オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
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《G2ミッドナイトチャンピオンカップの展望》
まずは遠征車の、近年の消音・夜開催における実績を振り返りたい。
佐藤摩弥は飯塚ナイターとして開催された『SGオールスター』に2023年と2024年の2年連続で優出。2023年の夏には川口ナイター『キューポラ杯』でG1初制覇も果たし、2024年の夏にはこの飯塚で『ミッドナイトチャンピオンカップ』優勝、昨年2025年の夏にも飯塚ナイターG1『ダイヤモンドレース』の予選~準決勝戦4戦のうち良走路3戦を全勝して優勝戦に進んだ。地元川口のデイレースや浜松アーリーレースでも活躍しており、消音マフラーの適性は相当に高い部類に入る。
大木光は佐藤摩と同じく地元・川口で消音マフラーの開催にすっかり慣れているため、飯塚と山陽の西日本2場でも安定して成績を残せている。直近では昨年12月の飯塚ナイター一般開催3日制に全勝して完全V。今月中旬にも飯塚ナイターに優出し、走路にも今の気候にも車をマッチさせる見込みが高い。
伊勢崎では消音マフラーは使用されていないが、地元勢は夜開催を長年の間、数多く走っていて、日没以降の時間帯に整備を合わせてきた経験も豊富な点は強みといえよう。
松本康は昨年の飯塚ナイターG1『ダイヤモンドレース』に優出。横田翔紀はおととし3月の飯塚ミッドナイト2節に連続優出。野本佳章は2023年の夏、自身4度目の優勝を飯塚ミッドナイトで飾った。今のところ地元伊勢崎以外での優勝は、この1度のみである。先月にも飯塚ミッドナイトに優出している。
浜松は近年のアーリーレース新設にともなって消音マフラーを導入した。まだ実施機会そのものが多くないが、選手たちは整備日や練習日を含めて消音マフラーを装着しての走りは掴めているだろう。
2023年以降の飯塚・消音開催に、浅田真吾と深谷俊太は優出経験がないが、花田一輝は2度の優出歴があるほか出場した節ごとにかなりの確率で1着を取っている。栗原佳祐はまだ2級車に乗っていた2024年の9月から現在まで、出場した飯塚消音開催に4節連続で優出している。
山陽勢は近3年間の飯塚消音に目立った良績は上がっていないが、すぐお隣ということで飯塚へ出場する機会が他場の選手よりそもそも多いし、今回参加する6名全員がタイトルホルダーゆえ名簿を眺めるだけで壮観だ。
近年のランキングで飯塚トップの座を争奪し合っている3名のうち、篠原睦は2022年、有吉辰也は2023年にこのミッドナイトチャンピオンカップを制覇している。
飯塚の消音開催での成績を振り返ると、有吉辰也は過去3年間に21度も優出し5度の優勝。前述したミッドG2を含めて濡れ走路での安定感が高いことが特徴だ。
同期間、篠原睦は30度も優出して優勝8度。2024年の秋以降は昼夜・マフラー種別を問わず飯塚での着取りが素晴らしい。その安定感は伊勢崎における青山周平と比較しても遜色ない。
この両者と比較して荒尾聡はミッドナイトへの参戦数が少ないため、飯塚消音3年間の優出は14度、優勝4度だが、決勝戦の着順は前記2名よりも優れていて、14戦のうち着外わずか2度。残る12戦すべて3着以内と、非常に高確率で車券に貢献している。
中村杏亮も上記3名ほどではないが飯塚の夜開催に出場すると優勝戦まで進む率が高い。岩見貴史は前節の浜松デイレースG1『プレミアムカップ』初日に落車・早退しての今回ぶっつけ実戦になる点は不安が残る。
今年早くもG1開催を2度制覇して目下の進境いちじるしい長田稚也は、近3年間の飯塚・消音に優出27度・優勝3度と実績をしっかり刻んでいて、成長の過程を感じさせる。昨年10月~12月には、出場した夜の飯塚3開催に連続で優勝している。
2024年1月に飯塚ナイター開催でデビュー戦を迎えた福岡鷹は、その節3日制に3連勝。勝ち上がり権利を得てから2節目に臨んだ飯塚ナイター3日制も3連勝して初Vを飾った。それから約2年の修行を経て今年1月に1級車へ乗り換わると、飯塚の夜のみ6節に出場して優出4度・V1と早くも乗りこなしている。さらに、先週の浜松プレミアムカップにおいて自身初のグレード優出を果たした。優勝戦では勇み足のフライングを切ってしまったが、全国トップレーサーと肩を並べるまでに成長している。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-24(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-39(34期)〕
