6月28日(日)のメインは第40回旭川記念。基礎重量770キロ(牝馬20キロ減)から本年度の収得賞金70万円につき10キロ増となる別定重量で争われます。
ばんえい十勝オッズパーク杯(4月26日)の覇者カネサブラックのみ10キロ加増されていますが、これくらいのハンデ、負担重量ならまったく苦にしないはず。先行して押し切る正攻法の競馬なら、目下同馬に敵う馬はまず見当たりません。
カネサブラックを負かせるとしたら、逆の脚質、追い込み戦法のフクイズミ、ホクショウダイヤでしょう。
なかでも注目はフクイズミ。今季2走は障害に精彩を欠いて6、5着ですが、ここへ向け立て直してくるはず。馬場状態も近走よりは落ち着きそうなだけに、オープンでもナンバー1の切れ味を見せつけてくれるでしょう。このレース2年連続2着の屈辱を晴らすことができるでしょうか。
ホクショウダイヤも連争いの資格は十分。770キロはやや重そうですが、前開催のレーシングカップ(オープン・勝ち馬カネサブラック)では2番手で障害を越えるとそのまま粘り込み、ただの追い込み馬ではないところを証明しました。
昨年の覇者ナリタボブサップも差はありません。ただ決め手勝負になると分が悪いだけに、カネサブラックより先に仕掛けたいところです。復調がうかがえるツジノコウフクにも注意が必要。5歳の大将格アローファイターは能力的にはここに入っても見劣りしません。しかし末の甘さが解消されてこないと上位食い込みは厳しいでしょう。
出走表はこちら
【参考レース】
08.6/2208年度旭川記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)
4/26ばんえい十勝オッズパーク杯(勝ち馬:カネサブラック)
6/14レーシングカップ(勝ち馬:カネサブラック)
6/15ビッグウエイトカップ(2着馬:ナリタボブサップ)
6月28日(日)のメインには3歳以上による重賞・第40回旭川記念が組まれています。ばんえいの重賞でも権威がある四大記念競走(ほかに、岩見沢記念、北見記念、帯広記念)の初戦で、今年も好メンバー10頭が揃いました。このところ悪天候に悩まされ軽めの馬場状態が続いていましたが、今週に入ってから天気が安定。久々に、ばんえいの醍醐味であるパワフルなレースが期待できそうです。
6月27日(土)のメイン第11レースに旭川のお米JAたいせつ米杯(350万円未満・20:00発走予定)が行われます。
ここ2開催の十勝川西長いも特別、十勝岳特別(ともに350万円未満)と連勝したニシキセンプーが今開催から450万円条件に昇級。強敵がいなくなったことで、今回は十勝川西長いも特別で僅差2着のメダマの巻き返しが濃厚です。十勝岳特別は無念の出走取消でしたが、ここはきっちり差し切ってくれるでしょう。
相手は十勝岳特別4着で障害巧者のトウリュウが有力。昨季は準オープンクラスで勝ち星をマークしている格上馬グレートサンデーとヨコハマイサム、昇級2戦目でペース慣れが見込める4歳馬ウメノタイショウも争覇圏です。
6月28日(日)のメイン第11レースは第40回旭川記念(20:05発走予定)です。このレースは別掲の旭川記念プレビューをご覧ください。
この日の第7レースには3・4歳牝馬オープン決勝が組まれています。6月20日の紅バラ賞(4歳牝馬オープン・馬場水分6.9%)と21日の黒ユリ賞(3歳牝馬オープン・同7.5%)の1着を除く上位馬による一戦です。
4歳馬では、紅バラ賞2着のスマイルダンスに注目。不向きな忙しい流れのなか主導権を奪って粘り込んだレースぶりには好感が持てました。格、実績ともナンバー1なのはニシキエース(5着)ですが、さすがに最大70キロ差のトップハンデは厳しそうです。
一方の3歳勢。黒ユリ賞は2〜5着までがわずか3秒6差の大混戦でした。追い込んで届かなかったスーパーコマチ(3着)に今回は流れが向きそうです。叩き合いになれば4着ワタシハキレイズキがしぶとさを発揮する場面も一考です。
6月29日(月)のメイン第11レースは米処おいしい旭川米杯(270万円未満・20:00発走予定)。
ここは、若さあふれる快速馬2頭、4歳のアカダケキング、5歳のライデンヒーローの対決に注目です。
アカダケキングは前々走の4歳重賞・柏林賞では押っつけて行き先頭で第2障害を越えると、見せ場たっぷりの3着に健闘。前走平場の270万円未満でも先行し先団3頭の争いから抜け出し勝利しています。
ライデンヒーローは5月16日の270万円未満特別を勝利。続くシャクナゲ特別(270万円未満)では負担重量が5キロ加増、前走からは15キロ加増となりましたが、逃げ粘ってコンマ8秒差の3着と底力を示しました。
2頭の前回の対戦は昨年9月15日で、その時はライデンヒーローが勝利。2度目となる今回はどちらに軍配が上がるでしょうか。
ほかにも、目下2連勝のマックスセンプー、シャクナゲ特別を差し切ったトマランサーら好調馬が揃いました。近2走のオールカマーは惨敗だったコマヨシニセイが自己条件で巻き返す可能性もありそうです。
第30回 馬好き・真面目なハニーフェイス 菊池一樹
--- デビューしてみて今日まで、いかがですか。
想像と違う……。
もっとやれるかなと思いました。長澤君はすごいですね。センスもあるとみんな言ってるし、服部厩舎で、乗れる馬の数も多いし。
--- でも菊池さんも大橋厩舎でしょう!
