
21日(日)メイン10レースは「第37回一條記念みちのく大賞典」(水沢2000m)。2000年以降、当初は東北三県(上山、新潟)に門戸を広げ、その後も発展拡大。現在は全国の地方競馬に門戸を開放し、第31回マキバスナイパー(船橋)、第34回コアレスハンターと2頭の遠征馬が優勝。
今年は3頭目となる遠征馬優勝の可能性が非常に高く、有資格馬はリュウノキングダム、キングスゾーンの2頭。
まずはリュウノキングダム。南関東クラシック戦線に名乗りを上げることはできなかったが、着実に力をつけて南関東で通算6勝。初の他地区遠征となった前走・シアンモア記念では菅原勲騎手を背に、2番手キープから直線アッサリ突き抜けて圧勝。2着ブローザウインドに4馬身差をつけ、待望の重賞タイトルを獲得した。
船橋帰郷後は疲れを取ることに専念し、みちのく大賞典へ直行。2000mの距離も昨年8月、戸塚記念トライアル東京スポーツ盃・芙蓉賞快勝で経験済みなのが心強いが、それよりも何より上昇一途の4歳馬。この若さが眩いばかりに輝き、岩手重賞2連勝に自信満々で登場する。
(キングスゾーン 写真・佐藤到)
一方のキングスゾーンはただ1頭のグレードウィナー。07年、サマーチャンピオン(Jpn? 佐賀)で初のグレード制覇。その前後も全国を股にかけて活躍し、南部杯(Jpn? 盛岡)にも2度参戦。いずれも地方馬で最先着の4着に善戦した。
気になるのは近走ちょっと精彩を欠いていることだが、かきつばた記念(Jpn? 名古屋)7着、さきたま杯(Jpn? 浦和)9着はグレードハンター・スマートファルコンが相手。現在、同馬はグレード6連勝中と突っ走り、キングスゾーンと似たような脚質なので仕方なしの結果だった。
それで新たな局面を切り開きたい(原口調教師)との意向で、みちのく大賞典をターゲットに選んだ次第。しかも黒船賞(高知)9着を機にブリンカーを着用。その効果が出始め、いい頃の精神力と集中力を取り戻したという。
さて結論だが、キングスゾーンのキャリアを重視し主軸に推す。リュウノキングダムの上昇度も見逃せないが、2000m経験があるもののタイムが物足りないし、ここ一番では格がモノを言う。
対する岩手勢は今シーズン古馬戦線の結果から遠征馬に比較して見劣りするのは否定できない。ただカネショウエリート、アンダーボナンザは叩かれながら良化傾向がはっきり。そこの活路を見出したい。
アンダーボナンザは一戦ごとにレース勘が戻ってあすなろ賞を快勝。いまや岩手のトップに君臨したといっても過言ではない。母アンダースワローがそうだったように、本質的にはマイラーだろうが、心身ともに充実した今なら2000mも克服十分。前半は無理をせず、直線勝負に賭ければ台頭の可能性もある。
カネショウエリートは積極的なレース運びが功を奏し、あすなろ賞、かきつばた賞と連続2着。いずれも僅差に敗れており、距離延長で徐々に本領を発揮し始めた。ただキングスゾーン、リュウノキングダムが早めに動いて3コーナーでもたつくようだと苦しいかもしれない。
評価に迷うのがショーターザトッシ。ここ2戦シアンモア記念5着、あすなろ賞7着に凡走。これは体重減の影響が大きく、パドックでも明らかに細く映っていた。岩手初戦の赤松杯で見せたパフォーマンスは本物。馬体さえ回復すれば反撃に転じて不思議はない。
あとはコース適性あるサンシャインヘイロも怖いが、あくまでも連下押さえ。
◎ ?キングスゾーン
○ ?リュウノキングダム
▲ ?アンダーボナンザ
△ ?カネショウエリート
△ ?ショーターザトッシ
△ ?サンシャインヘイロ
3連単は6、9の1、2着折り返しから8、4本線。あとは10も押さえが必要
馬複は6−9、6−8、4−6、8−9
<お奨めの1頭>
