深夜に熾烈な優勝争いが演じられそう!
この開催の直後にSGオールスターオートレースが控えている関係で、今回はS級選手が不在。A級とB級の49選手で優勝を争う3日間のミッドナイト短期決戦。普段は優勝から遠ざかっている選手にとって絶好のチャンス。優勝争いは激しくなりそう。
今回出場する中で最もランクが高いのは地元の越智尚寿。前走の山陽GIではイマイチだったが、今回のようなメンバーなら十分上位争いに加われる。走りの特徴は、良くも悪くも堅実な印象。大駆けするタイプではないが、しっかりとインを突いて徐々に番手を上げてくる。格としては同じくらいなのは山陽の五所淳と川口の阿部剛士。五所は、現在のランクはA107位だが、S級にいても何らおかしくない実力の持ち主。今回のメンバー的に主力になり得る存在だ。阿部はエンジンを高い位置で保てる選手。今回は最後方からのレースになるが、じっくりと追い込んでいきそう。
近況の調子がやや良いのは田中正樹、鈴木一馬、高橋義徳といった山陽GIからの合流組。GIの舞台でも2~3回は連に絡んでいた。田中正は安定感が出てきて、鈴木一は一発力が魅力、高橋義はハンデ位置を生かしての逃げ残りに期待できる。
直線の伸びが良いのは本門延唯、亀井政和あたり。レース序盤の展開に注文は付くが、軌道に乗り出すとスピードを増してくるタイプ。落合淳は現在、最重ハンの20M前が定位置で成績が安定している。一時期は最重ハンからのレースをしていたので、この位置から走れる限りは連対が増えそう。
B級ではあるが、清岡優一は近況の走りにスピードと粘り強さが出ている。後続からの攻めにも簡単にはやられない状態。町田龍駿は、走り自体は安定しないが大駆けがあるタイプで、人気薄になるなら積極的に狙ってみたい一人。
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主な出場予定選手
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越智 尚寿〔飯塚 A-9(25期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-16(28期)〕
田中 正樹〔飯塚 A-55(29期)〕
阿部 剛士〔川口 A-19(27期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-58(28期)〕
高橋 義徳〔伊勢崎 A-140(28期)〕
五所 淳〔山陽 A-107(23期)〕
町田 龍駿〔飯塚 B-10(32期)〕
佐藤貴也が平成最後の平成チャンピオンカップ制覇!
山陽オートで行われていたGI第25回平成チャンピオンカップは、浜松の29期・佐藤貴也が熱戦を制した。走路温度が40度まで高まる中、序盤で好位置に付けられたのが大きな勝因。これで佐藤貴はGI4つ目、記念タイトルは9回目の制覇となった。
試走タイムは青山周平が一番時計の30、これに佐藤貴、伊藤信夫、渡辺篤が続き31、若井友和が32、有吉辰也と浦田信輔が33、新村嘉之が大きく数字を落として36だった。
10Mオープン戦で肝心のスタート争いは、最内の新村が先行。これに有吉と佐藤貴が乗って行く。他では大外の青山がマズマズのスタートを切ってみせた。
1周3コーナーでは有吉が新村のインを狙うも、新村が強引に抑え込む。これで逆に有吉は番手を下げてしまう形。2番手に躍り出たのは佐藤貴。その後、数周は新村が軽快に逃げるが、佐藤貴がマーク追走からタイミングをうかがう。そして5周目でついに佐藤貴が新村のインに突っ込み、これが功を奏しそのままゴール。3番手に付けていた青山も新村を抜きにかかるが、最後まで番手が入れ替わることはなく3着入線。4番手以下はレース中盤から動きがないまま終わってしまった。
昨年にSGオールスターを制してからの佐藤貴は、ハンデ位置が厳しかろうが相手が強かろうが、好成績を残し続けている。インからインで回る走法を完全に身に付け、状況によっては外から捲っていくこともある。スタート力は全国屈指で、これから走路温度が上がってくる時期になると、これは更に有利に働いてくるハズ。スタートを決め、インを高速で回る走り。これには他の選手も苦心させられるだろう。記念タイトルをまだまだ積み上げていきそうだ。
メインの選手層は地元川口勢!