福岡 鷹〔飯塚 A-7(37期)〕
森本 優佑〔飯塚 A-23(31期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-10(31期)〕
栗原 佳祐〔浜松 S-12(36期)〕
松本 康〔伊勢崎 S-22(32期)〕
大木 光〔川口 S-27(28期)〕
吉林 直都〔浜松 S-29(36期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-30(23期)〕
岡部 聡〔山陽 A-12(19期)〕
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《特別G1プレミアムカップの展望》
2月の浜松デイレースSG『全日本選抜』と3月の川口デイレースG1『開設記念グランプリ』とも、目ざましい結果は出せなかった鈴木圭一郎。全日選でもグランプリでも3.35秒台の本走タイムが出ており、両開催とも決勝戦には進んでいるから、車の状態が良くないわけではない。地元エースとして、SGクラスの強力遠征勢を迎撃・撃退し、自身が頂点に立ちたい。それが成れば、年末のスーパースター王座トライアル出場権も手元に引き寄せられる。
全日本選抜と、続く地元伊勢崎デイレースも優勝した青山周平は、通算7度目のプレミアムカップ制覇へ視界良好といえる。3戦3勝で完全優勝した前節の伊勢崎は初日からスーパーハンデに置かれながら、針の穴へ糸を通すがごとき捌きで先行車の狭いインを抜き上げて勝ち続けた。今節の初日も勝利すれば、2日目には自身10度目の10連勝へ挑戦することになる。
黒川京介は全日本選抜の決勝戦、0mオープン戦の1枠から先制しながら序盤の周回で青山周に一発で差されて、その後は反撃する機会すらほとんど与えられないまま2着。SGに準優勝したとはいえ、めざす高峰の厚み・強固さを改めて感じさせる一戦となった。
しかし昨年9月に山陽デイレースでおこなわれた前回プレミアムカップ決勝戦は、0オープン戦の4枠から鋭発すると、1枠の青山周平との車間をどんどん拡げる一方的な展開で大会初制覇。車の状態がマッチして展開づくりも上手くゆけば、S1を倒せる能力を十分に備えている。
佐藤励は全日本選抜に優出したもののレース序盤から後方に置かれて8着。続く川口グランプリは優出できなかったが、最終日の特別選抜戦は高橋貢との一騎打ちを制して1着。計時した本走タイム3.344秒は、決勝戦の勝ち時計より速い、この日のトップタイムであった。今回は大会初制覇とともに、浜松でのデビュー初優勝をもくろむ。
プレミアムカップ通算9Vを誇る永井大介は全日本選抜は初日に他落をこうむって、以降の5日間はエンジンを合わせ切れなかったが、地元川口へ戻ってのグランプリは4戦3勝・2着1回で優出。決勝戦は先頭と2番手の2名が重なり続けたため仕掛けられなかったものの、優勝を狙える水準まで機力を上向かせていた。実際に準決勝戦では、翌日優勝することになる高橋義弘を6周戦の5周目に捕えて捌いている。
有吉辰也も全日本選抜で落車があった。準決勝戦で試走落車したが、最終日の一般戦は捲り・差し自在の捌きで勝利し不安を払拭した。川口グランプリも優出はできなかったが、最終日の特別選抜戦は佐藤励と高橋貢が後続を引き離す速い流れに黒川や早川清太郎が後方へ置き去りにされて苦しむ中、有吉は3着まで車を押し上げて、悪くない状態といえそうだ。
丹村飛竜も永井と同じくグランプリを4戦3勝・2着1回で決勝戦へ進出した。結果は5着だったが、試走タイムなどから鈴木圭一郎に次ぐ車券オッズ2番人気に支持されたことに、ファンの期待と実力評価が表れていた。
浜松での実績は、全日本選抜は4日目で早退、過去2年半ほど優出できていないが、2022年の春先には『G1スピード王決定戦』を制している。
高橋義弘は3年間近く浜松で優出していないが、総体的には昨春以降とても充実した1年を経てきた。昨年3月の川口G1開設記念で6年ぶりにグレード制覇。12月の伊勢崎『レジェンドカップ』でG2初制覇を果たすと、今月の開設記念グランプリで大会2連覇&通算V4を決めた。
