4度目のスピードキングをめざす鈴木圭一郎
開催時期によって「秋のスピード王」と銘打たれる回もある「第65回スピード王決定戦」、かつて3連覇した実績を持つ鈴木圭一郎が前節の浜松デイレースを3戦3勝の完全Vと勢いに乗ってきた。
金子大輔は年明けの川口デイレース優勝戦でその鈴木圭を破って4戦4勝の完全V。川口~前節浜松とスタートの切れ味を増している。
本大会ディフェンディングチャンピオン佐藤貴也の前節は、伊勢崎G1準決勝戦3着のあと最終日に勝負強い走りで1着。試走タイム2秒台が出ていたのでスピードアップできている。
川口勢は佐藤摩弥が今月14日に川口デイレース優勝。直近に出走した浜松開催は先月に初日・2日目と連勝しており、車を早くマッチさせることが期待できる。
永井大介は前節の地元川口は準決勝戦が急な雨に見舞われて苦戦したが、初日の良走路において試走・本走とも好時計をマークしていて状態は悪くないはず。
永井と同じレースを戦い準決勝戦4着にとどまった若井友和は、翌日の最終日をやはり好タイムで圧勝している。
上和田拓海、浜松走路と相性がいい掛川和人のムードが良くなってきている。
有吉辰也は地元飯塚ナイター優勝戦は別府敬剛の勢いに屈したが、近況は順調に推移。浦田信輔は昨年後半と比較すると勝ち星を挙げるペースが上がっている。中村杏亮は浜松決勝で鈴木圭に捌かれたものの喰い下がり反撃する姿勢を見せていて、伸びは劣っていなかった。
早川清太郎も底力は上位の選手だが、浜松では以前から活躍する機会が多くなかった。ただ昨年10月のG2と11月のSG日本選手権では何度も2連対を果たしており、整備のコツや走路特性を掴めて徐々に相性が上向いてきた可能性がある。
ランキングA級では地元車に勢いのある選手が多い。花田一輝、米里崇徳、前節浜松の準決勝戦で高橋貢の追撃を振り切った柴田健治、2節前から本走タイム3秒台を連発している中村友和、近況ハンデ位置が有利で逃げ冴えている鈴木健吾、最近は試走タイム2秒台を量産している西翔子、元旦の走り初めを本走タイム388秒でブッチ切り快勝した筒井健太などは、S級車に太刀打ちできる車速の持ち主だ。
栗原佳祐がG1初出場。デビューしてまだ1年弱という若手ながらSG・G2の出場を早くも1度ずつ経験しているようにスピードもレースセンスも非凡であり、排気量の少ない2級車でもメンバー構成とスタート~レース序盤のこなし方によっては、1級車を駆る先輩の強豪たちへひと太刀浴びせるシーンを生み出せるかも。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-4(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-18(24期)〕
木村 武之〔浜松 S-21(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
栗原 佳祐〔浜松 A-4(36期)〕
文/鈴木
SS王座Vの青山周平が地元へ凱旋
2023年の大みそか決戦「SGスーパースター王座決定戦」を制した青山周平が今年の緒戦を地元ファンの前で迎える。
伊勢崎勢では他に高橋貢も王座決定戦を戦った。トライアル4走のラスト4日目を快勝して決定戦8番目の椅子へ滑り込んだあたり、さすがの千両役者ぶりだ。西原智昭は決定戦へは進めなかったがトライアルで好タイムを出していた。
吉原恭佑は今月4日の浜松デイレースでV。2回乗りを含めて4日間5走4勝・2着1度と勢いバッチリ。
川口勢は黒川京介と中村雅人が王座決定戦へ進出した。永井大介はトライアル初日いきなりフライングしてしまい、その後の着順はふるわなかったが、今回は心機一転で臨む。
浜松勢は佐藤貴也と鈴木宏和が年末SSフェスタで好成績を挙げたのに対して、木村武之は先月伊勢崎、正月の浜松とも優勝できず、勢いの点でやや見劣る。
飯塚の荒尾聡も最近の数節は勢いに乗れていない。「SSシリーズ戦」を準優勝した中村杏亮の方がフレッシュな魅力がある。長田稚也は初参加のSSトライアルで切れなかったスタートの修正が当面の課題。
山陽勢は今回のSSフェスタでは目立った活躍をできず。とはいえ丹村飛竜と松尾啓史はレース場や昼夜に関わらず安定して動けるし、山本将之は最近の成長ぶりが秀逸。
ランキングA級から伏兵になりうる選手を挙げると、地元の三浦康平、佐久間健光、仲田恵一朗が昨秋から活躍中。野本佳章は直前の浜松でスタートの切れ味を大きく上げていた。辰巳裕樹と平塚雅樹もダッシュ力は高値安定。
緒方浩一、中野憲人、鈴木一馬、柴山信行が直近の開催でエンジン良かった。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-5(28期)〕
黒川 京介〔川口 S-20(33期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-4(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-14(33期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 A-154(28期)〕
文/鈴木
鈴木圭一郎と青山周平をおびやかす存在は現れるか?
