
イン走法の魔術師・青木治親を指名!
浜松オートで行われているウィナーズカップはGII にしては、と言うかGII らしいと言うか、優勝戦はなかなか異色の顔ぶれとなった。
まず9Rでは準決からハンデが重化した広瀬豪彦が、先行した岩沼靖郎を逆転して2着を確保。木村武之は奮闘及ばず、岡部聡もいい所がなかった。浦田信輔は重走路では厳しいレースに。
10Rでは、中村友和が速攻を決める。金子大輔も好位に付けていたが大外回りでペース上がらず、新井恵匠がインから抜き返して行く。更に、大木光、松本やすしに競り勝ち優出確定。
11Rは、西村龍太郎がイン速攻決め、五所淳も続いて行く。篠原睦が五所のインを狙うが仕掛けるまでは行かず、高橋貢もその後ろで行き場がない形。
12Rは、スタート決めた浅田真吾が逃げる。これに青木治親が続いたが、インを締める浅田を攻略するまでには行かない。鈴木圭一郎が5番手で全く動けないまま終了。
台風21号が近づいており、優勝戦の日も雨予報で重走路でのレースになりそう。今回は、重走路を想定しての展望にしていく。
まず現在の浜松の重走路は、アウトコースが効きづらい状態。準決10Rの金子がそうだったように、大きなコースを回ってもスピードが乗らず、走る距離的にロスが生じるだけ。このような状態では、レース序盤でインコースを取りきった者が、主導権を握ることができる。スタートに加えて、序盤の位置取りや積極的な姿勢がレース結果に大きく影響を与えてくる。これは記念の優勝戦で8周戦になっても同じこと。
そうなると、ハンデ構成的に0ハン両者が圧倒的に有利になる。広瀬は準決で健闘が目立ったが、ここは浅田にスタート行かれそうで好展開を作れないか。序盤のレース展開としては浅田がリードを作る形。
10線はほぼ枠ナリスタートになりそうなので、浅田を追って行く一番手は青木治親。大きなカギは浅田がリズムを掴む前に交わせるかどうか。青木に続いて西村や五所も続いて出て行きそう。もちろん中村、若井、新井も離されずに出て行く。
当ブログでの本命には青木を推す。浅田が逃げ態勢に入りインを締めそうだが、早い段階で青木がインに突っ込んで行きそう。1回先頭を奪取してしまえば、インコースを外さずに後続を抑えきる技術がある。青木は、今回に限らずどこのレース場でも重走路はイン一本と決めている。そのスタイルが、今回の浜松走路にピタリとマッチする。普段走っているコースを通るだけなので、本人にとってはやりやすいだろう。
相手には浅田。展開的には最も良く、10線勢が仕掛けてくる前に大きなリードを作れれば逃げ切りも十分。今回の条件を味方に記念初優勝もありそう。次に西村。10線から2番手発進できそうで、青木や浅田が態勢を作る前に交わすことができれば、今度は自分にチャンスが回ってくる。ポイントはしっかりスタート切る事と、序盤で積極的に仕掛けて行く事。この2点ができれば久々の記念制覇が見えてくる。ほぼ同じような理由で五所にもチャンスはある。最後に推すのは新井。インしか効かないコースではあるが、意外性がある新井なのであえて自在のコースで攻め上げてくる可能性も。
◎青木治親
○浅田真吾
△西村龍太郎
△五所淳
▲新井恵匠
鈴木圭一郎が山陽でのGI初制覇を狙う!
