14日(日)メイン10レースはB1級馬による水沢1800m戦「ねむの木賞」、10頭立て。
コース替わり、1800mへ距離延長、有力各馬のステップがそれぞれ違うなど不確定要素が多いが、これまでの足跡からヒドゥンアジェンダを主軸視するのが妥当だろう。
冬期は荒尾で1勝3着2回の成績を残して3月に帰郷。遠征疲れもなく、岩手でも4着以下は一度もなし。抜群の安定度を誇っている。しかも当初3戦は、現A級でも勝ち負けを演じているヒカルメイオーが相手。勝ち星に恵まれなかったのも仕方がなかった。
前々走・駒形賞はヒカルメイオーが不在ならオレが主役とばかり、好位から鮮やかに直線抜け出して完勝。勝ち切れなかったウッ憤を晴らすとともに、待望の今季初勝利を飾った。
その内容から緑風賞(盛岡ダート1200m)で1番人気に支持されたものの、ヘライカントリーが意表を突いて果敢に先行。ヒドゥンアジェンダは久々の短距離戦に戸惑って道中でモタモタしていたが、直線でジワジワ伸びて2着を死守。テンショウタイヨウにハナ差先着して面目を保った。
ローテーションを振り返ると1900m、1600m、1400m、1200mとあらゆる距離を使われてきたが、意外にも1800mは今季初めて。6番枠はちょっと微妙だが、中央時代も含めて<0.1.1.4>と距離経験に不足なし。チャンスはがっちりモノにしたい。
ケイジーウィザードは中央、南関東を経て昨年4月に転入。最下級C2へ編入されてメンバー有利は明白。17戦連続で馬券の対象(つまり3着以上)となり、B2まで昇格した。
一度、着外7着に敗れたのはM&Jジョッキーズカップ(盛岡ダート1200m)。冬に南関東へ移り、今年4月に戻ってきたが、9着に沈んだのは同じ1200m戦・緑風賞。単純に距離が合わなかったのが敗因で、それ以外の3戦はすべて2着。堅実ぶりは衰えなしをアピールしている。
しかも今回は4戦1勝2着3回と連対100%を誇る水沢1800m戦。最後のもうひと押しがほしいところだが、軸として見れば信頼度は非常に高い。
ヘライカントリーは無事これ名馬の典型。時に凡走があるものの、今季2勝2着1回。驚いたのは緑風賞での逃げ切りだったが、決め手があるタイプはこんな芸当もできる―を証明した。
前回は4コーナーで不利があって7着に終わったが、A級馬も混じっての一戦。これだけで見限るのはもちろん早計。鞍上・村上忍騎手は完全に手の内に入れており、変幻自在の脚で大勢逆転を狙う。
以下、前回快勝で吹っ切れたコスモスパングル、自己の条件に戻ってテンショウタイヨウ、復調気配サンワードグローも軽視できない。
◎ ?ヒドゥンアジェンダ
○ ?ケイジーウィザード
▲ ?ヘライカントリー
△ ?コスモスパングル
△ ?テンショウタイヨウ
△ ?サンワードグロー
3連単は6、4、9の3頭ボックスが本線。あとは6を軸に手広く流したい
馬複は 4−6、6−9、3−6、2−6、6−10
<お奨めの1頭>
11レース グリーンヒルフライ
目下3連勝中の中味がけた違い。どんな流れにも対応できるのも強みで、連勝どこまで伸ばすか楽しみ
13日(土)メインはB2級「ジューンカップ」(水沢1600m)、11頭立て。コースが替わってもダンストーンアレスの主軸は動かない。
昨シーズンはB1クラスで3勝マークしたが、着順が安定せずムラな面が目についた。しかし今季はB2へ降格し、メンバーも甘くなったのだろう。開幕から4戦連続で2着に粘り、前回は待望のシーズン初勝利を飾った。
身上とするのはスピードと粘り強さ。先手を取れないと脆さを出すときがあるが、今季5戦すべて逃げの手。それが功を奏して1勝2着4回の成績を上げている。
今まで以上に先行馬がそろって楽はできそうにないが、同型が外枠に入ったのも幸い、マイペースの逃げに持ち込んでそのまま押し切る。