今回は地元川口勢の参加が多く、更に好調な選手も揃っている。外来勢に持っていかれがちな優勝を、今回こそは阻止できそうだ。
地元の総大将・永井大介は不安残り。前走の飯塚GIIでは優勝戦まで進んだが、そのレースは序盤で被害があり落車。それ以来の実戦となり、初日の試走は特に注意して見ておきたい。
今回出場する中でランク次位は大木光。前走の伊勢崎ナイターでは2日目に5着で準決に進めなかったが、それ以外の3走は1着2本を含むオール車券に絡む結果。エンジン自体はある程度の位置で安定しているので、あとは肝心のレースで取りこぼしだけはしないようにしたい。平田雅崇と五十嵐一夫は前走の地元3日間開催で優出。優勝戦は0ハン単騎の花田一輝に初優勝を持っていかれた。平田は5着で五十嵐は4着。どちらもエンジン状態はマズマズ良いと言える。
佐藤摩弥は近況、メキメキと力を付けている。山陽のプレミアムカップで優出し3着に入ると、その後の飯塚GIIでは一息だったが、直近の浜松一般開催は初日から3連勝で優出。特に、初日ではオール女子での競争で、その存在感を遺憾なく発揮していた。最後方からジワリと番手を上げると、最終3コーナーでは前を走る2車をまとめ差し。突っ込みに果敢さが出てきている。準決でも同様に強気の攻めが見られた。高いエンジン力に加え、攻撃力が大きく高まっている。
山田達也と佐藤裕二はマアマアといったところか。佐藤裕は前走の地元ではイマイチだったが、その前の浜松では準優勝を決めている。
外来S級は一人だけの予定。飯塚から来場の滝下隼平だ。前走の地元GIIでは準決7着だったが、それ以外のレースでは悪くない走りを見せていた。特に初日、2日目などは試走29を出しており、持ち味のスピード力は健在。あとは川口走路にどこまで合わせられるかどうかだ。
A級では泉田修佑が好調キープ。前々走の地元で初優勝を決めると、その後の浜松でもしっかりと優出していた。ハンデはどんどん厳しくなるが、技術を磨き、それに対応できている。その浜松ではイマイチだった深谷輝は、その前の地元では準優勝だったので、地元走路での好走に期待。
B級ではあるが、浜松の赤堀翼が前走の地元で準優勝。それも4日間シリーズでオール連対の安定感。優勝戦では大きなリードを作っていたが、鈴木圭一郎の猛追の前に屈してしまった。それでもエンジンはいいので今回も期待。33期女子レーサーの吉川麻季も急激な成長を見せている。前走の浜松では4、2、1、1着の結果。最終日は試走31、その前は試走32をマークするなどスピード面での強化が見られる。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
大木 光〔川口 S-17(28期)〕
平田 雅崇〔川口 S-21(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-23(31期)〕
山田 達也〔川口 S-26(28期)〕
五十嵐 一夫〔川口 S-40(21期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-41(24期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-44(28期)〕
有吉辰也が平チャン連覇に視界良好!
