前田淳が速攻決め、外枠勢を振り切る!
GⅡスターライトチャンピオンカップ争奪戦の優勝戦は、山陽の前田淳が制した。
序盤は0ハン2車がどこまで逃げるかに焦点が当てられたが、試走タイムが表す通りペースは上がらなかった。10線から飛び出した前田が0ハン両者を落ち着いて捌き、最後までタレることなく逃げ切った。前日の準決からエンジンは良さそうだったが、その状態を持続して優勝戦でも力強い走りを見せてくれた。
2番手以下は激戦だった。10線大外からマズマズのスタートを切った高橋貢が、順調に番手を上げて行ったが、佐藤貴也が一瞬の隙を突いて逆転。今度は佐藤が前田を追う展開になった。そのまま佐藤が2番手でゴールするかに見えたが、最後方からのレースになった池田政和が猛追を見せる。最終回で佐藤を交わし、池田が準優勝となった。
優勝した前田は、自分の得意な展開に持ち込めたのが勝因だと思われる。前田の武器は、短ハンデ戦における爆発的なスタート力からの速攻。先頭に立ってからはそこまでペースが上がるわけではないが、インコースを外さず走りきって先頭ゴールするのが勝ちパターン。今回はエンジン的に、またハンデ位置的に前田に絶好のチャンスが巡ってきた。それを取りこぼさず、しっかりモノにする前田は流石の一言。独走力が付いてくれば、更に活躍の場は広がるだろう。
他で、今回動きが目立ったのは池田と佐藤。展開的に厳しくなった池田だが、レース内容は素晴らしいモノがあった。今回くらいのエンジン状態さえあれば、以前のような走りができることが確認できた。また、佐藤も今年に入ってからの好調を示すかのような好走。デビューしてから果敢さが売りだったが、一時期それが失われていた。しかし、近況は積極的な姿が成績に結びついている。まだまだ伸びシロがたくさんあるだけに期待せずにはいられない。
優勝戦では機力不足だった0ハン両者、鐘ヶ江将平と鈴木一馬もこれから楽しみな選手。大舞台での経験が積まれれば、何かしらのタイトル奪取も近づいてくるだろう。
劇的な勝利! 中村雅人がSGオールスター初V!!
SGオールスターオートレースの優勝戦は、最後まで目が離せない見ごたえ抜群のレースだった。勝利したのは中村雅人。激しい競り合いを制しての劇的V。
展開は、まずスタートで大外の荒尾聡が見事なカマシを決めハナを奪った。しかし、2番手スタートを切った青山周平が、すぐさま交わして逃げ態勢に入った。中村は角南一如のアウト攻めを張りつつ、篠原睦と荒尾を差して行く。青山と一対一になってからは迷わず突っ込んだ。今度は、中村が逃げ態勢に入った。勝負のヤマは青旗過ぎ。青山がやや強引気味に中村のインに突っ込んだ。しかし、中村も負けずと切り返し、3コーナーで渾身の突っ込み。ややハラみ気味にはなったが、何とか勝利をもぎ取った。
中村と青山の後ろで様子をうかがっていた角南が、最終4コーナーをうまく乗り切り2着に入った。青山はブレて3着になってしまった。
中村と青山。過去にもSGの優勝戦で際どい競り合いを演じていた。青山が独走に入ったら誰も追いつけなそうだが、中村は追う側の強味があるのか捕まえてしまう。青山もやられたままでは終わらない。必ず首位奪回を目指して攻めてくる。この2人の争いはレースごとに熱を帯びてくる。今後もSGはこの2人を中心に回って行くのではないかと思われる。
今回の優勝戦では他にも、見せ場はいくつかあった。
明らかにエンジン劣勢だった荒尾は、0オープンの大外からでもスタートだけは決めて行った。先行できなければ追走一杯になるレースでも、しっかり見せ場を作っていた。また、同期の角南も持ち味のスピードを見せつけてくれた。スタート次第ではSGでも十分通用する事を証明した。
中村雅人が大会3連覇を達成!!
