
9日(土)メイン10レースは3歳特別「サファイア賞」(盛岡芝2400m)、10頭立て。ポイントは一貫して重特路線を歩んできたダンストンジール、トキワノマツカゼ、センリグランピーら実績上位組に対し、JRAとの条件交流「フレンドリートロフィー・オニキス賞」1、2着マルブツコンバット、リュウノシンゲンが果たして通用するか否か。それに加えて全馬が未知の芝2400mも予想を難解にしている。
主軸にマルブツコンバットを抜擢する。前走・オニキス賞(芝1700m)で通算2勝目。阿久利黒賞で2着トキワノマツカゼ、3着ダンストンジールから離されること2秒以上。優勝マヨノエンゼルから2・9秒もの大差をつけられて9着に敗れた。
この馬を本命視するのは明らかに危険だが、オパールカップの結果を振り返れば理解できると思う。
最先着3着に食い込んだのがセンリグランピーだった。3コーナー手前から大外を回ってロングスパート。勝ったエイブルインレースに0・2秒差、2着フレンチマリーには0・1秒差に善戦した。
ネックは好走が続かないこと。追い込み一辺倒の脚質ゆえ着順が安定せず、凡走するケースも結構多い。マルブツコンバットがオニキス賞でマークしたタイムが1分48秒4。オパールCのセンリグランピーは1分46秒5。このタイム差は計り知れなく大きいが、今回は2400mが舞台。
マルブツコンバットが父サッカーボーイ、母父ビワハヤヒデと明らかにステイヤー血統に対し、センリグランピーは父がスキャターゴールド。母父はリアルシャダイなら距離も持つと思えるが、父はミスプロ系のスピードタイプ。
最終的な決め手は距離適性と見たが、結果はいかに。
トキワノマツカゼはオパールCが生涯初の芝レース。盛岡初遠征(七時雨賞)の際に物見ばかりしてレースに集中できず0・6秒差3着。初ものに不安があり、結果も6着に敗れたが、鞍上・板垣騎手が「芝には戸惑わなかった。経験を積めば克服できるはず」とコメント。それを考えれば芝2度目の今回、エンジン全開のシーンも十分あり得る。
マルブツコンバットに強い印を打つならリュウノシンゲンも評価を上げなければならない。オニキス賞で0・1秒差2着。初の芝に加え、スタートで出遅れて後方からの競馬を強いられながら連対を死守した。父がネオユニヴァース、そして母父がノーアテンション。これはもう芝2400m戦を待っていました―の血統だ。
ダンストンジールはオパールCで見せ場もなく後方のまま8着。かつては芝適性の高さの評価もあったが、この結果を見せつけられてはちょっと強気になれない。それでも現3歳?1マヨノエンゼルに七時雨賞で土をつけた実力馬。ノーマークにはできないだろう。
もう1頭おもしろいのがマイネルビバーチェ。母は95年のオークスでダンスパートナーの2着に食い込んだユウキビバーチェ。中央4戦着外に終わったが、岩手転入後は1勝2着1回3着1回。3歳C1からの挑戦で大幅にメンバー強化は百も承知だが、血統だけで狙ってみる手があるかも。
◎ ?マルブツコンバット
○ ?センリグランピー
▲ ?トキワノマツカゼ
△ ?リュウノシンゲン
△ ?ダンストンジール
△ ?マイネルビバーチェ
3連単は6、3、9のボックスが本線。あとは6、3の1、2着折り返しから9、1、8、2流し
馬複は 3−6、6−9、3−9、1−3
<お奨めの1頭>
11レース エクストラポイント
圧巻の強さで転入2連勝。走破タイムもすでにB級のものではなく、A級入り間違いない
この週末、盛岡市内では『盛岡さんさ踊り』が繰り広げられています。市内の目抜き通りを一杯に使っての太鼓や踊りのパレードは壮観で、盛岡の夏が最も盛り上がる一大イベントとなっています。
さて、この『盛岡さんさ踊り』は例年8月1日から4日間(以前は3日間)の日程で行われているのですが、皆さん、気付いてました?さんさ踊りの期間中の日曜メインレースで「3番」が勝ったことがないことに。
●2008年・・・フェアリーカップ/3番エメラルドスズラン→9頭立て9着
●2004年・・・不来方賞/3番スウィープザボード→12頭立て5着
●2003年・・・エレガンスカップ/3番クインテスハート→7頭立て7着
●1999年・・・若駒賞/3番プラウドキング→8頭立て3着
●1998年・・・ビクトリーカップ/3番タカラダイリン→8頭立て5着
ちなみに上の延べ5日間の馬番3の連対数は7、連対率は12.7%。まあ悪くもないけれど良くもないというところでしょうか。
面白いのが3の倍数の6と9で、上と同じ日の馬番9の連対率が16.3%、馬番6は実に23.6%です。
えー、こうやって書いてきましたが今年の対象日は昨日の2日。3番・6番・9番の結果は果たしてどうだったでしょうか・・・?
