
4日(土)メインはC1級・水沢1600m戦「三陸リアス賞」。目下6連勝中と破竹の進撃エアメギドが中心。
中央2戦0勝から転入し、9ヶ月ぶりの実戦となった岩手初戦こそ2着に敗れたが、2戦目から連戦連勝。前走・焼石岳賞は1ヵ月半ぶりながら、アッサリ逃げ切りを決めて圧勝。盛岡開催を休養に当てたのがズバリ正解。初の1800m戦をモノともせず、強いレースを披露した。
父がウォーエンブレム、兄がエアシャカールの配合だけでも期待のほどがうかがい知れるが、中央では2戦とも10着に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。その選択はズバリ的中。一戦ごとに迫力が増す一方で前回タイムも非常に優秀。さらに上でも通用することを証明済みだ。
最大ネックは57キロの負担重量。すでに56キロは克服しているが、450キロを切る馬体にトップハンデ57キロはちょっと微妙。不安点はただ一点、それだけだ。
逆転筆頭はグラスバラード。昨年9月、中央3戦0勝で転入し、初戦で6着に沈んだが、その後は5勝2着1回3着2回と8戦連続で馬券の対象となっている。
4月、3連勝で臨んだ田沢湖賞で3着に敗れたあと、思い切って2ヶ月ほど休養。エアメギドと同様、その選択が功を奏して前走をアッサリ逃げ切り。馬体重も448キロと大幅に増え、さらにパワーアップした印象を与えた。
大外に入ったのは痛いが、どんな流れにも対応できるのが強み。エアメギドとのハンデ差2キロを生かして首位を狙う。
ドーリーゴンザレスは前走・焼石岳賞で7番人気の低評価を覆して2着。向正面から早めスパートをかけてスルスルと進出し、反応の良さを披露した。勝負どころでもたつくのが弱点だったが、板垣騎手がうまく乗ったのが目についた。グラスバラードと同じ55キロも味方にして再現を狙う。
まさに伏兵の評価がふさわしいのがサドラーズアレグロだろう。南関東で3勝マークしてB3級へ在籍。その後、名古屋へ転籍したが、クラスがきつかったのかほとんど着外。それで岩手格付けがC2となり、現在<4.2.1.1>。とりわけ水沢は連対100%と抜群の安定度を誇っている。今回はメンバーが一気に強化されたが、前走タイムが非常に優秀。岩手ではマイル初だが、旧地で経験豊富。一発ならこの馬か。
今回、逃げたい馬が勢ぞろい。常識的に考えればハイペース必至で展開有利に運ぶのがニシネホウジュ。シーズン当初は波に乗れなかったが、待望の白星で弾みもついた。
逆に展開はきつそうだが、ハイタイムで圧勝の連続クリスティラビットも押さえが必要。
◎?エアメギド
○?グラスバラード
▲?ドーリーゴンザレス
△?サドラーズアレグロ
△?ニシネホウジュ
△?クリスティラビット
3連単は8、12の1、2着折り返しから2、9、7へ
馬複は8−12、2−8、8−9、7−8
<お奨めの1頭>
11レース ヒカルメイオー
前回はスタートで後手を踏んだ上、トキノプリンセスが絶妙の逃げ切りにしてやられた。ここは仕切り直しの一戦
先日、青森・諏訪牧場を訪れました。牧場の方に教えられて行った木陰には小さな石碑が木漏れ日を浴びていました。2007年に亡くなったタムロチェリーのお墓でした。
2001年の阪神ジュベナイルフィリーズG1、小倉2歳ステークスG3を勝ち、同年のJRA最優秀2歳牝馬に輝いたタムロチェリー。グリーングラス以来の青森産G1馬としても話題となりました。
03年夏に引退した彼女は生まれ故郷に戻り繁殖生活に。競馬場にいる間にバナナが大好物になって・・・というお話は以前「テシオ」でも書いた事があります。牧場に帰ってすぐの03年秋でした。
G1馬という勲章に加え、諏訪牧場が育ててきた母系血統という事もあって、繁殖馬として大きな期待をかけられていたタムロチェリー。ですが、わずかに3頭の仔を送り出しただけで、07年夏にガンのため急逝してしまいました。あまりにも早すぎる出来事でした。むしゃむしゃと無心にバナナをほおばる彼女の姿、昨日の事のように思い出されます。
来年末には諏訪牧場から歩いていけるくらいの所に新幹線の七戸駅が開業します。牧場の風景はあの頃と変わらないけれど、取り巻く状況は大きく変わるのでしょう。