昨年の王座決定戦、史上3人目の4連覇を目指していた青山周平に待ったをかけて2度目のSS王座に輝いた鈴木圭一郎が、今回は先週の山陽オートを身体不良で欠車して以来、ぶっつけで大一番に臨むことになった。4日間のトライアル4走すべてで良い成績を挙げることが重要なだけに、体調をしっかり整えられるか動向に注目したい。
青山周は消音マフラーとの折り合いをつけて車を仕上げられるかが大きなポイント。2019年~2021年の3連覇はいずれも最内1枠から早めに先頭へ立って逃げに持ち込んだのが、2022年は1枠から先行できず8番手まで後退する苦しい展開に。数年先までスーパースターが消音マフラーを用いて争われる以上、SS王座を奪還するためには消音マフラーと仲良くなり、手なずけることが大切だ。
黒川京介はレーサー5年目の弱冠23歳でSSトライアルを突破し、初めて挑んだ王座決定戦で青山周を相手に堂々の2着。何周もマークを受けた鈴木圭には1度も前へ出させなかった。
今年はG2タイトルを2つ獲得、夏の「SGオートレースグランプリ」準優勝と、2021年にヒケを取らない実績を挙げて挑戦する。
今年大きく躍進した若手の筆頭格が長田稚也。8月に地元G1「ダイヤモンドレース」を優勝して初めてのグレード制覇。その2カ月後には日本選手権の予選~準決勝戦を突破して初めてのSG優出を果たした。実戦での10周戦を経験できたことも、今回そして将来への大きな糧となるだろう。
SSトライアル初出場が今回もう1人いる。全国トップクラスのスタート力を武器にキャリアの浅い時期から頭角を現していた鈴木宏和である。
今年は自身通算2度目となるSG決勝の舞台を経験。グレード戦タイトルこそ未獲得だが、先月下旬は飯塚G1準優勝、今月中旬には川口デイレース5日間開催を初日から準決勝戦まで4連勝。決勝で名手・早川清太郎と競り合えたのは、鈴木宏の捌きが上達していることを如実に物語っている。
並行して争われる「SSシリーズ」の方は、こちらも近年の成長めざましい若手の中村杏亮が有力候補の1名。昨年はSSシリーズ決勝戦へ進出し、黒川・佐藤摩弥・金子大輔・佐藤貴也に次ぐ5着。その4名が今年はSS王座トライアルの方を走る。となれば今年のSSシリーズ王者に最も近いのは...。
開催の初日には「2023スーパースターガールズ王座決定戦」が行なわれる。近況は35期の新井日和と西翔子が活躍し話題にも多くのぼっているが、34期の松尾彩も実力をどんどん付けている。先月の飯塚G1と今月の地元山陽G1でそれぞれ1勝を挙げた。最新ランキングでは100以上も順位を上げて初のA級2ケタに。速攻派が多い女子レーサーの中では希少な、どちらかといえば追い込み型で、決定戦のレース前半は展開作りに参加できなかったとしても、後半にかけて姿を現してくるか。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-20(33期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-17(34期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-14(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
松尾 彩〔山陽 A-38(34期)〕
文/鈴木
遠征勢を迎え撃つ絶好調の丹村飛竜
今月5日の浜松デイレース決勝で鈴木宏和・青山周平の後塵を拝したS1鈴木圭一郎が、ここは最高の成績を上げて年末のSS王座トライアルへ臨みたいはず。
高橋貢も地元G2レジェンドカップは準決進出を逸する不本意な形に。ただ5日間のうち3日目を除く4走すべて本走3・3秒台で快勝といえる内容のレースをしており、エンジンは決して悪くない。豊富なキャリアを活用して、他者よりも早く走路状態を掴んで整備を合わせてくるか。
そのレジェンドカップ、飯塚勢は浦田信輔(と今回は不在の有吉辰也)が優出したものの荒尾聡、篠原睦は活躍できず。川口勢は決勝に森且行を含む4名も送り込んだが、若井友和や永井大介はそれぞれ5戦1勝にとどまった。
今回出場する川口車で最も勢いがあるのは佐藤励だ。10月以降7節に出場して優出6度、V4回に準優勝2回と素晴らしい戦績を挙げている。前節の飯塚ミッドナイトで本走3・34秒が出ており、速いタイムが求められる新走路の山陽にも対応できる可能性は十分。