月曜メインはサラ系A級一組の「久慈琥珀レース」、ダート1800mです。8頭立てですが重賞勝ち馬5頭を含め重特の常連が多く、なかなかの好メンバーとなりました。馬券も、狙いようによってはどこからでも入って行けそうですね。
ここでの本命は、あえて実績上位馬を外して(2)ソフトパワーを狙ってみたいと思います。
転入初戦の前走は少頭数に加えて枠順も良く、楽に主導権を奪えました。今回は確かにいろいろ厳しくなりますが、とはいえ前走のあの内容ならここでも十分通用するはず。
そして、JRA時代のこの馬は計29戦中、右回り4戦0勝に対して左回りは25戦3勝という徹底したサウスポー。東京コースの経験も豊富で坂に対する不安も無し。これはもう、この馬を推すしかないでしょう。
(8)アンダーボナンザも当然ながら手強い存在。1400mは短すぎ、2000mは長すぎ。1800mもやや長い印象がありますが、5月には同じ盛岡1800mの特別・あすなろ賞を勝っていますし、それにこのメンバーなら追走の位置取りも楽なはず。普通に考えて勝ち負け。
(1)トーホウライデンは年齢と共にズブくなっているのか、今ならむしろ1800mくらいが合いそうな気配があります。前走もこの馬なりに悪くない戦いをしており、前走の着順だけを見て軽視するのは怖いですね。
だいたいこの3頭が優勢と見ますが、他に挙げるならまず(3)グッドストーン。忙しい距離は合わない馬で前走は度外視可。今回はここ何戦かの中で一番楽に戦える条件だけに見直してみたいところ。
3歳二冠の(7)マヨノエンゼル。現時点では走破タイムが見劣りするし、この時期に歴戦の古馬と同斤量なのはちょっと辛い条件。自身の成長力でどこまでカバーできるか、なのですが、ここで好走できれば今後が面白くなるはず。そんな期待をしながら見てみたいですね。
◆買い目
馬単(2)=(8)、(2)=(1)、(8)=(1)、(2)→(3)、(2)→(7)
2日(日)メイン10レースはオープン牝馬による『ビューチフル・ドリーマーカップ』トライアル「フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。
格付け時点での頭数が12頭だったが、順調さを欠いている馬に加え、クインオブクインの登録に恐れをなしたのか回避馬が続出。5頭立ての少頭数となってしまった。表現は適切ではないが、馬なりでも勝ってしまうメンバーとなった。
クインオブクインは今年6月、旧地・笠松でスプリング争覇、オグリキャップ記念と重賞2連勝直後に岩手転入。正直、我々もこのビッグトレードには驚きを隠せなかったが、初戦の強さとパフォーマンスには驚いた。
頭をグッと下げる、いわゆる鶴首走法は何度も見てきたが、クインオブクインの仕草は別次元だった。楽々と先手を取ると鶴首のように頭を下げたかと思ったら、さらに首をヒザに近づけて手綱を持っていた村上忍騎手が落馬するのではと心配するほどの下げ方だった。
そのあたりを櫻田康二調教師に聞いてみたところ「自分も向こうのレースを見ていてビックリしました。(村上)忍君にもそのクセは伝えましたし、普段から攻め馬をつけているので大丈夫でした」
道中何度かその仕草を繰り返していたが、いざ追い出しにかかると『変なクセ』を出さずにゴールへまっしぐら。2着に6馬身差の圧勝劇を披露した。
続くマーキュリーカップは4、5番手を追走。さすがに中央勢が上位4着までを独占したが、地方最先着5着入線を果たした。
今回は牝馬同士の戦いに加え、順調度でも他を大きく引き離してリード。よほどのことがない限り負けることはないだろう。
