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金子大輔が地元でSGを制す!
SG全日本選抜オートレースの優勝戦は、近年稀に見る大激戦だった。その戦いで冷静に車を押し進めて行ったのは地元の金子大輔だった。
トップスタートを切ったのは4枠の藤岡一樹。この藤岡が逃げ態勢に入った。その後ろでは佐藤貴也が好位に付けたが、浜野淳の強引なイン突っ込みに遭い一気に後退。上位争いからは戦線離脱した。この行為で浜野は反則失格となった。代わって藤岡を追う態勢を作ったのは篠原睦。藤岡をマークから差し込んだが、やや回り切れず流れてしまう。もう1回、篠原が藤岡を差し先頭に立ったが、後ろに付けていた金子が渾身の差し。これが奏功しそのままゴール。篠原は藤岡を差した時に流れてしまった行為で反則失格。SGの優勝戦で珍しく2選手が反則失格となった。
スタートで8番手になってしまった金子だが、そこから冷静に番手を上げていった。先頭争いが激しく、金子にとって展開が有利に働いた関係もあるが、若手らしからぬ落ち着いた対処ができたのは一流の証だ。金子の最大の魅力は、レース展開の読みの巧さ。それに対応できる素早い反射神経。この優勝戦でも前団が開けたところを見逃さなかった。勝ちきるポイントを知っている。いまのところSGは2つしか制覇していないが、これからもっと増えていくだろう。
この優勝戦ではSGをまだ制したことがない選手の活躍が目立った。やや不運な判定で反則になってしまった篠原は、SG制覇も夢ではないと感じさせる走りを見せたし、藤岡もその爆発的なスピードを再認識させてくれた。早船歩も展開次第では何とかなりそうな兆しは見えた。これからのSG戦線に新たなる楽しみができた。