
26日(日)メインは3歳牝馬による重賞「第23回ひまわり賞(オークス)」(盛岡ダート2000m)、9頭立て。牡馬相手には歯が立たなかったが、地元同士の牝馬が相手ならシルバーカテリーナが断然の主役を演じる。
シルバーカテリーナは北海道1勝オープンから南関東へ移籍し、3戦0勝2着1回の成績で今年4月に岩手転入。あやめ賞、留守杯日高賞と牝馬重特を連勝。アッサリ牝馬のトップに君臨した。
その勢いを駆って岩手ダービー・ダイヤモンドカップへ挑戦。初の牡馬対決に注目が集まり単勝2番人気に支持されたが、好位から失速2・8秒差6着。2000mの距離に戸惑ったのも敗因だったが、牡牝馬のレベル差を見せつけられた。
続いてウイナーカップ(水沢1400m)へ駒を進め、同じく2番人気だったが、ハイラップの逃げから直線で一杯になって0・7秒差3着。またしても牡馬の壁に阻まれた格好だが、そう判断するのは早計だ。スタートから12秒1で飛ばして3ハロン36秒7、前半1000mが61秒2。いかに1400m戦だったとはいえ、ちょっと速すぎた。
これは勝手な想像だが、菅原勲騎手がシルバーカテリーナの能力の限界を試したのではないかと思っている。“ダイヤモンドCが距離の壁だとしたら、適距離1400mなら牡馬に通用するためにはハイラップに耐えなければならない―”と考えたに違いない。確信に近く、そう思った。
結果は3着。本人はがっかりしたかも知れないが、悲観するほどではない。勝ったダンストンジールを苦しめたのは他でもない、シルバーカテリーナだった。今回は無理をせず好位キープから無難に直線抜け出しを決める。
軸はすんなり決まったが、相手がちょっと難解。上がり馬を重視するか、実績を重視するかで迷った結果、アンダーゴールドを相手筆頭に推したい。6戦0勝2着2回、3歳C1から重賞・日高賞へ挑戦。シルバーカテリーナから1・8秒差も離されたが、4着を確保。これは大健闘だったし近2走を連勝。特に前走は2着に1・3秒の大差をつけて逃げ切った。
アンダーゴールドは勢いもさることながら血統が何よりも魅力。父がホワイトマズルで母父がプラウドデボネア。典型的な長距離血統に加えて晩成型。2連勝は本格化を迎えたと解釈していいと思う。
テンショウスズランは相変わらず体重減に悩まされているが、それでも前走はタイム差なし2着。馬体がフックラしたらどんなに強いかと常々、考えてしまうほど個人的に評価が高い馬だ。最低でも420キロ台はほしく、当日の体重に注意を払いたい。
ダンストンメイビスも目下2連勝中。反応を見ると盛岡の方が合いそうで、メンバーが大幅強化でも2着争いに食い込める。またダンストングランは昨年の牝馬特別・プリンセスカップを優勝。その後のリタイアが痛かったが、今年6月に戦列復帰。2戦とも大敗を喫したが、走り頃の休み明け3戦目。格不足もまったくなく、やはり軽視できない。あとはフェニックスクインも押さえ少々。
◎ ?シルバーカテリーナ
○ ?アンダーゴールド
▲ ?テンショウスズラン
△ ?ダンストンメイビス
△ ?ダンストングラン
△ ?フェニックスクイン
3連単は2を1着固定に9、3の折り返し本線。あとは8、1、7を3着押さえ
馬複は2−9、2−3、2−8、1−2
<お奨めの1頭>
8レース クリスティラビット
盛岡3戦3勝とパーフェクト成績。少頭数6頭立てで馬券妙味は薄く、相手もリュウノブランド、コスモレイロウの2頭に絞る。
25日(土)メインは盛岡芝1000mを舞台に行われるB2「姫神賞」、9頭立て。芝ダートを問わず1000m戦ならウメノレイメイで中心不動だろう。
中央時代の1勝はダート1200m(新潟)でマーク。岩手転入は昨年12月、水沢1600mをアッサリ逃げ切り幸先のいいスタートを切ったが、その後は凡走の連続。B2で頭打ちかと思わせた矢先、盛岡ダート1000mで行われた立夏賞を完勝。快速で定評があったマイネベリンダを子ども扱いにして、2番手を楽々追走から直線豪快に抜け出して短距離適性を存分に発揮した。
