
先の25日、東京都内で行われた『日本プロスポーツ大賞』の表彰式に行ってきました。お目当ては功労賞に選ばれた小林俊彦騎手。岩手からは2004年度の菅原勲騎手(同じく功労賞)に続いての2人目の事です。
功労賞というのはプロスポーツの各分野において長年活躍したり貢献したりしてきた選手・関係者を称えるもので、今回は地方競馬からは小林騎手、JRAからは横山典弘騎手が選ばれました。
例年のこの賞で注目を集めるのは大賞とか殊勲賞とかで、今年も一番話題になったのは2年連続大賞を受賞したゴルフの石川遼選手だったりWBC優勝のプロ野球・原監督なのですが、各界の名手が揃う功労賞や新人賞といった部門にももっと注目が集まっていいと思います。いろいろな分野でプロの選手ががんばっていて、活躍すればこうして表彰もされる。そんな励みになるんじゃないかと思うのです。
個人的には「ああ、この人も功労賞をもらうような年齢になったんだ・・・」と驚いてみたりため息が出たりしますねぇ。功労賞に選ばれるような選手と世代が近くなったものでして・・・。
変速開催3日目の29日・メインの五葉山賞はC2級のマイル戦で8頭立て。今日は東京大賞典の場外発売があるからみでメインレースは「8R」となっております。ネットでお買い求めの皆さんはレース番号をお間違えなく。
さてこのレース、実力的に抜けていそうな馬が揃って重ハンデをもらっているのが悩むところ。上限一杯の3kgのハンデはさすがに辛いでしょう。その取捨はなかなか考えさせられます。
しかし、ここはそんな+3kgのハンデ、57kgを背負っても(1)プリンセスビジューが優位と見ます。
JRAから転入してここまでの5戦を5連勝、その初戦こそ僅差の勝利でしたが、その後はワンサイドといっていい内容で連勝。距離が伸び、相手関係が強くなってなお強さを増している印象すらあります。
今回戦う他の7頭中5頭はこれまでに負かしている相手。それもほとんどが秒単位の大きな差をつけて退けています。俗に負担重量の差について"1kg=1馬身"といいますが、これまでの結果からすると3kgのハンデがあってもまだ数馬身のマージンがある、という計算ができます。
もちろん、前走から一気に3kg増に加えてキャリア初の経験でもある57kgはさすがに負担が大きいでしょう。元々450kgくらいのやや細身にも見える牝馬ですからね。こればかりはやってみないと・・・という面はありますが、それでも、というのが今回の結論です。
対抗は(7)スイートトーク。この馬も転入後4戦を3勝2着1回と安定しており、その内容は(1)に次ぐと見ていいもの。前々走こそ前残り&超高速馬場のせいもあって不覚を取りましたが、現状その頃ほどにはビシャビシャにならず、時計もそれほど速くないコース状態ですから、この馬の持ち味は十分に出せるはず。
ここまでの実績なら3番手は(5)に行きたいところですが、今回はあえて(6)コアレスイズムへ行きましょう。前回の勝ち星は7月の盛岡戦。半年近く勝ち星から遠ざかっていますが、それはC1級で戦っていた事もあるでしょう。再度C2に戻ってしまえば時計的には(1)以外と大差なく、それでいてハンデ0は魅力。他馬がハンデに苦しむならチャンスも。
その(5)ゴールデンダーツはけれんのないスピードが魅力であり武器の馬。ただ酷量としか言いようがない59kgは大きな不安があります。よほど楽に逃がしてもらうか、もしくは他馬がよほどハンデに苦しむかでもない限りは・・・。
あとは・・・となると能力的には(8)ローズランかなと思いますが、気性的にちょっと難しくあてにはしづらい。なら57kgでも先行力をかって(2)トーセンラフィットに行くのがベターかも。
★買い目
