
17日(日)メインは岩手ダービー・ダイヤモンドカップのトライアル「チャグチャグ馬コ杯 七時雨賞」(盛岡ダート1800m)、9頭立て。
当初、牝馬重賞・留守杯日高賞を優勝シルバーカテリーナの登録もあったが、無理せず自重。元々、ダイヤモンドカップが目標と陣営は語っており、予定どおりの選択。その日の激突を心待ちにしたい。
シルバーカテリーナが不在で俄然、岩手クラシック一冠目・阿久利黒賞の再戦ムードが強まってきた。改めてレースを振り返ってみたい。
(マヨノエンゼル 写真・佐藤到)
前哨戦・スプリングカップで逃げたトキワノマツカゼは大外に入ったこともあって中団外めを追走。マーチボーイが大逃げを打ち、2番手にリュウノシンゲン、その直後にダンストンジール。意外だったのはセンリグランピーで、いつもは後方待機策を採っていたが、一転して積極策に出た。マヨノエンゼルはトキワノマツカゼをマークする形で進め、早めに動いたトキワノマツカゼに合わせてスパート。
直線でダンストンジールが一杯となり、内トキワノマツカゼ、外マヨノエンゼルのマッチレースに持ち込まれたが、マヨノエンゼルがゴール寸前で捕らえて頭差の先着。自身の連勝と4に伸ばし、待望の初重賞タイトルを手に入れた。
今回のカギは舞台が盛岡に替わったこととハンデ差2キロ。マヨノエンゼルは盛岡ダート戦を1度(若駒賞)だけ使ってワタリシンセイキの3着。その前を走っていたのがダンストンジールだった。現在は主客が逆転した格好だが、先着した事実は大きい。
一方、トキワノマツカゼは盛岡がもちろん初めてに加え、左回りも初。手前替えがスムーズにいくかどうかだが、ストライド走法はコース広い盛岡に打ってつけ。また決め手勝負型というより、ジワジワと伸びるタイプのようで1800m延長も歓迎と見て間違いない。この点と2キロのハンデ差に逆転の目が出てきた。
以上3頭の争いと見るのが妥当で、他の馬に付け入る余地はなさそうだが、日高賞で逃げて2着に粘ったフジフーフー、一連の実績からセンリグランピーを押さえ少々。
◎?マヨノエンゼル
○?トキワノマツカゼ
▲?ダンストンジール
△?フジフーフー
△?センリグランピー
3連単は8、5の1、2着折り返しから3着に4が本線。あとは2、6押さえ
馬複は5−8、4−8、4−5、2−8
<お奨めの1頭>
6レース コスモジャック
中央1戦0勝から転入後、圧巻の3連勝。スタートに課題あるが、それでも連勝中なのだから、実力は推して知るべし
今週から盛岡に舞台を移し、開催替わり初日16日(土)メインはB2級ダート1000m戦「立夏賞」、12頭立て。向正面、真ん中あたりがスタート地点で約300m走って3コーナーカーブに入る。この時点で先手を奪っているのは、ほぼマイネベリンダで間違いない。
マイネベリンダは中央6戦後、盛岡芝で行われたJRA、岩手交流・ルビー賞6着から転入。初戦の盛岡ダート1400m戦で2着に2・3秒差の大差でブッチ切り、衝撃の岩手デビューを果たした。これまで2着1回3着2回の敗戦があるが、これはすべて先手を譲ったとき。ハナに立てばどんなハイペースでも凌ぎ、すでに5勝を稼いでいる。
今回の最大焦点はダート1000mの短距離戦。これまでとは比較にならないぐらいマークがきつくなり、果たして逃げ切れるか否か。
競馬に「短距離は追い込み馬」の格言があり、単調なスピードで押し切るのは至難のわざと言われている。それがマイネベリンダに当てはまる場合も考えられるが、いずれにせよハナに立ったときは舌を巻くほどの強さを誇っている。前回より負担重量がさらに1キロ増えたが、マイネベリンダの華麗な逃げに注目してほしい。
逆転筆頭はヤマニンエレメント。ハイレベルだったメイカップの再現ムード濃厚と見た。着外に沈んだのは出遅れて自分の競馬ができなかった昨年10月、盛岡C1戦の一度のみ。他はすべて3着以上にまとめ、抜群の安定感を誇っている。550キロの巨漢馬ながら器用さも兼ね備え、どんな距離にも対応可能できる。
最も怖い存在となるのがムーンライトミストだろう。中央未勝利ながらダート戦で2着2回。ダート適性もさることながら、9ヶ月ぶりの前走をアッサリ勝つのだから能力は推して知るべし。ネックは距離が1800mから1000mへ一気短縮されたこと。過去最短は1400m戦でその時は8着。速い流れに対応できるかどうかだが、中央で揉まれてきたのだから苦にしないはず。このタイプは岩手で化けるケースは非常に多い。
