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やっぱり馬が好き(第59回) 旋丸 巴

2009年11月13日(金)

芦毛三姉妹と白馬四兄弟

 ばんえい界の名物厩務員ヤスさん曰く「白が暗刻(あんこ)った」

 麻雀に興味の無い方のために解説申し上げれば、つまりは、3頭の芦毛がヤスさんの担当となった、と。

 ヤスさんと言えば、言わずと知れた名馬フクイズミの担当者さんだけど、そこにメジロハナコ、トモエカルメンが現われて、気が付けば、ヤスさんの担当馬は芦毛の牝馬が3頭。血統的には全く繋がりは無いけど、しかし、ここは敢えて、こう名付けて売り出すことに。

 「芦毛三姉妹!」

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芦毛三姉妹揃い踏み。左からフクイズミ、メジロハナコ、トモエカルメン
(写真提供:ヤスさん)

 長女フクイズミは、もう説明の必要も無いでしょう、現役最強牝馬にして、その鋭い差し脚とキュートなキャラクターで大人気の名牝。

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フクちゃんは、いつだつて可愛い

 次女メジロハナコは、去年の今頃は線の細いお嬢様だったのだけど、この夏から急成長。3連勝を含む5勝をあげて、同世代牝馬陣のトップクラスにのし上がってきた成長株。

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ベロ出しハナコ

 そして、末娘のトモエカルメンは、2歳の可憐な少女、と言いたいところだけれど、この馬も成長著しくて、元々、背の高い馬だったところに最近は横幅も出て、それにつれて成績も上昇中。まだまだ性格的に甘いところがあって、なかなか勝ち上がれないけれど、お姉ちゃん達を目標に頑張っているところである。

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シャムネコ風のカルメン

 と、三姉妹揃って、しかし、同じ芦毛でも微妙に色合いが違うところが、この子達の可愛いところ。連銭芦毛と呼ばれる銭形の模様が特徴のフクちゃん。全身、黒と白の刺し毛が満遍なく配合されたような黒っぽい芦毛のハナコ。そして、シャム猫さながらの黒いソックスを履いたカルメン。

 それぞれに、それぞれの意匠を凝らしたお洒落な三姉妹なのである。

 名門・松井浩文厩舎が揃えた逸材。フクちゃんを筆頭に大暴れしてくれることでしょうね、当然。

     *    *    *

 と、今回はこの三姉妹のことだけを紹介するつもりだったけれど、ここまで書いたら、どうしても、もうひとつのユニットを紹介したくなって自制が効かなくなった。

 こちらのユニット名は「白馬四兄弟」

 って、私が勝手に名付けただけなんだけどね。その四兄弟というのが、エビスオニワカ、リアルスペシャル、アオノレクサス、ハクバオウジ。芦毛三姉妹とは違って、この4頭は正真正銘の兄弟。しかも、父親まで同じ全兄弟で、なおかつ4年連続の年子。

 父は、ばんえい記念で執念の坂越えを見せた芦毛のエビスタイショウ。母スズノコトブキも芦毛だから、生まれた四兄弟も揃って芦毛。なおかつ、父に似て勝負根性が凄い。

 04年生まれの長兄オニワカは350万円未満クラス。05年リアルスペシャルは120万未満クラス。06年レクサスはイレネー記念2着、先日のばんえい菊花賞でも2着と3歳世代でトップを争う存在。末弟06年生まれハクバオウジも2歳A-1クラスで活躍中。と、厳しい競馬の世界で、全兄弟4頭が揃って活躍しているのだから驚異的。

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ハクバオウジ

 血統的にもフクイズミのおいに当たる名血、と、注目に値する期待の四兄弟。

 私は、特に芦毛フェチという訳ではない。けれども、しかし、ここまで駒が揃ったら芦毛軍団を応援しないわけには行かない、でしょ?

 芦毛三姉妹、白馬四兄弟、共に大活躍して、「白い嵐」を巻き起こしておくれ~!!