山陽の第52回GIスピード王決定戦も優勝戦の日を迎えた。予選中は有力どころが苦しみ、軽ハン勢の活躍が目立ったが、準決では10Mハンデが重化。矢野正剛が元々のハンデが最重ハンの20M前だったため、準決では最重ハンの10M前へ。それ以外の選手は最重ハンと並び、10Mオープンのレースが3個、0Mに矢野10Mに7車のハンデ構成のレースが1個の準決戦となった。
準決でも実力者が苦しむシーンが多く見られたが、それでも鈴木圭一郎、高橋貢、早川清太郎といったところは順当に勝ち上がりを決めた。単独0ハンだった矢野も会心の走りを見せ優勝戦進出。復調途上の藤岡一樹、緒方浩一らも近況の波に乗り優出。地元のS級では岩崎亮一が意地を見せ優出となった。優勝戦は0Mに矢野、10線は内から藤岡、緒方、岩崎、新井恵匠、早川、高橋貢、鈴木圭一郎となった。
0ハンの矢野はスタート残すだろう。独走が得意な矢野なので、序盤で10線勢にやられることはないか。レース前半でどこまでペースを上げられるかが大きなポイント。10Mは角度があるだけに外枠勢は不利。内からほぼ枠ナリの発進になるとみた。紛れがあるなら、大外から鈴木がカマシ気味に出て行く可能性がある程度。
矢野の逃げを追って行く一番手は藤岡、緒方といったあたり。復調している両者ではあるが、現状のスピードは矢野と互角で、追走はできても仕掛けるまでは行かないか。準決で矢野を捕えた新井なら8周戦を生かして交わすまである。もちろん、その外3車もスピード的には矢野の逃げを捕まえられるだけの走力がある。縦長の展開になりそうだ。
当ブログでの本命には鈴木を推す。内枠勢を何車か包んで行くスタートを見せ、レース序盤で先頭まで行かないにしても、いい位置に付けることはできる。8周戦でのスタミナに関しても、最も若い鈴木なので問題ない。エンジンの仕上がりも万全。仮にスタート8番手からのレースになっても、怒涛の追い込みで首位を奪取するとみた。
相手には岩崎を挙げる。準決では好ダッシュを見せ、岩崎らしいレース運びを披露した。この優勝戦も位置的には悪くなく、早い段階で先頭に立てれば大きなリードを作れるハズ。次に高橋貢。7枠からのレースで展開的には厳しくなるが、そこは百戦錬磨の猛者。前を走る車の隙を突いて、ジワリジワリと番手を上げて行きそう。エンジンの仕上がりも悪くない。そして藤岡。10線の最内は魅力大。矢野をマーク追走から一発で差し込めれば、自分の展開に持ち込み逃げ切りまである。最後に早川。課題のスタートはだいぶ良化し、ある程度の位置に付けられれば強烈な突っ込みで上位に進出できる。
◎鈴木圭一郎
○岩崎亮一
△高橋貢
△藤岡一樹
▲早川清太郎
鈴木圭一郎がプレミアムカップ初Vへ!
飯塚で行われている特別GIプレミアムカップも優勝戦のメンバーが出揃った。初日は重走路、2日目は不安定走路から始まって良に回復。3日目と4日目は良走路のもとレースが行われた。準決を軽く振り返る。
9R...好スタート切った永井大介が押し切る。ブッチ切りと言うよりは、なんとか逃げ粘った印象。後続が競り合っていた事が有利に作用していた。2番手は岩見貴史が付けていたが、中村雅人が吉原恭佑との競り合いを制し、ゴール前で岩見を交わし優出確保。
10R...浦田信輔が速攻で主導権を握る。しかし、青山周平が終始マーク追走からイン突っ込む。金子大輔は有吉辰也を攻略し、更には浦田のインに強引に突っ込み2番手奪取。
11R...トップスタートを切ったのは佐藤貴也だったが、2番手発進の鈴木圭一郎が2周1コーナーでイン突っ込む。少々ハラみ気味ながらも上手く回りハナに立つ。松尾啓史は佐藤を捲って2番手に付け、そこからは人見剛志の猛攻を防いで2着入線。
12R...大波乱。まずスタートやや遅れた荒尾聡が1周バックで落車し、丹村飛竜と五所淳が巻き込まれ他落。トップスタートを切って逃げていた前田淳に伊藤信夫がピタリ追走していたが、早川清太郎が渾身の突っ込みを見せる。しかし、これが前田、伊藤を巻き込む落車となり、結果的に競争していた岩崎亮一と穴見和正が1、2着で入線。6車落車したので、3連単は不成立に。
優勝戦当日は曇りの予報が出ており、レースは良走路で行われそう。
