川口のW佐藤に注目だ
年2回のペースで、飯塚と山陽で交互に開催されているG2ミッドナイトチャンピオンカップ。前回は今年3月に山陽で実施されて、伊勢崎所属の新井恵匠が大会初制覇を遂げた。
地元エースのひとり有吉辰也は目下8連続優出。その中には飯塚・消音のSGオールスターとミッドナイト2節が含まれる。そして昨年7月に飯塚で開催された前々回G2ミッドナイトチャンピオンカップの覇者ともなった。もうひとりのエース荒尾聡は先月上旬、伊勢崎ナイター(レギュラーマフラー)のG2稲妻賞を昨年に続いて2連覇。そして下旬には飯塚ミッドナイトも優勝した。
篠原睦は、通算では4回前、飯塚開催としては2回前の2022年6月に本大会を制した。飯塚の消音開催は今年1月から4月にかけて出場した3節を連続優出。5月から6月にかけて出場した4節もすべて優出し、優勝を1度決めた。岩見貴史は飯塚・消音へ今年12節に出走して7度も優出。篠原と同様に優勝が1回ある。
長田稚也は前々節浜松G2や前節飯塚のデイレースは活躍できなかったが、今年1月以降の飯塚・消音に限ると24戦して13勝、4節に優出と安定感が跳ね上がる。長田と肩を並べるようにここ数年で実力を上げてきた中村杏亮は5月下旬あたりから成績ふるわないが、4月のSGオールスターは初日から5日目までオール3着以内で優出を果たした。
ミッドナイト巧者として名高い滝下隼平は今年4月~5月の飯塚消音では大きな着順が増えていたが、6月に入り2勝を挙げるなど上昇の兆しは見えている。久門徹・別府敬剛・川口裕司・井村淳一も5~6月に飯塚消音での成績が上向いてきた。
木山優輝と藤川竜はマフラー種別や昼夜の別なく今季は成績が上昇している。木山は1月の落車をきっかけに陥っていた低迷からの脱却、藤川竜は捌く技術の向上が要因とみられる。
浦田信輔は正月の飯塚ミッドナイトに優出と今年の緒戦を好発進しながら2月に落車して3か月の休養をしいられた。5月に復帰して5節20戦を走り、先月29日の飯塚デイレース最終日は力強い捌きで快勝。復帰後2つ目の勝利を手にした。SG制覇8度、グレードレース40Vの大スターは、完全復活へ向けて1歩ずつ進んでいる。
過去1年間における消音マフラーでの飯塚・夜開催に、4場の遠征車たちの中でトップクラスの実績を挙げているのが、川口の佐藤摩弥。昨春のSGオールスターに準優勝、同年7月のG2ミッドナイトチャンピオンカップにも優出すると、今春のSGオールスターは2年連続で準優勝した。
佐藤励も非常に高い適性を示している。2級車で挑戦した昨年のSGオールスターは準決勝に進めず一般戦回りにはなったが、6日制の後半3日間に3連勝。夏に1級車へ乗り換わり、飯塚ミッドナイトは10月に優勝、12月に準優勝。今年のSGオールスターは昨年とは逆に初日から3連勝。フライングで勝ち上がり権利を失ったが、後半3日間もオール3着以内でまとめた。通算すると飯塚の消音では現在15戦連続で車券対象を外しておらず、1級車での3連対率は100パーセントである。
中山光は今とは気候が異なるが昨年12月に飯塚ミッドナイト優出。山田真弘は昨年7月の飯塚ナイターG2オーバルチャンピオンカップで準決勝まで進出して3着と活躍。青木治親は今年SGオールスター6戦のうち3走で3着以内に好走。さらに5月の山陽ミッドナイトや6月の川口ナイトレースでも上位の着順を多く取っている。
伊勢崎車は吉原恭佑が先週の山陽ミッドナイトに優出して、消音マフラーの感触を掴めていそうだ。
新井日和は昨年のSGオールスターを初日3着、2日目2着と好発進しながら他者被害の落車により早退となったが、3か月後のG2オーバルチャンピオンカップは5戦2勝・2着1回、今年のSGオールスターは6日間に1着と2着を1つずつ獲っている。
浜松の鈴木宏和は今年のSGオールスター、不安定な走路状態だった決勝戦は速攻が決まらなかったが、初日~5日目までオール2連対して優出。5日目の準決勝戦は0メートルオープン戦の6枠から好スタートを切り8周戦に勝利。今大会ミッドナイトチャンピオンカップの優勝戦も8周回でおこなわれる。