その後の2戦はマイルに苦しんで9、8着に沈んだが、再び1000m戦「FM岩手杯」(B1)で鮮やかに復活。ダートから芝に替わったが、ウメノレイメイにはまったく関係なし。好ダッシュを決めて58秒3の好タイムをマークして芝ダート1000m戦で2勝を稼いだ。
父は560キロの巨漢でG?・スプリンターズステークスを優勝したヒシアケボノ。ウメノレイメイは父から恵まれた体とスピードを受け継ぎ、岩手短距離で秘めた能力が全面開花した。
しかも今回は自己の条件に戻ってB2馬が相手。同じFM岩手杯に出走したタカノグラディウスとの差は0・3秒差3着。モエレマーメイドが2着に突っ込んだが、着差が1、3/4馬身差。どう見ても逆転の目は考えられない内容で、ウメノレイメイの死角はほぼなしと判断していいだろう。
相手はそのタカノグラディウス。ダートで通算11勝マークだが、芝の方が合うのは間違いなし。父がサクラチトセオー、母父アスワンなら納得がいき、前走はモエレマーメイドの大外強襲に屈したが、今度は2着を死守する。
ゴッデスフラワーが活躍できるのは水沢と盛岡芝のみ。このタイプは案外多く、芝で2勝2着2回。脚抜きのいい芝ならマイル、1700mもこなすのだが、おそらくベストは芝短距離戦。我慢勝負になると苦戦を強いられるが、1000mなら本来のスピードが生きる距離。父ウェイオブライトもそれを裏づけており、ここが真価を発揮できる局面となった。
キョウエイノーブルは転入後5勝マークし、その勝ち星すべてが逃げ切り。テンの速さはここでもトップに位置する。気分良く逃げれば強さ一目。タイム差なし1着が一度あるが、他はワンサイドレースで完勝。ここも好枠を引き当て逃げは必至だろう。
ただ短距離戦はペースが恐ろしくなるケースが多く、逃げ切るのは至難の業。ウメノレイメイがどこで動くかだが、前半で可愛がられれば残り目があるが、早めに交わされると失速のパターンも考えられ、よって連下に落ち着く。
バルクは詰めの甘さが常につきまとう馬だが、逆に折り合いを考えなくていい1000mで新境地を切り開く可能性があり、ちょっと不気味なのはフェスティブドラマ。中央1勝は芝2200m、岩手2勝は1600m、2000mだが、叔母さんが快速で桜花賞を制したエルプス。意外な適性を発揮するかもしれない。
◎ ?ウメノレイメイ
○ ?タカノグラディウス
▲ ?ゴッデスフラワー
△ ?キョウエイノーブル
△ ?バルク
△ ?フェスティブドラマ
3連単は6を1着固定に9、7の折り返し本線。あとは3、4、1を3着押さえ
馬複は6−9、6−7、3−6、4−6、1−6
<お奨めの1頭>
7レース チャームピース
前走は強いの一語。ハイペースを自ら形成しながら、2着に2秒差もつける圧勝。ここも逃げ切り再現濃厚
先週から盛岡競馬場での開催に移た岩手競馬ですが、荒れる事荒れる事!
7月11日の土曜日が11R中9Rで3連単万馬券。恐らく3連単発売開始後最多の万馬券だと思っていたら、翌12日が11R中10Rで3連単万馬券。前日の記録を塗り替えたばかりか、間違いなく史上最高の万馬券数となりました。
12日も、前半は穏やかだなと思っていたのですが、後半から荒れ始めて万馬券7つ。結局この3日間34R中26Rで3連単万馬券という途方もない荒れっぷりに。
そして今週も、18日土曜日が万馬券6本。19日日曜日が9本。堅いと思われていたメインのコスモバルクが敗れたために44万馬券が飛び出したのをふくめ、10万越えが3本もある荒れ方。
結局何が原因かというとコース状態なのでしょう。先週はまだ「逃げ・先行有利」がはっきりしていたのですが、今週はひたすら高速決着の中で逃げ切りがあったり追い込みが届いたりつかみ所がない。乗っている騎手が首をひねるくらい難しいです。
今日月曜日は天候も回復し、コース状態もいくらか回復するでしょうが、基本的には波乱前提で心づもりをしておくのがいいのかも・・・。
とはいうものの、メインのマーキュリーカップのこの馬は堅いでしょう。ダートグレード6連勝中の(4)スマートファルコンです。
昨年、芝のクラシック挑戦の夢は叶いませんでしたが、ダートではデビューから13戦10勝2着3回とパーフェクト。昨秋の白山大賞典優勝後からダートグレード8連続連対中、彩の国浦和記念から6連勝中。ダートの歴史の中でもまれに見る優れた成績を残しています。