今週の見どころ(11/14~11/16)

 先週から始まった、2歳馬によるばんえい甲子園。8日(日)に行われた予選第1弾・北央産駒特別は、カネサブラックの半妹カネサアカリが制しました。15日(日)第10レースには予選第2弾・南北海道産駒特別が組まれています。
 ところで、16日(月)の第10レース・とかち北あかり賞は園田競馬場などで場外発売されます。当日、同競馬場では竹之上次男アナ(園田・姫路競馬実況)によるばんえい競馬予想トークが予定されています。お近くの方はぜひお越しください。

 11月14日(土)のメイン第11レースに七五三特別(オープン混合・16:50発走予定)が行われます。
 オープンの7頭中5頭は前開催にばん馬まつり特別(オープン)を使われていました。
 そのレースでメンバー中最先着の2着だったのがナカゼンスピード。平場でも障害で崩れて早々に勝負圏から去るレースが続いていましたが、前走は荷物を積まれる特別戦にもかかわらず、第2障害3番手から伸び、今年2月以来の連対を果たしました。障害さえマトモならという条件はつきますが、もともと切れ味には定評があるだけに、相手が楽になったここは差し切る可能性もありそうです。
 ばん馬まつり特別ではナカゼンスピードとの叩き合いに敗れ3着惜敗のアローファイターや、同レースで僅差4着と引き続き好調なトモエパワーも有力。同7着に敗れたものの障害のキレは悪くなかったシベチャタイガーも展開しだいで巻き返しが期待できます。

 11月15日(日)のメイン第11レースにオータムカップ(オープン・16:50発走予定)が行われます。
 前開催の同条件戦・狩勝賞の上位3頭、ナリタボブサップホクショウダイヤニシキダイジンに、スーパークリントンを加えた4頭による争いが濃厚です。
 なかでも注目はスーパークリントン。前開催のもうひとつのオープン特別を第2障害先頭クリアから、ゴール前後続に並ばれたものの振り切って勝利。競られると弱い馬ですが、最後まで根負けしなかったのが収穫でした。その勝利が昨年の北見記念以来の白星。次開催(11月29日)に控えた今年の同重賞へ向けて、ここを勝って勢いに乗りたいところでしょう。

 この日の第10レースには南北海道産駒特別(2歳産地限定)が組まれています。石狩、後志、渡島、檜山、胆振、日高地区、及び道外産駒による限定戦。ちなみに、近年(06~08年デビュー)の同地区産の活躍馬としては、ライデンロック(08年ばんえい大賞典、ばんえいダービーなど重賞3勝)が挙げられます。
 実績上位なのがダイリンビューティ。10月18日の白菊賞(2歳牝馬オープン)を第2障害先頭から押し切っています。これに続くのが2歳A-3勝ちがあるエアージャンボでしょうか。
 勢いでは、デビュー以来連対を外していない2頭、ニューカツタロー(3戦3勝)とツジノコウフクヒメ(3勝、2着1回)。ともに今回がオープン初挑戦となりますが、メンバー的にさほど強化した感もないため、上位進出が狙えそうです。

  11月16日(月)のメイン第11レースに初雪特別(270万円未満・16:50発走予定) が行われます。
  8月以来久々の出走ですが、快速馬ライデンヒーローに期待。休養前はこの270万円条件で、特別を含め11戦2勝、2着2回、3着4回とほとんどのレースで上位に入っていました。実績的に連対は外さないでしょう。
  相手は、フレイムスワロースギノディアスが有力。ともにゴール前でのひと押しが足りませんが、この条件では多くのレースで上位争いに参加しています。有力どころに前に行きたい馬が揃ったため、キンセイモンの末脚がハマる可能性もあるでしょう。。
  この条件で2連勝中の3歳牝馬ワタシハキレイズキは別定25キロが心配です。

 この日の第10レースはとかち北あかり賞(混合450万円未満)

 前走1着で惜敗続きに終止符を打ったマルミシュンキが中心になりそう。目下、準オープン格付に甘んじていますが、もともとはナリタボブサップ、ホクショウダイヤらと好勝負を演じていた実力馬。ここも勝ってオープン復帰といきたいところです。

今週の見どころ(11/7~11/9)

2009年11月 6日(金)

 今年もいよいよばんえい甲子園が開幕。2歳馬を産地ごとに5つのブロックに分け予選を戦い、決勝戦である12月30日の重賞・ヤングチャンピオンシップを目指します。8日(日)の第10レースにその予選の第1弾・北央産駒特別が行われます。
 なお8日のメインは牝馬オープンによるレディースカップ。当日はレディースデーとして、女性の方は競馬場への入場が無料となりますので、ぜひお越しください。