月曜のメインレースはみなづき賞。B2級の1800m戦です。先週の月曜メイン・焼石岳賞も似たような状況だったのですが、このレースは出走10頭すべてがハンデ対象のうえ、+3kgが1頭、+2kgが4頭もいます。+2kgの有力馬が内枠に揃い、+3kgのセユウブラボーは不利な大外に。その辺のハンデと枠順の影響具合が鍵でしょうか。
本命は(1)キングバッハを推します。昨季はA級下位〜B1級でもそこそこに走っていただけに、最下級スタートとなった今季の5戦4勝2着1回という成績はなんの不思議もない物です。形の上ではメンバーが強化された事になっているものの、昨季の成績からはまだ問題ないレベル。距離経験が豊富な点も強みです。
ただ、JRA時代を含め57kg以上では9戦して5着が一度のみという所が若干の不安材料。案外カンカン泣きするタイプなのかもしれず、その辺に注意。
対抗は(5)ワイルドシャトー。盛岡戦ではイマイチ伸び切れませんでしたが、得意の水沢であっさり変身。調子の方はずっと悪くなかっただけに水沢開催の間にもう一丁。
(3)エーシンスローインは1800mは気持ち長い気がするし57kgを背負うのも初めて。しかし調子の良さ・勢いならメンバー中最右翼に思え、その勢い重視で。
気になる馬を挙げるとすればまず(6)シュクジャンヌ。今季はずっとB2級の上位で好走していますが、勝ち星が1つという事でハンデ1kg増に留まっています。焼石岳賞2着のドーリーゴンザレスと似たパターンでこれは有利。
(8)マイネルスペランザは今季3着以下がない安定ぶり。加えて非常にしぶとい走りをしている所も評価できます。この距離も流れに乗れさえすれば・・・でしょう。
なお、このみなづき賞は第11R・発走時刻17時10分となっています。お間違えのないようお願いいたします、
◆買い目
馬単(1)=(5)、(1)=(3)、(1)=(6)、(1)=(8)、(5)=(3)
◆お奨めこの一頭
2R:ヘブンオンアース
ほぼワンサイドでの2連勝。今回もさほど相手強化感なく、3連勝濃厚だ。
28日(日)メイン10レースは3歳馬による水沢1400m戦「ウイナーカップ」。春の岩手クラシック戦線はダイヤモンドカップ(6月1日)でひと段落。ランク順もマヨノエンゼル、トキワノマツカゼ、ダンストンジールで落ち着いた。
そして今回のウイナーカップから新たな路線が始まり、芝はオパールカップ(7月12日)、牝馬はひまわり賞(オークス 7月26日)、そして三冠目・不来方賞は11月22日に実施予定となっている。
このウイナーカップは様々な条件変更を経てきた。創設当初は第1回から22回まではアラブ3歳(当時は4歳表記)で行われ、23回(平成10年)以降はサラブレッド3歳の盛岡芝が舞台。そして今回は水沢1400mの条件で実施する。参考までにトータルカウントでは今年で34回目となる。
トップ2のマヨノエンゼル、トキワノマツカゼが不在ならダンストンジールで中心不動。水沢コース初勝利のチャンスを迎えた。
前々走・七時雨賞ではマヨノエンゼル、トキワノマツカゼの追撃を封じて完勝。その後の選択肢は2つあった。岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(ダート2000m)と芝・はまなす賞だったが、陣営は適性を重視して芝に方向転換。
当然のように断然の1番人気に支持されたが、道中モタモタするばかり。格下相手の後塵を拝して4着に敗れてしまった。レース後、村上忍騎手はこうコメントした。「久々の芝に戸惑ったのかブレーキがかかりっぱなし。これだったらダイヤモンドカップに行ったほうが良かった(笑)」と。
ダンストンジールはデビュー戦の芝1000mを昨年の一番時計で快勝し、芝1600m・若鮎賞も優勝。ウイングアロー産駒には珍しく芝適性が高いと陣営も周囲も思っていたが、決してそうではなかった。能力があるからこなしたに過ぎず、本質的にはダート向き。もちろん一貫して芝を使い続けていればトップを張れるだろうが、前回に限って言えばダイヤモンドカップ選択が正しかったかもしれない。それで軌道を修正して今回、ウイナーカップに臨んだ次第。
ただ一つネックがある。水沢1400mは2度使われていずれも5着止まりで、しかも2・2秒差、2・1秒差と完敗。忙しい競馬よりゆったりとした中距離以上が合っている印象もある。