絶対の主軸がいて、しかも5頭立て。馬券的に妙味も薄れてしまったが、そうなれば相手も絞らなければならずサイレントエクセル、ピンクゴールドの2頭をピックアップ。
サイレントエクセルは昨年1勝のみにとどまり、今年は4着が最高。ひと頃の勢いが完全に薄れてしまったが、みちのく大賞典で岩手最先着4着。岩鷲賞はしんがり10着だったが、タイム差は1・1秒。決して大負けした訳ではなかった。
元々のニックネームが“夏女”。暑い季節に最も能力を発揮するタイプだけに、今回こそ2着を死守したい。
ピンクゴールドは追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないケースが多々。しかしシーズン当初、減っていた馬体重も徐々に回復し、直線長い盛岡がベストの舞台。
今回は間違いなくスローペースになるだろうから、追走もおそらく楽。上がりの勝負になればサイレントエクセルに先着する可能性も十分にある。
あとはマツリダワルツも押さえたいところだが、5月25日の盛岡ダート1800m戦でピンクゴールドは1着馬から0・3秒差3着だったのに対し、マツリダワルツはほぼ同じ位置からスパートしたが、1秒差5着。これを考えると割って入るのはきついと見るのが妥当だろう。
◎ ?クインオブクイン
○ ?サイレントエクセル
▲ ?ピンクゴールド
3連単は4を1着固定に3、1の折り返し
馬複は3−4、1−4
<お奨めの1頭>
11レース ラストトレジャー
佐賀から転入後、アッサリ3連勝をマーク。今回からC1へ昇級し、距離も1600mへ延長されたが、まったく問題にしない
8月1日(土)メイン10レースはA級二組「久慈秋祭りレース」(盛岡ダート1600m)。
主軸はヒカルメイオー。Jpn?・マーキュリーカップはJRA勢が上位4着を独占したが、クインオブクインが5着入線。地方最先着を果たしたが、ヒカルメイオーも大健闘。南郷騎手の気迫が乗り移ってクビ差まで肉薄し、ゴール前では交わす勢いもあった。
ヒカルメイオーは最下級C2から驚異の連対率でA級まで上り詰め、特別・あすなろ賞で3着に食い込んだものの、勝ち切れないレースの連続。頭打ちの印象もあったが、マーキュリーC6着でようやく壁を突破したと見ていいだろう。
今回は地元同士の戦いに戻り、しかもA級でも二組の馬が相手なら恵まれた組み合わせ。順当に勝ち切って今後への弾みもつけたい。
ただ一つネックがある。大善戦したあと、凡走するケースも結構多い。おそらく激走の反動だと思うが、勝って不思議ないレースでポカもあるので当日の気配をしっかり見極めてほしい。
逆転筆頭はトロンハイム。イギリスで生まれ、南関東デビューして通算7勝。3着以内が5割以上の堅実さを身上とし、入着も生涯29戦中21回。表舞台に立ったことはないが、この実績があれば岩手で通用は当然。しかも4勝は左回り1600m戦で記録し、今回の条件はベスト。勝ち負けはもちろんのこと岩手に新風を吹き込めるかも楽しみとなった。
前走、案外の結果に終わったメタモルキング。1番人気に支持されたが、いつもの気風の良い先行策ではなく中団を追走。直線で巻き返しを期待したが、さらに突き放されて2・1秒差7着。正直、不満が残る一戦となった。
しかし早池峰賞2着、重賞・岩鷲賞でタイム差なし3着。特に岩鷲賞では逃げた1番人気フリーモアを競りつぶしあわやのシーン。勝ったダンストンリアル以上に中味の濃いレースを披露した。
果たしてこのまま引き下がってしまうか、それとも反撃できるか。今回、メタモルキングは正念場を迎えた。