昨年4月の飯塚ナイターに揃って優出した中村友和と落合巧は、先月29日に終了した飯塚デイレースでも揃って準決勝戦3着の戦績を残した。
前田淳は昨年9月の飯塚ミッドナイトを3戦3勝の完全V。今年5月の飯塚ミッドナイトと先月の山陽ミッドナイトでも好走した。人見剛志は今年5月アタマの山陽ミッドナイトから目に見えて成績が上昇し、以降は現在まで27戦12勝。6月中旬の山陽ミッドナイトでは本走タイム3.380秒をマークし2着の丸山智史に大差をつけて圧勝した。
開幕の数日前、当初あっせん予定のなかった丹村飛竜の追加出場が発表された。昨年7月以降の消音開催、特に山陽ミッドの成績は卓抜しており、12節に出場して8優出・4V。同期間に出走した飯塚・消音3節でも好成績を残している。有力なV候補がいきなり加わったインパクトはかなり強烈だ。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-18(34期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-30(23期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-20(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-26(31期)〕
新井 日和〔伊勢崎 A-16(35期)〕
文/鈴木
浜松32期の三銃士
G2開催へ昇格してから今回で2度目となる『浜松記念 曳馬野賞』。昨年10月の前回大会は鈴木圭一郎が5日制の2日目から4連勝で『初代』覇者となった。
今季の鈴木圭はオートレース新記録となる18連勝を達成したうえ、今年の半分が終わっていないのに現在56勝。昨年に青山周平が樹立した年間最多勝利数の記録97勝を大幅に更新できるペースで勝ちまくっている。5月以降18戦で2連対を外しておらず、今大会も万全の構えで臨めそうだ。
その鈴木圭を今月3日の浜松デイレースで破ったのが同期32期の鈴木宏和。浜松アーリーレースから連続Vとなった。4月から5月にかけてはSGオールスター(飯塚ナイター)とG1ゴールデンレース(浜松デイレース)に連続優出。前期ランキングはS15、今期はS4。来期もS級上位を維持しそうな活躍ぶりだ。そうした現状で欲しいのはグレードレースのタイトル。ひとつ獲れば、更なる飛躍へつながる可能性もあるだろう。
同じく32期の中村友和も、今月16日の川口ナイター決勝で鈴木圭に土をつけて優勝。4月下旬のアーリーレースから浜松の開催6節に出走して、それ以前よりも上位の着順を取るケースが増加しているので、春以降の浜松の気候にエンジンが合ってきたとも考えられる。
昨年の曳馬野賞を準優勝した金子大輔が、ここにきて本格化している。4節前と3節前の浜松デイレース決勝は共にスーパーハンデ鈴木圭の後塵を拝したが、2節前の浜松アーリーを4戦4勝で制すると、返す刀で前節の浜松アーリーも3戦3勝、2節連続の完全Vで通算7連勝。5月以降は21戦13勝の白星ラッシュとなっている。
伊藤信夫は今月9日のアーリー決勝ゴール間際、逃げ込む金子大へタイヤ半分ほどまで差を詰めた。昨年7月以来Vから遠ざかっているが、現在は2節連続で優出し近9走が3着以内と、上昇カーブを描きながら安定してきた。
佐藤貴也の前節はG2稲妻賞(伊勢崎ナイター)優出。ゴール通過は5着だったが、逃げる荒尾聡の背後で青山周平・早川清太郎・中村雅人らが繰り広げた大激戦に佐藤貴も加わっていて、エンジン状態は良かった。最近の浜松では先月中旬のゴールデンレース最終日に勝利。続いてデイレース一般開催2節に出場して9戦5勝、すべて4着以内と着順をまとめており、地元の気候も掴めている。
まだ2級車ながら栗原佳祐は9度目、吉林直都は7度目のグレードレース挑戦となる今回。それぞれの直近の大レースは、栗原佳はゴールデンレース初日の『ゴールデンドリーム』戦を最重ハンの20メートル前から逃げて、鈴木圭には捕まったが佐藤励や佐藤貴也を大差でチギって2着。最終日は本走タイム3.400秒で独走勝利した。吉林はG2川口記念の初日を永井大介に先着して2着。4日目は岡部聡を振り切って勝利すると最終日5日目は残り半周で森本優佑に差されたが2着に逃げ残った。両名とも厳しいハンデ位置へ置かれることになるだろうが、車券の対象に十分なりうるし、今まで出場したグレード戦より優秀な成績を挙げる可能性を秘めている。