馬単 (1)=(7)、(1)=(6)、(7)=(6)、(1)=(5)、(1)=(2)
28日(月)メイン9レースはB1級「銀嶺賞」(水沢1800m)。12月に入ってメインの特別戦は荒れる傾向がハッキリ。人気どころは集中すると思うが、イコール結果とは限らない。それを念頭に入れて馬券検討をしてほしい。
ひとまず今回の「銀嶺賞」は六華賞と直結するだろうと見てアルディ、リザルトを本線に採った。
アルディは開幕当初、状態が本物ではなく凡走の連続だったが、夏を境に徐々に上向きムード。それでも勝ち星に恵まれず道中、抜群の手応えを見せながら終い伸び切れず入着止まりを繰り返していた。
ようやく吹っ切れたのは寒い季節を迎えてから。11月中旬にマイネベリンダの2着に食い込み、前々走で待望のシーズン初勝利をマーク。それで弾みがついて六華賞では早めマクリがさく裂し、2連勝。
昨年もそうだったが、融雪剤をまいた不良馬場が合うようで重馬場<8.1.1.3>が今の活躍を裏付けている。
不安材料は六華賞より1キロ増の58キロと内枠が圧倒的に有利といわれる水沢1800mの外枠9番。今の勢いが殺がれる可能性を秘めている。
逆にリザルトは絶好の勝機を迎えた。盛岡芝の巧者=冬の水沢巧者、がすっかり定着。ゴールデンステッキ賞3着、六華賞2着。やはりリザルトにも定説が当てはまった。しかもアルディとの斤量差が4キロの54キロ。これは裸同然とも言えるだけに、逆転首位まで考えたい。
エーシンスローインにも同様のことが言える。近2走を2、1着にまとめ、重馬場成績も<3.1.1.0>。自慢の末脚が冴え渡っている。しかも心強いことにスローの流れも問題にしないタイプ。前走も3角マクリからゴール寸前でシュクジャンヌを捕らえた。
ドーリーゴンザレスは2戦連続で酷量59キロを背負いながらも奮戦し2、5着。今回はB1へ昇級だが、56キロで出走できるなら望むところ。意外にこのケースはポカもあるが、ハンデ差が最大の武器となる。
以下、水沢コース適性あるブライティアメッセ、転入初戦を完勝ビュレットライナーも軽視できない。
◎(9)アルディ
○(2)リザルト
▲(10)エーシンスローイン
△(5)ドーリーゴンザレス
△(7)ブライティアメッセ
△(3)ビュレットライナー
3連単は9、2、10のボックスが本線。逆に今の特別傾向から5、7、3を中心に買う手があるかも
馬複は 2-9、9-10、5-9、7-9
<お奨めの1頭>
8レース チャームドサークル
前走2着は勝った相手を誉めるべき。メンバーが甘くなった今回はキッチリお返しをする
27日(日)、メインはB2「師走賞」(水沢1600m)、12頭立て。好調馬がそろったが、コアレスランナー、タニノレジェンドの2頭が抜けた印象。しかし主軸は走破タイムからコアレスランナーに落ち着く。
昨年11月、中央2歳デビュー。当初4戦は大差負けの連続だったが、叩かれながら堅実さを身につけて以降の6戦はすべて0・6秒差以内。3走前の新潟未勝利で2着。また移籍直前の500万下でも7着ながら0・4秒差にまとめた。
中央でマズマズのレースを披露しながら勝ちきれなかった理由はハッキリしている。追い込み一辺倒の脚質で馬群をさばくのに苦労し、直線で鋭く伸びても入着止まりを繰り返していた。
このようなタイプはズバリ地方、いや岩手向き。出走頭数が中央に比べてはるかに少ない上、前半のペースもゆったり。その割りに馬群がバラけるケースが多いからだ。コアレスランナーの岩手初戦を見ると、以上のことがピタリ照合する。
10頭立ての3番枠からマズマズのスタートを切って5番手をキープ。向正面から徐々に前へ進出し、4コーナーでは2番手。あとは早め先頭に立ったポアントゥブルボンを直線でアッサリ交わし、6馬身差をつけて圧勝した。