しかし気性面は当時と今では雲泥の差。「気まぐれで走るか走らないかはゲートを出てみないと分からない」(村上忍騎手)ほどムラだったが、今年は精神面の成長がハッキリ。何よりも収穫はレースに集中できるようになったことで、七時雨賞がその証明。
またはまなす賞の敗因の一つにデビュー最軽量464キロでの出走もあったはず。今回は一息入れたし、輸送のない地元競馬。順当勝ちを収めて今後にも弾みをつけたい。
逆転筆頭はシルバーカテリーナ。あやめ賞、留守杯日高賞と牝馬の重特2連勝を飾り、岩手ダービー・ダイヤモンドカップに名乗り。雌雄対決が最大の焦点となったが、4コーナーで一杯。2番手から馬群に飲み込まれ、直線失速6着に敗れた。「牡馬との差もあるが、距離が長すぎた」と菅原勲騎手。確かに距離経験が1700mまで。2000mは全馬が未知の距離だったが、一番こたえたのがシルバーカテリーナだった。
1400mは守備範囲。しかも「追ってからの反応の良さ」(菅原勲騎手)が最大のセールスポイントで、どこからでも動けるのが強み。仕切り直しに格好のレースとなった。
センリグランピーはダイヤモンドカップで本来の後方待機策に転じ、直線追い込んで3着。前に行くこともできるが、やはり追い込みに徹した方がベストのようだ。
もう一つ言えるのは短距離が意外に合うこと。門別競馬場で行われた北海道競馬との交流・岩手山特別で道中、絶望的な最後方を追走。勝ったクラフィンライデンは逃げ切ったのだが、同馬は後に東京優駿牝馬2歳で2着、地元に戻ってエトワール賞を優勝。センリグランピーはその馬を相手に直線猛追して0・2秒差2着に食い込んだ。
昨年11月以降、白星から遠ざかっているが、短距離戦でシャープな切れを発揮する可能性がある。
フジフーフーは豊かなスピードを前面に、再転入後はすべて逃げの手。2歳時にはダンストンジール相手にビギナーズカップ2着、りんどう賞3着と水沢1400m戦で先着した実績を誇る。トーホクプリンスとハイペースを形成すれば苦しいが、すんなり先手ならアッサリのシーンまで。
あとはレース運びが巧みなテンショウスズランも押さえたい。
◎ ?ダンストンジール
○ ?シルバーカテリーナ
▲ ?センリグランピー
△ ?フジフーフー
△ ?テンショウスズラン
3連単は8、5の1、2着折り返しから1、2、9流し
馬複は5−8、1−8、2−8、1−5
<お奨めの1頭>
9レース エクストラポイント
中央で2着1回、笠松で2勝マークならB2通用は当然。先に行ける脚もあり、初戦から
開催前の狭間。岩手競馬は水沢、盛岡の2つの競馬場があり、盛岡開催の場合は水沢所属馬が輸送、逆に水沢開催の場合は盛岡の馬が輸送してレースを使う。その狭間で今回は自重して盛岡開催まで待機するケースも多い。しかも岩手地区はここにきて、いきなり気温が急上昇。そんなこんなでメイン10レースのB1級「奥州前沢よさこいフェスタレース」(水沢1600m)は、少頭数6頭立てとなってしまった。
言うまでもないが、競走馬は生き物だし、各陣営の描いているローテーションも様々。よって少頭数も仕方なし。その分も6頭に白熱レースを期待したい。
(ヤマニンエレメント 写真・佐藤到)
本命はヤマニンエレメント。前走はワラッテオクレヨ、カツイチヴィーナス、コスモアンファンが横一線でゴール。ヤマニンエレメントは0・2秒離された4着に敗れたが、これはカツイチヴィーナスが自らハイペースを形成して逃げ、それを追走した馬たちが撃沈。
結果、最後方にいたワラッテオクレヨが1着、後方2、3番手にいたコスモアンファンが3着。前で粘って残ったのはカツイチヴィーナス2着の1頭のみだった。
今回、そのカツイチヴィーナス、コスモアンファングの登録もあったが、自重。先着を許した上位馬が不在なら、ヤマニンエレメントに勝機到来は疑いないところ。しかも少頭数で俄然、レースがしやすくなったに違いない。
逆転候補はドリームアプローチ、ヒシリーガルが有力か。ドリームアプローチは中央では未勝利に終わったが、園田との条件交流で2勝。その後、名古屋へ転籍してA2へ編入。白星をあげることはできなかったが、一度2着に入るなどして今年5月に転入。
岩手では2戦とも5着だが、前走は展開にも恵まれて4着ヤマニンエレメントから0・1秒差5着だった。
今回はハイペースを望めそうにないが、ドリームアプローチは追い込み一辺倒の脚質ではなく、前に行ける脚もあり、地力で台頭できるはずだ。