ここまで順調に勝ち進んでる印象があるのは鈴木と青山。準決1着の上、4日間を全て連対で通過している。その両者の比較で言えば、鈴木の方がエンジン的に苦しくなさそう。永井は準決1着通過だが、コースを必死に守っての粘り勝ち。エンジン的には上積みが必要な状態。むしろ同じレースの中村の方が、道中の動きは良かった。しかし、中村はまだ完調時の捌きが戻っているとは言えない。レース運び巧い金子と松尾は、エンジン的にもう少し伸びが欲しいか。準決12Rで恵まれて優出となった岩崎と穴見は、このメンバーになると更に厳しい戦いになりそう。
スタートは永井、鈴木、青山の3者で先行争い。鈴木が行けば、快速を武器にそのまま押し切れそう。青山が行った場合はインコースが厳しくなりそう。永井が行った場合もコースを守る走りで後続は渋滞か。中村、松尾、金子の3者は、序盤争いは厳しくなりそうだが、8周戦になるのは好材料。
現在の充実度から鈴木を本命に推す。スタート行けば、そのまま逃げ切り。仮に3~4番手発進になっても追い上げて行けるアシはある。一番、展開に左右されにくいのは鈴木だ。
相手は永井と青山。どちらもスタート決めての粘り込みに期待。大舞台での勝ち方を知っており、勝利へ最短の方法を選択するハズ。追い込みで注目は中村。スタート行けなくとも怒涛の攻めを見せてきそう。最後に松尾。記念のタイトルは少ないが、エンジンが良いときは冷静な走りで上位勢を脅かす存在になり得る。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△青山周平
△中村雅人
▲松尾啓史
三浦康平が好枠から一気に突き抜ける!
2017年、伊勢崎の夏のGII稲妻賞も最終日を迎えた。4日間の厳しいレースを戦いを終え、ファイナリスト8人が出揃った。前回覇者の早川清太郎は9Rで早々と敗退。S級選手ばかりではないGIIらしい優勝戦メンバーとなった。
その9Rは、0ハンから栗原俊介がトップスタートを決め逃げ態勢。平塚雅樹が追走していたが、三浦康平が捕え切る。早川も猛追を見せていたが3着一杯。中村雅人も精彩を欠いていた。
10R...8枠の金子大輔がまさかのフライング。0ハンから丹村司が先行したが金山周平が差し込む。しかし、吉原恭佑がイン強烈に突進し、若井友和もイン続いて優出権利をゲット。
11R...0ハンから先行した木村享平がハイペースで逃げ切る。10線からは荒尾聡が好スタートも、1周バックストレッチでブレて後退。青山周平が順当に着を上げ2番手入線。
12R...0ハン先行は福田勝則だが、同ハンの岩沼靖郎が交わして逃げ切る。松本やすしと福田が重なって粘っていたが、高橋貢が1車ずつ捌いて2着へ。
優勝戦当日の天気予報は晴れ。良走路で優勝戦が行われそうだ。
0ハン3車はいずれも快速派。誰が逃げてもハイペースになりそう。しかし、今節ハンデ変動があった木村は、さすがに優勝戦では荷が重いか。スタートは岩沼が行きそうで、爆発的なスピードを発揮しそう。
それを追う一番手は三浦。10線最内の好枠からスタート先行しそうで、0ハンをすぐに追撃できる態勢を作れる。準決でもシッカリと栗原の逃げを捕えており、車速の面でも不安は感じさせない。三浦が道中で0ハン勢を交わし独走態勢に入るとみた。そこで、当ブログでの本命には三浦を推す。
相手は青山と高橋貢。スタート切れてる青山は外枠からでも、ある程度の位置に付けてきそう。レース序盤で三浦の後ろに付けるようなら、グッと優勝が近づいてくる。高橋の内枠に置かれている今節は、絶好の優勝チャンスとも言える。高橋も当然、黙っていない。スタートの切れは、そこまでではないが、豊富なレース経験を生かして、上位争いにまで進出してくる。記念の優勝戦で8周回になるのは、高橋にとって大きな好材料。
0ハンの中で優勝に最も近いのは岩沼。元々スピード派で、本来の力を考えれば10Mのハンデに置かれていてもおかしくはない。それが0ハンから走れるのだから、追い込む側としては脅威の存在だろう。試走30前後を出してくるなら、アタマから狙ってみるのも面白いかもしれない。最後に挙げるのは吉原。同ハンに強力なメンバーが揃い、スタート争いも微妙だが、ここ一番で強烈な走りを見せることがある意外性の高い選手。人気薄になるなら穴党向けと言える。印は取らないが、準決で好タイムを出した木村もスタート行けてしまうと侮れない存在だ。
◎三浦康平
○青山周平
△高橋貢
△岩沼靖郎
▲吉原恭佑
稲原良太郎が記念初Vへ突っ走る!