11レース ニシネホウジュ
好評の騎手ハンデ戦、第三弾。水沢マイルを最も得意とし、52キロの軽ハンデも味方する
20日(土)メインはA級二組「田瀬湖湖水まつりレース」、水沢1600m、10頭立て。有力視されていたメタモルキング、エアルーアが自重し俄然、ヒカルメイオーには恵まれた組み合わせ。A級戦での初白星はほぼ手中にした感じだ。
中央1戦後、岩手へ転入。当初は5ヵ月半ぶりの実戦が影響して2、3着にとどまっていたが、4戦目から連勝街道まっしぐら。圧巻の10連勝を飾った。中5日で臨んだB2・睦月賞(1月3日)で3着に敗れ、連勝ストップしたが、冬休み明けから3連勝をマーク。ついにオープンまで昇り詰めた。
さすがにメンバーが骨っぽくなり、なかなか勝てないが、特別・あすなろ賞で大外から鋭く突っ込んで0・2秒差3着。これでオープン通用のメドが立った。前回・けやき賞はレベル差が明らかのJRA勢が相手で6着に沈んだが、岩手勢では最先着を果たした。
今回は一気にメンバーが楽になり、いかにも勝ってくださいの一戦。順当勝ちを収めて以降の重特挑戦に弾みをつけたいところだ。
相手はトキノプリンセス、ケイジーウォリアの2頭。トキノプリンセスは月に1回のローテーションをキッチリ守り、2着1回3着1回。先行力と粘り強さを武器に、安定した取り口を披露している。距離もコースも今回はベスト。マイペースの逃げに持ち込めばアッサリのシーンまである。
ケイジーウォリアは毎回、自己の能力を出し切るタイプで大崩れしないのが身上。ここ3戦は足踏みを続けているが、こちらも水沢1600mがベストの条件。よほどスローに落とされない限り、直線で確実に台頭する。
ヤマトスピリットは5戦連続で5着止まり。いい意味でも悪い意味でもこれがヤマトスピリットのすべてを現している。堅実な半面、詰め不足のため昨年4月以降、ずっと白星から遠ざかっている。それでも直線ではマズマズの脚を使うことができ、ノーマークにできない。
以下は離されてキタサンダイオウ、マイネルティーダ押さえ少々。
◎ ?ヒカルメイオー
○ ?トキノプリンセス
▲ ?ケイジーウォリア
△ ?ヤマトスピリット
△ ?キタサンダイオウ
3連単は4を1着固定に5、3の折り返しが本線。あとは8、9を3着押さえ
馬複は4−5、3−4、4−8、3−5
<お奨めの1頭>
8レース ネクストスター
前回は後方から伸び切れず5着に終わったが、自己のポジションを取れなかったのが敗因。このメンバーなら反撃必至だ
13日の土曜日、チャグチャグ馬コを見に滝沢村・蒼前神社に行ってきました。
雨という予報もあって心配しましたが、馬コたちが出発していく時間帯は晴れ間が拡がって爽やかな天気。装束の飾り付けや鈴が日差しにきらめいてとても華やかでした。
仔馬を連れたお母さん馬も何頭かいて、着飾ったお母さん達とは違って仔馬は裸(?)のままついて歩きます。生まれてまだ2〜3ヶ月の仔馬なんですが、そこは重種だけあって、サラブレッドの同じくらいの時期の仔馬よりひとまわり大きい感じ。でも、身体は大きく見えるけど、隙あらばお母さんのおっぱいを狙うところはやっぱり子供っぽいです。
隙あらば横になろうともする仔馬たちでしたが、最後まで無事に歩き通せたのでしょうか。
月曜のメインレースは11Rになります。サラ系B1級・ダート1600mの「石鳥谷夢まつりレース」。出走馬は10頭、ほとんどが盛岡よりも水沢の方が成績がいいタイプで、マイルという距離もあって、各馬にとも力を出し易い戦いだといえるでしょう。
割とどこからでも狙えそうなメンバーですが、その中から本命は(7)シルクライムライトを推しましょう。岩手転入後12戦して8勝、そのいずれもが水沢であり、掲示板を外した2度がいずれも盛岡。水沢では負けてもそれほど差がないのに盛岡だと大敗を喫してしまうのですからよほど盛岡は合わない模様。
