令和初めてのSG覇者は荒尾聡!
新元号に切り替わった初日に行われたSGオールスターオートレースの優勝戦。この記念すべき日に栄冠を勝ち取ったのは飯塚の27期・荒尾聡。オールスターはSGタイトルを初めて獲得した思い出の大会。これで2017年のスーパースターと合わせて3度目のSG制覇となった。
優勝戦は前日の予報にもあったとおり、重走路で行われた。試走タイムが一番良かったのは荒尾聡の69。次いで青山周平が73、丹村飛竜と内山高秀と吉原恭佑が74、高橋貢と黒川京介が75、前田淳が最も悪く78だった。
肝心のスタート争いは4枠から荒尾がトップスタート。これに丹村が乗って出る。吉原も離されずにマーク。内山や青山も頑張ったが、1周を回る頃には高橋貢が4番手に付けていた。先頭争いは全くなく、荒尾が序盤から後続を引き離しにかかる。インコースをしっかり回った荒尾が独走態勢に入った。そして、最後まで危なげない走りで1着ゴール。圧巻のレース運びだった。
2番手争いが熾烈だった。丹村がインを抑えて走り、ピタリと追走していた吉原と高橋貢は仕掛けのタイミングが掴めないでいた。インは丹村が締めて回っているし、外に振るとインに戻って来れず、距離をロスするだけの状態だった。こう着状態が動いたのはゴール前。最終4コーナーで丹村がふくれてしまう。そこへ吉原が隙を逃さず車をインに向けると、綺麗に番手が代わって2着ゴール。丹村は3着に後退してしまった。4番手以下は全く動きがないまま周回を重ねていった。
荒尾はこれでSG3V。初めてSGで優勝してから2度目の制覇までは実に10年かかった。しかし、そこから約1年半で3度目のV。最近のオートレース界は、若手の突き上げが激しくなっているが、荒尾はスタート力とコースを外さない走りがある限り、まだまだSGのタイトルを積み上げそうだ。
新元号・令和初の川口開催!
5月1日から元号が変わり、日本の新たな時代が始まる。川口オートでは2日から3日間の短期決戦で一般開催が行われる。この開催の直前にSGオールスターが行われている関係で、S級選手はソックリ不在。こういった開催では、いつもは最重ハンから走っている選手達はハンデが軽化される傾向があり、最重ハンの10M前の選手と並ばされる事が多い。つまり、通常なら最重ハンから走っている選手達にとっては展開が俄然楽になる。
今回の地元ランクトップは中野憲人。スタートに課題を残している同選手だが、今回は8号車からのレースになるだろうから、序盤の展開作りに苦しむことはない。最後方からのレースになるのは変わらないが、マイペースで走れるのは精神的に負担が軽い。持ち味の追い込みをこれでもかと披露しそうだ。
川口の前回の開催で優出したのは吉田祐也と福田裕二。吉田祐の最近は最重ハンの20M前からの競争で、好成績でまとめていた。今回からハンデが重くなりそうだが、元々持っているスピードで対応してきそうだ。福田裕も同様に、最近では最重ハンの20M前からの競争が定番だが、そろそろハンデが重くなるかも。
川口勢では他にも、スピードある高橋義弘はS級に匹敵する実力の持ち主。今回のメンバーなら独走力1位と言っても過言ではない。中山透と中山光兄弟もスピードに磨きがかかっているし、斎藤撤二は最重ハンの選手なので今回は展開が楽になりそう。
伊勢崎勢では鈴木聡太、落合淳、渋沢憲司の29期勢に注目。鈴木聡は最重ハンの選手。今回は楽な展開になるので、上位に進出しやすくなる。渋沢は徐々に良くなりつつある。スタート力はなかなか高く、序盤の仕掛けが決まると早めにレースにケリを付けてくる。落合は前走の飯塚ミッドナイトで優出。上昇気流に乗りたい。
そのミッドナイトで優勝したのは山陽の五所淳。優勝戦は重走路だったが、素早い攻めが決まっていた。今でこそA級にランクされているが、長らくS級として活躍していた時期もあったので、今回のメンバー的に格は上位の選手だ。
飯塚の越智尚寿、辻大樹などは元来、最重ハンの選手なので、今回はハンデ的に楽になりそう。車券に大きく貢献しそうだ。
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主な出場予定選手
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中野 憲人〔川口 A-14(24期)〕
高橋 義弘〔川口 A-25(29期)〕
福田 裕二〔川口 A-141(20期)〕
吉田 祐也〔川口 A-158(29期)〕
越智 尚寿〔飯塚 A-9(25期)〕
鈴木 聡太〔伊勢崎 A-43(29期)〕
落合 淳〔伊勢崎 A-205(29期)〕
五所 淳〔山陽 A-107(23期)〕
青山周平が3年ぶりにオールスター制覇を狙う!
