
復活・中村雅人がこのまま波に乗るか!
今回出場するS級は、前走が山陽で行われたプレミアムカップか、その後にミッドナイトや伊勢崎で1節走った選手たち。そのプレミアムカップでは中村雅人が久々に記念で優勝した。今回もこの中村がシリーズの中心になりそう。
プレミアムカップで優勝した中村は、予選道中も安定した走りを見せていた。シリーズ中はオール車券に絡む内容で、中村らしい追い込みも決まっていた。優勝戦では0オープンの3枠から2番手発進を決めており、スタートの切れも上々だった。乗り手は充実しており、連続優勝にも期待がかかる。
その優勝戦には若井友和も乗っていた。若井は優勝戦7着だったが、予選道中はオール車券に絡む安定感。ここ数節はエンジンが高い位置で推移している。混戦はもちろん、スピード戦にも十分対応できていた。池田政和はプレミアムカップの準決は7着で優勝戦までは進めなかった。しかし、今期は全国ランク10位に入り、良い時の走りが戻りつつある。
平田雅崇、五十嵐一夫、岩田裕臣らはマズマズのエンジン状態。鈴木清は、並よりちょっと良さそうな現状。佐藤裕二は前走の浜松一般開催で準優勝と調子を上げている。加賀谷建明は前走のミッドナイトでは全く動けなかった。
外来のS級は3者の予定。山陽で2期連続ランクトップになったのは丹村飛竜。前走のプレミアムカップでは初日から動きがイマイチだったが、後半は急上昇。4日目から連勝を決めてシリーズを終えている。整備の成果が出てきたか。山陽からは岩崎亮一も参戦。岩崎はプレミアムカップをマズマズの状態で終えると、その後は伊勢崎3日間開催に遠征していた。ここでは初日から連勝を決めて優出。優勝戦は5着だったが、エンジンは高いレベルにあると言える。
もう一人の外来S級は浜松の中村友和。イマイチだったプレミアムカップのあとは、飯塚のミッドナイトで走っていた。ここでは準優勝を決めていた。そのレースでは試走26の上がり372。真夜中の時間帯とはいえ、この数字は今後のレースに弾みになる。
S級以外では飯塚ミッドナイトで優出していた西村龍太郎や石橋大。伊勢崎遠征で優出していた鈴木一馬などに注目。特に西村龍は、その前のプレミアムカップでも補充参戦ながら好走を連発していた。
目立ちにくいところでは岩科鮮太が、前走の地元で好タイムをマークしていた。課題のスタートさえこなせば優勝争いにまで参加できる仕上がり。もちろん急成長中の33期勢の動きにも注意を払いたい。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
池田 政和〔川口 S-10(23期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
平田 雅崇〔川口 S-21(29期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-28(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-31(25期)〕
中村 友和〔浜松 S-48(32期)〕
荒尾聡が大会連覇を狙う!
新ランクで最初の記念は、飯塚のGIIオーバルチャンピオンカップ。今年の1月に行われた同大会では、地元の荒尾聡が鈴木圭一郎を振り切って優勝をもぎ取った。前回覇者の荒尾は今回、連覇がかかる。それを阻止すべく強力な車が各地から集結する。
この4月から適用される新ランクで、飯塚トップなのは浦田信輔。ここ数ヶ月は浦田らしい走りが見られていない。前走の山陽プレミアムカップでもシリーズを通して白星がなかった。最も良いのが3着。現状のエンジン状態はイマイチだが、今回の大会は2006年と2009年に制している。相性の悪くない大会で完全復活を目指したい。
前回覇者の荒尾は、前走の山陽プレミアムカップでは優勝戦に進めなかったが、エンジン自体は悪くなさそうだった。最終日もしっかりと1着を挙げており、今回に向けて悪くない形で臨めそう。前回大会のようなレースアシを再現できれば、誰が相手でも勝ちきってみせる。
篠原睦と田中茂は前走が地元のミッドナイトだった。篠原はミッドナイト王座シリーズで優勝戦に進出し、田中茂は通常のミッドナイトシリーズで優勝戦に進出した。大きな流れで言えばエンジンは中堅より上はあり、今回も初日から快進撃を見せられる状態。山陽のプレミアムカップで車を乗り替わった岩見貴史は、エンジンの素性が良さそうだった。前走では以前の車に再び乗り戻り、そのミッドナイトでもマズマズの走りを見せていた。ちなみに、このミッドナイトレースでは佐藤裕児が優勝している。
外来の注目地区は川口。S級としての参加は永井大介と佐藤摩弥。永井は前走のプレミアムカップでは、準決でエンジン仕上がり切らず3着の結果だったが、最終日はキッチリ1着を取っていたようにエンジン的には高いレベルにある。佐藤摩はそのプレミアムカップで優出し3着。これで年末のスーパースター王座決定戦トライアル入りに大きく近づいた。乗り手もエンジンも好調で、自身2度目の記念タイトルを目指す。
伊勢崎からは絶対王者・高橋貢が参戦。前走のプレミアムカップではいい所を見せられなかったので、今回は巻き返しのシリーズにしたい。吉原恭佑、西原智昭などは十分戦えるだけのエンジンレベルを保っている。
浜松からは木村武之と渡辺篤、山陽からは角南一如と丸山智史がS級として来場する。この4者は現在、エンジン状態がイマイチだが、並以上に仕上がれば上位争いに加われるだけの地力がある。
また、成長著しい33期勢にも注目したい。1級車での記念レース経験が少ない選手が多いが、強豪たちと競争を重ねてこそ、底力が身に付くというもの。シリーズ中に大化けする選手が現れるかも。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-16(27期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-23(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
木村 武之〔浜松 S-11(26期)〕
角南 一如〔山陽 S-25(27期)〕
鈴木圭一郎の不在は29期コンビが埋める!
