15日(日)メインは岩手伝統の2歳重賞「第37回南部駒賞」(地方競馬全国交流 水沢1600m)。フルゲート12頭で争われるが、焦点はもちろん北海道2騎ショウリダバンザイ、モエレクリューガーvs岩手期待の星ロックハンドスターの対決。
正直、迷った。今年も北海道2歳は非常にハイレベル。エーデルワイス賞(JpnⅢ 2歳牝馬)はオノユウが優勝し、上位4頭までを北海道勢が独占。JRAはショウナンカガリビの5着が最高で、直後アタマ差6着にショウリダバンザイが入線した。
同じくJpnⅢ・北海道2歳優駿もビッグバンが破格の強さで完勝。これまた北海道勢が上位3位までを独占した。モエレクリューガーは前々走・サンライズカップでビッグバンに離されはしたが、逃げて2着に粘った。
以上のことから今年の南部駒賞も北海道有利は動かないと見なければならないが、あえてロックハンドスターを主軸に推してみたい。
デビュー芝1000m戦こそ距離不足で3着に敗れたが、2戦目から圧巻の3連勝をマーク。芝もこなすが、ダートでさらに決め手倍増のイメージを与えている。ジュニアグランプリで北海道ボヘミアンにアタマ差2着に敗れたが、レース後、菅原勲騎手が「自分のミス。仕掛けが早すぎた」とコメント。
そのうっ憤を晴らすかのように若駒賞を圧勝。代打の阿部英俊騎手が「不利のないレースだけに心がけた」と語っていたとおり、地元同士だったとは言え、完璧なレース内容を披露した。
今回の判断基準としたのは、その若駒賞の走破タイム。昨年の同レースはワタリシンセイキが優勝し、タイムが1分41秒5。続く南部駒賞でも北海道勢を退け、年度代表馬の座も射止めたが、ロックハンドスターが若駒賞でマークしたタイムが1分41秒2。
当日は決して軽い馬場ではなかったが、2歳馬でこのタイムを出せる馬もめったにいない。ロックハンドスターのレベルを裏付けるに十分だった。
リュウノ軍団が5頭も送り込んできたが、中でも注目はリュウノボーイとリュウノムサシ。リュウノボーイは若駒賞で2着確保し、JRA福島・きんもくせい特別(芝1700m)に挑戦。8頭立て6着ながら0・5秒差にまとめ、マズマズの成果をあげてきた。速い時計勝負になれば台頭の可能性は十分にある。
一方のリュウノムサシは成長途上ながら叩かれながら良化一途。現時点は追い込み一辺倒の脚質ゆえ小回り水沢は苦しいかもしれないが、破壊力は決してヒケを取らない。あとはレース巧みなダークライを押さえ少々。
◎(3)ロックハンドスター
○(2)モエレクリューガー
▲(11)ショウリダバンザイ
△(12)リュウノボーイ
△(8)リュウノムサシ
△(1)ダークライ
3連単は3、2の1、2着折り返しから11、12、8へ3着流し
馬複は 2-3、3-11、2-11、3-12、3-8
<お奨めの1頭>
9レース マイネベリンダ
ここ2戦は足踏みだったが、今回は明らかに恵まれた組み合わせ。水沢コースも合い、勝機ガッチリ
14日(土)メイン10レースはB2級の賞金ハンデ戦「ノベンバーカップ」(水沢1800m)、10頭立て。
好調メンバーが顔をそろえたが、コアレスレーサーが出走なら迷わず主軸視。ここでもスケールの違いを見せつける。
デビュー2戦目(中山芝1200m)を快勝し、朝日杯FSでブービー負けながら0・9秒差(優勝はドリームジャーニー)。その後は未勝利に終わり、障害1戦を経て転入。初戦は3ヵ月半ぶりのハンデがありながら、格付けにも恵まれて1着。
この一戦を叩かれて上昇一途。岩手2戦目の夏油賞で豪快なマクリを決めて2着に0・8秒差。3戦目の十和田湖賞は1・2秒差。そして前走、B2昇級戦は逃げの手に出て2着に1・9秒差。着差を広げていく一方で破竹の進撃を続けている。