一方、ヒシリーガルは前走、カツイチヴィーナスのハイペース逃げを深追いした格好で直線失速8着。敗因がハッキリしており、今度は二のテツを踏まず巻き返し必至と見るべきだろう。
評価に迷うのがマルタラヴ。中央3戦0勝から05年に岩手転入し、アッサリ2連勝をマーク。再び中央へ戻り、東京ダート1300m戦で1勝。その他にも上位入線をしたこともあったが、07年8月、函館で2着以降はずっと着外に沈み、戦いの場を再度岩手へ求めてきた。
中央格付けが1000万下。それでB1格付けなら当然通用するが、今回は如何せん4ヶ月ぶりの実戦。その点から△評価に収まったが、アッサリあっても不思議はない。
トウショウグローズも少頭数を歓迎のクチ。前回はハイペースをしのいで2着に粘ったように自分の競馬ができれば勝ち負けに持ち込める。今回は強力逃げ馬ノースアルテミスがいるので2番手の競馬になるかもしれないが、ペースが速くなることは100%あり得ない。よって流れ込みの線も可能だろう。
まとめると軸はヤマニンエレメントで不動だが、2着争いが混戦。馬券はオッズと相談して絞って買いたい。
◎ ?ヤマニンエレメント
○ ?ドリームアプローチ
▲ ?ヒシリーガル
△ ?マルタラヴ
△ ?トウショウグローズ
3連単は3を1着固定に2、5の折り返し本線。あとは1、4を3着に少々
馬複は2−3、3−5、1−3、3−4
<お奨めの1頭>
11レース コスモフェデラー
本日から“ミスターピンク”内田利雄騎手が岩手で騎乗開始。早くも初日から6レースの騎乗依頼があり、何勝するか楽しみ。コスモフェデラーは前回8着に敗れたが、芝が敗因。ダートに戻って巻き返し必至
来週の27日から、“ミスターピンク”こと内田利雄騎手が岩手で4度目の期間限定騎乗に入ります。
内田騎手は既に岩手入りしていて、これまで通り水沢競馬場の調整ルーム内に住みこんでレースに臨む予定。所属は三野宮通厩舎となります。
昨年は韓国・釜山競馬場で日本人ながらリーディング獲得、マカオでは地元G1レースを優勝してまさに「世界のピンク」に。この2月には園田競馬場で行われた2000勝以上の騎手の祭典・『園田ゴールデンジョッキー』で総合優勝も果たしました。
また内田騎手はファンサービスの楽しさでも有名。レースでの活躍以外にもどんな逸話を残してくれるか、そちらも楽しみですね。
月曜のメインレースはC1級の1800m戦・焼石岳賞。出走10頭中9頭が前走優勝・残る1頭も2着で好調馬揃いなのですが、しかしどの馬も1800mの実績が薄く、距離が最大のカギになりそう。好調さを買うか、数少ない手掛かりを元にこの距離の適性を探るか?思った以上に悩まされるレースです。
本命は悩んだ末に(6)エアメギド。岩手転入後6戦5勝2着1回という成績はさすがはダービー馬エアシャカールの半弟というところ。ここまで5連勝してきていながら前走でC1級に上がって勝ったばかり、おかげでハンデ1kg増に留まっている点も有利に働きそう。
不安があるとすれば、距離が伸びるに連れてタイムや内容が平凡になってきているのが気になる点。勢い重視で行けばこの馬なのですが、あまり強気になりづらい部分があるとは思っておいた方がいいでしょう。
対抗は(10)ウイニングアーク。57kgに加え1800mの大外枠はかなりの不利。しかし旧所属地での1900mや2000mの経験が、勝ち星はないまでも豊富なのが魅力的です。前走の内容なら一ハロン延長もこなしていいはず。
意外に面白そうなのが(2)マンフッド。前に行ってバテないところ、それでいて脚も使えるところ、つまり安定度という点で優位さがありそう。しぶといタイプだけに距離延長がプラスになる予感も。
他にも面白そうな馬が何頭か。まず(8)ギンガスター。前走は-21kgでしたが、過去の戦いでは500kg台を超えると重い印象があった馬だけに483kgという体重がむしろ良かった感。今回再び大きく増えるような事が無ければ前走の再現も。
(9)ジョッキーポルカは血統的にこの辺までは持つ馬。外枠からでもうまく流れに乗れれば。
◆買い目
馬単(6)=(10)、(6)=(2)、(10)=(6)、(6)→(8)、(6)→(9)
◆お奨めこの一頭
3R:キャバックガール
前走があまりにも強い。走破時計の単純比較だけでも圧倒的優位だ。