新井恵匠が嬉しいGI初制覇!
天候が不安定だった今シリーズ。最終日も走路状況が安定せず、選手にとっては調整が難しくなった。11Rの試走後から本格的な雨となり、優勝戦は試走から重走路。
試走は新井恵匠が72、前田淳が73、新村嘉之と別府敬剛と岡部聡が75、竹谷隆と荒尾聡が76、渡辺篤が最も悪く81だった。
レース展開は、まず0ハンから新村が先行。早々と逃げ態勢に入る。それを同ハンの竹谷が追っていく。10線は最内の別府が先行し、7枠から新井が飛び出していく。大外の荒尾も悪くないスタート。前田、岡部、渡辺はやや厳しいレース展開に。
逃げる新村のペースだが、予想外にスピードに乗っていく。2番手の竹谷は、一度は差を詰めたが、やがて離されていく。新村との差が開いたあたりから10線勢の襲撃が始まる。別府や岡部が襲いかかるが、この両者の攻めはなんとか振り切れた。しかし、道中で荒尾を逆転した新井がやってくると、竹谷がコーナーではらんだ所を逃さずインに入っていく。そこからは逃げる新村と追う新井の一騎打ち。徐々に差を詰めると、新村のインが空いた所を新井がしっかりと交わして先頭奪取。そのまま後続を引き離し1着ゴール。
新井はこれまでGIIを2度制していたが、GI以上の記念タイトルは持っていなかった。しかしこれでGIタイトルホルダーの仲間入り。新井はデビュー時から常に同期を引っ張っていく存在だったが、ここにきて30期リーダーを確実のモノにした。整備や練習に熱心な姿勢が新井の技術を高めている。決して楽なことばかりではないオートレーサーの仕事を楽しくやれている。好きこそものの上手なれ。まさにこの言葉を体現しているのが新井。GIIからGIときたら次は...。SGを制しても何もおかしくない力量を身に付けている。
久々に池田政和が存在感を示すか!
今回の川口開催は、永井大介や中村雅人といったところが飯塚遠征のため不在。地元のランクトップは池田政和。その池田を筆頭に加賀谷建明、佐藤裕二、鈴木清、岩田裕臣のS級陣。外来も強力な選手が来場し、優勝が争われる。
池田の前走は地元の4日間一般開催。ここではシリーズをオール車券に絡む活躍で優勝戦3着だった。エンジン状態は安定してると言える。今回、主役の座を張るには十分な状態。初日からキレの走りを見せてくれそうだ。
佐藤裕二もマズマズ調子はいい。前走となる伊勢崎ナイターでは初日から2着、2着で優出し3着。全て車券に絡めている。攻撃的なイン走法で前団の混戦を切り裂いて行く。鈴木清もおおむね調子はいい。数節前に連続優勝していた時ほどではないが、前走の浜松での2日目までは好成績を残していた。同じ浜松開催には加賀谷建明も乗っていた。初日こそ8着と惨敗したが、そこからの3走は1着2本を含むオール連対。エンジンは上々だ。岩田裕臣もある程度戦える状態にはある。
外来で好調なのは佐々木啓。前走の飯塚ミッドナイトで優勝してきた。それも4日間開催でオール連対。ここに来て上向いている。あとは昼間開催にエンジンが合うかどうか。
格では早川清太郎や金子大輔の方が上位。早川は前走の地元GIIでオール連対での準優勝。地元で強い早川がここでも見られた。遠征先では地元ほどの走りではなくなるケースが多いが、いい流れでの参戦なので注目したい一車であることには変わりない。金子は前走が地元4日間の一般開催。準決だけ4着だったが、それ以外は全て1着。悪い流れではない。
他にはS級として中村友和や松本やすしが参戦。中村はエンジン変調気味だが、並以上の状態になれば爆発力ある走りが魅力。松本は前走で落車して以来のレース。初日の試走には特に注意を払いたい。
A級では押田幸夫に注目。前走の浜松は凡走に終わったが、その前の地元で初優勝を決めている。まだまだ成長の余地が大いにある32期の選手なので、地元で連続優勝の離れ業を達成するかも。他では中野憲人、満村陽司などが前走で優出しての参戦。
今節も新人34期が出走する。デビューを果たした3選手は明暗がハッキリ分かれた。前評判の高かった上和田拓海は4走全て1着。このまま連勝を延ばしそう。早津康介と本田仁恵は4走で全て8着。訓練を積んで、早く車券に貢献できるようになりたい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
池田 政和〔川口 S-10(23期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-28(27期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-41(24期)〕
鈴木 清〔川口 S-45(23期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
中村 友和〔浜松 S-48(32期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-29(23期)〕
晴れなら前田淳、雨なら竹谷隆を狙う!
