優勝直後の選手が多く、難解なシリーズになりそう!
今年はすでにナイターレースが始まっている川口オートだが、今回の4日間開催は昼間のレース。前走で優勝してきた選手がチラホラおり、今節の優勝争いの予想も簡単ではなさそう。今回は初日の12Rに、スーパースターガールズ王座決定戦のトライアル第2戦が行われる。年末の王座決定戦へ向け、好成績を残しておきたい女子レーサーは多い。
まずは地元大将格の永井大介。前走の浜松GIゴールデンレースで優勝を決めてきた。このタイトルはこれで3度目。シリーズ中は3日目に6着があったが、それ以外は全て1着。大幅にエンジンを上昇させてきた。今回は地元だし、一般開催で浜松の時よりもメンバーが薄くなるので連続優勝のチャンス。初日からシリーズをけん引しそうだ。
他に前走で優勝してきたのは3名。鈴木清と斎藤撤二、大月渉だ。鈴木清は飯塚のミッドナイト4日間のレースで、オール連対で優勝を決めてきた。更にその前の地元GIIを制しており、現在連続優勝中。ここにきて調子を急浮上させている。一時期は苦しんだ時もあったので、その時の分以上を取り戻そうとしている勢いだ。3連続優勝が決まれば、本人にとっても相当な自信につながる。斎藤は前走の地元で優勝。この時はハンデが最重ハンの10M前だったことに加えて、優勝戦は得意の重走路だった。今回からハンデは戻るだろうから、これからが正念場。そして、大月は前走の山陽一般開催で優勝。大月はこれで通算2度目の優勝だが、初優勝も実は今年に入ってから。ミッドナイトレースで初優勝を決めたのだが、今年は大月にとって飛躍の年と言える。このままS級入りを目指したい。
地元S級陣は他にも好調な選手が多い。川口2番手の中村雅人は、前走の地元で初日から3連勝を決め優出。重走路の優勝戦は5着だったが、良走路ではエンジン好調だった。同じ優勝戦には若井友和も乗っており、こちらは準優勝。予選道中の良走路も動きは良かった。佐藤摩弥、山田達也は永井が優勝した浜松GIで優出。池田政和は前走の伊勢崎ナイターで優勝戦まで進んでいた。
外来S級は山陽から3者の予定。ランクトップの丹村飛竜はこのところ調子を落としているが、前走の浜松GIでは残り2日間を1着で締めた。松尾啓史は前走の地元で優出6着。予選準決の3日間はオール連対だった。更にその前の伊勢崎でも優出しており、好調の波に乗れてきている。人見剛志は前走の浜松GIでは振るわなかった。そろそろ復活の兆しを見つけたい。
A級では前回の川口で優勝戦まで進んだ福田裕二、高石光将などが今回も注目。伊勢崎からは竹本修が前走の地元で準優勝。この時は最重ハンの20M前だったが、そろそろハンデが引っ張られそうな予感。
女子レーサーでは佐藤摩弥が実力突き抜けている。次いで、岡谷美由紀と片野利沙。藤本梨恵も逃げるレースなら車券に絡める状態。
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主な出場予定選手
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永井大介〔川口 S-2(25期)〕
中村雅人〔川口 S-6(28期)〕
池田政和〔川口 S-10(23期)〕
若井友和〔川口 S-18(25期)〕
佐藤摩弥〔川口 S-23(31期)〕
山田達也〔川口 S-26(28期)〕
丹村飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾啓史〔山陽 S-15(26期)〕
高橋貢と早川清太郎のツートップが地元で躍動!