永井大介は今月上旬の地元ナイター開催を初日2着からの4連勝で優勝し、波に乗ってきた感がある。過去1年の浜松デイレースでは、今と気候の近い昨年7月の一般開催、そして昨秋のSG日本選手権に優出している。
川口S級5名のうち、6月13日~16日のナイター開催に出場した佐藤摩弥・若井友和・森且行の3名とも優出を果たしており、エンジンを仕上げてくる手腕はさすがというほかない。
その中でも特に佐藤摩弥が過去1年の浜松で高い実績を残している。昨年9月の特別G1プレミアムカップに優出。11月の日本選手権では2023年3度目のSG優出(同年最初のSG優出も、2月に浜松でおこなわれた全日本選抜だった)。今年に入っても、浜松に出走した1月と5月の2開催とも優出している。昨年の曳馬野賞は強風や降雨に日替わりで見舞われる不安定な天候に折り合いを欠いたものの、おおむね季節を問わず好走できていることは強みでもあり自信にもつながりそう。
高橋貢は近況のグレードレースでは準決勝戦どまりが相次いでいるが、過去1年の浜松デイレースは昨年9月の特別G1プレミアムカップが5戦4勝。11月のSG日本選手権と今年1月の一般開催に優出し、先月ゴールデンレースは5走して2連対3度と、悪くない流れで今節を迎える。
伊藤正真は過去1年、消音アーリーには優出歴があるものの浜松レギュラーマフラーでは未勝利が続いていたが、先月デイレース5日制開催の4日目は、自身の20メートル前から先に抜け出して独走態勢に入った大物ルーキー浅倉樹良を、本走3.395秒の好タイムでレース終盤に捕えて勝利した。
飯塚勢で気になるのは浦田信輔の動向。2月の落車事故から5月に実戦復帰して3節を走り、まだ本来の動きにはほど遠い印象ながら、過去にゴールデンレースを4連覇するなど浜松走路との相性は長年良好で、完全復活を心待ちにしている大勢のファンのためにも得意の舞台で巻き返したいところだ。
昨秋当地の日本選手権で自身初のSG優出を果たした長田稚也は、今年5月は相次ぐ落車に見舞われたが、6月に入ると飯塚ミッドナイトに優出し、続く飯塚デイレースで今年の初優勝を挙げた。若い成長株は上昇気流に乗ったときに大仕事をやってのけることがあるので注目したい。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-11(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-16(24期)〕
中村 友和〔浜松 A-1(32期)〕
栗原 佳祐〔浜松 A-117(36期)〕
吉林 直都〔浜松 A-205(36期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-18(34期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-26(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-30(23期)〕
文/鈴木
雨巧者が多く日々の天候もカギ
青山周平は近5年の稲妻賞に全て優出して3度優勝。3年前は準優勝、重走路で実施された昨年は8枠からスタート決まらず後方のまま終わった。今年は雨走路を7走して3勝・2着も3回と着順は悪くないが、2月のSG全日本選抜(川口デイレース)決勝は0メートルオープン戦の3枠からトップスタートを切りながら徐々に後退して5着。遠征車にも全国区の雨巧者が名を連ねて梅雨の時期におこなわれる今回は、雨が降った場合の対処がひとつのポイントとなりそう。直近2節はSGオールスター(飯塚ナイター)優勝からの、浜松デイレース一般開催をスーパーハンデで準優勝と、エンジン面は問題ない。