この内容ならB2はフリーパス。若干不安なのは420キロ台の小柄な牡馬に1キロ増の57キロだが、タニノレジェンドを除けば能力でカバーできるに違いない。
逆転筆頭はそのタニノレジェンド。佐賀で通算11勝をマークし、B1から転入。当初格付けがC1と恵まれ、いきなり3連勝。昇級初戦の前々走で2着に敗れ、連勝ストップ。勢い止まったかと思ったが、強豪チャームドサークル相手に1秒差をつけて圧勝。不安を一蹴してくれた。
前走の走破タイムでコアレスランナーに比べ0・7秒劣るため、対抗格に落ち着くが、レースは生き物。逆転の目は十分にある。
セイントプライドは今シーズン最下級スタート。相手が楽で4勝をマークしたが、B2昇級後は頭打ちのレース続き。最後の詰めに泣いていたが、前走は3角から早めマクリが爆発。豪快なレースぶりを披露し、近走のうっ憤を一気に晴らした。
◎○が差しタイプだが、ペースは決して遅くはなく、むしろミドルペース以上。そうなればセイントプラウドの出番となる。
以下は水沢マイルがベストの条件コアレスブライト、同型の出方が気になるが、目下2連勝と波に乗るキタノエンペラー、同じく2連勝ヤマニングリフォンが続く。
◎(4)コアレスランナー
○(12)タニノレジェンド
▲(9)セイントプラウド
△(1)コアレスブライト
△(2)キタノエンペラー
△(10)ヤマニングリフォン
3連単は4、12の1、2着折り返しから9、1を厚め。あとは2、10を押さえ少々
馬複は 4-12、4-9、1-4、9-12
<お奨めの1頭>
5レース モエレアローン
岩手初戦2着だったが、相手が金杯でも有力候補モエレデフィニットでは仕方なし。今度はキッチリ白星をモノにする。
今回は岩手競馬に関係していないような、しているようなネタからスタート。
先の18日に「平成21年度 第3回調教師・騎手免許試験」の合格者が発表されました。その騎手の合格者の中に「葛山晃平」という名を発見して嬉しくなりました。
葛山騎手は1997年から2006年半ばまで岩手競馬で騎乗、若手ながらリーディング上位に入る活躍をしていました。岩手での約10年間の通算成績は215勝。
いろいろあって06年で騎手免許を返上した葛山騎手ですが、やはりレースへの想いは断ち切れず、再起の場を求めて金沢競馬の門を叩きました。
昨年秋、レディースジョッキーズシリーズの金沢ラウンドを取材に行った時、「葛山厩務員」にばったりと出会いました。
「調教師さんが理解があって、騎手免許を取れるように便宜を図ってくれているんです。ただ、年齢制限があるからチャンスはあまり残ってなくて、合格できるかどうかプレッシャーもありますねぇ・・・」そんな事を話してくれた葛山厩務員もこれでまた晴れて葛山「騎手」となりました。
金沢には厩務員を経て騎手免許を再取得し、いまや金沢のトップジョッキーとなった吉田晃浩騎手(上山→浦和)もいます。葛山騎手も同様に活躍して、そしていつの日か遠征で岩手に・・・なんてことを想像しているのですが・・・。
ところで、今NARの騎手データベースを見ると葛山晃平騎手が「岩手所属」として復活していますねえ。こういう"復活騎手"の設定は難しいんだろうなあ。
月曜のメインレースはA級一組の「金田一温泉レース」、ダート1800m戦です。桐花賞を目前に控えているだけに出走頭数は6頭という事になりました。
近走の内容の通り、ここは(4)エイシンイッパツと(5)アンダーボナンザの2頭の戦い。そのどちらが前に来るか?というレースになりそうです。
昨年のトウケイニセイ記念の勝ち馬がいよいよ調子を取り戻してきた、というアンダーボナンザ。前走で水沢1800mの新レコードを叩き出したエイシンイッパツ。さて、どちらを採るか・・・?