ラビットサプライズは中央6戦未勝利から昨年10月、岩手へトレードされて5戦3勝2着1回。一度4着に敗れたのはC1・義経賞で優勝馬ヒカルメイオーは現在、オープンでも勝ち負けを演じるほどの実力馬。他のメンバーも強力で仕方なしだった。
その後、中央へ戻り、1戦のみ(11着)を使われて再度、岩手入り。再転入戦こそ3着だったが、2戦目は2着に1・4秒もの大差をつける圧勝劇。勢いの見方なら一番だろう。
フーマは北海道→佐賀→南関東→佐賀を経て岩手入り。佐賀時代には重賞・飛燕賞で後の九州ダービー栄城賞馬ナンブラッキーワンを退けた実績を誇る。南関東移籍後、そして佐賀に戻ってもずっと精彩を欠いていたが、岩手の20走ルールで最下級C2へ格付け。メンバー有利は明らかで7戦6勝と抜群の勝率。唯一の敗戦9着はハイペースに巻き込まれて好位から失速したもの。それでも0・9秒差だから大差負けではなかった。
今回はこれまで以上にメンバーが骨っぽくなり、好調馬もそろったが、ここも突破ならさらに上級を望める。
格最上位はシュクジャンヌ。盛岡戦は3、6着に終わったが、これはコース適性の差。今季は冬休み明けを含めて水沢は1勝2着2回と安定しており、反撃に転じて当然だろう。
ワタシノオウジサマは中央0勝ながらダート1400m戦で2着1回。その賞金からB2へ編入し、当初はクラスの壁に突き当たっていたが、一戦ごとにレースにも慣れて前回快勝。これで弾みがついたのは間違いない。
ソノマンマは園田で2勝をマークし、重賞・菊水賞で3着。南関東では未勝利に終わったが、2着1回。名前はソノマンマだが、脚質は差し。岩手初戦も4コーナーで一旦下がりながらも直線で盛り返してタイム差2着に入った。ハイペースになれば台頭の可能性がある。
◎ ?ダンストーンアレス
○ ?ラビットサプライズ
▲ ?フーマ
△ ?シュクジャンヌ
△ ?ワタシノオウジサマ
△ ?ソノマンマ
3連単は3、10、4のボックスが本線。また3を1着固定に10、4、6流しも一考
馬複は3−10、3−4、3−6、2−3、3−9
<お奨めの1頭>
9レース フジフーフー
七時雨賞は一線級牡馬が相手で4着も仕方なし。このメンバーならアッサリ逃げ切る
7日の日曜日、岩手でもいよいよ2歳新馬戦がスタートしました。7日に行われた2レースはいずれも芝。今年の新馬勝ち第一号はサッカーボーイ産駒のリュウノボーイ、鞍上は菅原勲騎手でした。
実は菅原勲騎手は、昨年も新馬勝ち第一号を挙げたのですが、その時の馬が岩手の3歳ダート二冠馬マヨノエンゼル。昨年の第一号がここまで大出世したとなると、今年の第一号にも期待がかかりますね。
そして、二つめの新馬戦を勝ったストリームがまた興味深いのです。父は九州産馬として活躍したユメノセテコウユー。今は青森で種牡馬生活を送っていりのですが毎年の産駒はわずかで、今年デビューの07年生まれの競走馬はストリーム号一頭しかいません。
一方の母スプリームドリームはバリバリの社台血統で、ムッシュシェクルやシクレノンシェリフの半妹という良血馬。
北海道の良血と九州の良血が青森で合わさった結晶がスプリーム。そんな想像をすると、この馬に肩入れしたくなってしまって仕方ありません。
しかし今年は、岩手の馬を本命に推したいと思うのです。(8)ヒカルメイオーです。最近A級に上がってきたばかりですが、前走を見て分かるとおりオープンでも遜色ない力の持ち主。
過去のこのレースの傾向では、オープンでそこそこ戦えるような馬なら勝てないまでも上位争いをしてきています。この馬ならその資格は十分あるとみていいでしょう
対抗はJRAの(9)メイスンファースト。前走では休み明け3戦目できっちり勝って昇級。ある程度前にも行けるし左回りも得意なのが魅力。例年のような、急上昇中の3・4歳馬がいない今年のメンバーなら、昇級直後でも差はないはず。