3年前に青山周に完勝して通算4度目の稲妻賞Vを果たした高橋貢は直近の優勝から丸1年遠ざかっており、大勢の地元ファン来場が見込まれる今回は闘志に一層の熱が入りそう。前節の伊勢崎ナイターでは晴雨とも上々の走りを見せており、機力・乗り手ともリズムは良い。
対照的に早川清太郎はSGオールスター6日間が未勝利、続く地元ナイターは初日~2日目に連勝しながら3日目の準決勝戦が妨害失格。最終日4日目は勝利したが、その後2節・6走は勝ち星なし。昨年12月を最後に優勝できてなく、勢いの面では物足りない。ただ近5年はムーンライトチャンピオンカップ(伊勢崎)、キューポラ杯(川口)などナイターのグレード開催に何度も優勝しており、この稲妻賞も2016年に制覇、2020年には陽がすっかり暮れた18:30発走のプレミアムカップ(山陽)優勝と、夜の大舞台に実績を上げているので、伊勢崎の夜空へ8年ぶりに稲妻を轟かせるシーンは十分ありうる。
地元車から伏兵を1名挙げるなら大月渉だ。通例となっている冬季のお休みを経て4月はじめに再開した伊勢崎ナイター開催(アフター5を含む)の6節に出場して4節に優出。準優勝2回に優勝1回と優秀な成績をマークしている。特に5月下旬の通常ナイター決勝は高橋貢を振り切って快勝。地元の夜の気候にエンジンがマッチしている強みをグレード開催でも発揮するか。
中村雅人は昨年11月に伊勢崎ナイター一般開催を優勝。翌12月のG2レジェンドカップと今年1月、伊勢崎デイレース一般開催にも優出した。そのレジェンドカップを優勝したのは加賀谷建明。伊勢崎ナイターは昨年8月のSGオートレースグランプリ6日制の後半3日間を3連勝で締めくくった。今回の出場選手では森且行と西原智昭も前回レジェンドカップに優出している。
佐藤貴也は過去1年に伊勢崎ナイター6節へ出走して4節に優出。うち1節はSGオートレースグランプリ。グランプリが伊勢崎ナイターで開催されるようになってから昨年で9年、うち3度も優出している(=8周回でおこなわれる準決勝戦を3度も突破している)ように、伊勢崎の夏の夜の長距離戦は得意な舞台といえそうだ。
丹村飛竜は過去1年の伊勢崎ナイターはSG・G1・G2に1節ずつ出場して、9月のG1ムーンライトチャンピオンカップに優出。今年1月の伊勢崎G1シルクカップ(デイレース)にも優出した。
荒尾聡は過去1年の伊勢崎はナイターとデイレースに2節ずつ出場。雨中決戦となった昨年6月の稲妻賞を制覇した。8月のSGオートレースグランプリは5日目準決勝戦の不安定な濡れ走路を中村雅人に届かず僅差の3着だったが、今年は5月3節すべて優出と良い流れで来ており、大会連覇へ視界は良好といえる。
そのほかの遠征車の中では比較的に、青島正樹、石貝武之、角南一如、五十嵐一夫、山際真介、北原岳哲が過去1年の伊勢崎ナイターで好成績を挙げている。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
大月 渉〔伊勢崎 A-44(31期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-20(29期)〕
森 且行〔川口 S-22(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-33(27期)〕
文/鈴木
川口勢が地の利を発揮しそうな今シリーズ
※斡旋されていた青山周平選手は今節休場となりました。
地元川口の今期エースである黒川京介は、しばらく優勝から遠ざかっているだけでなく優出を逸するケースが最近は多めだが、川口の消音ナイターは昨年6月と9月に優勝しており、この大会はおととしに制覇。実績と相性の良い川口ナイターゆえ、整備で上向かせてくる可能性は十分ある。活躍できた時の整備データを豊富に持っていることは大きな武器となる。
今ひとりの期待の若手、佐藤励は先月のSGオールスターと前節の川口ナイターをともに予選中のフライングで失権するという無念の形になったが、3月、4月と川口ナイトレースで優勝しているので、こちらもまたエンジンをマッチさせやすそうで、初めての地元タイトル獲得に燃えてくるはずだ。