距離1000mを歓迎するのはレディストーン。北海道時代、1000m<1.1.3.0>とメンバー中一番の実績。岩手では3歳時の1勝のみで再転入後は4着が最高と強調材料に乏しいが、距離適性を前面に大駆けを狙っている。
他にタカノグラディウス、タイキサファリも連下に押さえたい。
◎?マイネベリンダ
○?ヤマニンエレメント
▲?ムーンライトミスト
△?レディストーン
△?タカノグラディウス
△?タイキサファリ
3連単は4、6の1、2着折り返しから8、2流し本線。あとは9、5押さえ少々
馬複は4−6、4−8、2−4、4−9
<お奨めの1頭>
11レース コアレスアミーゴ
目下6連勝中と破竹の進撃。前走も2着に1秒差で圧勝し、連勝どこまで伸ばすか楽しみ
今日11日で春の水沢競馬もひと区切り。来週からは盛岡開催となります。最近は開幕水沢を4開催→盛岡4開催というパターンでやっていましたが、今年は水沢3→盛岡2→水沢2とやや細かく移動します。
同じ所で長くやっているとどうしてもメリハリがなくなってくるし、予想はたいへんですが、ちょいちょい移動してくれた方が面白いと思いますがいかがでしょう?
ちなみに開催が変わる時の競馬場は大忙しです。騎手は勝負服はじめレース用の道具一式を移動しますし、裏方さん達は開催用の書類・資料の類をごっそり移し替えなくてはなりません。パドックに張られる横断幕なんかも移動するんですよね。関係者の皆さんは、引っ越しが少ない方がいいと思っているんだろうな・・・。
ここは過去実績をかう事にしました。本命は(1)リュウノツバサで行きましょう。
転入初戦の馬でも割と最近まで使われていた中、1月からの休み明けは確かに不利な材料。しかし中間の調整は順調ですし、鉄砲も割と効くタイプ。大幅に不利、という事にはならないでしょう。
加えて1枠。スタートさえうまく切る事が出来れば、後の道中、良いポジションは保証されたも同然。場合によっては自分でハナに行くという選択肢だって採れます。久々の勝利のチャンス。
(2)ノムラリューオーが対抗。前走後すぐにこちらに来て調整しており状態面は悪くない模様。10歳という年齢が心配ではありますが、底力・コース適性は既に証明済みです。
3番手、思い切って(6)トーホウライデンでどうでしょうか。確かにこの条件は今ひとつですが、この春2戦、使われつつ内容が良くなっており、前走なども一瞬良い脚で伸びてきていた点に注目。ここは微妙に決め手を欠く面々ばかり。一発あっておかしくないのでは。
一発、という事なら(8)ジュリアにも可能性はあるでしょう。前走はいかにも調整途上で大敗も致し方ないところ。月曜は雨の予報でもあり、ハナ奪ってしまえばそのままという事も。
(4)エアムートンは決して芝専用ではないはず。近走も勝てないまでもタイム差は僅かですし、この枠からすんなり流れに乗れたなら面白い存在に。
◆買い目
馬単(1)=(2)、(1)=(6)、(2)=(6)、(1)=(8)、(1)=(4)
◆お奨めこの一頭
4R:ミッシェルボランテ
強い相手に当たり続けてしまって3連続2着。ようやく順番が回ってきた。
5月10日(日)メインは岩手古馬の根幹レース「第35回シアンモア記念」(水沢1600m)。南関東から3頭、迎え撃つ岩手勢8頭の計11頭で覇を競い合う。昨年は南関東代表・ノムラリューオーが3角先頭からそのまま押し切って快勝。南関東重賞2勝馬の底力をマザマザと見せつけた。現在、ノムラリューオーは水沢・小林義明厩舎へ転籍。このシアンモア記念には間に合わなかったが、翌日11日(月)の10レース・A級一組へ出走予定なのでこちらも楽しみにしてほしい。
(ショーターザトッシ 写真・佐藤到)
主軸はショーターザトッシ。南関東時代も重賞特別路線を歩み、07年のサンタアニタトロフィーを優勝。その後は白星に恵まれなかったが、一線級相手にもソコソコの競馬を披露してきた。それがダテでなかったことはトライアル・赤松杯をパーフェクト内容での快勝で証明。岩手勢との勝負付けは済んだ。
唯一気になったのが体重減だったが、「前日追い切りの影響。心配したレース後の反動もない」(三野宮通調教師)とのこと。まずは万全の態勢で臨めそうだ。