飯塚のGI第62回ダイヤモンドレースも優勝戦の日を迎えた。今回は通常の8月ナイターの開催ではなく、梅雨時の昼間開催。これがレースや勝ち上がりの大きな影響を及ぼした。
予選中は連日、走路状況がコロコロと変わる難しいコンディション。選手達もセッティングやタイヤの選択に苦心していた。そのような状況にうまく対応できた8人が優出。当日の天気は雨が濃厚で、良走路と重走路での予想展望をしていきたい。
まずは良走路。0ハン両者もそこそこペース上げそう。どちらかと言うと新村嘉之の方が逃げると怖い存在。それを追って行く一番手は10線の別府敬剛。ただし、予選中の良走路の仕上がりには一抹の不安がある。そこで10線から2番手発進が見込める前田淳が0ハンを追って行く存在になる。今節はシリーズ途中から調子が上がってきた印象。ここは得意の速攻で抜け出しそうだ。その後はインコースをシッカリ抑えて、外枠勢を封じ込む。
相手には新村を挙げる。今年は今回で記念優出2回目。安定して好成績を残せるほうではないが、ここ一番では激走を見せることが多い。竹谷に先行、もしくは行かれたとしても早い段階で先頭に立ち、グイグイとペースを上げそう。次に渡辺篤。今節は初日にいい上がりタイムをマークしており、良走路での動きは上々。一つ内の岡部聡を置いて出れば、更に展開は有利になる。そして荒尾聡。この並びの大外では苦しくなるが、武器のスタート力が炸裂すれば、一気に好位を奪取するかも。最後に竹谷。重走路で最も力を出せる選手ではあるが、かつてはスピード派で活躍していた。スタート先行から大きなリードを作れれば車券に絡んでくるか。
◎前田淳
○新村嘉之
△渡辺篤
△荒尾聡
▲竹谷隆
雨予想
準決4個レースで、完全な重走路での競争になったのは12Rと10R。その12Rでブッチ切りの独走を見せたのが竹谷。仮に同ハンの新村に先行されても素早く交わせるだろうし、自分が先行できればいきなりの独走に入れる。準決同様に圧巻の走りを見せそう。そこで重走路の予想は竹谷を本命に推す。
次に荒尾。準決ではその竹谷に負けはしたが、優勝戦は10線の大外からカマシ気味に行ければ、早めに0ハンの追撃態勢を整えられる。前団が軌道に乗る前に差して行ければ勝機は十分。次に新井恵匠。10線の外寄りでレース序盤は苦しむが、初日の重走路では気持ち良く乗っていた印象が強い。速攻が決まらなくても、8周回になることを生かし、レース後半で勝負圏内に入ってきそうだ。そして別府。ここはしっかり枠ナリ発進を決めて好位に付ける。最後に岡部聡。スタート争いはやや不安な面あるが、重走路での実績は抜群。新井同様に、インからの巻き返しも可能。
◎竹谷隆
○荒尾聡
△新井恵匠
△別府敬剛
▲岡部聡
今年のダイヤモンドレースは昼間開催!