 11月7日(土)のメイン第11レースは立冬特別(450万円未満・16:50発走予定)
 休み明けの前走オパール特別(450万円未満)を快勝したホクトキングを中心視します。相変わらず障害に甘さが残りますが、前走の勝利は決め手上位のニシキセンプーを差し切ってのものだけに価値があります。今回は前走から別定5キロ増となりますが、オープン復帰を目指し、ここで立ち止まるわけにはいきません。
 相手筆頭はニシキセンプー。前走は完全に勝ちパターンでしたが、相手が悪かったとしかいいようがありません。今回、ホクトキングとハンデ差がなくなるところに逆転の可能性を見出したいところです。
 4歳の2頭、オパール特別では1番人気で3着のオレワスゴイ、3番人気で8着のウメノタイショウも、実力的に十分巻き返しが期待できそうです。

 11月8日(日)のメイン第11レースにはレディースカップ(4歳以上牝馬オープン・16:50発走予定)が行われます。オープン710キロから1格付下がるごとに10キロ減。オープン馬は本年度の収得賞金100万円ごとに10キロ増という別定重量戦で、ギャンブラークインのみ10キロ増で720キロとなりました。
 期待したいのは690キロで出走のニシキエース。今年5月の牝馬重賞・カーネーションカップでは第2障害6番手から豪快に追い込んで、今回も出走のエンジュオウカンギャンブラークインに次ぐ3着に健闘しています。当時先着された2頭との負担重量差が今回は10~20キロひろがっており、4歳の成長度も考えれば、十分に逆転が望めるでしょう。
 相手筆頭は、同じく4歳のユーファンタジー。前走の4歳牝馬重賞・クインカップでは今回と同じ20キロ差でニシキエースを下しています。一線級の古馬牝馬とは初対戦だけに、ペース慣れが必要でしょうが、目下の勢いは侮れません。
 若い両馬の挑戦を、豊富な経験が武器のギャンブラークインエンジュオウカンニシキユウトカチプリティーらが受けて立ちます。

 この日の第10レースに北央産駒特別(2歳産地限定)が組まれています。
 空知、上川、留萌、宗谷地区産駒による限定戦。ちなみに、近年(06~08年デビュー)の同地区産の活躍馬としては、ウメノタイショウ(08年ばんえい大賞典2着、09年柏林賞2着)、カネサリュウ(07年ホクレン賞、イレネー記念)などが挙げられます。
 抜けた馬がいない組み合わせですが、唯一の3勝馬シンエイドリームが中心となりそう。6月の2歳受賞戦で、のちのナナカマド賞3着馬ホクショウバトルを下している実績も光ります。
 2歳A-3でシンエイドリームに先着しているベツカイローズや、相手なりに走れるバカヂカラ、カネサブラックの半妹という良血カネサアカリらが相手でしょう。

  11月9日(月)のメイン第11レースに霜柱特別(350万円未満・16:50発走予定)が行われます。 
 前開催の秋陽特別(350万円条件)では1番人気を裏切ったマックスセンプーの巻き返しに期待します。そのレースこそ第2障害で崩れ8着でしたが、それまで同条件特別では2戦連続で2着に入っていました。もともとは障害巧者だけに、今回は立て直してくるはず。再び連対圏突入をうかがいます。 
 ホクショウドラゴンも秋陽特別に出走。最後方での第2障害クリアでしたが、持ち前の決め手を見せ5着に追い込みました。前走450万円未満決勝混合でも障害でヨレてしまいましたが、良化がうかがえる4着。ここはさらなる上位進出に期待できそうです。
 休養明けで秋陽特別を差し切ったマルモスペシャルも有力。同3着のアグリミズキは、前走450万円未満決勝混合を鮮やかに逃げ切って勢いに乗っています。 
 オープン経験馬のキョウエイボーイグレートサンデーも実力どおりの走りができれば差のないところです。

11/1ばんえい菊花賞回顧

2009年11月 2日(月)

キタノタイショウ世代最強を証明!

 1日(日)は3歳三冠の第2弾・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、キタノタイショウが優勝。イレネー記念に続く勝利で、世代上位の力を見せつけました。

 第1障害ではヒマワリカツヒメがやや遅れるかたちでしたが、徐々に追いついてほぼ横一線で中間点を通過。軽馬場もあってか、やや速い展開でレースが進んでいきました。障害手前で3、4頭が息を入れ、結局はバラついた隊形で勝負どころの第2障害へ。
 間髪入れずに仕掛けたのはワタシハキレイズキ。しかし続けて仕掛けたアオノレクサスの白い馬体もグイグイ上がり、結局はアオノレクサスが先頭でクリア。一気に突き放したいところでしたが、そうはさせじと、障害でじっくりタメていたキタノタイショウがひと腰で荷物を上げきり、2番手で障害を越えていきました。差なくホクショウバンク、ワタシハキレイズキ、ワタシハスゴイが続く展開。
 先頭を行くアオノレクサスの脚が鈍りはじめ、一気に差を詰めたのがキタノタイショウ。目を見張るような豪快な末脚を繰り出し、残り20メートル付近で追いつき、残り10メートルで完全に抜け出す圧倒的なレースぶり。結果、1馬身半ほどの差をつけてゴールを駆け抜けました。粘ったアオノレクサスが2着で、3着にはホクショウバンク。イレネー記念とまったく同じ1~3着となりました。