新年度一発目の開催は浜松オートの3日間短期決戦。この開催から新しいランキングが適用されるが、全国1位は5期連続で浜松の鈴木圭一郎。ただし、その鈴木圭はプレミアムカップの落車の影響で不在。さて、どのようなシリーズになるのか。
今回出場するS級陣は、ほとんどの選手が山陽のプレミアムカップ以来のレースになる。
浜松勢は鈴木圭がいなくても層が厚い。浜松でランク次位は佐藤貴也の7位。前回は2位だったので5つランクを落とした形だが、走りそのもののキレは変わっていない。プレミアムカップは準決3着で優出できなかったが、最終日は試走28、上がり342のタイムをたたき出すなどエンジン面は良好。その同期の金子大輔は、プレミアムカップでパーツ交換を施し、最終日に一定の成果が出ていた。
今期からS級の仲間入りになるのは鈴木宏和。スタート力に磨きがかかっており、その点においては全国1位といっても過言ではない。実際に、プレミアムカップの準決に進出した各選手は、鈴木宏がどの枠を選ぶかを気にしていた。鈴木宏の内枠は敬遠したいと思っている選手が多かった。長らく浜松でエースを張っていた伊藤信夫は、プレミアムカップの準決が不成立で優出の権利を得られなかった。ただ、エンジンはその前の節から好調を保っている様子だった。
外来S級で注目なのは松尾啓史。地元で開催されたプレミアムカップでしっかりと優勝戦まで進んでいた。優勝戦では序盤の展開作りがうまく行かず道中は苦しんでいたが、エンジンの方は良好だった。調子の波が穏やかな同選手なので、しばらくは連絡みが増えそうだ。
他では佐藤裕二、内山高秀、佐々木啓、田中賢がS級として参戦。田中賢以外の3者はプレミアムカップで思うような結果が出なかったが、一般開催の今回なら優勝争いにまで加われる実力の持ち主。田中賢は前走が飯塚の一般開催。準決は4着だったが、それ以外の3走はオール連対。調子が上がっている。
A級は泉田修佑と辰巳裕樹に注目。泉田は前走の地元3日間開催で嬉しい初優勝を決めてきた。それまでも優勝戦で惜しいレースはあったが、前走でしっかりと結果を残せた。同期は黒川京介が一歩抜け出ているが、泉田も成長の余地は無限大。これからの進化が楽しみな選手。そのレースで準優勝だったのが辰巳。こちらも31期でまだまだ成長する可能性は大。
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主な出場予定選手
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佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-30(24期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-20(26期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-41(24期)〕
早川清太郎が地元総大将として獅子奮迅の働きを!