同じくJRAの(12)ドリームリバイバルですが、左回りの成績があまり良くない点が気になって控えめの評価。ただ、キャリアは少ないものの1000万下で勝ち負けをしてきているのは他のJRA馬より優位ですしポン駆けも効くタイプ。嵌った時の切れはこの馬が一番でしょう。
取捨に悩むのが昨年2着の(2)レントゲン。昨年ほどの勢いに欠けるのが不安点。一方、実質降級といっていいメンバー・盛岡コースとの相性がよさそうな点はプラス。菅原勲騎手を鞍上に配しているし、やはり軽視しきれないか。
岩手勢の中では大将格の(6)サンシャインヘイロ。この馬自身が人気を背負う時よりは今回のような盲点になる時の方が走りやすいでしょう。適度に時計がかかる今の盛岡コースも合うのでは。
◆買い目
馬単(8)=(9)、(8)=(12)、(9)=(12)、(8)→(2)、(8)→(6)
◆お奨めこの一頭
11R:クリスティラビット
距離延長は確かに課題だが、前走大圧勝の勢いでここも一気に。
7日(日)メイン11レース(発走:16時35分)はJNB協賛シリーズ、岩鷲賞トライアル「早池峰賞」(盛岡ダート1200m)。この早池峰賞を皮切りに7月5日、重賞・岩鷲賞(水沢1400m)、8月14日、Jpn?「第14回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)という流れで短距離ロードが進む。
(トーホウライデン 写真・佐藤到)
主軸にトーホウライデンを指名する。シーズン開幕当初は馬体の張り、毛ヅヤひと息。レースでも精彩を欠いて凡走を繰り返すが、盛岡開催をきっかけに本調子を取り戻して快進撃を開始する。不思議なことにこれが毎年のパターン。どうやら盛岡へ輸送されると眠っていた闘志に火がつき、体調もグーンとアップするようだ。
今シーズンもほぼ同じ足跡を歩み、水沢3戦を凡走。しかし盛岡コース替わった前走、A級戦で豪快な直線一気を決めて快勝。鮮やかな復活劇を演じた。
果たして昨年、岩鷲賞を制した頃のパワーを保っているか微妙なところはあるが、その時マークした盛岡ダート1200m、1分12秒1のタイムは出色。短距離戦は調子よりも絶対スピードと良く言われるが、仮にトーホウライデンが7分の仕上がりでも距離適性がカバーすると見るのが妥当だろう。
逆転筆頭はオウシュウクラウン。一昨年、丸1年の長期休養を余儀なくされ、昨年7月、岩鷲賞で戦列復帰。しかし、かつての迫力をなかなか取り戻せず自問自答の日々を送っていたが、昨シーズン終盤の白嶺賞、トウケイニセイ記念と連続2着でようやく復活の手応えを掴んだ。
今季は順調に使われて赤松杯4着、シアンモア記念3着。このシアンモア記念では逃げから一転して控える競馬に戦法を変えて3着。岩手勢で最先着を果たした。
盛岡ダート1200m戦は2歳時、ビギナーズカップ2着。そして昨年の岩鷲賞は11着だったが、これは長休明けのため度外視。本質的にスピードタイプだし、今回に限って言えば揉まれる心配のない大外枠も好材料となるだろう。
オヤマハリケーンは岩手初戦3着、2戦目は6着。この結果だけを見ると強調できないが、中央4勝のうち3勝がダート1400m以下。短距離をメインに使われて準オープンまで駆け上った。さすがに準オープンでは完全に頭打ちだったが、岩手ならば話は別。東京ダートで2勝マークも心強く、アッサリのシーンまで考えたい。
ダンディキングは長いサイクルで活躍。最近はズブさがプラスに作用して距離の融通性も備わり、安定感を増してきたが、本質的にはスプリンターだろう。父ダンディコマンドは最強スプリンターと言われたニホンピロウイナー。そして母はアラブの女傑ミスハクギン。その父トライバルセンプーと筋金入りのスプリンター血統。また一昨年の岩鷲賞で2着(1着はヤマニンエグザルト)に入って距離実績もある。
