波乱も十分ありそうなSG開催!
近年、伊勢崎ナイターで行われているSGオートレースグランプリは、今回で23回目を数える。前年度覇者の青山周平がそうだったように、同大会は今までこのタイトル獲ったことがない選手が優勝する傾向が強い。成長著しい若手の中から大会を盛り上げる存在は現れるのか。
開催地区である伊勢崎は、現在3強状態。ランク的に最上位の高橋貢は実績断トツ。前走の地元開催では振るわなかったが、大舞台での戦い方は熟知している。必ずや、エンジンを仕上げてくるだろう。他の2人は青山周平と早川清太郎。どちらも地元での出走が続いており、前走の一般開催ではともに3連勝で優勝戦を迎えると、青山が優勝し早川は準優勝。その前のGIムーンライトでは、早川が優勝で青山が準優勝。この2人が良い感じで切磋琢磨できている。 地元勢では新井恵匠や吉原恭佑が、SGタイトル未戴冠ながら、いつSG初優勝してもおかしくない技量を身に付けている。
全国ランク1位の鈴木圭一郎は、近況の状態マズマズ。前走の地元では準優勝だったが、良走路の3走はこの時期にしては良い試走タイムを出していた。好時計が望めるナイターレースなら、更に持ち味のスピードを発揮できるハズ。浜松地区は他にSG覇者が多く参戦。現在の機力はイマイチだが、仕上がれば優勝争いに参加できる佐藤貴也、金子大輔、木村武之。記念タイトルとは無縁だが、鈴木宏和と中村友和の32期両者は、個性あるスタイルでSGでも活躍できるまでに成長している。
川口勢には好調者が多い。川口でランク最上位の永井大介は、前走の地元は優出6着だったが、その前の伊勢崎GIでもしっかりと優出していた。今回と同じ走路で、同じナイター開催なのでセッティングの面で多少のアドバンテージはあるか。中村雅人、池田政和、若井友和らも前走で優出しての参戦なのでリズムが良い。
SG未戴冠組では、佐藤摩弥が前走の伊勢崎GIで優出していた。今年絶好調の鈴木清や、イン走法をモノにした大木光などの優出もありそう。川口の若手では33期トップの黒川京介や、前走の地元で全て2着の準優勝だった泉田修佑、前走のミッドナイトで準優勝だった中山光らにも注目したい。
飯塚地区は荒尾聡が好調。前走の伊勢崎一般開催ではしっかりと優出。その前の山陽でも優出とエンジンは堅調。浦田信輔と桝崎陽介は前走の山陽で優出しての参戦。他ではA級の有吉辰也が絶好調。前走の山陽は準決が台風のため中止になり、ランク的に優出できなかったが、ここでは2走してともに連対。その前の浜松と、更にその前の川口では優勝している。
山陽は直前まで3日間の一般開催が行われていた。この開催は準決の2日目が、第3レースから台風のため中止。優勝戦へは準決各レースのランク上位が進出となった。優勝戦は0オープンで行われ、4枠から丹村飛竜が飛び出して優勝。佐々木啓がピタリと終始マークし準優勝。今回へ向け弾みがついた。また、松尾啓史や前田淳などもエンジンは悪くなさそうだった。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-16(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
A級とB級による戦いで優勝争いは激化!
