直線で確実に台頭する。
ヤマトスピリットは5戦連続で5着止まり。いい意味でも悪い意味でもこれがヤマトスピリットのすべてを現している。堅実な半面、詰め不足のため昨年4月以降、ずっと白星から遠ざかっている。それでも直線ではマズマズの脚を使うことができ、ノーマークにできない。
以下は離されてキタサンダイオウ、マイネルティーダ押さえ少々。
◎ ?ヒカルメイオー
○ ?トキノプリンセス
▲ ?ケイジーウォリア
△ ?ヤマトスピリット
△ ?キタサンダイオウ
3連単は4を1着固定に5、3の折り返しが本線。あとは8、9を3着押さえ
馬複は4−5、3−4、4−8、3−5
<お奨めの1頭>
8レース ネクストスター
前回は後方から伸び切れず5着に終わったが、自己のポジションを取れなかったのが敗因。このメンバーなら反撃必至だ
13日の土曜日、チャグチャグ馬コを見に滝沢村・蒼前神社に行ってきました。
雨という予報もあって心配しましたが、馬コたちが出発していく時間帯は晴れ間が拡がって爽やかな天気。装束の飾り付けや鈴が日差しにきらめいてとても華やかでした。
仔馬を連れたお母さん馬も何頭かいて、着飾ったお母さん達とは違って仔馬は裸(?)のままついて歩きます。生まれてまだ2〜3ヶ月の仔馬なんですが、そこは重種だけあって、サラブレッドの同じくらいの時期の仔馬よりひとまわり大きい感じ。でも、身体は大きく見えるけど、隙あらばお母さんのおっぱいを狙うところはやっぱり子供っぽいです。
隙あらば横になろうともする仔馬たちでしたが、最後まで無事に歩き通せたのでしょうか。
月曜のメインレースは11Rになります。サラ系B1級・ダート1600mの「石鳥谷夢まつりレース」。出走馬は10頭、ほとんどが盛岡よりも水沢の方が成績がいいタイプで、マイルという距離もあって、各馬にとも力を出し易い戦いだといえるでしょう。
割とどこからでも狙えそうなメンバーですが、その中から本命は(7)シルクライムライトを推しましょう。岩手転入後12戦して8勝、そのいずれもが水沢であり、掲示板を外した2度がいずれも盛岡。水沢では負けてもそれほど差がないのに盛岡だと大敗を喫してしまうのですからよほど盛岡は合わない模様。
春頃に競り合っていた相手は皆B1級上位の常連になっており、この馬の力が足りないという事はないはず。得意の水沢で前進あるのみ、です。
対抗は(1)アルディ。ここ数戦は着順以上に走りに安定味があり、いかにも上昇カーブだと感じさせます。有力馬が外枠に固まったここでは最内1枠も大きな武器になりそう。うまく立ち回れば差し切りまで。
(8)ケンタッキーハットは一時の不振からは脱してきた様子。そろそろ以前のようなスピード発揮を期待してもいいでしょう。ただ、前走が輸送があったとはいえ-15kgと大幅な馬体減でした。ある程度回復している事が条件かも。
あとは流れひとつというタイプから2頭を。まずは(9)ナムライシス。しばしば見せる差し脚の迫力はとてもB1級に留まる程度の馬のそれとは思えないもの。嵌った時の破壊力は最右翼でしょう。(3)ブラックオーメンも同様。流れに乗れるかどうかが鍵ですが、乗ってしまえば脚を使ってきます。
◆買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(8)、(1)=(8)、(7)→(9)、(7)→(3)
◆お奨めこの一頭
7R:トーセンライジング
転入後2戦を完勝。距離延長・相手強化の影響は微々たるもの。3連勝に期待して当然だ。