既に2100mの重賞を勝っているのだから距離に全く不安はないし、勝ち方もほとんどがワンサイド。G1獲りに向けここは通過点に過ぎないでしょう。黙って本命視。
対抗は(11)マコトスパルビエロ。ちょっと気難しい馬で以前はすんなり先行できないと好結果が出ないような所がありましたが、最近は前で粘り込む競馬が板に付いてきました。鞍上はこの馬の事を最も良く知る騎手だし、今のコース状態を考えれば先行できればそうそう崩れないでしょう。
JRA勢の中でもこの2頭が抜けている印象、(4)と(11)が前にいってそのまま、という事になりそうですが、どこかで食い込むとしたら(1)エスケーカントリーでしょう。
重賞での実績はなくJRA勢の中では最も格下。しかし左回り・中距離が得意という点に注目したいところ。昨年のブリリアントS優勝、今年の東海SG2で5着ならここでも上位に食い込む資格あり。
(9)メイショウトウコンは過去の重賞実績なら(4)に次ぐNo.2。全国各地で様々な条件を戦ってきている経験値も魅力です。しかし、名古屋大賞典でのスマートファルコンとの5馬身半の差は、こちらが休み明けだった分を考慮しても力の差がはっきりした感があります。
昨年の覇者(8)サカラート。ローテーションは昨年同様、その前も割と順調に使われていた点は昨年以上といえますが、近走を見る限りやや年齢の影響が出ている印象です。おそらくは盛岡コースとの相性が良いでしょうし、それを武器にしてどこまで・・・。
地方の期待は(2)クインオブクインにかかるのですが、ここは同型があまりにも強力。この中でどこまで自分の戦いができるか。それ次第では上位に食い込めるかも。
◆買い目
馬単(4)=(11)、(4)=(1)、(11)=(1)、(4)→(9)、(4)→(8)、(4)→(2)
19日(日)メイン10レースは盛岡芝2400mを舞台に行われる「第31回せきれい賞」、12頭立て。注目はもちろんコスモバルク。盛岡遠征は2年前、OROカップ以来2度目となる。
(コスモバルク 写真・佐藤到)
あのときのレースを振り返ってみたい。五十嵐冬樹騎手は前半無理せず3番手を追走。1周1400mの小回りを意識してコーナーワークに最大の注意を払い、安全運転に心がけた。
しかし能力の違いが歴然で3コーナーでオグリホットを馬なりで交わして先頭。ラスト100mで気合いをちょっとつけると後続を突き放す一方。ボスアミーゴも早めスパートをかけ、「本気で勝ちに行った」(菅原勲騎手)が、4馬身前をコスモバルクが楽々走っていた。
当時、馬インフルエンザ渦に巻き込まれ、加えて使うレースがなかったため遠征前に地元重賞・瑞穂賞へ出走。ダート適性がないのは分かっていたが、よもやの3着に敗れていた。
それもあったのだろうコスモバルクがゴールに入った直後、場内はシーンとしていた。無事に走り、負けられないレースをちゃんと勝ってファンはホッとした表情。時間差があって歓声と拍手が起こった。
あれから2年が過ぎ、さすがに衰えを隠せず3度目のシンガポール航空国際カップ6着後、5戦とも大敗の連続。宝塚記念では「押し出される格好で逃げることになった」(田部調教師)が、4コーナー手前で早くも一杯。馬群にどんどん飲み込まれてブービー13着に沈んだ。
今回、せきれい賞を選んだ理由は「勝ち味を思い出させて立ち直るきっかけを何とかつかみたい」ということと「天皇賞・秋トライアルの権利を取りたい」(いずれも田部調教師)の二つ。
不安は「体が重いかもしれない」と「間違いなくスローになるだろうから折り合いがつくかどうか」だという。確かにゴール板を2度通過する2400m。1周目スタンド前がゴールだと錯覚してガンと行きたがる可能性も高いが、そこは初コンビを組む小林騎手がうまく御してくれるだろう。
相手筆頭は盛岡ターフに絶対の自信を持っているボスアミーゴ。3歳時、4歳半ばまではマイル前後がベストだったが、年々ズブさを増している中、今回の2400mが最も合う距離。コスモバルクに折り合いの不安が残るとすれば、つけ入る隙はそこ。OROカップの4馬身差をどこまで詰めることができるか、そして菅原勲騎手は秘かに逆転を狙っているかもしれない。