2017年前期~2024年後期はほどんどの時期が全国ランキングA級だったが、前期~次期の2026度前期までS級を維持、定着する気配を見せている。デビュー20年を越え、40歳代になった今、また進化の一歩を刻んだ感すらある。
長田稚也も近年の進化が目ざましい。今年1月に伊勢崎G1『開場記念シルクカップ』、2月に山陽G1『スピード王決定戦』優勝。山陽の翌週には全日本選抜にも優出して3着に健闘した。
特筆できる点がある。SGの優出経験が通算4度あり、そのうち3度が浜松での開催だったことだ。昨年3月に浜松でおこなわれたプレミアムカップは5走して4走が3着以内。準決勝戦はラスト1周に永井大介と篠原睦を立て続けに捲っての3着だった。2~3月の浜松で開催された大レースに高い実績を挙げている相性の良さを、今大会も発揮するか。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-16(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-2(33期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
永井 大介〔川口 S-18(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-37(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-39(34期)〕
文/鈴木
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《開設記念グランプリレースの展望》
今回で第74回を迎える川口G1『開設記念グランプリレース』。前回大会は高橋義弘が6年ぶり通算3度目の大会Vを飾り、このタイトルとの相性の良さは参加選手の中でトップクラスといえる。今季の高橋義弘は2月に川口デイレース一般開催を優勝し、浜松デイレースSG『全日本選抜』で悪くない動きとタイムを記録。大会2連覇を狙える良い流れとムードを備えている。
川口25期SGホルダートリオの永井大介・若井友和・森且行は全員、この大会のタイトル保持者でもある。
その中で最も直近に制したのは2023年の永井。3度目の制覇となったこのレースは、2番手まで追い上げてきた青山周平をレース後半は逆に突き放すという完勝だった。
同じく3度の大会V歴がある若井は、昨年12月から優出するペースが上がっている。先月のSG全日本選抜は準決勝戦で反則失格になってしまったが、それ以外の5走は全て3着以内に好走しており状態はかなり良い。
2009年大会の覇者である森は前節SG全日本選抜の2日目、ほぼ6周回を鈴木圭一郎にジカ付けして背後から攻め立て続けるパワーを見せた。
その鈴木圭一郎の近況は、浜松デイレース一般開催の完全VからSG全日本選抜の準決勝戦まで8連勝。川口デイレースの実績は、おととし『スーパースター王座決定戦』制覇、昨秋はG2『オートレースメモリアル』に優出、暮れのスーパースターはトライアル中の整備に苦しみながらも王座決定戦まで駒を進めている。開設記念グランプリはデビューまだ3年あまりの2016年に制している。
2021年のグランプリ覇者である有吉辰也は、前節の全日本選抜は準決勝戦でまさかの試走落車。4日目まではオール3着以内に着取りをまとめていただけに、戦えず敗退したことが惜しまれるが、最終日6日目は展開を読みきった自在の捌きで勝利している。
高橋貢は1997年、丹村飛竜は2017年に当大会を優勝した。ともに今年2月以降の勢いは今ひとつながら、高橋貢は昨春ここ川口でおこなわれたSG『オールスター』に優出した実績があるし、丹村飛竜は今年1月に山陽で3節連続優出・2節Vと活躍していた。その底力から今節に活躍する可能性は十分にある。
A級の遠征車の中で活躍する可能性が比較的に高そうなのは、全日本選抜の予選を好走した鈴木聡太、全日本選抜で鋭いダッシュ力を披露した山本将之、昨年暮れの川口SSフェスタ内『スーパースターガールズ王座決定戦』2着のあと年明け以降は伊勢崎デイレースを中心に捌き足が上向いている高橋絵莉子の名前を挙げたい。