小林啓二杯GII山陽王座防衛戦も優勝戦のメンバーが出揃った。昨年の優勝戦は山陽7車、飯塚1車の顔ぶれだったが、今年も全く同じ山陽7車、飯塚1車となった。山陽王座防衛戦に相応しい優勝戦メンバーと言える。
今節は軽ハン勢の活躍が特に目立ったが、優勝戦も0ハン4車、10線1車、20線3車と、近年の記念の優勝戦では珍しいハンデ構成。優勝戦となると、ハンデが重化するケースも多いが、今回は据え置きとなった。
0ハンの中で最も好成績なのは片岡賢児で4連勝。無傷での優出となった。上がりタイムも日に日に良くなっており、準決では12Rだったとはいえ、3・429の好タイム。次に状態が良いのは稲原良太郎。今節はオール連対で、準決の上がりタイムは3・423。展開が良かったのもあるが、エンジンの仕上がりはかなり良いとみていい。
20線では西村龍太郎が2日目から3連勝を挙げる安定感。準決でも上がり3・426とマズマズの数字をマークしている。しかし、浜野淳の上昇っぷりも素晴らしい。3日目までは凡走に終わっていたが、肝心の準決でしっかりとエンジンを仕上げてきた。優勝戦進出の8人の中で最も良い上がり3・407を叩き出した。ここ一番で勝負強い浜野の真骨頂がうかがえた。
まずはスタート争いの展望から。0ハンは片岡の先行に畑吉広が乗って行きそう。これに稲原と高木健太郎が続くか。10線単騎の満村陽司は、0ハン勢を叩くこともなく、20線勢に叩かれることもなさそう。20線は枠ナリ発進か。西村、浜野、岩崎亮一と3車ともスタート巧者なので、20線の角度があれば内枠から順に出て行きそう。
レース展開は片岡が引っ張るかたちで始まりそう。そのペースだが、今節の動きからいってかなり上がりそう。続いて行く畑では追走一杯か、徐々に引き離されていってしまいそうだ。この片岡を同ハンで追えるのは稲原。高木は一人で走る展開なら持ち味を出せるが、前に人がいるレースでは思うところを走れない関係で、スピードは上がらないとみた。稲原が畑を交わし、先頭を走る片岡を追って行く。その後、記念レースで8周戦になるのを味方にゴールまでには交わしそうだ。そこで当ブログでの本命には稲原を推す。
20線は高位で安定してる西村が、インを突いて前団を攻略して行きそうだが、いかんせん前のペースが速くなりそうなので追い切れるかどうか。むしろ、爆発力では浜野の方が上なので、レース序盤で好位置に付けるようなら上位争いにまで参加してきそうだ。岩崎も状態悪くはないが、今回のハンデ構成ではスタート行けないと厳しくなる。10線の満村も0ハン4車を交わす前に、20線勢の攻めにあいそうで苦しくなる。
◎稲原良太郎
○片岡賢児
△浜野淳
△西村龍太郎
▲畑吉広