リュウノツバサも見限れない。あすなろ賞は向正面で外に出した途端、掛かって脚を使ってしまった印象。それならば折り合いを気にしなくていい短距離で一変の可能性を秘めている。
あとは中央時代、一度1700mを走った以外はすべてダート短距離戦を使われてきたフリーモアも怖い。ダート1200m以下は<2.3.3.10>。この実績が不気味だ。
◎ ?トーホウライデン
○ ?オウシュウクラウン
▲ ?オヤマハリケーン
△ ?ダンディキング
△ ?リュウノツバサ
△ ?フリーモア
3連単は5、10の1、2着折り返しから8、4を厚めに。あとは1、6押さえ
馬複は 5−10、5−8、4−5、1−5、5−6
<お奨めの1頭>
12レース モエレアンドロメダ
これまで後方からの競馬だったが、前回は中団につけて2着を確保。このレースができれば盛岡初勝利も近い
6日(土)メイン10レースは重賞・せきれい賞(7月19日)トライアル「かきつばた賞」(盛岡芝2400m)、11頭立て。
(ボスアミーゴ 写真・佐藤到)
主軸はやはりボスアミーゴ。ご存知、盛岡芝の鬼で名を馳せ一昨年、昨年と最優秀ターフホースの座を獲得。これまで<9.3.0.1>と断然の適性を誇っている。
唯一の敗戦は昨年10月、重賞・きんもくせい賞(芝2400m)の一度のみ。あの時は折からの激しい雨の影響で極端な不良馬場で、切れる脚を身上とするボスアミーゴには恨みの雨。逆にカネショウエリートには幸いし、早め先頭から2着に4馬身差。圧勝で初の重賞タイトルを手に入れた。
今週半ばから盛岡周辺は天候が安定せず、時に激しい雨が降ったりしているが、芝の状態を変えるまでは至っていない。それならばボスアミーゴの持ち味を出せるはずで、かきつばた賞連覇の可能性は非常に高い。
逆転筆頭はカネショウエリート。いかにきんもくせい賞が不良馬場だったとは言え、強さが際立っていた。その後、桐花賞も制して芝ダートの重賞制覇を果たし、最優秀古馬にも選出された。
しかも笠松遠征帰りのあすなろ賞では超ハイペースの一角を形成しながら、0・1秒差2着。先行馬が総崩れの中、最後まで渋太く粘って復調確かなことを証明した。
忙しい競馬向きではなく、ゆったりとした流れで最大能力を発揮し、それゆえ今回の芝2400m戦は大歓迎だろう。
コンバットキックは中央、大井、川崎へ遠征して2ヶ月半ほど休養。赤松杯から始動したが、元々がスロースターターのせいか赤松杯、A級戦と連続10着。常識的には反撃を期待するのは酷なのだが、こちらも距離が長ければ長いほどいいタイプ。持ちタイムは明らかに劣っているが、距離適性を重視したい。
エアムートンは転入初戦、水沢1800mを2着にまとめ上々の滑り出しを決めた。芝は船橋からJRA挑戦を試み、芝1200m、芝1600mでそれぞれ1勝。JRA入り後は4着が最高だったが、1000万下で通用した。
ネックは初の2400m。芝ではマイル以下しか経験がなく距離が微妙だが、1周1400mの小回りなら道中で息を抜くことができるし、2400m戦は基本的に上がりの競馬。ラスト800mからの勝負になるケースが多く、それならば克服十分。
コスモテンロウは500キロを雄に越える巨漢馬だが、芝で本領発揮。昨年10月、3歳芝重賞・ウイナーカップを快勝し、適性ぶりを存分に見せてくれた。その後はアッサリ休養に入り、今年4月に戦列復帰。ダートで精彩を欠いているが、一戦ごとに体が締まってこのレースに照準を合わせてきた。
本線はボスアミーゴ、カネショウエリートで迷わなかったが、以下が混戦模様のかきつばた賞となった。
◎?ボスアミーゴ
○?カネショウエリート
▲?コンバットキック
△?エアムートン
△?コスモテンロウ
3連単は7、10を1、2着固定に8、5、6へ3着流し
馬複は7−10、7−8、5−7、6−7
<お奨めの1頭>
9レース ネクストスター
佐賀B1から転入し、アッサリ2連勝をマーク。今回からC1へ昇級したが、タイムが抜けている