黒川京介は全日本選抜の決勝戦は青山周に差されて準優勝だったが1~5日目まで全勝。今年の川口はデイレース2節に出場して6戦6勝のV2。全国ランキングは4月から適用される2026年度上期を含めて3期連続4度目の川口トップに立った。昨年は準優勝だったグランプリの冠を、地元エースとして今年こそ勝ち取るか。
佐藤励は初めてのSG制覇となった昨年の『オールスター』は川口での開催だったが、ずっと川口にのみ受け継がれてきた伝統のタイトル戦はまだ手中にしていない。全国ランキングは順位を着実に上げてきて今期は初のS級トップ10入り、そして次期は鈴木圭に続くS4の位置まで登ってきた。今年2度の川口決勝戦とも後塵を拝した黒川への雪辱もここで果たしておきたい。
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主な出場予定選手
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黒川 京介〔川口 S-2(33期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
若井 友和〔川口 S-17(25期)〕
永井 大介〔川口 S-18(25期)〕
森 且行〔川口 S-34(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-37(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-11(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-19(24期)〕
文/鈴木
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《SG第39回『全日本選抜』の展望》
オートレース界は青山周平と鈴木圭一郎によるW巨頭体制が何年も続いていた。まずそこへ先陣を切って黒川京介が新たな風を吹き込ませた。
33期の黒川はデビューから長年月を経ずしてグレード戦線の常連になりながら、大レースの決勝戦で青山周の鉄壁のブロックに完封されて勝利できないシーンが数年間に何度かあったが、2024年に自身のホームグラウンド川口で開催された『日本選手権』に6戦6勝して、ついにSG初制覇。翌2025年には、鈴木圭一郎が前年に打ち立てた『年間勝利数記録』を更新して1年間に120勝。2025年後期適用ランキングでは鈴木圭一郎をS3にくだして、全国第2位であるS2となった。
黒川より2期後輩35期の佐藤励も早い時期から頭角を現した。黒川がデビュー約2年半で初めてグレード優勝したのに対して、佐藤励は2022年、デビュー10か月でグレード初制覇。2023年と2024年にもタイトルを獲得すると、2025年は成長と大躍進の年になった。
4月に『オールスター』を6戦6勝で制してSG初優勝。決勝戦は青山周・黒川・鈴木圭を大逆転した殊勲の星であった。9月の伊勢崎G1『ムーンライトチャンピオンカップ』は黒川と鈴木圭をくだして優勝。そして11月、日本選手権の決勝戦は有吉辰也の逃げを捌いて2度目のSG制覇。青山周に対しては10メートル以上の差を付ける完勝だった。
今月に発表された2026年前期適用ランキングでは自身最高位のS4まで駆け登り、その審査基準となる平均競走得点はS5以降の選手のそれを大きく引き離し、S3の鈴木圭とは大差がなかった。そして2025年に複数のSGを制したのは青山周と佐藤励だけと年間MVP級の活躍を見せて、名実ともにトップレーサーの仲間入りを果たした。
31期の青山周は2026年度前期をもって3期連続、通算12度目のS1、全国ランキングのトップに輝いた。昨年10月にはデビュー14年83日という史上最速での通算1000勝と、自身9度目の10連勝を相次いで達成。大みそかには単独で史上最多となる6度目の『スーパースター王座決定戦』優勝。初めてSGタイトルを獲得してから丸10年間、オート界のトップランナーとして君臨し続けている。