今回の伊勢崎開催は青山周平や高橋貢が不在。地元ランクトップは早川清太郎で、西原智昭らのS級とともに外来勢を迎え撃つ。その外来勢は強力な選手が多く、特にA級に調子を上げている選手が見られる。
早川は前走のプレミアムカップでは思ったような走りができなかった。2日目に1着はあるものの、タイムの面では足りないし、その後のレースも早川らしい追い込みが決まらなかった。ただし、早川は地元での競争で最も力を出せる選手。遠征がイマイチに終わったからといって、今回も厳しいレースになるとは限らない。そして、地元の総大将として伊勢崎勢を盛り上げる走りに期待したい。
西原も前走のプレミアムカップでは不本意な結果に終わった。課題のドドドが完全には解消せず、全力の走りができない状態だった。今回は地元なので整備もやりやすく、ドドドが解消するなら思い切った走りができるハズ。この時期なら試走30を切るタイムをマークしたいところ。
外来S級は山陽の岩崎亮一が前走のプレミアムカップでは準決まで進んだが、そのレースは不成立になり、予選中のポイントが足りずに優勝戦へ進むことはできなかった。ただ、シリーズの道中でエンジンを組み直し、パーツ交換する大整備に入ってからはエンジンが上向いた印象がある。反して、角南一如はいつもの迫力ある捲りが見られず、伊勢崎走路で変身なるか。
川口からは岩田裕臣がS級として参戦。前走のプレミアムカップでは武器のスタート力を駆使し、レース序盤から有利な展開を作れていた。準決は岩崎と同様に不成立になってしまい悔し涙を飲んだ。今回はその時のぶんまで、思いを走りに乗せて臨みたい。
A級では佐藤摩弥と藤岡一樹が好調。どちらも前走のプレミアムカップで優勝戦まで進出していた。優勝戦では佐藤摩が3着、藤岡が6着だった。佐藤摩は元々スタート力に定評があるが、それが更に進化したかのように切れに切れまくっていた。レース道中もペースを上げて逃げることができるようになっており、選手としての総合力が増している。藤岡は一時期、軽いスランプに入っていたが、ここ数節はかなり良くなっている。本来のスピードが戻っており、高速レースでも対応できている。今年1月のシルクカップで1着はなかったものの、マズマズの走り見せた前田淳の動向にも注目を。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-19(28期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-26(25期)〕
角南 一如〔山陽 S-40(27期)〕
岩田 裕臣〔川口 S-42(31期)〕
前田 淳〔山陽 A-5(27期)〕
佐藤 摩弥〔川口 A-28(31期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-29(29期)〕
今年度最後の飯塚ミッドナイト開催!
今回はミッドナイト3日間開催。ミッドナイトには珍しくS級選手が多く参加する。そのS級は全て前走が山陽のプレミアムカップ。A級上位の選手も前走はプレミアムカップで、レースの時間帯が大きく変わるとは言え、その時の動きが大いに参考になる。
今回出場する中でランクトップは篠原睦。プレミアムカップでは準決5着で優出はできなかったが、それ以外のレースは全て車券に絡めていた。オープン戦で、武器となるスタート力を発揮していた。道中の動きはやや不満が残る内容だったが、今回のシリーズなら格上の捌きを見せ付けそうだ。優勝候補トップに挙げられる。その篠原と同期の田中茂も今回は参戦。プレミアムカップでは、シリーズ前半に勢いがつかなかったが、後半2走はともに連対。エンジンは尻上がりに良くなっていた。
他に地元S級は重富大輔、別府敬剛、岩見貴史の3車。重富と別府は前走ではピリッとしなかった。岩見は前走で新車に乗り替わった。ここでは成績が安定しなかったが、これはタイヤ選択による影響が大きい。エンジン自体は悪くなさそうなので、今回にもつながりそうだ。
外来S級で注目は中村友和、加賀谷建明。中村はこのところずっとドドド、に悩まされていたが、前走の後半から症状が軽くなった。その結果、最終日には1着を挙げていた。加賀谷は前走の初日こそ1着だったが、その後は失速。ただ、シリーズ中に大きな整備に入っており、その成果が今節あたりに出てくるかも。
鈴木清と平田雅崇、岡部聡はエンジンまずまず。鈴木清は好スタートからの速攻に期待でき、岡部は混戦での冷静な走りが得意、平田は強気の突っ込みを武器に車群を切り裂くタイプだが、前走の3日目に反則妨害を犯しており、しばらくは攻めが慎重になるかも。
A級では近況、更なる成長を見せているのが仲田恵一朗。最重ハンからでもスタートで枠ナリに出られるようになってきた。レース道中も名前負けしない走りができている。また、小林瑞季は前走のプレミアムカップで2着が3回あった。強豪相手でもしっかりとスタートを決めていたのが印象に残っている。エンジンが好調なのは西村龍太郎。前走は補充ではあったが、プレミアムカップで4走して全て連対。長田恭徳あたりもスタートや走りが上達してきている。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-7(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-22(26期)〕
重富 大輔〔飯塚 S-27(27期)〕
鈴木 清〔川口 S-18(23期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-41(27期)〕
中村 友和〔浜松 S-25(32期)〕
松山 茂靖〔浜松 S-36(26期)〕
岡部 聡〔山陽 S-46(19期)〕