GⅠ開場58周年記念ゴールデンレースの優勝戦が20日、浜松オートレース場で行われた。レースは前日の天気予報を覆す重走路となった。優勝したのは、この大会2連覇中の中村雅人。今回の優勝で見事3連覇を決めた。
0ハンからスタート飛び出したのは1号車の遠藤誠だったが、1周2コーナーで田辺誠が捲って逃げ態勢を作った。やや小さめのコース取りで首位を独走していたが、それをまず捕えたのは、10線から好スタートを決めた森且行。大きめなコース取りで徐々に田辺との差を縮めにかかり、ついには捲り切った。しかし、その森を交わし優勝の栄冠を掴んだのは中村だった。
スタートこそ出遅れた感の中村だったが、8周回をうまく使った。前を行く強豪達を落ち着いて捌いていった。まずは木村武之を。そして、浜野淳を。しっかりと懐を取って、きれいに捌いていった。3番手に立ってからは田辺、森との距離があり、届くかどうか微妙だったが、慌てることなく、自分のコースをしっかり回りきり追い詰めていった。
中村の魅力は、言うまでもなく追い込みの強烈さ、的確さ。これぞオートレースと言う走りを見せ、オートファンを魅了する。ここ数年の、スタート決めてそのまま逃げ切るようなレースはほとんどない。もちろん、そういうタイプが魅力ないわけではない。いろいろなタイプの選手がいて、レースは盛り上がる。それでも、中村のようなレーススタイルは、ドキドキ感を増してくれるし、オートレースの楽しさを再確認させてくれる。スピード至上の現況に置いて非常に貴重な選手であることは間違いない。今後の活躍を願ってやまない。
永井大介が完全V達成!!
川口で行なわれたGⅠプレミアムカップの優勝戦は、2枠から飛び出した永井大介が逃げ切って優勝。予選から負けなしの完全優勝を決めた。
この日も気温が上がり、追い込みが効きにくい走路状態だった。優勝戦までのレースでも序盤で態勢が作られると、そのままゴールまで番手が入れ替わる事が少ないケースが多かった。優勝戦も永井がトップスタートを決め、後続を離す一方の展開になった。それでも3・378の上がりタイムを叩き出したのだから見事だ。
2着には、永井に続いて好スタートを切った木村武之が入った。3着の西原智昭は1周3コーナーで木村のインを狙う素振りあったが、入り切れずゴール。多少動きがあったのは、内山高秀が青山周平と佐藤貴也を抜いてきたこと。それ以外はほとんど変動がなかった。注目の青山はスタートで好位を奪えず、厳しいレースを強いられた。
シリーズの初日から比べると、後半はだいぶ気温が上がってきた。このような気候の変化は、セッティング合わせるのを難しくさせる。そんな中でも、いい状態で優勝戦に臨めた永井の整備力は大したモノだ。まさに全国ランクナンバー1に相応しい対処だった。昔からスピードには定評があった。年を追うごとに、エンジン状態が悪い時でも勝てる走りが身に付いてきた。更に、気候の変化にも対応できるノウハウも手に入れてた。センスだけではなく、経験も、着実に永井を大レーサーに育て上げている。
このレースで他に目立ったのは西原。1番目の枠順選択で1枠を選んだあたり、本気で優勝を狙ってきてたのだろう。実際のレースでも、スタート後の1コーナーの突っ込みで永井を強気に張って行ってたら、また展開も違ったかもしれない。デビュー直後から注目されていた西原だが、一時期はやや伸び悩んだこともあった。しかし、ここにきて更なる成長を見せているのは、オートレースファンにとって一つの楽しみになる。
試走一番時計の永井大介が一番人気に応えた!
GⅡさざんかカップの優勝戦は船橋オートで16日、行われた。天気に恵まれ、第1レースから優勝戦まで良走路。試走で一番時計を出したのは全国ランク一位の永井大介の30だった。
次いで試走タイムが良かったのは中村雅人の31。その次に高橋貢、片平巧、青木治親の32。田辺誠が33で、2級車の山田達也と新井惠匠が38とイマイチだった。
展開は新井が逃げ態勢に入るがペースは上がらず、田辺を捌いた青木が新井を追う形。しかし、中村や高橋をパスした永井が早い段階で先頭に立った。そこからは後続を離す一方。今年の初優勝が地元の記念となった。2着には混戦を突いて片平が浮上。3着には高橋の攻めを何とか振り切った中村が入った。
永井は今年に入ってからなかなか結果を出せないでいた。今の車「シーザー」に乗り替わってからも整備の成果が表れなかった。それが、今回の準決あたりから良化の兆しが出てきて、優勝戦では完全に花開いた。永井らしいパワーある走りが戻ってきた。今年に入り約2ヶ月半苦しんでいたぶん、巻き返しに入りたいところだ。
今回のGⅡで企画された、2級車を駆っての戦いは非常に面白かった。GⅠやSGではなかなか難しいが、今後もGⅡなどで様々な工夫を凝らした企画レースを見てみたいものだ。