この開催の直後にSGオートレースグランプリが控えている関係で、今回はS級選手が不在。A級とB級での開催となるが、普段は優勝から遠ざかってる選手達にとっては絶好のチャンス。注目の選手を挙げていきたい。
まずは前回の川口で完全優勝を決めた吉田幸司。今回の開催は非あっせんだったが、追加で参戦。エンジン絶好調なのに加えてツキも持っている。レース間隔も空いてないので連続優勝もありそうだが、唯一の懸念はハンデ位置。前回は最重ハンの20M前からの競争だったが、完全優勝の後ではハンデ重化は必至。これとの戦いをどう乗り切るか。
吉田幸が優勝したレースに乗っていたのは他に掛川和人と影山伸の22期コンビ。掛川は今回出場する中で地元ランク最上位。個人の力量に加えてエンジン状態も上々なので、吉田幸に対してのリベンジ達成なるかどうか。影山は不安視されているスタートに一定の良化が見られている。エンジン的にも戦える状態にあるので、今回も優勝争いに顔を出してきそうだ。
捌きがしっかりしているのは中野憲人と牛沢和彦。中野憲はスタートの切れが不安だが、今回は強豪がゴッソリ抜けているので、その点はあまり気にしなくていい。マイペースの追い込みを披露できそう。牛沢はスタート問題ない。同ハンに数車並んでいても、先行できる強みがあるし、道中も厳しい突っ込みを見せそう。
また、スタート切れている森谷隼人の速攻や、強引な仕掛けが持ち味の小原望あたりも上位争いに参加してこれる。
外来では林稔哲と井村淳一が、とも地元開催で優出しての参戦。林は0ハンからスタート先行し、大きなリードを作って逃げたが、猛追してきた青山周平と早川清太郎に屈し3着。井村はスピードある田中進の抜け出しを必死に追ったが3着止まり。2者ともエンジンは悪くないが、夜の時間帯のレースだったので、今回の昼間開催にセッティングを合わせられるかが大きなカギになる。
B級でも息巻いている選手は多い。塚本浩司は前走のミッドナイトで優出していた。直線の伸びが良く、ハンデ差も味方に善戦ありそう。島田健一、高橋祐一、渡辺稔らは前走の地元で健闘が目立っていた。34期新人では上和田拓海が、前回の残り2日間で1着2本。今回は初優出に期待がかかる。外来では町田龍駿がA級にも負けない車速の持ち主。展開次第では金田悠伽、米里信秀らの激走にも注意したい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
掛川 和人〔川口 A-12(22期)〕
中野 憲人〔川口 A-14(24期)〕
小原 望〔川口 A-20(31期)〕
影山 伸〔川口 A-29(22期)〕
牛沢 和彦〔川口 A-50(20期)〕
吉田 幸司〔川口 A-151(21期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-16(28期)〕
林 稔哲〔伊勢崎 A-219(30期)〕
選手層の厚い地元山陽勢に外来が付け入る隙は?
気温の上昇とともに走路温度も高まり、各レース場では重ハン勢が苦しむシーンが増えてきた。近況の動向もハンデ的に有利なA級選手の動きが活発で、S級と言えども、うかうかしていられない。さて、今回の優勝争いは...。
地元山陽からはS級が9人参戦予定。ランク的にトップは丹村飛竜。前走の浜松では準決8着で優出できなかったが、それ以外の2走はともに連対を果たしており、エンジンが低調なわけではない。レース展開さえ悪くならなければ十分戦える。
他の地元S級でエンジンが良さそうなのは佐々木啓や丸山智史。佐々木は前走の伊勢崎GIで優出。このところエンジンは高い位置で推移している。丸山は前走の浜松一般開催で優出。良走路に関しては捌きの鋭さが増している。
松尾啓史は前走の伊勢崎GIでは良くなかったが、エンジンさえ並の状態になれば確かな捌きで上位に進出してくる。岡部聡は地元連続参戦。準決で反則妨害をしてしまったが、エンジン的には悪くない状態。反則による乗り手の精神面への悪影響がなければいい。
角南一如、岩崎亮一、人見剛志、前田淳といったあたりは現状、エンジン的に頼りないので、地元でじっくりと整備に取り組みたい。
外来S級で注目どころは木村武之や浦田信輔。木村武は夏場の走路での実績に疑問符が残る。というのも走法的にタイヤに負担がかかるため、食いつきが悪い夏場の走路ではレース後半にタイヤが滑りやすくなる。浦田の前走は川口GIだった。5日間のシリーズのうち、良走路で走れたのは3日目のみ。成績は振るわなかったが、重走路での競争が多かったため、あまり参考にはならない。
飯塚勢はA級に好調な選手が多い。S級並の実力がある有吉辰也は現在、連続優勝中。前走の浜松では鈴木圭一郎を振り切っての優勝。これは価値がある。完全復活の日も近いか。田中進は前走のミッドナイトで完全優勝を達成。田中進はミッドナイトでの好走が多い。昼間のレースでも同じ走りを見せたいところ。
ちなみに有吉が優勝した浜松の優勝戦に乗っていたのは他に、吉松憲治、藤本剛、長田恭徳など。田中進が優勝したミッドナイトの優勝戦に乗っていたのは猪熊龍太、川原剛、相馬康夫。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-29(23期)〕
丸山 智史〔山陽 S-32(31期)〕
木村 武之〔浜松 S-11(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
有吉 辰也〔飯塚 A-5(25期)〕
田中 進〔飯塚 A-83(27期)〕
永井大介が軸だが、黒川京介や上和田拓海など若手の突き上げも!