なんと言っても魅力は530キロ前後の馬格から繰り出す豪快なフットワーク。しかも前走は逃げ切り勝ちを決めてどんな流れにも対応OKを証明し、早くもオープン入り間違いなしともっぱらの噂だ。
コアレスレーサーで単不動。焦点は2着争いに絞られるが、これがちょっと難解。ハンデも微妙に影響しそうで、おそらく人気も割れるが、アルカイクスマイルをピックアップしてみたい。
JRA0勝→北海道1勝→岩手1勝→JRA0勝→岩手2勝がこれまでの履歴。こと地方に限れば抜群の安定感を誇り、岩手では6戦すべて連対を果たしている。このタイプはメンバー関係なしに上位入線し、コアレスレーサーがいなければ主力視できるはず。
モエレアンドロメダはここ2戦は8、3着と足踏み続けているが、前者は適性のない芝、後者はテン乗りでうまく流れに乗れなかったため。今回も同じ56キロのハンデだが、巻き返しに転じて不思議はない。
エアザゲームは岩手初戦4着。相手がコアレスレーサーで仕方なしだったと言えるし、初コースにも戸惑った印象。しかし地元に戻った前走は積極的なレース運びから4角先頭。惜しくもアマデウスにゴール前で差し切られたが、アタマ差2着。敗れてなお強しの印象を与えた。タイムは見劣るが、55キロのハンデにも恵まれたことを生かす。
そのエアザゲーム相手に前回快勝アマデウス、2戦ひと息の結果ながら実力ヒケ取らないシルクバリアントも軽視できない。
◎(2)コアレスレーサー
○(6)アルカイクスマイル
▲(3)モエレアンドロメダ
△(8)エアザゲーム
△(10)アマデウス
△(4)シルクバリアント
3連単は2を1着固定に2、6、3、8へ2、3着流し
馬複は2-6、2-3、2-8、2-10
<お奨めの1頭>
8レース アドマイヤセレス
転入初戦を逃げ切って圧勝。さすが移籍直前のJRA芝で2着確保した実力馬。今回はさらにメンバーが甘くなり首位不動
来週の16日、水沢競馬場で「レディースジョッキーズシリーズ2009」が開幕します。
地方競馬だけでなくJRAも含め、全国の女性騎手が集結して女王の座を争うこのシリーズは今年で4回目。岩手からは地元の紅一点・皆川麻由美騎手が出場、悲願の総合優勝を目指します。
その皆川騎手ですが、過去3回のこのシリーズでは3度とも総合3位。06年は1位と17ポイント差、07年は11ポイント差、昨年は13ポイント差でした。皆川騎手と同様に06年・07年と連続で総合2位に甘んじた高知・別府真衣騎手が昨年とうとう総合優勝を果たしたように、皆川騎手にも頂点を極めてほしい・・・、というのは本人のみならず岩手のファンの希望であり期待でもあります。
皆川騎手にとって好材料なのは、なんといっても地元からスタートできるという点。07年も水沢からのスタートでしたが幸先良く第1戦を制し、水沢ラウンド1位で発進しました。走り慣れた地元で可能な限りポイントを稼いでおく、というのがその後の戦いにつながるはず。
もう一つは、今回はいずれも皆川騎手に騎乗経験・優勝経験がある競馬場での開催になる点。シリーズ最初は水沢、第2ラウンドは荒尾、第3ラウンドは高知。水沢はもちろんとして、荒尾は今年の冬に冬季遠征に行ったりして乗り慣れたところ、高知は前回の開催時に1勝を挙げて相性良し。
まずは水沢での2戦で良い成績を。今回はほぼ半月の間に3ラウンド行う短期決戦だけに、最初に勢いに乗ってしまえば一気に押し切れるかもしれません。楽しみですね。
月曜のメインレースはA級一組の1800m戦「胆沢郷土資料館レース」。ざっと見て目がとまるのがボスアミーゴで、重特の勝ち星数ではメンバー中群を抜く存在です。・・・なのですが、しかしそのほとんどは芝でのもの、ダートでの勝利は3歳5月の七時雨賞以来なく、ダートでは普通の馬と考えなくてはなりません。
となるとここでの主軸は他から選ばなくては・・・という事になるのですが、それにふさわしい馬はどれなのか?
