28日(日)メイン10レースは3歳馬による水沢1400m戦「ウイナーカップ」。春の岩手クラシック戦線はダイヤモンドカップ(6月1日)でひと段落。ランク順もマヨノエンゼル、トキワノマツカゼ、ダンストンジールで落ち着いた。
そして今回のウイナーカップから新たな路線が始まり、芝はオパールカップ(7月12日)、牝馬はひまわり賞(オークス 7月26日)、そして三冠目・不来方賞は11月22日に実施予定となっている。
このウイナーカップは様々な条件変更を経てきた。創設当初は第1回から22回まではアラブ3歳(当時は4歳表記)で行われ、23回(平成10年)以降はサラブレッド3歳の盛岡芝が舞台。そして今回は水沢1400mの条件で実施する。参考までにトータルカウントでは今年で34回目となる。
トップ2のマヨノエンゼル、トキワノマツカゼが不在ならダンストンジールで中心不動。水沢コース初勝利のチャンスを迎えた。
前々走・七時雨賞ではマヨノエンゼル、トキワノマツカゼの追撃を封じて完勝。その後の選択肢は2つあった。岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(ダート2000m)と芝・はまなす賞だったが、陣営は適性を重視して芝に方向転換。
当然のように断然の1番人気に支持されたが、道中モタモタするばかり。格下相手の後塵を拝して4着に敗れてしまった。レース後、村上忍騎手はこうコメントした。「久々の芝に戸惑ったのかブレーキがかかりっぱなし。これだったらダイヤモンドカップに行ったほうが良かった(笑)」と。
ダンストンジールはデビュー戦の芝1000mを昨年の一番時計で快勝し、芝1600m・若鮎賞も優勝。ウイングアロー産駒には珍しく芝適性が高いと陣営も周囲も思っていたが、決してそうではなかった。能力があるからこなしたに過ぎず、本質的にはダート向き。もちろん一貫して芝を使い続けていればトップを張れるだろうが、前回に限って言えばダイヤモンドカップ選択が正しかったかもしれない。それで軌道を修正して今回、ウイナーカップに臨んだ次第。
ただ一つネックがある。水沢1400mは2度使われていずれも5着止まりで、しかも2・2秒差、2・1秒差と完敗。忙しい競馬よりゆったりとした中距離以上が合っている印象もある。
しかし気性面は当時と今では雲泥の差。「気まぐれで走るか走らないかはゲートを出てみないと分からない」(村上忍騎手)ほどムラだったが、今年は精神面の成長がハッキリ。何よりも収穫はレースに集中できるようになったことで、七時雨賞がその証明。
またはまなす賞の敗因の一つにデビュー最軽量464キロでの出走もあったはず。今回は一息入れたし、輸送のない地元競馬。順当勝ちを収めて今後にも弾みをつけたい。
逆転筆頭はシルバーカテリーナ。あやめ賞、留守杯日高賞と牝馬の重特2連勝を飾り、岩手ダービー・ダイヤモンドカップに名乗り。雌雄対決が最大の焦点となったが、4コーナーで一杯。2番手から馬群に飲み込まれ、直線失速6着に敗れた。「牡馬との差もあるが、距離が長すぎた」と菅原勲騎手。確かに距離経験が1700mまで。2000mは全馬が未知の距離だったが、一番こたえたのがシルバーカテリーナだった。
1400mは守備範囲。しかも「追ってからの反応の良さ」(菅原勲騎手)が最大のセールスポイントで、どこからでも動けるのが強み。仕切り直しに格好のレースとなった。
センリグランピーはダイヤモンドカップで本来の後方待機策に転じ、直線追い込んで3着。前に行くこともできるが、やはり追い込みに徹した方がベストのようだ。
もう一つ言えるのは短距離が意外に合うこと。門別競馬場で行われた北海道競馬との交流・岩手山特別で道中、絶望的な最後方を追走。勝ったクラフィンライデンは逃げ切ったのだが、同馬は後に東京優駿牝馬2歳で2着、地元に戻ってエトワール賞を優勝。センリグランピーはその馬を相手に直線猛追して0・2秒差2着に食い込んだ。
昨年11月以降、白星から遠ざかっているが、短距離戦でシャープな切れを発揮する可能性がある。
フジフーフーは豊かなスピードを前面に、再転入後はすべて逃げの手。2歳時にはダンストンジール相手にビギナーズカップ2着、りんどう賞3着と水沢1400m戦で先着した実績を誇る。トーホクプリンスとハイペースを形成すれば苦しいが、すんなり先手ならアッサリのシーンまで。
あとはレース運びが巧みなテンショウスズランも押さえたい。
◎ ?ダンストンジール
○ ?シルバーカテリーナ
▲ ?センリグランピー
△ ?フジフーフー
△ ?テンショウスズラン
3連単は8、5の1、2着折り返しから1、2、9流し
馬複は5−8、1−8、2−8、1−5
<お奨めの1頭>
9レース エクストラポイント
中央で2着1回、笠松で2勝マークならB2通用は当然。先に行ける脚もあり、初戦から