ケイジーウィザードの前走9着は、実績のない芝だったためと敗因がはっきり。これで今季2度目の着外となったが、もう一戦は忙しい競馬が合わなかった緑風賞(盛岡ダート1200m)。それ以外は2勝3着2回と抜群の成績を残してきた。
自己の条件・盛岡ダート1600m戦に戻れば好勝負に持ち込めるに違いない。
ダークマターは相変わらず詰めの甘さに課題を残しているが、大崩れしないのが最大セールスポイント。前走も乱ペースをしのいで2着トーセンザオーにわずかハナ差3着。常にマークが欠かせない存在だ。
サンシャインヘイロの評価が難しい。実績比較では明らかに上位なのだが、臨戦過程に若干不安が残る。アッサリもあるが、凡走のケースも考えておきたい。
◎ ?ヒカルメイオー
○ ?トロンハイム
▲ ?メタモルキング
△ ?ケイジーウィザード
△ ?ダークマター
△ ?サンシャインヘイロ
3連単は1を1着固定に8、7、9流しが本線。あとは2、4を3着押さえ
馬複は1−8、1−7、1−9、1−2
<お奨めの1頭>
9レース ブラックドーン
休み明け初戦こそ3着に敗れたが、以降2連勝と完全復活。初のマイル戦も今の勢いを持ってすれば難なく克服
今日は内田騎手のお話しから。先週の20日、第2レースで落馬した内田利雄騎手ですが、心配された骨折などの怪我はなく済み、いったん入院したものの翌日退院、その後宇都宮の実家で治療にあたっているそうです。
落馬から病院に運ばれるまでを見ていた事もあって、その日にお見舞いに行ってきました。内田騎手は身体を動かすのは痛いんだ、といいながらも「肋骨が折れたかと思ったけど折れてなかった。私は肋骨だけは折った事がないんですよ。肋骨には自信がありますよ」と小さく笑っておりました。
若い頃に落馬で大きな怪我をした事があって、その時の痛みに近いものがあったので「今度ばかりはヤバイ」と思っていたそうですが、それほどの怪我にはならずに済んで内田騎手自身もホッとした様子。
状態が良ければ一週間くらい休んで復帰したい、ともおっしゃっていましたが、どうももう少しかかりそうな気配。それでも大きな怪我にならなかったのは不幸中の幸いでした。またあの笑顔と流し目、見る事ができそうです。
ここの本命は(8)テンショウタイヨウとしました。この春の復帰初戦は調子が戻りきってなかったものの即座に上昇気配を見せ、B1級に降級した事もあってその後は安定した成績を残してきました。この間大きく崩れたのは格上挑戦だった東京カップけやき賞と、JRAの強豪相手に自分のレースができなかった前走くらい。
イメージほどはマイルの安定度が高くないですが、水沢よりは盛岡のマイルの方が良いのは確か。ここは久々の特別勝ちを手にできるチャンスでしょう。
対抗は(4)ヒドゥンアジェンダ。ここ数戦がちょっと微妙で調子落ち感もありますが、短距離適性をはっきりさせてきているこの馬に1800mは長かったとも言えます。距離が一ハロンでも短くなる点に見直しの余地あり。
3番手は(10)アサクサロータス。この馬も前走JRA交流戦組、流れに乗れずじまいで大敗を喫してしまいましたが、地元メンバー相手なら持ち前のしぶとさを活かせるはず。
もう一頭なら(5)ヘライカントリーなのでしょうが、57kgのハンデを背負わされている点がちょっと心配。という事で残りは穴っぽく狙ってみましょう。まずは(9)サンワードグロー。前走の芝1000mは短すぎ。得意の盛岡マイルならもっとやれるはず。
そして(6)ブラックベガス。先行・差しで戦法が定まってない感がありますが、いずれにせよスムーズに流れに乗れさえすればそう大きな差はないのは証明済みです。
◆買い目
馬単(8)=(4)、(8)=(10)、(4)=(10)、(8)→(9)、(8)→(6)、(8)→(5)