カネショウエリートは本質的には芝が合わない。村上忍騎手はそう断言している。ただペースがゆったりとする長距離戦向きで芝ダートを問わず不良馬場を得意とする。天気予報では今週末は雨模様だそうだから、陣営は雨乞いをしたいところ。それならばボスアミーゴに先着できる可能性も十分にある。
カクテルラウンジは昨年のオパールカップでリュウノツバサ、ウィンエヴリーに次ぐ3番人気だったが、芝適性を前面に快勝。さすがダイナアクトレスの孫と大向こうを唸らせた。その後、勝ち星から遠ざかっているが、ゲンのいいコースでコスモバルクと同様、復活の手応えをつかみたい。
なかなか軌道に乗れないでいるソーユアフロストだが、中央時代に芝6勝マーク。心機一転を図りたいところだし、同じ意味がコンバットキックにも言える。2年前、オパールCで落馬中止の憂き目にあったハイベットタイム。今度こそそのときの雪辱を晴らしたい。
◎?コスモバルク
○?ボスアミーゴ
▲?カネショウエリート
△?カクテルラウンジ
△?ソーユアフロスト
△?コンバットキック
3連単は9を1着固定に1、3の折り返し本線。あとは5、6、2が3着押さえ
馬複は1−9、3−9、5−9、6−9
<お奨めの1頭>
11レース ドーリーゴンザレス
基本重量55キロだが、騎手ハンデ戦53キロで騎乗は恵まれすぎ。ここ2戦2着はエアメギド相手では仕方なし。今日こそ白星をゲットする
18日(土)メインはA級一組「ブロードバンドカップ」(盛岡ダート1600m)、10頭立て。
カギを握るのはもちろん中央オープンからの転入馬トーセンザオー。短距離1本に絞って芝1200m<6.8.3.18>、ダート1200m<1.1.2.4>。
昨年のG?・ガーネットステークス(中山ダート1200m)でタイセイアトムの0・6秒差5着、同じくG?・オーシャンステークス(中山芝1200m)でプレミアムボックスの0・2秒差6着など実績も申し分なし。おそらくクラスターカップを狙っての移籍と見て間違いない。
7ヵ月半ぶりの実戦に加え、1600m経験は芝で一度のみ。さらには上積みをそれほど見込めない9歳馬など不安材料はあるが、これまでの実績がすべてカバー。好発進を決め、短距離路線の主役を突っ走りたい。
逆転筆頭はメタモルキング。岩鷲賞は逃げたフリーモアを徹底的にマーク。3コーナー過ぎに競り落としてそのまま押し切るかに見えたが、ダンストンリアル、リュウノツバサの強襲に屈してアタマ差、アタマ差の悔しい3着に敗れた。
しかし、大方はメタモルキングが最も強いレースだった―と評価。同馬の渋太さとスピードには舌を巻いた。7歳馬ながら衰えはまったくない、というより老いて益々盛ん。毎回、好勝負を演じて個性派健在を誇示している。
ピンクゴールドは開幕当初、昨年と同様に体重を減らしていたが、徐々に回復。結果はともかく前回430キロまで回復したのが心強い。切れ勝負型のため水沢では末脚が不発のケースも多いが、盛岡ダートは4戦2勝2着2回。3歳重賞・不来方賞優勝を含め、すべて馬券対象も見逃せない。
今季、ダークマターが着外に沈んだのは距離が合わなかった早池峰賞9着だけ。いまだ岩手未勝利と詰めの甘さは解消されていないが、前回も2着確保。引き続きマークが必要。
トキノプリンセスは月1回のローテーションをキッチリ守り、前走は鮮やかな逃げ切りを決めた。レース運びが実にスマートだが、その半面で破壊力がもう一つ。これが強く押せない理由だが、上位争いの一角は譲れないだろう。
あとはハイペースになった際にはハルサンヒコの台頭があるかも。
◎?トーセンザオー
○?メタモルキング
▲?ピンクゴールド
△?ダークマター
△?トキノプリンセス
△?ハルサンヒコ
3連単は10、9の1、2着折り返しから7、4、8へ3着流し
馬複は9−10、7−10、4−10、7−9
<お奨めの1頭>
8レース コスモリュウキ
転入2戦目を2番手キープから直線抜け出して快勝。走破タイムがすばらしく、相手強化も難なく克服する