ここは本命(5)アンダーボナンザとしました。まずは近走の内容。確かにここ2戦、ゴールドマインに苦渋を飲まされているアンダーボナンザなのですが、前走・前々走とも自分の後ろの馬には大きな差をつけています。となれば「ゴールドマインがいなければ・・・」と考えるのはあまりにも当然。
またここは前走とほとんど同じ顔ぶれで、つまりこの馬にとっては、大きな差をつけて勝ったメンバーとの再戦。相手関係的には実に楽になりました。
今は距離もさほど問題にせず、レースへの集中力も以前とは段違い。夏頃までの、どうにも頼りないこの馬のイメージはもう捨て去るべきでしょう。
アンダーボナンザ(10/12 9R優勝時)
一方の(4)エイシンイッパツ。前走のスピードは実に見事なものでしたが、しかしここ2戦を連勝しているとはいえ、戦った相手関係はアンダーボナンザのそれと比べるとやや落ちるというのが率直な感想。
また、この馬が逃げるならばアンダーボナンザがびっしりマークしてくるでしょうし、間に他の先行馬が挟まったら挟まったでそれを振り切ってなおアンダーボナンザの攻勢を受け止めねばなりません。目標にされる不利は、この馬のスピードをもってしても決して小さくはありません。
逃げる馬を目標に戦える分も含めてアンダーボナンザが有利、という事で◎(5)・○(4)。もちろん、エイシンイッパツがあくまでもスピード勝負を挑めば押し切るチャンスもあるでしょうが、いずれこの2頭の戦いという構図は動かないでしょう。
あとはもう位置取り次第という感じですが、強く狙うとすればやはり(6)エアムートンになるのでは。基本は芝向きの短距離馬、この距離ではそうそう強気に動けませんが、前走くらいに戦えればそれでいい計算。
(1)ソフトパワーはすんなり流れに乗れる事が条件。それさえ叶えば、エイシンイッパツとハルサンヒコのようにある程度前の方につけて流れ込む、という事もできそうです。
ヤマニンエグザルトとトーホウライデンは、馬券対象になるには"他の馬が凡走したら"という条件がつくでしょう。実績的にも能力的にも足りておかしくない馬達ではありますが今回は見送りで。
★買い目
馬単 (5)=(4)、(5)→(6)、(5)→(1)、(4)→(6)、(4)→(1)
20日(日)メインはC1級「はまゆり賞」(水沢1600m)、10頭立て。トーセンスプライトが錦秋湖賞2着の雪辱を晴らす。
その錦秋湖賞は逃げたコスモゲータイトの2番手をぴったりとマーク。道中の手応えも上々で満を持して直線抜け出しを図ったが、伏兵デルマジュピターの強襲に屈して2着。
トーセンスプライトは非の打ちどころのないレースを披露したが、インの経済コースを進んだデルマジュピター=村上忍騎手の好騎乗が光り、3連勝を飾った。
あえてトーセンスプライトの敗因を探せば、人気を背負って大事に乗りすぎたかも知れない。初の1800mを意識し、できるだけ脚を貯めることを重視した印象もある。
しかし今回は1600mが舞台。前々走は同じ条件をパーフェクト内容で完勝しており、首位をがっちりキープする。
逆転筆頭はポイントリズム。盛岡戦は1勝3着2回にとどまったが、水沢に替わって反応が一変。強いレースで2連勝を飾り、特に前走は2着に8馬身差の圧勝劇。C1昇級戦もまったく問題にしなかった。
ネックは初のマイル戦に尽きるが、絶好の内枠を引き当て逃げの手は必至。この馬にせりかける馬はいないだろうから、マイペースに持ち込んで圧勝のシーンまである。
エムアイルシェルは前走伸びを欠いて4着止まり。これをどう評価するかだが、明らかに先行有利の競馬で自慢の末脚が不発に終わった格好。気配落ちはまったくないし、実力的にも互角以上。まとめて負かすならこの馬だろう。
カートゥニストも軽視できない。岩洞湖賞はスローの流れに泣いて3着。その前の4着はスタートで後手を踏んで4着と運にも恵まれなかった感。ここ2戦で見限るのは早計だ。
あとは好調サイクルをキープしたワールドバトラー、古豪健在マイネルクレスタも押さえたい。
◎(6)トーセンスプライト
○(2)ポイントリズム
▲(8)エムアイルシェル
△(12)カートゥニスト
△(9)ワールドバトラー
△(3)マイネルクレスタ
3連単は6、2、8のボックスが本線。また6、2の1、2着折り返しから8、12、9へ3着流しの手も
馬複は 2-6、6-8、2-8、6-12
<お奨めの1頭>
10レース スタンドアチャンス
北海道で通算12勝マークし、転入直前の道営記念で4着に善戦。この成績があればA級二組は軽く突破できる