最近の推移としては、今年はグレード開催にのみ3節へ出場して優勝をまだできていないことと、昨年12月以降は濡れた走路に苦戦するケースがやや目立っていることがやや気がかりな点。年明けから3節12戦を走って11勝・2着1回・優勝2回の勢いをもって全日本選抜のおこなわれる浜松へ乗り込み、6戦6勝の完全Vで2度目の大会制覇を果たした昨年とはムードが異なる。だが、節間の流れが良くはない時でも最後には何度も結果を出してきた、若武者にはない経験値と底力がある。昨年のスーパースター王座決定戦を制した際に述懐したチャレンジャー精神を胸に、3度目の大会Vを狙う。
32期の鈴木圭は2017年に初めて全国ランキングのナンバー1に立つと、そこから6期続けて王位を維持。2020年以降は冒頭で触れたように青山周とランキングS1・S2を奪還し合いながら両雄で独占し続けてきた。だが2025年度後期と2026年度前期は連続で黒川にS2の座を奪われて、当時の史上最多勝利数記録を塗り替えて勝ちまくった2024年に比べると、昨年の秋以降は白星を挙げるペースが下がっているし、車券圏外である4着以下の敗戦を喫するケースが増えている。
しかし、この全日本選抜の優勝回数は青山周をはるかに上回る通算V5。青山周のSGグランドスラム達成を長年にわたり阻止してきた。そして昨年8月には、青山周に幾度も阻まれてきた『オートレースグランプリ』初制覇を果たして、ついに自身がSGグランドスラマーとなった。あのときからまだ半年も経っていない。歯車さえ噛み合えば、爆発的な速攻力と独走力をまた見せてくれるはずだ。
ここまで、2強から4強へ体制が変化しつつあるように述べてきたが、さらにまた新たな波が姿を現しつつある。34期・長田稚也の台頭である。2022年の賞金順位は全国47位。それが2023年から2025年へかけて16位、13位、12位と上昇し続けて、2023年の秋には日本選手権でSG初優出。全国ランキングも2023年度の後期以降はS級を維持している。
今節へ臨むにあたっての今年3節の流れは山あり谷ありだった。伊勢崎G1『シルクカップ』決勝戦は青山周と黒川を引き離して優勝。ところが飯塚G2『オーバルチャンピオンカップ』決勝戦はブッチギリの先頭でゴールしながら1着失格。その次節に挑んだ山陽G1『スピード王決定戦』は2着の黒川に大差をつけて優勝。近況の成績をみると、先述してきた4選手との実力差を縮めてきていることが良く判る。
全日本選抜は、複数回優勝している選手が多かったり、すでにSGタイトルホルダーである選手が2冠目以降として獲ったりするケースが多いのだが(SG初制覇を遂げるケースが多いのはオートレースグランプリ)、いまの長田稚の勢い・流れをみると、初SGが今回になったとしても不思議ないムードがある。
新世代としてグレード戦線の舞台へ上がってきた36期の栗原佳祐・吉林直都、37期の浅倉樹良・福岡鷹も、今回出場する経験を将来の糧とするだけでなく、非凡な素質を武器に今大会での準決勝戦進出・優出をめざす。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
栗原 佳祐〔浜松 S-12(36期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-2(33期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-39(34期)〕
文/鈴木

《G1スピード王決定戦(山陽)の展望》
昨年2月の『第59回スピード王決定戦』は、10mオープン戦でおこなわれた優勝戦の8枠から速攻を決めた金子大輔が制覇。昨年11月の山陽デイレース一般開催でも準優勝と活躍しており、連覇を狙うこの第60回大会も冬季の山陽にエンジンをしっかり合わせてきそうだ。
前回大会は金子大に1周で差されながら8周回の長丁場をフル活用して2着まで追い上げた丹村飛竜は、浜松の『G1スピード王決定戦』は優勝経験があるが山陽のスピード王決定戦は未獲得であり、今季の地元エースとして最高の結果を残したいし、もし今回の優勝戦で金子大との再対決がなればリベンジも果たしたい。
金子大のほかに前回大会で活躍した遠征車を挙げると、松本康は2日目・3日目に連勝して準決勝戦3着。当時まだ2級車だった福岡鷹は準決勝戦には進めなかったものの5戦3勝。青山周平は初日から3連勝して準決勝戦3着。青山周は先月の飯塚デイレースG2『オーバルチャンピオンカップ』でも初日から3連勝して準決勝戦3着だった。