平成最後の平成チャンピオンカップとなった今大会。走路温度の高まりとともに軽ハン勢の活躍が目立ち、準決でもハンデ重化をものともせず新村嘉之が逃げ切ってみせた。元々、最重ハンの8人が優出なら0メートルオープンの可能性もあったと思われるが、これにより優勝戦は10Mオープン戦になった。こうなると内枠勢が俄然有利になる。
並びは内から新村、有吉辰也、伊藤信夫、渡辺篤、若井友和、浦田信輔、佐藤貴也、青山周平となった。
肝心のスタート争いだが、10Mオープンだけに枠ナリ発進も十分想定されるが、準決からハンデが重くなった新村は、このメンバー相手では先行は厳しいか。2枠に入った有吉は、かつて日本一のスタート巧者で知られていた。大怪我をしてからは以前ほどではなくなったが、それでもスタート力は全国でも上位級。この優勝戦でもトップスタートを決めそう。これに一つ外枠の伊藤信が乗って行く。その次は渡辺か、もしくは外枠の2車、佐藤貴と青山がカマシ気味に出るかもしれない。
まずは逃げ態勢に入る有吉。このペースが大きなカギになるが、今節は3日目に上がり39をマークしている。優勝戦当日の気温は高くなりそうで、そこまでの上がりタイムは出ないかもしれないが、逆にコースを守って走ればそう簡単には抜かれない。ここは最後まで粘るとみて本命に推す。昨年に続き同大会を連覇しそうだ。
相手候補には伊藤信を挙げる。スタートは有吉に続いて2番手に出そうで、有吉を終始マークして走るか。もしも、有吉にワンミスでもあればインに突っ込んで行ける仕上がりにある。展開待ちになる可能性あるが、優勝のチャンスも十分ありそうだ。
次に青山。ハンデ位置は厳しいが、10Mの角度ならある程度カマシて行ける。トップスタートまでは難しくても3~4番手には出られそうだ。今節の中で最も良い上がり時計を出しているのは、青山の3・365。気象状況は多少変わるが、エンジン的には上位なので、序盤の仕掛けによっては逆転もある。そして渡辺。有吉、伊藤信の次にスタートで行ければチャンスが巡ってくる。もちろんトップスタートを切ってしまうようだと、優勝の可能性が大きく広がる。最後に佐藤貴。スタート力と、強気の差しが決まれば争覇圏内に車を進めてこられる。
◎有吉辰也
○伊藤信夫
△青山周平
△渡辺篤
▲佐藤貴也
平成最後の『平成チャンピオンカップ』開幕!
今回で25回目を数えるGI平成チャンピオンカップ。今年の5月から新元号『令和』に変わるため、平成時代に行われる同大会は最後になる。その事象に相応しく、各地から好調な選手が集結。まずはファイナリストの座をかけて、予選と準決が行われる。
開催地区となる山陽はツートップが絶好調。山陽でランク最上位の丹村飛竜は前走の川口で優出3着。その前のプレミアムカップの後半からエンジンは上向き。今回はその時の前半の分まで取り戻したい。2番手の松尾啓史はエンジンが噴きに噴きまくっている。プレミアムカップの時も仕上がりは良かったが、その後の浜松でもすごかった。優勝戦では超抜エンジンを駆り、一人だけ違うタイムで圧勝。この勢いは今回も楽しみ。他に地元では丸山智史などが力を付けてきており注目の存在。
次は前回覇者・有吉辰也がいる飯塚地区。その有吉はただ今、絶好調。前走となる地元GIIで優勝している。シリーズ後半は3連勝で、武器であるスタートも切れていた。前年に続き同大会も制すべく、初日から飛ばしてくるだろう。飯塚でランクトップは浦田信輔。ただし、以前のような迫力は薄れている。むしろ安定感が代名詞である篠原睦の方が、近況の動きは良い。地元GIIの優勝戦で被害があり落車明けとなる荒尾聡は初日の試走に注目。
伊勢崎から来場するS級陣は、全て前走の地元で優出してきた。その中でも早川清太郎は地元一般開催で2節連続完全優勝。エンジンは完全に仕上がっている。地元以外の走路でも活躍を見せるか。早川の速攻の前に2着で準優勝だったのは青山周平。優勝戦では試走タイムで早川に1つ勝っておりエンジンは上昇中。山陽走路はプレミアムカップで準優勝だったので、相性の方は問題ない。田中賢、吉原恭佑、松本やすしといったあたりもエンジンは高いレベルにある。
浜松も好調車が多い。ランクトップの佐藤貴也は、前走の地元で初日から連勝。優勝戦は3着だった。伊藤信夫も初日から連勝で優出。捌き巧者の金子大輔もしっかりと優出していた。この3者が好走を見せそうだが、今期からS級になった鈴木宏和も近況は捌きが上達しており、元々持っているスタート力を合わせて総合戦力は大幅アップ。渡辺篤もエンジン自体は中堅上位を保っている。
川口勢で期待なのは中村雅人と若井友和。中村は前走の地元では初日から連勝で優出。優勝戦は6着だった。ただ、その前の節は今回と同じ山陽走路のプレミアムカップで優勝している。その時は試走25をたたき出しており、更にレース間隔が一ヶ月空いておらず、エンジンのセッティング的にもアドバンテージは大きい。若井もプレミアムカップで優出していたし、その後の地元開催でもしっかりと優勝戦まで進んでいた。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
池田 政和〔川口 S-10(23期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