今回の川口4日間開催は地元勢の参戦が多く、外来勢はやや手薄。その地元の中でリーダー的存在は永井大介。他にもS級陣は充実しているが、A級やB級の中にも注目の選手が存在し、優勝争いを盛り上げる。
永井の前走は伊勢崎のナイターGIだった。ここでは3日目まで調子が上がらず苦しんでいたが、準決は見事なカマシを決め1着で優出。その優勝戦は序盤の仕掛けが決まらず7着に終わったが、エンジンが安定しない中でも優出してみせたのは流石の一言。今回は地元に帰り、じっくりと整備に取り組みそう。
その伊勢崎GIで優出していたのは浜松の鈴木宏和。この時は初日から成績をまとめ、準決も2着で突破した。優勝戦ではしっかりとトップスタートを決めたものの、前を走る中野光公に手間取ってしまった。捌きの面でまだ甘さを残しているが、スタート力に関しては全国で5本の指に入るほどの巧者に成長した。今回は地元川口勢に割って入っていくか。
外来S級は他に飯塚から篠原睦と田中茂の26期コンビ。どちらも前走は伊勢崎GIだったが、そこまで良い成績を残せなかった。それでも篠原は大崩れはしておらず、今回のような一般開催なら通用しそうな動き。田中茂は前々走が今回と同じ川口走路で、その時はGIで優出してみせた。
地元S級は若井友和が堅調。前走の地元一般開催で優出し3着。更にその前の地元GIでも優出し準優勝を決めていた。エンジンは長らく高位で推移。今回も同期の永井と共に、地元勢を鼓舞する存在になるだろう。今年、絶好調なのは鈴木清で、前走の地元一般開催でも優出していた。他では実力者の池田政和も優勝争いに参加してくるか。
A級で注目なのは黒川京介。前走の山陽では初日から連勝を決め優出。その優勝戦は6着だったが、前々走の地元GIでも優勝戦まで進出していた。その師匠・中野憲人は黒川と同じ山陽に遠征し優出。優勝戦は重走路でも健闘していた。また、広瀬勝光は前走の地元GIで優出。予選準決はオール連対と調子を上げていた。
B級で特注は上和田拓海。前走から勝ち上がり権利が発生し、初優出への期待がかかっていたが、準決5着でそれはおあずけ。ハンデ的に有利な今、初めての優勝戦進出への大チャンス。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
池田 政和〔川口 S-10(23期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
鈴木 清〔川口 S-45(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-34(26期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
黒川 京介〔川口 A-66(33期)〕
絶好調・早川清太郎を止めるのは誰か!
伊勢崎オートは7月28日にGIムーンライトチャンピオンカップが終わったばかり。その時は早川清太郎が見事、3連覇を達成して幕を閉じた。そこから日を空けず4日間の一般開催が行われる。GIで活躍した選手が多く参戦し、その時の動きが大いに参考になる。
先述の早川はGIの3日目に2着があったが、それ以外は全て1着と完調の走りを見せていた。今回も同じナイターレースで、気候も大きく変わっていないので、連続優勝の期待がかかる。エンジンはもちろん問題ない。
それを阻止する一番手になりそうなのは青山周平。GIの優勝戦では、独走に入っていた早川を追っては行ったが及ばず準優勝。仕上がりとしては悪くない。シリーズ中も優勝戦と3日目の2着以外は全て1着。スタートの切れも悪くないので、早川にプレッシャーを与える存在になりそう。
絶対王者・高橋貢はGIの準決3着で優出はならなかった。しかし、2日目の2着と準決の3着以外の3走は全て1着。早川、青山と共に良い着順を残していた。逆に、吉原恭佑はGIのシリーズ中に1着がなかったが、準決を2着で突破し優出。ここぞという時の瞬発力は必見。他にGIで優出していたのがA級の中野光公。予選準決で、1着3本を含むオール連対で通過した。優勝戦も0ハン単騎から粘りに粘って3着に食い込んでみせた。GIシリーズ中に1回ハンデが重くなっているので、今回から再びハンデ重化は考えにくい。
飯塚遠征で大暴れした新井恵匠は、前走のGIでは優出できなかったが、それなりに着をまとめていた。内山高秀、西原智昭、田中賢はGIで成績が振るわなかったので、今回は巻き返しのシリーズにしたい。
外来S級で注目なのは荒尾聡。前走の山陽3日間開催で優勝を決めてきた。優勝戦は重走路だったが、良走路の準決でも好タイムで快勝していたのでエンジン面は良さそう。荒尾はその前の川口GIでも優出しており、リズムは上向いている。もう一人の外来S級は山田達也。前走の地元では優出できなかったが、それなりの走りはできていた印象。タイムが出やすいナイターで活躍が期待される。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-12(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-22(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-16(27期)〕
山田 達也〔川口 S-26(28期)〕
中野 光公〔伊勢崎 A-60(25期)〕