そのオーバルCC準決勝戦で青山周を破ったのは長田稚也。前の節、伊勢崎デイレースG1『シルクカップ』優勝戦でも青山周を2着にくだして優勝しており、オーバルCCでは2節連続グレード制覇をもくろんだのだが、優勝戦は2着に大差をつけて1着ゴールしながら道中の反則妨害により失格と残念な結果になってしまった。今回は、昨年9月・10月G2『若獅子杯争奪戦』・12月と現在3連続で優出していて相性の良い山陽デイレースの舞台で名誉回復の走りを披露したい。
昨年7月にナイターで実施された『G2小林啓二杯』に準優勝するなどレベルアップして、10月から適用の全国ランキングで自身初めてS級入りした山本翔は、昨年の秋以降は山陽デイレースでは今ひとつ活躍できなかったが(ただし山陽ミッドナイトでは優出が2度ある)、先月下旬の山陽デイレース一般開催3日制は本走タイム3.3秒台を連発。気候に車が噛み合ってきた可能性がありそうだ。
山陽ホープのひとり村田光希は、補充選手としての参戦を含めても2度目、正選手としては初めてG1開催に出場する。村田も山本翔と同じように昨年6月の山陽G2『ミッドナイトチャンピオンカップ』に2級車を駆って準優勝し、一躍名を上げた。そして今年1月には待望の1級車への乗り換えを果たし、3節に出走して2度優出し正月は準優勝、直近節は優勝と目覚ましい活躍を挙げている。
区切りの通過点である通算1700勝と220Vを昨年暮れに達成した高橋貢は、年末の川口デイレース『SSシリーズ戦』や年明けの地元シルクカップでも鋭い捌きを見せて輝きを放ち続けている。山陽デイレースは昨年10走して3着以内が7度と安定感はさすがだ。
佐藤摩弥も昨年1年間の山陽デイレースにおける着取りは19走して着外は6度のみと高水準。昨年4月には山陽G1『令和グランドチャンピオンカップ』優勝戦で4着に入っている。
荒尾聡は昨年7月のG2小林啓二杯と9月の山陽デイレースG1『プレミアムカップ』に優出。今回は先月オーバルCC優勝戦で落車して以来の実戦となるが、前々節シルクカップからエンジンは上昇基調にあった。
鈴木宏和は昨年9月以降、プレミアムカップと若獅子杯争奪戦を含む山陽デイレース3節14走で9勝。先月は飯塚オーバルCC優勝戦で他落をこうむったが、続く飯塚ナイター一般開催は3戦2勝して、昼夜は替わったがオーバルCCと同等の本走タイムが出ていたので、落車によるエンジンの変調はなさそうだ。
伊藤正真は昨年9月プレミアムカップ、10月G2若獅子杯と一般開催の山陽デイレース3節14走が未勝利に終わったが、12月の山陽デイ一般開催は3戦2勝、そして先月下旬の山陽デイ一般開催は優勝戦まで駒を進め、山陽走路との折り合い面の不安を払拭してみせた。
今年出場した4節のすべてに優出している栗原佳祐。デイレース出走は正月開催ぶりになるが、3節前は山陽ミッドナイト4日制の初日から3連勝。優勝戦は丹村飛竜と互角に渡り合い準優勝した。昨秋のG2若獅子杯も好走しており、時間帯を問わず山陽走路で安定した成績を残している。
森下輝はこの1月に1級車へ乗り換えて、まだ優出できていないものの4節16走して8勝と、非凡さを改めて示している。2級車時代の終盤、昨年11月中旬の山陽デイ一般開催では3戦3勝の完全Vを果たしている。
黒川京介も昨年11月下旬の山陽デイ一般開催3日制を完全V。その前月にはG2若獅子杯に準優勝。今年は伊勢崎シルクカップと飯塚オーバルCCの優勝戦で上位争いし、直近節の川口デイレースは永井大介・佐藤励に完勝してVと、勢いは申し分ない。2019年の第54回大会以来2度目の優勝を狙えるムードだ。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
山本 翔〔山陽 S-35(34期)〕
村田 光希〔山陽 A-166(37期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-2(33期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
栗原 佳祐〔浜松 S-12(36期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-16(32期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-39(34期)〕
文/鈴木