ちょうどお奨めしたい馬がいます。(2)エイシンイッパツです。前走は2500mの北上川大賞典、結果は勝ち馬から約7馬身差の4着でしたが、ハナを奪って直線半ばまで粘り続けた姿は印象深いものでした。
改めて振り返ってみれば過去の4勝はいずれもダート1700mか1800mでのもの。距離は不安が無いどころかむしろ得意といえるでしょうし、加えて有利な2枠、先週ほどではないにせよ依然続いている先行有利のコース状態。今回の闘いぶりには注目せざるを得ません。期待を込めて本命視。
対抗は(7)トウショウアタック。前走は直線で思った以上に止まった感があって正直不満の残る内容。ですが地方の流れが合いそうだという手応えもありました。強力同型がいますが、すんなり流れに乗って先行できればそうそう崩れないのでは。
(3)ダークマターが単穴。ここ2戦の感じからはちょっと良い時期を過ぎつつある予感。しかし盛岡よりは水沢の方が自在に動ける馬ですし、なんとなれば前で競馬もできるタイプ。勝ち負けを争って不思議はありません。
後はなかなか微妙な力関係ですが、まずは(8)ソフトパワー。スタートからレース序盤をスムーズに乗りきれば、場合によっては差し脚すら使える馬。嵌ればここでも勝てる力の持ち主です。
そして(4)ストロングラムダ。前走はだいぶ良いところまで粘れるようになっていました。元々平坦コース向きでJRA時代も新潟ではさほど大きく離されていません。水沢替わりで注目したいですね。
★買い目
馬単(2)=(7)、(2)=(3)、(7)=(3)、(2)=(8)、(2)=(4)
★お奨めこの一頭
7R:エーシンエッティン
2走前に敗れたのは相手が強かっただけ。この辺ならまだ頭ふたつくらい抜けている。
8日(日)メインはオープン馬による短距離特別「栗駒賞」(水沢1400m)、9頭立て。
この栗駒賞はいくつかの変遷を経て現在に至っている。1989年(平成元年)、アラブC級の特別として創設され、2000年からサラブレッド東北三県交流重賞へ格上げ。翌01年から東日本まで門戸を広げ、クラスターCトライアルで実施。しかし07年からマイル特別に変わり、実施時期も春4月へ変更。シアンモア記念トライアルに位置づけられていたが、今年は11月へ移行。条件も変わって水沢1400mで実施することになった。
主軸にトーセンザオーを指名。中央7勝のうち芝1200mで6勝。あと1勝はダート1200mでマークした典型的なスプリンター。
今年7月、中央で除外の連続だったため地方枠を生かせるメリットから岩手へ転入。初戦2着にまとめると、古巣のJRA・朱鷺ステークス(新潟)へ挑戦して0・9秒差13着。続いて東京盃(JpnⅡ 大井)へも遠征したが、追走するのが精一杯で3・6秒差13着に敗れた。
前走・きんもくせい賞(盛岡芝1000m)は距離適性、総合力を買われて1番人気に支持され、直線を向いた直後は完勝パターンだったが、エアムートンの強襲に遭ってアタマ差の悔しい2着。
今回は1400mの距離がカギを握るが、中央時代に07年、ギャラクシーS(阪神ダ1400m)で0・6秒差3着。そのときの走破タイム1分23秒0をマークすれば、今度こそ期待に応えてくれるに違いない。
逆転筆頭はゴールドマイン。中央4勝の内訳はダ1600mで3勝、1800mで1勝。北上川大賞典は守備範囲を超えた2500mが懸念されたが、前半じっくり待機して3コーナーからスパート。この戦法が見事はまり、リュウノキングダムには離されたが、2着を確保した。
今回は2500mからいきなり1400mへ短縮され、ペースに戸惑わないかが不安材料だが、折り合いがつき鞍上の指示に素直に反応するタイプ。その意味では1400m対応も大丈夫だろう。