春頃に競り合っていた相手は皆B1級上位の常連になっており、この馬の力が足りないという事はないはず。得意の水沢で前進あるのみ、です。
対抗は(1)アルディ。ここ数戦は着順以上に走りに安定味があり、いかにも上昇カーブだと感じさせます。有力馬が外枠に固まったここでは最内1枠も大きな武器になりそう。うまく立ち回れば差し切りまで。
(8)ケンタッキーハットは一時の不振からは脱してきた様子。そろそろ以前のようなスピード発揮を期待してもいいでしょう。ただ、前走が輸送があったとはいえ-15kgと大幅な馬体減でした。ある程度回復している事が条件かも。
あとは流れひとつというタイプから2頭を。まずは(9)ナムライシス。しばしば見せる差し脚の迫力はとてもB1級に留まる程度の馬のそれとは思えないもの。嵌った時の破壊力は最右翼でしょう。(3)ブラックオーメンも同様。流れに乗れるかどうかが鍵ですが、乗ってしまえば脚を使ってきます。
◆買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(8)、(1)=(8)、(7)→(9)、(7)→(3)
◆お奨めこの一頭
7R:トーセンライジング
転入後2戦を完勝。距離延長・相手強化の影響は微々たるもの。3連勝に期待して当然だ。
14日(日)メイン10レースはB1級馬による水沢1800m戦「ねむの木賞」、10頭立て。
コース替わり、1800mへ距離延長、有力各馬のステップがそれぞれ違うなど不確定要素が多いが、これまでの足跡からヒドゥンアジェンダを主軸視するのが妥当だろう。
冬期は荒尾で1勝3着2回の成績を残して3月に帰郷。遠征疲れもなく、岩手でも4着以下は一度もなし。抜群の安定度を誇っている。しかも当初3戦は、現A級でも勝ち負けを演じているヒカルメイオーが相手。勝ち星に恵まれなかったのも仕方がなかった。
前々走・駒形賞はヒカルメイオーが不在ならオレが主役とばかり、好位から鮮やかに直線抜け出して完勝。勝ち切れなかったウッ憤を晴らすとともに、待望の今季初勝利を飾った。
その内容から緑風賞(盛岡ダート1200m)で1番人気に支持されたものの、ヘライカントリーが意表を突いて果敢に先行。ヒドゥンアジェンダは久々の短距離戦に戸惑って道中でモタモタしていたが、直線でジワジワ伸びて2着を死守。テンショウタイヨウにハナ差先着して面目を保った。
ローテーションを振り返ると1900m、1600m、1400m、1200mとあらゆる距離を使われてきたが、意外にも1800mは今季初めて。6番枠はちょっと微妙だが、中央時代も含めて<0.1.1.4>と距離経験に不足なし。チャンスはがっちりモノにしたい。
ケイジーウィザードは中央、南関東を経て昨年4月に転入。最下級C2へ編入されてメンバー有利は明白。17戦連続で馬券の対象(つまり3着以上)となり、B2まで昇格した。
一度、着外7着に敗れたのはM&Jジョッキーズカップ(盛岡ダート1200m)。冬に南関東へ移り、今年4月に戻ってきたが、9着に沈んだのは同じ1200m戦・緑風賞。単純に距離が合わなかったのが敗因で、それ以外の3戦はすべて2着。堅実ぶりは衰えなしをアピールしている。
しかも今回は4戦1勝2着3回と連対100%を誇る水沢1800m戦。最後のもうひと押しがほしいところだが、軸として見れば信頼度は非常に高い。
ヘライカントリーは無事これ名馬の典型。時に凡走があるものの、今季2勝2着1回。驚いたのは緑風賞での逃げ切りだったが、決め手があるタイプはこんな芸当もできる―を証明した。