あとは南関東勢とのレベル比較のみ。サンキューウィンはクラシック羽田盃優勝馬だが、近走成績が振るわない。ブローザウインドは中央ダート3勝、南関東4勝。ただ06年以降、勝利から遠ざかり2着2回が最高。しかも今回は久々のマイル戦。いかに小回りとはいえ割り引きが必要だろう。
そうなると最も怖いのがリュウノキングダムだ。まだA3級の条件馬だが、着外わずか4度の超堅実派。近5走をすべて3着以上にまとめ、しかも3戦連続で1番人気。惜しいところで勝ちを逃がしているが、人気が実力のバロメーターでもある。
赤松杯2着ソーユアフロストも当然、首位圏内に位置する。中団をキープし、3コーナー過ぎにスパート。ところが直線で外が壁となったため、高松騎手は思い切ってインに進路を取ったのが正解。ゴール前の脚はさすがと言わせるものだった。今回は先に行きたい馬がそろってハイペース必至。そうなると出番は十二分にある。
復活が待ち遠しいのがオウシュウクラウン、サイレントエクセルの6歳世代2頭。かつての実力が戻ればアッサリあって不思議はなく、ここ一番で血を騒がしてほしいと切に願っている。他に赤松杯を叩かれて上昇ムードのアンダーボナンザも軽視できず、春のチャンピオン決定戦は激戦必至となった。
◎ ?ショーターザトッシ
○ ?リュウノキングダム
▲ ?ソーユアフロスト
△ ?アンダーボナンザ
△ ?オウシュウクラウン
△ ?サイレントエクセル
3連単は2を1着固定に10、7折り返しが本線。あとは11、5、1を押さえ少々
馬複は2−10、2−7、2−11、2−5
<お奨めの1頭>
8レース マイネルケルン
名古屋A級の格を見せつけて初戦を圧勝。C2では役者の違いすぎる
6日(水)メインはC1級「石桜杯」(水沢1800m)、10頭立て。直結するレースは4月26日に行われた同じC1級「田沢湖賞」。こちらは1600m戦だったが、中団をキープしたヒカルアルタイルが早め抜け出したグラスバラードをラスト50mで捕らえ、大外強襲リーガルマインドの追撃を0秒1封じて快勝。転入2連勝を飾った。
(ヒカルアルタイル 写真・佐藤到)
この結果からヒカルアルタイル有利は動かないのだが、今回はトップハンデの57キロ。対するリーガルマインドは据え置きの56キロで出走でき、これがどう影響するのか。
一方、別路線を歩んできたワイルドシャトー。かつて岩手B1でも勝ち負けを演じ、最高格付けがA2。園田移籍後は2着が最高だったが、里戻りしてC2へ降格。当然のように再転入戦を快勝したが、その後は3、2着にとどまっていた。しかし前回は好位キープからアッサリ抜け出しを決め、格上をアピール。しかも水沢1800mは6戦4勝と抜群の実績を誇り、この距離を最も喜ぶのがワイルドシャトーだろう。
結論は57キロでもヒカルアルタイルが◎。中央3勝の底力はダテではなく、このクラスでは役者が違う。必然的に対抗はリーガルマインド。田沢湖賞では惜しくも捉え切れなかったが、ゴール前の勢いは明らかにヒカルアルタイルより上だった。ハンデ1キロ差を生かして逆転のシーンまで。
レッドルンバは中央6戦未勝利から昨年8月に岩手転入。あっさり2連勝をマークして再び中央入りしたが、3戦とも大差負けを喫して岩手に戻ってきた。
初戦は2番人気2着。これが中央との格差とも言えるが、馬体重に注目してほしい。前回はプラス29キロ!の447キロでの出走だったのだ。また昨年の岩手2戦は431キロ、434キロ。中央時代はほとんど420キロを割っていたが、調整がハードすぎたとも解釈できる。実戦を使いながら仕上げていく地方競馬との違いだろうが、フックラした方が能力を発揮できるタイプかもしれない。
しかも53キロの軽ハンデ。これを見逃す手はない。
あとはタイム比較で劣るが、抜群の安定感を誇るヤマニンペティアンも押さえが必要だろう。
◎ ?ヒカルアルタイル
○ ?リーガルマインド
▲ ?ワイルドシャトー
△ ?レッドルンバ
△ ?ヤマニンペティアン
3連単は5、7の1、2着折り返しから2、1を厚め。逆に△1から入る手もおもしろい
馬複は5−7、2−5、1−5、1−7
<お奨めの1頭>
7レース ウイニングアース
前々走4着のお返しとばかり、前回はパーフェクト内容で完勝。昇級戦も問題にしない