アンダーボナンザは転厩初戦を快勝。元々、寒い時期に活躍が集中し、これからが彼の季節。ベストの舞台はマイルで今回は1ハロン短いが、ペース速くなれば一気台頭のシーンまで。
あとは7月、同じ水沢1400mで行われた岩鷲賞を快勝ダンストンリアル、距離適性あるグッドストーンも軽視できない。
◎(2)トーセンザオー
○(1)ゴールドマイン
▲(6)アンダーボナンザ
△(8)ダンストンリアル
△(7)グッドストーン
3連単は2、1、6のボックスが本線。あとは2、1の折り返しから6、8、7流し
馬複は 1-2、2-6、2-8、2-7
<お奨めの1頭>
9レース アエカサミラ
転入初戦、中団キープから豪快に抜け出して圧勝。タイムもすばらしく、C1はフリーパス
7日(土)メイン10レースはA級二組「明治記念館レース」(水沢1600m)、10頭立て。
主軸にソノマンマを指名する。園田デビューで2勝、大井0勝から転入し、B2級へ格付け。初戦は転入直前の内容と初の左回りが不安視され、9頭立て8番人気と低評価だったが、見事覆してタイム差なし2着。1着も6番人気アサクサロタースが逃げ切り、3着も同じく6人気タイキサファリが入り、3連単40万円のビッグ配当を演出した。
続く2戦目、3戦目も3着、2着にまとめマズマズのスタートを切ったが、本当に驚かせたのは4戦目以降だった。
戦いの場に盛岡芝を選び、アッサリ直線抜け出しを決めて快勝し、続いて昇級戦の芝B1戦も制して連勝。勢いを駆ってオープン特別・桂樹杯へ強気の挑戦。そこでも3角で先頭に立ち、ボスアミーゴの0・3秒差3着に粘る健闘を披露した。
その後も水沢1800m1着、JRA交流・フレンドリーC(芝1700m)と連勝。前走はエイシンアサヒオーの逃げ切り圧勝に屈したが、2着を死守。岩手転入後すべて3着以上という抜群の安定度を誇っている。
現在、ソノマンマは4歳。これほど岩手の水が合うケースもそうざらにはなく、今後の活躍も非常に楽しみ。ただ、ダート戦では芝で見せるシャープさが若干劣り、取りこぼしもありそうだが、今回のメンバーならキッチリ勝っておきたいところだろう。
逆転筆頭はアサクサロータス。転入当初は勝つか凡走かの極端なレースを繰り返し、B1で頭打ちの感もあった。しかし思い切った逃げの手に出て開眼。今季すでに6勝を荒稼ぎした。
逃げ馬の宿命ゆえ、出バナを叩かれると脆い面を出すときもあるが、気分良く逃げた際には直線で二の脚を駆使し、他を寄せつけないワンサイドレースを決めている。
今回もカギを握るのは展開だが、4枠はマズマズの枠順だし、ラッキーなことに同型が不在。前記ソノマンマを逆転の可能性も十分ありえる。
ヒカルメイオーは7月、マーキュリーカップ(JpnⅢ)でクインオブクインにクビ差まで肉薄して6着。これで燃え尽きてしまった訳でもないだろうが、以降は入着止まりを繰り返している。
それでもこのメンバーでは底力の違いは明白。久々に切れるヒカルメイオーを期待したい。
良く顔合わせするケイジー2頭だが、今回はケイジーウィザードを重視してみた。ここ3戦こそ着外に沈んでいるが、元々が盛岡戦は反応がひと息。水沢マイルは<2.4.1.0>と最も得意とする条件。反撃に転じてなんら不思議はない。
あとは3歳特別・クリスタル賞でロードカイザーを深追いして3着ダンストンジールの巻き返しにも注目。
◎(5)ソノマンマ
○(4)アサクサロータス
▲(3)ヒカルメイオー
△(6)ケイジーウィザード
△(8)ダンストンジール
3連単は5、4の1、2着折り返しから3、6、8へ3着流し。あとは3を軸にする手も十分
馬複は 4-5、3-5、5-6、3-4
<お奨めの1頭>
4レース デルマジュピター
3戦連続で2着と悔しいレースの連続だったが、今回はメンバー有利は明白。待望の岩手初勝利を飾る