オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。 金子大輔がプレミアムカップ初制覇!
山陽で行われたプレミアムカップの優勝戦は、浜松の金子大輔が制した。意外にも金子にとってこれが初めてのプレミアムV。だが近年、更なる成長を見せており、次々と結果を残している。
試走タイムは田村治郎が一番時計の31。次いで、金子と青山周平が32。木村武之と前田淳、新井恵匠が34。伊藤信夫と岡部聡が38とだいぶ劣勢。スタートは最内の金子の出だしが良かったが、1コーナーを先に回ったのは青山だった。
そこからは青山がペースを上げるかに見えた。しかし、3番手に付けた木村の攻めを抑えた金子が、早い段階で仕掛けていく。これが綺麗に決まり首位を奪取。その後は青山に全く隙を見せず、ブッチ切りの1着ゴール。持っている能力を全て出し切っての会心の走り。今後、オート界の勢力図を変えるかのような内容だった。金子の強みは、レース運びの巧さ。状況判断力が高いのだろう。レース前、スタート後にかけてどのような行動が好成績に結びつくかを知っている。そして、それに最適な動作が取れる。気合タイプとはまた違ったレーサーだ。これからどのようなレースを見せてくれるのか楽しみだ。
2着の青山は悔しかっただろうが、一時期のスランプを考えれば今後に繋がる走りだった。プレミアム準優勝は誇れない結果ではない。もう少し細かいところの修正ができれば、再び快進撃が始まるだろう。また、3着だった田村も今後が楽しみ。ここ最近の大きなレースで、他を圧倒するエンジンを作ってきている。レース経験を積んでくれば、大化けする可能性を感じさせる。
青山周平が今年初の記念V!
船橋のGIIチャレンジカップの優勝戦は青山周平が制した。3枠からトップスタートを決めると、そのまま後続を振り切りゴール。その快速ぶりを見せ付けた。
試走は3・28の一番時計。この時期にしてはかなりの好タイムだ。次いで、一つずつタイムが悪くなっていき浜野淳、浦田信輔、新井恵匠、中村雅人、金子大輔、永井大介、西村龍太郎と続いた。注目のスタートは青山周平の先行。それに浦田が続いて行った。
青山は逃げ切り。後ろでは浦田を浜野が捌いて2番手奪取。その後は浜野が青山に猛プレッシャーをかけていった。何度かイン覗きかけるが入り切れず、最後まで先頭に立つことはなかった。注目の中村や永井はエンジン不足の上、スタートも行ききれず終始、中団から後方のままだった。むしろ、8枠ながら新井の健闘が目立った。
ひと頃の快進撃の時期を考えると、これが青山の今年記念初Vなのは意外とも思える。確かに、ここ数ヶ月は軽いスランプに入っていた。スタートが行けない。行っても後半タレてくる。など、以前からしたら考えられない走りが続いていた。ただ、数節前からだいぶ結果が出るようにはなっていた。今回の優勝も、後半の周回では浜野の攻めに脅かされていたし、完調時の走りではないかも知れないが、これを機にGI、SGでも再び快進撃を見せてもらいたい。この優勝が復活の狼煙になることを祈っている。
最後に、今のオート界を引っ張っていっている選手でも、エンジンが仕上らないと記念の優勝戦などでは厳しい戦いを強いられる。今回は、1着から4着までは試走タイム順で入線した。やはり、試走タイムの重要性を認識させらた優勝戦でもあった。
中村雅人が大会4連覇を達成!
GI開場59周年記念・ゴールデンレースの優勝戦は、最後にまさかの展開が起きた。やはり持ってる男は違う。中村雅人が見事に大会4連覇を決めた。
試走タイムはややバラつきがあった。最も良かったのは田村治郎の28。次いで中村の31。浦田信輔が32。前田淳が33。木村武之が34で、渡辺篤が35、山田達也が36、遠藤誠が37。同じタイムになる選手がいない珍しい状況。
スタートは前田が飛び出したかに見えたが、最内の木村が突っ張る。すぐさま浦田がマークする展開だった。そこからはほぼマッチレース。インを抑え込む木村に対し、浦田が再三プレッシャーをかける。後ろでは中村が追走していたが、エンジン抜群の田村に差されてしまう。浦田は外から仕掛けようともしたが木村に突っ張られ、最後は7周3コーナーで木村の狭いインに突っ込んだ。これが無理な体勢での攻めになり木村と接触。浦田は後退したし、すぐ後ろにマークしていた田村も不利を受け後退。その時、4番手を走っていた中村が一気に首位に浮上してしまった。残りの1周をしっかり回り、中村が勝利者に。
完全に「たなぼた」とも言える中村の優勝だが、事故があった時に、あの位置に付けていなかったらなかった優勝。結果が全てのオートレースでは運も実力の内なのだ。強い走りを見せて勝つときもあれば、あり得ない位置から優勝を手にするときもある。今回のレースはナンバー1であることの証明。
この大会で今後の楽しみを見せたのは田村。エンジンさえ仕上がれば、ナンバー1の中村のインにも入っていける心の強さを見せてくれた。エンジンを安定して良い状態にできれば、記念初優勝も十分視野に入る。
中村雅人が執念の追い込み!
