強烈な追い込みで永井大介が栄冠を掴む!
GⅡさざんかカップの優勝戦の日は8レースの試走後から雨が降り、優勝戦は重走路での戦いになった。2級3車の試走は新井恵匠が一番の65。青山周平と浦田信輔は68とやや劣勢だった。1級車は森且行が一番時計の57。中村雅人が58、浜野淳が59、鈴木圭一郎が60、永井大介が61とやや数字を落としていた。
0ハンのスタートは青山が出掛かったかに見えたが、新井が最内からなんとか突っ張った。そこからは新井の逃走劇。後ろでは鈴木の攻めが遅く、30線勢が早めにやってきていた。中団抜け出した中村が新井を追う形になったが、イン狙ったところでひと滑り。失速してしまった。その中村に代わり新井を追う展開になったのは永井。そして、最終回でしっかりと新井を差し切った。中村も外から新井を交わして2着。
人気の一角になった鈴木は、序盤で浦田のインに入れなかったのが響き、最後方まで下がってしまう。今回は優勝に縁がなかったが、最後方から巻き返し4着まで追い上げたのには大器の片鱗を感じさせてくれた。今後、1級車に乗り慣れることによって更なる進化を見せてくれるだろう。
優勝した永井は流石の一言。試走タイムこそ劣勢だったが、レースでは無駄のない走りに徹し、冷静に8周回を使って追い切った。レース運びの上手さが際立っていた。エンジン完調の時は圧勝劇を見せてくれ、エンジン不足の時は腕と経験でレースを作っていく。ナンバー1勝負服は当分、永井が着ることになりそうだ。
木村武之がシルクカップを連覇!
伊勢崎オートで行われたシルクカップ争奪戦は、前回大会に続き木村武之が制した。それも前回の勝ち方を彷彿とさせるレース内容だった。試走タイムは木村と佐藤貴也がトップタイの29。次いで、中村雅人、篠原睦、浅香潤が32。加賀谷建明が36で岩沼靖郎と笠木美孝が37だった。
レース展開は、まず0ハンの岩沼がマイペースの逃げに入った。加賀谷は試走タイムの通り伸びを欠き、篠原が交わして行く。その篠原が岩沼をマーク追走から差し込んだ。その後はそのまま逃げ切るかに見えたが、その後ろを走っていた木村は一瞬のチャンスを窺っていた。そして、最終3コーナーで渾身の捲りを試みる。これが功を奏しゴール前では篠原を捕らえ切った。前回大会の優勝戦でも、前を走る高橋貢を最終コーナーで捲り切って勝った木村。流石の一言に尽きる。
当ブログで本命に推していた中村は試走から動きがおかしかった。レースでもいつもの切れ味ある捌きが発揮されなかった。意外にも中村は伊勢崎で記念レースを獲ったことがない。相性としてはあまり良くない走路と言えるだろうか。おしいレースだったのは篠原。序盤も決して恵まれた展開ではなかったが、自ら混戦を抜け出し岩沼を捕らえたところまでは良かった。しかし、今回は相手が悪かった。
昨年末のスーパースター王座決定戦では準優勝となり、悔しい結果に終わった木村だが、新年早々良い滑り出しを見せた。木村はデビュー直後から活躍し、現在まで進化し続けている希少な選手。SGの優勝争いを演じられるので、これからの走りにも注目していきたい。
永井大介が有終の美を飾る!
大晦日に行われた第29回SGスーパースター王座決定戦は、全国ランクナンバー1の永井大介が制した。試走一番時計、更にオッズの方も一番人気に応える素晴らしい走りを披露した。
試走タイムは一番時計の28で、2番手の木村武之や中村雅人の30に2つ差を付ける数字。レースではトップスタートを切った。2番手に付けた木村が、1回は永井のインに入ったが、永井がすぐさま差し返した。そこからは必死の抵抗を見せる木村を振り切り、永井が栄冠のゴール。いつものブッチぎり独走ではなかったが、しっかりと結果を残した。スタートで3番手に出た高橋貢を中村が交わして3着に入った。外枠勢はスタート行けず、レースでも終始後方のままだった。
これで永井は現行の5個あるSGを2回ずつ以上制する・ダブルグランドスラムを達成。グランドスラムを達成するだけでも難しいのにダブルでやってのけた。永井は11月に飯塚で行われたSG日本選手権では、優出を逃すまさかの事態。この時に永井の照準は今回のスーパースターに向けられた。この大会までの各レースでも結果を残し、照準に定めたこのレースもモノにした。SGを初めて獲った時から永井の快進撃は止まらない。ダブルグランドスラムは今までに片平巧も達成しているが、これからの永井にはトリプルグランドスラムに向け突き進んでもらいたい。
今年大活躍の岩崎亮一が、地元のGIを制した!
悪天候で1日順延になったスピード王決定戦の優勝戦は、地元の岩崎亮一が制した。
0ハンのスタートは大外の小林啓二がカマシて行き、最内の北渡瀬充が続き林弘明がやや遅れるかたち。小林が逃げ態勢に入ったが、10線から好スタートを決めた岩崎が早々と一対一に持ち込んだ。その後は冷静に交わして首位奪取。後ろからは岡部聡がジワジワと追い込んできていたが、ゴール前で微差振り切った。藤岡一樹も追い込んできていたが及ばなかった。他の選手はいいところなく終わった。
優勝した岩崎は、今年大躍進を見せた。元々、スタート、捌き、スピードと3拍子揃った選手だったが、なぜか大きなタイトルとは無縁だった。それが、今年になってGIとGIIを一つずつ制すと、今回地元のGIまで制した。オートレーサーとしての才能に、経験がプラスされた今後は更なる活躍が見込まれる。次はぜひSGの舞台で大輪の花を咲かせて欲しい。
当ブログの晴れの本命に推していた北渡瀬は、スタートで小林に行かれて苦しい展開になってしまった。試走タイムからイマイチの状況だったから、先行できても厳しかったかもしれない。それにしても、今回は地元勢が特に活躍した。優勝戦でも地元勢が上位を独占。そのレース場ごとに地元の選手が活躍すると、ファンも盛り上がるので嬉しい。
桜井厚志が嬉しいGI初制覇!
浜松のGI秋のスピード王決定戦は、地元の30期・桜井厚志が制した。2級車時代に1回優勝経験があるものの、1級車では優勝すらなかった桜井だが、GIの大舞台で見事結果を残した。
優勝戦は前日の天気予報通り濡れ走路で行なわれた。0ハン単騎の桜井はマイペースで逃げるだけ。10線で先行した笠木美孝がインを抑え込んで走っていたため、桜井にとっては絶好の展開だった。実際に、この間に大きなリードを作れた。その笠木を何とか突破したのが若井友和。しかし、前の桜井とは大きく差が開いていた。更に、その後の周回でも差を詰めるどころかむしろ離される一方。桜井が圧巻の走りを見せた。
外枠勢は全くいいところがなかった。前団のペースが速かったのもあるが、後方のまま動けずに終了してしまった。青山が8着、金子が7着。まさかの結果だった。
このところ30期生の活躍が目立っている。少し前に行なわれた山陽のGII若獅子杯争奪戦では、30期の新井恵匠が記念初制覇。去年の12月になるが、山陽30期の緒方浩一が地元のGIを制覇。やや小粒と言われていた30期だが、ここに来て着実な成長を見せている。他にも鈴木一馬や田村治郎など、今後に期待したい。もちろん、今回GIで優勝した桜井の更なる成長も見守りたい。