 キタノタイショウは前述の通り重賞2勝目。一冠目のばんえい大賞典は重量を課せられることを嫌って回避しましたが、2歳チャンプの名に恥じないレースぶりで世代最強を証明しました。持ち前のスピードに加え、ここへきて馬体を着実に増やしたことからも力強さを増した印象。さらなる重量増加にも対応できそうで、今後の飛躍が大いに期待できそうです。
 アオノレクサスは抜群の障害力を見せましたが、イレネー記念同様にキタノタイショウに交わされての2着。ばんえい大賞典ではトップハンデを課せられて7着でしたが、定量戦のここなら話は別。やはり世代上位の力を持っていることは間違いなく、しまいの粘りが増せば、悲願の重賞初制覇も可能性十分です。
 ゴール前でも確かな脚取りを見せていたホクショウバンクですが、結局アオノレクサスを捉えきれず3着。ただ結果的には障害の差と言えそうで、展開次第では逆転可能な範囲。今後の巻き返しに期待できそうです。

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大河原和雄騎手「スタッフが万全に仕上げてくれたので、あとは自分がいかに操縦するか、それだけでした。軽めの馬場も天からのプレゼントでしたね。第2障害を上がった時点で、イケると確信しました。ばんえい菊花賞はこれまでも多くの名馬に獲らせてもらっていますが、調教師に初めてこのレースをプレゼントすることができましたね」

11/1ばんえい菊花賞予想 山崎エリカ

2009年11月 1日(日)

アオノレクサスにチャンス到来

 11月1日(日)は帯広競馬場で競馬実況アナウンサーの小枝佳代さん、馬エッセイストの旋丸巴さんと一緒に「JBC&ばんえい菊花賞予想トークショー」をやらせて頂きます。8レース終了後の15時20分から帯広競馬場1階中央特設コーナー、もしくはパドック横表彰台でやらせて頂きますので、お近くにお住まいの方はぜひ遊びに来て下さいね♪

 そんなこんなで、ぜひとも当てたいばんえい菊花賞。◎にしてみたいのは2歳(明け3歳)チャンピオン決定戦のイレネー記念で2着のアオノレクサスです。自己条件の特別戦の前走は、道中から積極的に動いた分、ゴール前の直線で止まってしまっての9着でしたが、もう少し刻んで行ったら上位が狙えたような内容でした。イレネー記念で先着を許したキタノタイショウはこのメンバーでは実績最上位の存在ですが、同馬は今回休養明けで高重量戦の重賞に挑むわけですから、人気ほどの信頼はできないでしょう。実際にばんえい大賞典をスキップして挑んだ、栗毛馬選抜戦のゴールデンホース賞では4着に敗れていますから、今回は逆転の可能性に期待します。

 ○にはそのキタノタイショウ。メンバー中、唯一450万クラスで戦っていた実績馬ですから、休養明けといえどもあっさりクリアしてしまう可能性も考えられます。2開催休ませたことで、スタミナが不足した状態でしょうから、日曜日の雨は恵みの雨となりそうです。

 ▲にはばんえいプリンセス賞の勝ち馬ワタシハキレイズキ。今回は前走比60kg増の重量を曳くことになりますが、自分でペースを作って目下2連勝の勢いを考えると、やはり重い印を打たざるを得ません。

 あとは△に2歳時の重賞ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップでは◎○を下し、イレネー記念でも3着のホクショウバンク。前走の270万クラスの決勝では、先週のクインカップを制したユーファンタジーに先着を許しましたが、休養明けを使われつつ基調を上げてきているので、今回で通用しても不思議ではありません。

 △にはばんえい大賞典の勝ち馬ワタシハスゴイ。前3走は障害で崩れてしまい本調子ではない様子でしたが、1開催休ませたことが良いリフレッシュになれば今回で変わり身を見せる可能性も少しだけ考えられます。

 ◎アオノレクサス
 ○キタノタイショウ
 ▲ワタシハキレイズキ
 △ホクショウバンク
 △ワタシハスゴイ

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