夜開催のスピード勝負を得意としている中山光は、新走路にマッチすれば相当に速いタイムを出せる能力の持ち主。スタートで遅れることがあっても、加速力が上がる走路なら伸び返すことが可能だ。
今回の大きなポイントは、さきに少し触れたが舞台となる山陽オートレース場が走路改修を経て今月1日に再開したばかりである点。そのため新しいコースで実戦を経験していない選手が多く、新走路との相性や慣れるまでの時間差は選手ごとに異なるはずで、そのことが各選手の成績そして優勝タイトルのゆくえに多大な影響を及ぼす。
走路リニューアル後すでに3つの開催が行われて、今回出場する地元S級選手の中では丹村飛竜と長田恭徳が新走路の3節すべてを経験済み。丹村は1・2節目を連続優勝。長田も走路の感触を掴めていた様子で、この両名が先頭に立ち地元勢をリードするか。S級に匹敵する実力を持つ丸山智史や藤岡一樹にも新走路を経験したアドバンテージがある。
山本将之と山本翔が調子と実力を上げてきて、前者は1度、後者は2度、新走路で優出を果たした。古城龍之介や矢野正剛は新走路にマッチしたおかげもあってか復調してきて、この勢いを大舞台で発揮したい。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
若井 友和〔川口 S-9(25期)〕
永井 大介〔川口 S-12(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
森 且行〔川口 A-16(25期)〕
山本 将之〔山陽 A-6(33期)〕
文/鈴木
今回から28期がレジェンドの仲間入り
過去から今に至るまで伝説のページを紡ぎ続けているオートレーサーが伊勢崎に集う『レジェンドカップ』は、前年度におこなわれた1月に続いて今年2度目の開催を迎える。
前回大会の決勝は、篠原睦と内山高秀の逃げ態勢を若井友和がラスト8周目一気に捌くはなれわざでウイナーに輝いた。
2019年~2021年は高橋貢が大会3連覇。その後の2大会もきっちり優出を果たした。現在進行形で記録を延ばし続けているオート史上最高クラスのレジェンドである。
今回から28期生が出場権利を獲得した。その中でも実績ピカイチなのが中村雅人。SG優勝6度、通算1000勝もうっすら見えてきており、彼もまた現役レジェンドの1人だ。昨年以降SGを含めて6優出・2Vと、伊勢崎走路との相性は上々で、大会初参加にして有力な優勝候補といえる。
三浦康平は数ヵ月間スランプに陥り、前期S級から今期はA級3ケタまでランキングを大幅に下げたが、10月下旬に復調を果たしてからは優勝1回、準優勝2回と好調が続いている。前節のハンデ位置は最重ハンデの10メートル前であり、今回大暴れする可能性は十分。
木村武之は、走路改修を経た今年5月以降の伊勢崎2節8走は3着が最高着順だが、かつて当地では『SG日本選手権』を2度制覇したほかG1・G2タイトルを数多く獲得しており、良いイメージを思い出して走りたいところだ。
参加資格を得て以降、決勝へ毎年メンバーを送り込んでいるのが25期。V歴および優出歴を持つ若井友和、森且行、永井大介、有吉辰也、岩崎亮一、谷津圭治、岩沼靖郎が今年は勢ぞろいしており(森且行が公傷療養のため一時期戦列を離れていた)、軍団として存在感を示すか。
そのほかに伊勢崎の新走路で実績を挙げている遠征車は、荒尾聡が今年6月、タイトルどおり雨中決戦となった『G2稲妻賞』を優勝。鈴木清は9月に『G1ムーンライトチャンピオンカップ』で青山周平には離されたが若井友和との接戦を制して準優勝。篠原睦は8月に『SGオートレースグランプリ』優出。彼にとって伊勢崎は、おととしSG初制覇を成し遂げた思い出の地でもある。
岡部聡、鈴木辰己、加賀谷建明、青島正樹も新走路における好走が目だっている。
※12月5日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
木村 武之〔浜松 S-21(26期)〕
中村 雅人〔川口 S-5(28期)〕
若井 友和〔川口 S-9(25期)〕
森 且行〔川口 A-16(25期)〕
永井 大介〔川口 S-12(25期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 A-154(28期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-19(27期)〕
文/鈴木繁樹