
2強に他者が付け入る隙はありそう
開催中に桜の便りも聞かれそうな2025年・春の祭典『特別G1共同通信社杯プレミアムカップ』。ただ今シリーズは、いつもの大レースとはムードが少し異なっている印象。
まず地元エースにして全国ランキング今期S1の鈴木圭一郎は、今年5度優出しながらVゼロ。直近に出場した川口デイレースG1『開設記念グランプリ』は初日から4連勝で決勝戦へ進んだが4着。優出30回、優勝14度の昨年が素晴らしかっただけに、今年ここまでの推移とは落差がある。
4月からの次期S1奪還が決まった青山周平も、ごく最近の流れは彼としては稀有なレベルで勢いに欠けている。2節前の山陽デイレースG1『スピード王決定戦』は、昨年8月から出場した開催にすべて優出してきたのが、16節ぶりに連続優出が途切れた、前節の開設記念グランプリも雨の準決勝戦を着外に敗れたのち、最終日は好タイムで勝利したものの2020年11月以来となるフライングを喫してしまい、鈴木圭と同様に絶頂時のイメージに比して歯車がズレている感がなくもない。
むろん、近3度の本大会を交互に優勝している両雄ゆえ、普段のリズムを出せれば優勝候補の筆頭に位置することには変わりない。
ただ、そうした状況で迎えた今大会は、新たな波の到来も期待してみたいところだ。
佐藤励はG1開設記念グランプリの準決勝戦で、驚異の試走タイム3.20秒をマークし、レースでは黒川京介・森且行・荒尾聡・高橋貢のSGレーサーたちを破って勝利。ところが優勝戦は、逃げる高橋義弘を追撃していた黒川の内へ突っ込もうとして接触・落車。黒川にも大きな被害を与えてしまった。
続く今月中旬の川口デイレース一般開催は雨の準決勝戦を3着に敗れて、黒川と優勝戦での再戦はならず。今大会こそ優出して、黒川との対決、そして雪辱を実現させたい。
黒川は前述の通り開設記念グランプリの決勝戦で不利をこうむったが、その後のレース道中は鈴木圭に反撃して抜き去ると、ゴールでは先頭の高橋義弘に肉薄し、負けてなお強しと感じさせる走りが印象的だった。そして今月17日の川口デイレース優勝戦は、青山周に大差を付けて完勝。先月には自身初めての10連勝も達成して、昨年9月からの数節に成績を急上昇させたのち11月にSG日本選手権を制覇した流れと似た雰囲気を醸し出し始めた。
鈴木宏和は先月の山陽スピード王決定戦と今月の浜松2節いずれも準決勝戦を雨に見舞われて大きくは活躍できていないが、2月は浜松デイレースSG『全日本選抜』に準優勝。青山周と10周回の長丁場を互角に渡り合ったすえゴール時も着差は1車身。そのわずかな差は夢のSG制覇へ1歩ずつ近づけていることの証しだ。
いま篠原睦が波に乗っている。全日本選抜は準決勝戦どまりだったが、続く山陽スピード王決定戦は優出して4着。そして2月末からの山陽ナイター一般開催で今年2度目の優勝を決めると、返す刀で浜松デイレース一般開催もV。この2節9戦8勝・2着1回。目下6連勝と非常に良い流れで浜松へ乗り込める。
今年の浜松で開催された2つのグレードレース、その両方に優出したただ1人の遠征車が佐藤摩弥。昨年の1月と6月にも浜松のG1・G2に優出しているし、今年は正月明けの伊勢崎G1と前述した浜松2開催の3節に連続して決勝戦を争っている。
SG初制覇へのステップアップを図る意味でも、2年ぶり2度目のG1制覇を狙っていきたいところ。プレミアムカップに優勝すれば年末SSトライアル出場権の獲得も見えてくる。
昨年8月の伊勢崎SG『オートレースグランプリ』の4日目に、2020年の『日本選手権』優勝時ぶりとなるSG開催での1着を飾った森且行はその後、昨年の日本選手権や今年の全日本選抜でも1着を獲ってきた。2度目のSGタイトル制覇へ向けて流れをますます高めていきたいところであるとともに、SSトライアルを勝ち抜いて大みそか川口第12レース『スーパースター王座決定戦』を走る姿を熱望しているファンはきっと多いはず。今年4月に川口で開催される『SGオールスター』出場選手を決めるファン投票において、森は堂々の1位に輝いた。SS王座決定戦への初出走を実現するため、まずはSSトライアルへの出場権を今大会で得ておければ、地元開催オールスターへ臨む上でのムードも高まる。
先月の全日本選抜の準決勝戦では、0mオープン戦の内枠からスタート後手を踏んだが、若井友和や佐藤貴也を捌きながら追い上げて、2番手の有吉辰也へ1車身差まで迫っての3着。エンジンをSGレベルまで仕上げる感覚と、強豪同士がっぷり四つに戦える感覚、その双方が完全復活へと着実に近づいている。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-11(31期)〕
佐藤 励〔川口 S-12(35期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-16(26期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-30(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-32(34期)〕
森 且行〔川口 S-35(25期)〕
文/鈴木