前回は4コーナーで不利があって7着に終わったが、A級馬も混じっての一戦。これだけで見限るのはもちろん早計。鞍上・村上忍騎手は完全に手の内に入れており、変幻自在の脚で大勢逆転を狙う。
以下、前回快勝で吹っ切れたコスモスパングル、自己の条件に戻ってテンショウタイヨウ、復調気配サンワードグローも軽視できない。
◎ ?ヒドゥンアジェンダ
○ ?ケイジーウィザード
▲ ?ヘライカントリー
△ ?コスモスパングル
△ ?テンショウタイヨウ
△ ?サンワードグロー
3連単は6、4、9の3頭ボックスが本線。あとは6を軸に手広く流したい
馬複は 4−6、6−9、3−6、2−6、6−10
<お奨めの1頭>
11レース グリーンヒルフライ
目下3連勝中の中味がけた違い。どんな流れにも対応できるのも強みで、連勝どこまで伸ばすか楽しみ
13日(土)メインはB2級「ジューンカップ」(水沢1600m)、11頭立て。コースが替わってもダンストーンアレスの主軸は動かない。
昨シーズンはB1クラスで3勝マークしたが、着順が安定せずムラな面が目についた。しかし今季はB2へ降格し、メンバーも甘くなったのだろう。開幕から4戦連続で2着に粘り、前回は待望のシーズン初勝利を飾った。
身上とするのはスピードと粘り強さ。先手を取れないと脆さを出すときがあるが、今季5戦すべて逃げの手。それが功を奏して1勝2着4回の成績を上げている。
今まで以上に先行馬がそろって楽はできそうにないが、同型が外枠に入ったのも幸い、マイペースの逃げに持ち込んでそのまま押し切る。
ラビットサプライズは中央6戦未勝利から昨年10月、岩手へトレードされて5戦3勝2着1回。一度4着に敗れたのはC1・義経賞で優勝馬ヒカルメイオーは現在、オープンでも勝ち負けを演じるほどの実力馬。他のメンバーも強力で仕方なしだった。
その後、中央へ戻り、1戦のみ(11着)を使われて再度、岩手入り。再転入戦こそ3着だったが、2戦目は2着に1・4秒もの大差をつける圧勝劇。勢いの見方なら一番だろう。
フーマは北海道→佐賀→南関東→佐賀を経て岩手入り。佐賀時代には重賞・飛燕賞で後の九州ダービー栄城賞馬ナンブラッキーワンを退けた実績を誇る。南関東移籍後、そして佐賀に戻ってもずっと精彩を欠いていたが、岩手の20走ルールで最下級C2へ格付け。メンバー有利は明らかで7戦6勝と抜群の勝率。唯一の敗戦9着はハイペースに巻き込まれて好位から失速したもの。それでも0・9秒差だから大差負けではなかった。
今回はこれまで以上にメンバーが骨っぽくなり、好調馬もそろったが、ここも突破ならさらに上級を望める。
格最上位はシュクジャンヌ。盛岡戦は3、6着に終わったが、これはコース適性の差。今季は冬休み明けを含めて水沢は1勝2着2回と安定しており、反撃に転じて当然だろう。
ワタシノオウジサマは中央0勝ながらダート1400m戦で2着1回。その賞金からB2へ編入し、当初はクラスの壁に突き当たっていたが、一戦ごとにレースにも慣れて前回快勝。これで弾みがついたのは間違いない。
ソノマンマは園田で2勝をマークし、重賞・菊水賞で3着。南関東では未勝利に終わったが、2着1回。名前はソノマンマだが、脚質は差し。岩手初戦も4コーナーで一旦下がりながらも直線で盛り返してタイム差2着に入った。ハイペースになれば台頭の可能性がある。
◎ ?ダンストーンアレス
○ ?ラビットサプライズ
▲ ?フーマ
△ ?シュクジャンヌ
△ ?ワタシノオウジサマ
△ ?ソノマンマ
3連単は3、10、4のボックスが本線。また3を1着固定に10、4、6流しも一考
馬複は3−10、3−4、3−6、2−3、3−9
<お奨めの1頭>
9レース フジフーフー
七時雨賞は一線級牡馬が相手で4着も仕方なし。このメンバーならアッサリ逃げ切る