森且行がグングン上向いている。2節前の川口デイレースは優出3着、前節の川口ナイターは準優勝。『川口記念』は今からちょうど10年前、当時はデイレース開催だったが1番人気に応えて優勝。長期療養から復活を果たして3年半ぶりのVを地元の大舞台である今開催で決めれば、川口ファン、オートレースファンを熱狂させられよう。
復権を図っているのは池田政和も同様だ。2月・3月・4月に出場した川口ナイトレース全開催で試走タイム2秒台をマークしており、夜の川口・消音開催は気候を問わずエンジンを合わせられている。
佐藤摩弥のムードが高まっている。先月のオールスターでは2度目のSG準優勝。前節の川口ナイター5日制は初日から4戦3勝で優出して機力も勢いもバッチリだ。『川口記念』がナイター開催に替わった初年の2016年大会のウイナーであり、今につながる成長・躍進のきっかけになったともいえるこの大会、地元の顔のひとりとして2度目のVを狙っていきたい。
昨年5月以降の川口・夜開催において地元車は他に、中村雅人が6節出場・4優出、若井友和が10節出場・5優出、永井大介が9節出場・5優出・1V、上和田拓海が11節出場・3優出・1V、平田雅崇が10節出場・4優出、小林瑞季が11節出場・4優出の実績を挙げている。
大ベテランにして今も第一線を駆け続けている闘将・岩田行雄。直前に出走した浜松デイレース5日制は後半2連勝で締めくくった。高い整備力に裏打ちされた強烈な攻撃力は今も冴えわたっている。
長田稚也は、川口で開催された昨年のスーパースターフェスタや今年3月の開設記念グランプリではエンジン合わせきれなかった印象だったのが、先週の川口ナイターは3日目の落車で勝ち上がり権利を喪失したものの高いパワーを披露した。4月SGオールスター優出など大レースでの活躍が増えつつあり、今後の飛躍につながるかも含めて注目したい1車だ。ちなみに7月には川口G1キューポラ杯にも参戦する予定。
木村武之は昨年6月の川口ナイター一般開催4日制をオール2着で準優勝。昨秋と今年1月にも川口の消音・夜でそれぞれ1着を獲っている。
昨年7月の川口消音ナイターG1キューポラ杯では、伊藤信夫は準決勝戦まで進出。松尾啓史も準決勝戦には進めたが勝利は挙げられなかった。横田翔紀は予選中にフライングで失権したが5日間を通じて好走。
松山茂靖と石川哲也は過去1年に川口消音へ3節も出場した経験がアドバンテージになるか。
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主な出場予定選手
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黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
若井 友和〔川口 S-12(25期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
森 且行〔川口 S-22(25期)〕
池田 政和〔川口 A-8(23期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-16(24期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-18(34期)〕
木村 武之〔浜松 S-29(26期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 A-7(15期)〕
文/鈴木
前節に連勝の新記録を樹立した鈴木圭一郎
昨年の前回『ゴールデンレース』決勝戦は、雨走路で大逃げ打った浅野浩幸をレース最終盤に捕えた鈴木圭一郎。前節SGオールスター(飯塚ナイター)は決勝戦の発走で前輪を浮かせて敗戦したが、準決勝戦まで通算18連勝しておりエンジンまさに充実。今節は大会2連覇および4度目の戴冠をめざす。