今回の伊勢崎ナイターは3日間の短期決戦。地元のS級は全て前走が浜松GIで、思うような結果を残せた選手はいないが、地元に帰ってくればいつもの走りが期待できる面々。外来勢に付け入る隙はあるのか。
今節、主力を張るのは高橋貢と早川清太郎。高橋貢は浜松GIでは準決に3着で車券に貢献できたが、それ以外の4走は全て4着以下だった。高橋貢の実績を考えれば全く物足りない結果。早川も浜松では最終日に1着を取ったものの、4日目までは全く振るわなかった。ただし、早川はその前の地元では優勝しており、地元では無類の強さを発揮できる。高橋貢も地元なら本来の走りを披露してくれるだろう。
地元のS級は他に新井恵匠、内山高秀、西原智昭の3者。いずれも浜松では納得いく走りができなかった。ただし、今回は地元の一般開催なので、しっかりとエンジンを仕上げてくるか。
外来S級も好調な選手はいない。山陽の3者・佐々木啓、丸山智史、前田淳は前走の浜松では誰も1着がなかった。その中では佐々木が、その前の地元で優出し、復活の兆しを出していた。丸山は現在、厳しいハンデ位置に苦しんでいる。まだまだ成長の余地が大いにある若手なので、この苦境をいつかは打開してくるハズ。前田は浜松で白星こそなかったが、所どころで見せ場を作れていた。それをキッカケに上昇していきたい。
川口からのS級は平田雅崇と岩田裕臣。ともに前走は地元の4日間一般開催だった。平田は初日から連勝を決めていたが肝心の準決で5着。それでも最終日は2着を取るなど力走を見せていた。岩田はこのところ元気がない。何かしら復調の足がかりを掴みたい。
A級では、鈴木将光と佐久間健光が前回の伊勢崎ナイターで優出。どちらもスタートを含めてレース序盤に課題を抱えているが、道中で軌道に乗るとスピードを発揮できるタイプ。序盤の展開作りを頑張りたい。他では飯塚の藤川幸宏にやや良化のムードが感じられる。前走の浜松GIでは1着こそなかったが、シリーズを通して成績をまとめることができていた。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-12(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-20(26期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-27(28期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
平田 雅崇〔川口 S-21(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-29(23期)〕
永井大介が鈴木圭一郎との一騎打ちを制す!
浜松オートで行われていたGI開場63周年記念ゴールデンレースは、川口の25期・永井大介が鮮やかな速攻から鈴木圭一郎を封じ込んで優勝をもぎ取った。永井は同タイトルを2000年、2017年に続く3度目の戴冠となった。
試走は永井と鈴木圭が一番時計で29。次いで木村武之が30。浦田信輔が32、山田達也が33、佐藤摩弥が34、山崎進が35、遠藤誠が36だった。
スタート争いは0ハンが遠藤の先行に山崎も叩かれず出た。10線は佐藤摩が最内から飛び出す。しかし、7号車の永井がダッシュを決め鈴木圭も離されずに出て行く。
そのまま永井は一気に0ハンをパス。鈴木圭も遅れずに付いて行く。3周目からは早くも永井と鈴木圭の先頭争いになった。2番手から鈴木圭は仕掛けどころを探りながら周回を重ねる。チャンスは1回だけあった。道中で鈴木圭が永井のインに車を向けたが、入り切れないとみるや車を引く。そこからは鈴木圭は永井の外に車を付けたが、スピードで上回ることはできなかった。ゴール前のチョイ差し狙いも、同じ車速で交わし切るまでは行かなかった。
永井は最後までしっかりとコースを守って走れた。コース取りとしてはけっして大きくなかったが、スピードを落としてインを締めているわけではなく、ペースを上げながら走れていた。近年では佐藤貴也が得意とする走法で、粘りの走りではなく、スピードとコースの両面で後続を苦しめる戦法。永井は、かつて開け開け走法でスピードに乗せるのを得意としていたが、新しい走法にも柔軟に対応できている。選手としての作戦の幅は大きく広がった。若手選手からの突き上げが著しい近年のオートレース界だが、適応能力が高い永井は、まだまだ存在感を示し続けられる。
今度は昼間開催の飯塚オート!