飯塚の伝統GIダイヤモンドレースは例年、8月のナイター開催だったが、今年は昼間開催に移行。この時期は走路温度が上がり、軽ハン勢の活躍が目立ちだす。強豪たちにとっては気象条件的に厳しくなりそう。
地元のランクトップ・浦田信輔は近況、復調ムード。前々走の地元開催で約二年振りに優勝を飾り、その後の伊勢崎ナイターでも優勝戦まで進出していた。差しの鋭さが戻っており、混戦で特に存在感を発揮できる状態。現在は飯塚3番手の荒尾聡は、前走の伊勢崎ナイターGIIで優出。走路状況に関係なく力を出せるのが強み。篠原睦や田中茂、久門徹の26期三羽烏はエンジン状態マズマズ。滝下隼平も前走の地元で優出しており、スピード力を武器に活躍している。A級ではあるが、有吉辰也が好調キープ。前走の川口の準決は4着だったが、それ以外の3走は全て1着。更にその前までは3節連続優出を果たしている。
外来で注目は川口地区か。そのリーダー永井大介は、前走の地元でしっかりと優出。エンジンはある程度の位置にある。同期の若井友和も優勝戦まで進んでいた。長らくエンジンは中堅上位を保てている。大木光と山田達也の28期コンビはエンジン上々。山田は前々走の地元で優勝。そのレースには大木も乗っていた。捌きなら中村雅人が上位。前走の伊勢崎GIIでは準決だけ凡走だったが、それ以外では中村らしい走りができていた。
伊勢崎からはS級が4人参戦予定。代表格・青山周平は前走の地元で、初日から連勝を決め優出5着。その前のGIIでは優勝を決めていた。新井恵匠、内山高秀、西原智昭といったあたりもエンジン的には戦える状態。伊勢崎は、この旧船橋勢4人が飯塚の地で大暴れしそう。
浜松からはS級3人が来場。総合力が最も高いのは木村武之。前走は今回と同じ飯塚走路で、ミッドナイトでの競争だった。ここでは優勝戦まで進んでいた。予選中も1着が2本あるなど悪くない結果を残していた。渡辺篤、伊藤信夫の近況も、上位着でまとまっており、今回に向けて態勢は十分。
最後に山陽地区。山陽からはS級が7人と大量参加。近年の山陽エースは丹村飛竜。調子の波は穏やかで、今は好調時とは言えない状態。逆に上り調子なのは丸山智史。最重ハンになってからは苦しんでいる時期もあったが、最近になってようやく通用するようになってきた。捌きの安定感では松尾啓史。スタートは散発傾向にあるが、道中回り出してからは強烈な追い込みを見せることが多い。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-12(30期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-11(26期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-24(31期)〕
29期と32期のS級2名ずつが地元を守る!
今回出場する地元のS級は4名。29期の佐藤貴也と金子大輔。32期の鈴木宏和と中村友和。全国ランク1位の鈴木圭一郎は不在だが、この4人が強力外来勢に抵抗する。
佐藤貴也は現在、連続優出中。前走となる川口4日間開催では初日から3連勝で優出。完全Vが期待されたが、メンバー揃った優勝戦では、奮闘するも5着止まりだった。ただ、その前の地元開催でも準優勝するなど、近況は動きが活発。前回の浜松では外来若手の中村杏亮に優勝を持っていかれたので、今回こそは絶対に阻止したい。
その佐藤貴とデビュー時からともに切磋琢磨していたのは金子大輔。数年前までは佐藤貴より一歩リードした形で活躍していたが、近年は実力が拮抗。互角の力量となり、再び金子がスキルアップに神経をそそぐ。金子の前走は伊勢崎のGII。ここでは2日目にフライングをしてしまったが、エンジン的にはマズマズだった。佐藤貴とともに強力なタッグを組みそう。
地元S級32期の鈴木宏和と中村友和も、先述の佐藤貴、金子の関係性同様に、2人で技術を磨きあっている。走りのタイプは真逆で、鈴木宏はスタート力をバックに速攻を仕掛けるタイプ。中村友はスタートにやや難があるが、後半の追い込みは強力なタイプ。鈴木宏は前走の地元で優出とエンジン面は良好。中村友は前走の伊勢崎GIIではイマイチだった。今回の地元で立て直したいところ。
外来S級で注目なのは吉原恭佑。前走となる地元のGIIではしっかりと優出。その優勝戦では、一回は先頭に立ったが青山周平と早川清太郎に交わされ3着。もちろんエンジンは悪くない。スタートの方もだいぶ良くなっていた。
鈴木清は前走の伊勢崎GIIもマアマア良かったし、近況は好成績を残せている。人見剛志、加賀谷建明、岩田裕臣といったS級勢はエンジン状態がイマイチ。少しでも上積みを狙いたい現状。
A級では、前走の川口で初優勝を決めた押田幸夫が参戦。優勝戦は最初から逃げる展開だったが、コース取りが安定してきた印象。これからますますの活躍が期待される。今回の地元・遠藤誠も好調が続いている。現在は3連続優出中。スタートもイン差しも決まっている。
B級では城戸徹の調子が上がっている。元々、走路温度が高くなると成績も上昇する傾向がある同選手。前走の地元では予選道中をオール連対で優出していた。今回の地元・落合巧も力を付けている。前走の川口では準決で不利があり7着。それ以外の3走は全て1着だった。特に最終日は10M後ろの選手を捲りで逆転しての白星。これは価値が大きい。
そして、浜松でも今節から新人34期がデビューする。佐藤大地、深谷俊太、女子レーサーの桝崎星名の3名。米里崇徳はケガのためデビューが遅れる。この中では深谷俊太が最も良い卒業検定タイム3.51をマークしていた。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
中村 友和〔浜松 S-48(32期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-22(32期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-28(27期)〕
鈴木 清〔川口 S-45(23期)〕
人見 剛志〔山陽 S-36(28期)〕