鈴木圭と同期の鈴木宏和は、いまだタイトル未保持ではあるが今期のランキングを全国4位まで押し上げたように地力アップは明らか。最も成長した点は、捌く腕を上げたこと。スタートの鋭さはキャリアの浅い時期から全国トップクラスであり、あとは雨走路の走りを身に付けられればスーパーグレード獲得も夢ではない。ゴールデンレースは2021年に優出しているが、雨走路で8着に終わった。
その2021年、第65回大会を制したのは佐藤貴也。レース中盤から鈴木圭との一騎打ちになるも1車身振り切った。先月SGオールスターでは初日から5日目まですべて3着以内にまとめて優出6着。スタートの切れ味が上向いた準決勝戦を走り終えて、直線が弱いけど手前の伸びは良いと語っていた。
金子大輔、伊藤信夫もオールスターの動きはマズマズ良かったが、木村武之は速い本走タイムが出ていなかったのが気がかりな点。あとは、6日間の着順は3着が最高ながら、栗原佳祐が非凡なスピードを示した。
2000年代にゴールデン4連覇を果たした浦田信輔は参加しないが、2010年代に4連覇している中村雅人が今回参戦。オールスターは準決勝戦で2着の中村杏亮に僅差届かず優出はならなかったが、6日間に3勝して2着・3着・4着が各1回と良い仕上がりで今回に参戦できる。
佐藤励はオールスター初日・2日目に快勝して臨んだ3日目、フライングを喫して勝ち上がり権利を喪失。しかしそのレースを2着に大差を付けて圧勝すると、残り3日間もオール3着以内に好走。浜松走路では2級車時代から大敗が少なく、1級車に乗り換わって以降では今年2月に優出している。
掛川和人がオールスター初日から3走連続で3着。4日目に勝利して準決勝戦まで進んだ。浜松走路は長年相性が良く、久しぶりに浜松へ出走した昨秋の『SG日本選手権』も初日いきなり勝利している。
消音マフラーでの開催になるが昨年の浜松アーリーレースで梅内幹雄が優勝。同時期にアーリーレースに優出した篠崎実は、さきのオールスター最終日に『SG最年長勝利』の新記録を打ち立てた。柴山信行は今年4月に浜松デイレースで優出したばかり。経験とテクニックと整備力に長けた彼らベテラン勢にも注目したい。
G1戦を28度も優勝している高橋貢が意外にも獲得していないタイトルがこのゴールデンレース。昨年の日本選手権に優出するなど走路との相性は決して悪くなく、今回が新たな勲章を加える機会になるかも。
鈴木宏と同期32期の松本康もまたグレード優勝の経験がないが、昨年の日本選手権では6走4勝・3着2回と好成績を挙げていて、今回活躍する可能性が十分ある。
伊勢崎A級レーサーでは、押田和也が昨年7月の消音アーリーレースを4日間全勝の完全V。岩田行雄は先月中旬にデイレース優出。野本佳章は昨年の春にデイレース準優勝。
有吉辰也は過去1年間の浜松に、日本選手権をはじめとするグレードレース4節を含む6節に出場して、すべて優出するという素晴らしい安定感。先述した昨年のゴールデンレース重走路3着もそのうちの1節。振り返れば若手の頃に『G2ヤングダービー』、今から5年前には『G2ウィナーズカップ』を制したし、SGレースV3のうち2回はここ浜松でのものだった。
中村杏亮は先月オールスターで自身2度目のSG優出。昨年のゴールデンレースは大きな着順が多かったが、その後は日本選手権の予選4日間に3勝するなど浜松で活躍するケースが増えてきている。
山陽勢は参加人数が少ないうえ、近1年の浜松に優出歴を持つのは丹村飛竜と人見剛志のみだが、佐々木啓はデビュー3年でG1を制覇してからも長年、浜松走路で高い実績を挙げ続けてきた。さらに、今年3月ごろから目に見えて攻撃力がアップしており、2021年『SG全日本選抜』以来となる浜松でのグレースレース優出を狙えそうな雰囲気がある。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-19(33期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-44(23期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 A-7(15期)〕
篠崎 実〔川口 A-111(9期)〕
文/鈴木