前節のミッドナイトから4日と空けず開催となる飯塚オート。今回は通常の昼間開催だが、ミッドナイトからの転戦組が多く、レースの時間帯が変わるとはいえ、その時の動きは参考になる。
前回のミッドナイトで優勝戦まで進んだ選手は多い。優勝戦で最も成績が良かったのは田中茂の準優勝。田中茂は4日間のシリーズで全て車券に絡めていた。前々走の山陽でも優出しており、エンジン状態は高い位置で推移している。その同期の篠原睦もミッドナイトで優出3着。2日目は5着と振るわなかったが、それ以外は篠原らしい走りができていた。
伊勢崎の吉原恭佑も飯塚は連続参戦。前走のミッドナイトでは優勝戦まで進出していた。優勝戦こそ4着だったが、初日から3連勝を決めるなど機力の高さに加え、気合の方も満点の様子だった。名前負けしない強烈な攻めがウリだったが、好成績を積み重ねていった結果、今回は出場する中でランク的に3番目。もはや攻めだけではなく、名前でも負けていない存在になりつつある。
更にミッドナイトでは木山優輝、長田恭徳といった若手も優出していた。木山は一人で走れる展開になればペースを上げられる。長田は同期の中では目立たぬ方だったが、近況はメキメキと力を付けている。
ミッドナイトで優出できず、悔しい思いをしたのは加賀谷建明、岡部聡、越智尚寿といったあたりか。ただ、加賀谷はシリーズ中に2回勝てているし、岡部も大崩れはしていない。越智もその前の川口GIIでは優出しており、ちょっとした調整で巻き返しは可能。
前走がミッドナイトではない中で注目なのは荒尾聡、滝下隼平、岩崎亮一など。荒尾は前走の川口一般開催でキッチリと優出。優勝戦は重走路でチャンスは増したが、ハンデが10M前の斎藤撤二に押し切られてしまった。それでもエンジン自体は良さそうなので、今回も優勝戦まで進出してくるだろう。滝下の前走は荒尾と同じ川口だった。準決4着で優出を逃したが、それ以外の3走はオール連対。持ち味のスピードを発揮していた。岩崎も前走の地元では初日から連勝を挙げるなど動きは上々。
今回はB級に気になる選手がチラホラ。前走のミッドナイトで力走を見せていた塚本浩司は、昼間の暑い時間帯の方が粘りを発揮できるので更にチャンスが増す。吉松優輝はここに来て急成長。前走の川口では初日から連勝。準決は3着で惜しくも優出を逃したが、乗り手の方は自信を持って走れている様子。夏場に成績が上向く傾向が強い磯部真樹は、近況は良くなっている。スタートさえ叩かれなければ、かなりの逃げを見せられる。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-16(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-34(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-44(28期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-22(32期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-31(25期)〕
岡部 聡〔山陽 S-35(19期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-28(27期)〕
鈴木圭一郎が3年ぶりにゴールデンVを目指す!
浜松オートで行われているGI開場63周年記念ゴールデンレースは優勝戦のメンバーが出揃った。初日から軽ハン勢の活躍が目立ち、優勝戦も0、10メートルのハンデ戦。これがレースにどのように影響するか。
0ハンには内から山崎進と遠藤誠。10線は内から佐藤摩弥、山田達也、浦田信輔、木村武之、永井大介、鈴木圭一郎と並んだ。
0ハンのスタート争いは外枠でも遠藤が行きそうだ。10線は最内の佐藤摩が先行。これに山田が乗っていけるかどうか。地元の木村武と鈴木圭がカマシ気味に行く可能性もある。もちろん永井が鈴木圭を突っ張って出るケースも考えられる。
逃げる遠藤のペースだが、今節は上がり43が一杯。8周回を逃げ切るまでは考えにくい。2番手からのレースになりそうな山崎も、遠藤に付いて行くのが一杯で、先頭に立てるかどうかは微妙。
10線から前を追いかける1番手になりそうな佐藤摩は近況、捌きの方も上達しており、前の2車なら交わしていける技量を身に付けている。もしかしたら山崎をスタートで叩いて行くシーンもありそう。その佐藤摩のペースだが、今節は上がり42が最高時計。インコースを小さく回る同選手なら後続をかなり苦しめそうだ。それでも最後まで粘り切れるまではないか。
エンジンの仕上がりだけなら鈴木圭が一番。永井も大きく遅れを取っておらずソコソコのタイムを出している。鈴木圭は10線大外からのレースで楽ではないが、山田や浦田よりもスタートで先に行く可能性は高い。早めに佐藤摩の後ろに付け、道中で交わす。2016年以来の同大会優勝を完全Vで達成しそうだ。
相手には永井を推す。鈴木圭の内枠なら先行も十分ありそうで、今節はエンジンの仕上がりもいい。先手の仕掛けができれば優勝も可能。この大会は2000年と2017年に制しており、3度目のタイトルを狙う。次に木村武。エンジンの仕上がりはやや不足しているが、これまでこういった大舞台でたびたび大駆けを見せてきた。今回は地元なので気合の方も2倍増し。序盤で好展開を作れれば優勝争いに参加できる。
そして遠藤。山崎より先に行けそうな点は大きな強み。準決では佐藤摩を振り切っており、優勝戦でも佐藤摩を抑え役に使えればチャンスが増す。最後に浦田。近況は迫力を欠くレースが多いが、今回は浦田らしい走りが見られている。このタイトルは2007年から2010年に4連覇を達成した相性のいい大会。位置的にも魅力を感じ、優勝して復活の狼煙を挙げるか。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△木村武之
△遠藤誠
▲浦田信輔