はい。先輩方(西弘美・西謙一騎手)が色々教えてくれます。
騎乗はまわしてくれないですけど(笑)。
--- この世界に入ったきっかけを教えてください。
学校の就職活動の時に、インターネットの求人で見つけました。馬の仕事ならなんでも、って。
--- もともと平地競馬のファンだったそうですね。ばんえいのことは知っていましたか?
こういうのがあるなってくらいでした。
最初はサラブレッド。中学生の時からずっと競馬見てました。初めて見たレースが、テイエムオペラオーが勝った有馬記念(2000年)。
すごいな、って印象に残って、そこから馬の強さに引かれて。ダビスタやゲーセンの競馬ゲームでも、どんどんのめりこみました。
--- 菊池騎手は厩務員時代、JRA Dayの交流会でJRAの騎手に、服に直接サインしてもらっていましたよね。JRAの騎手になろうとは思いましたか?
騎手? 騎手までは……厩務員なら。騎手にはそんな興味なかったです。馬、馬。
--- 今年も予定されているJRA Dayには騎手として参加ですね。
はい、思いっきり参加しますよ!
--- 馬の魅力はなんでしょう。
うーん、いっぱいありすぎて……。
かわいいところもありますけど、にくたらしいところもあって……。逆にそういうところがあれば、気合入っているようにも見えるっていうか。あまりおとなしすぎてもだめなんで。
--- もともと動物好き?
そうです。動物好きです。
--- サラブレッドからばんえいを見てギャップはありましたか?
最初はでかいとは思ったんですけど……、特にないです。いろんな馬いますから、対応はしています。
--- 林騎手と同時期に競馬場に来たそうですね。
厩務員は3年か4年やって、3年目で騎手試験に受かりました。
林君とは仲いいですけど、一緒にどっか行ったりはしないです。
プライベートは、厩舎の人と釣りに行ったりします。釣りは大好きです。大津、大樹、広尾、海でも川でも色々なところに行きます。
--- ばんえいには釣りをする人が多いですよね。
そうですね。(藤本)匠さんとか、大河原さんとか。一緒には行かないですけど、行ったら会います。
昔っから釣りが好きなんです。
--- 西親子と同じ岩手出身ですが、関係はあるのでしょうか。
関係はないんですよね。最初に入ったのは違う厩舎だったし。でも(西)弘美さんと調教師には今の厩舎に誘われました。(岩手だからではなくて)たまたま、よく働いているのを見てたんだと思います。
--- 思い入れのある馬がいれば教えてください。
トリノヒメって牝馬がいるんですけど、血統がいいんです。ホッカイクロフネの妹。障害も絶対上がるって自信あるんで、もうちょっと自分が頑張ればオープン狙えるかなって。
--- 自分のここを見てくれというところはありますか。連対率が高いですよね。2着が多いけど……。
うーん(苦笑)。勝つところを見てください。勝つために応援をお願いします!
--- では最後に、ばんえいの良さを教えてください。
騎手の個性が強いんで、そこを見て欲しいです。騎手によってレース内容が変わったりするので。
--- じゃあ、菊池騎手の個性はなんでしょう。
うーん……がむしゃらにやってるところかな。
馬に対する真摯な態度と自信を感じました。真面目なんですね。
石川遼選手や三浦皇成騎手に雰囲気が似ていると思いませんか? 流行りのスポーツ選手顔なのだと思います。
大きく目立たなくても結果を残すところは、西親子に似たものを感じます。癒され顔に女性ファンが多いのも似てますよ!
今後の活躍を期待しています。
取材・文・写真/斎藤友香
ウィナーミミがまず一冠!
21日(日)は牝馬三冠の第1弾・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、2番人気のウィナーミミが優勝。2着に1番人気のワタシハスゴイが入り、人気サイドでの決着となりました。
タワノアヤカが出走を取り消し9頭立て。スタートでヒマワリカツヒメがやや立ち遅れましたが、各馬横一線で第1障害を通過。道中でイレマルリュウジン、スーパーコマチ、ビフカミツエが脚を止め、ウィナーミミ、ワタシハスゴイの人気どころとコマクインが先頭で第2障害下にたどり着きました。
ひと呼吸おいてコマクインが最初に仕掛けると、各馬も続々と登坂開始。真っ先に抜け出したのはウィナーミミで、半馬身程度の差でワタシハスゴイとコマクインが続く展開。ワタシハキレイズキとビフカミツエもこの一角で障害を下りていきました。
ここから軽快に脚を伸ばしたのがウィナーミミ。2馬身、3馬身と一気に差を広げると、ゴールまでしっかりした脚いろを見せて先頭でゴールを果たしました。追ってきたワタシハスゴイは、残り30メートル付近でいったん脚いろが鈍ったものの、再加速して2着を確保。障害6番手からしぶとく末脚を伸ばしたスーパーコマチが3着で入線しました。なお、イレマルリュウジンは障害でのヒザ折りから立ち直れず競走を中止しました。
勝ったウィナーミミは、2月のバレンタインカップに続く重賞2勝目。当時は2秒の間に4頭が入線する大混戦で力量差を感じさせませんでしたが、今回は後続を力強く突き放しての完勝。3歳牝馬戦線において、一歩も二歩もリードした印象を受けました。軽馬場とはいえしまいの脚がしっかりしていたのも好感が持て、今後の牝馬三冠戦線が楽しみです。
ワタシハスゴイは3度目となる重賞2着。勝ち切れない面こそ目立ちますが、同世代との対戦では崩れが少なく、特に牝馬戦に限れば【2210】と安定しています。力上位は明白だけに、今後順番が回ってくる可能性も十分にありそうです。