第38回黒潮杯の優勝戦は試走で波乱があった。4日目の準決で上がり一番時計を出していた平塚雅樹がまさかの試走落車。レースをする前に欠車となってしまった。試走一番時計は木村武之の30。次いで、青山周平と中村雅人が31。永井大介と高橋貢が33。岩崎亮一と荒尾聡が34だった。
スタートは最内の青山が先行。それに、大外から荒尾がカマシ気味に切ってきた。その後ろに中村、永井が付けるかたち。青山は序盤は大きなリードを作る。中村、永井が早々、荒尾を交わし2、3番手に付けた。5周目に入ったあたりから青山のペースが落ち始めた。そこへ、中村が捲りを仕掛け、これがきれいに決まった。永井もすかさず青山のインを狙い2番手浮上。残り2周は一騎打ちだったが、中村が永井の攻めを抑えてゴール。木村も青山を交わし3着に食い込んだ。岩崎、高橋は序盤から最後まで、いいところはなかった。
中村のレース運びのうまさが光った。逃げる青山を無理することなく追う。タイヤを使わず、冷静に状況を見ていた。そして、前を走る青山がタレてくると、ここぞとばかりに仕掛けに行く。しかも、決めるところでは一発で交わす。先頭に立ってからも見事だった。チャージをかけてくる永井を華麗に封じ込んだ。大舞台でのレース経験がなせる業。準決から優勝戦にかけて、エンジンを仕上げる整備力も流石の一言だ。中村は意外にもこれが今年の初優勝。これからもナンバー1勝負服の誇りをかけて、各地区のレース場を賑わすだろう。
浦田信輔が気合の突っ込みでオールスター制覇!
SG第34回オールスターオートレースは飯塚の浦田信輔が制した。人気投票1位の期待に応えての優勝。何より嬉しい勝利だったことだろう。
スタート争いは最内の青山周平が飛び出した。そこへ、2番手スタートの永井大介が1周バックストレッチで素早く差し込み首位を奪取。そのままこの両者で逃げ態勢に入るかに見えたが、そこに待ったをかけたのが浦田信輔。青山、永井の両者をまとめ差しして首位浮上。そこからは追いすがる青山を必死に抑え込むレースだった。青山の再三の攻撃を見事抑え切った。
今シリーズの特徴として、レース後半の順位の変動が少ないことは『優勝戦の直前予想』でも提言していた。誰もが序盤で好位を奪いたい気持ちは一緒だった。トップスタートを切った青山はもちろんの事、2番手スタートから一気の差しを見せた永井、課題としているスタートをこなし3番手には出た桝崎陽介。しかし、序盤で先頭に立ちたい気持ちは浦田が上回った。追い込みが効きづらい状況を熟知しているから、前を走る2車を1車ずつ抜く猶予はあえて持たなかった。誰もが思ったまさかの2車狩り。これが勝利を導いた大きな要因と言える。ハートの強さを見せ付けた。
気持ちだけではどうしょうもない。浦田には小さいコース取りでも、うまく回っていける技術がある。インから抜く時に、一回外に車を振らなくても突っ込んで行ける技量がある。今シリーズの状況に、うまく走り方を変えられる順応性がある。
気温が上がったせいなのか、浜松の走路の特性なのか、新型タイヤの特徴なのか。レース後半の仕掛けは決まらない傾向にあるし、前の車を抜く時に懐を取りに行けない現状がある。そういった状況に、対応できる選手がしばらくは活躍できそうだ。
最後に、浦田には最大級の賛辞を送りたい。基本的にファンからの支えによって開催されるオールスター。その檜舞台で一番良い結果を残せるのは、間違いなく一流である証だ。こういった選手がオートレースの人気を持続させていると言っても過言ではない。