平成最後のSG準決が終わり、令和初めてのSG優勝戦が行われる。オールスターの優勝戦らしく、通常のSGとはやや違った顔ぶれとなった。特に目立ったのは黒川京介。33期の中でSG優出一番乗りとなった。
準決は徐々に走路状態が変わる難しい条件でのレースになった。9Rは重走路での競争になったが、10Rでは水気が引き、11Rはブチ走路。そして最終12Rは、ほぼ良走路で行われた。
重走路の9Rは序盤の仕掛けが決まった高橋貢が圧勝し、2番手で粘っていた内山高秀が佐藤裕二の攻めを抑え切って優出を確保。10Rは荒尾聡が速攻を決め逃走。西原智昭がインコースを守っていたが、最後は吉原恭佑がイン突っ込み2着を奪取。ブチ走路の11Rは先行した佐藤貴也を青山周平が一発で交わし独走。佐藤貴は2番手を保てず前田淳がゴール前でチョイ差しを決めた。12Rは10Mオープンの最内から黒川が飛び出し、後続をブッチ切った。2番手に付けた早川清太郎を捌いた中村雅人だったが、丹村飛竜が執念の追い込みで2着ゴールとなった。
優勝戦当日は雨の予報も出ており、良走路と重走路の両方でレース展望をしておく。
まずは良走路から。今シリーズで最も白星が多いのは黒川だが、初日は最重ハンの10M前で走っていた影響が大いにある。連勝発進だったが、ハンデが重くなった3日目は5着。準決はスタート決めて再び1着。タイムは申し分ない3・345。いきなりの独走に入れれば、このタイムを裏づけにSG初優出で、初優勝の快挙も十分ある。ただし、今回の優勝戦は0Mオープン。準決までとは展開が変わってくる。今回は2枠だが、内枠には百戦錬磨の高橋貢、一つ外には青山、更に外には全国屈指のスタート力を誇る荒尾が控えている。スタート争いがどうなるか。
この優勝戦では3枠から青山が先行しそうだ。今節は初日、2日目に2着とはいえマズマズのタイムを出している。青山の走りの真骨頂は、後続を引き離す独走というよりはインを抑え込んで粘るスタイル。タイムはそこまで望めなくても、後続を苦しめる走りができる。今回の優勝戦では捌きが強烈な選手はいない。高橋貢くらいか。そこで、スタート先行から逃げ粘るとみて青山を本命に推す。
対抗は黒川。スタートを含め序盤の展開には注文が付くが、仮にトップスタートを決めてしまえば大金星もあるだろう。3番手には高橋貢。スタート行けるかどうかは微妙だが、1枠ならバックストレッチで好位に潜り込める。そこからは経験豊富なハンドル捌きで上位進出を狙ってくる。そして、丹村。6枠は楽ではないが、近況はメキメキと、力と自信を付けている。10周回になるのはむしろ好材料。SG初優勝しても全くおかしくない技量が身に付いている。最後に荒尾。やはりスタート力は脅威で、4枠ならばトップ旋回もあるだろう。そこからはイン封じ込んでの粘りの走りが見られるかも。
良走路
◎青山周平
○黒川京介
△高橋貢
△丹村飛竜
▲荒尾聡
次に重走路の展望。今節はレース番によっては重走路で走っていない選手もいるので比較は難しいところだが、準決での高橋貢の走りを見ると流石の一言。インコースしか利かない走路状況でも、前を走る内山を外から交わしてしまうあたり、熟練の巧腕を垣間見た気がする。重走路ならスタート争いでもそこまで遅れないだろうから、レース序盤で先頭に立つ可能性は高い。
相手は荒尾聡。重走路の連対率では常に高い数字をキープしており、スタート力を加味すると主導権を奪って押し切るまでも十分。青山はスタートこそ行きそうだが、近況の重走路での実績はイマイチ。これがSGなどの大舞台になるとそれが顕著になる。むしろ、枠は遠くても丹村や吉原の方が、レース後半の追い込みがありそう。黒川も重走路を苦にする方ではないが、なにぶん経験の浅さから不安が残る。ただし、スタートをある程度決めてくると一気にダークホースになり得る。
重走路
◎高橋貢
○荒尾聡
△丹村飛竜
△吉原恭佑
▲黒川京介
SGオールスターの裏開催はミッドナイトレース!
今回のミッドナイト3日間開催は、昼間にSGオールスターが開催されており、その3日目から始まる。昼はSGレースを楽しみ、その勢いのまま、夜はミッドナイトレースで興奮できる。メンバー構成が手薄なところで、虎視眈々と優勝を射程に捕える選手は誰か。
今回出場する中で最も勢いがあるのは新村嘉之。前走の山陽GIでは初日からオール連対の準優勝を達成した。その前の節までは全くいいところがなかった新村だが、このGIでは大化けしたかのような走りを連発していた。元々、成績は散発傾向にある選手だが、それにしてもGIでオール連対は素晴らしい内容。このエンジン状態が続けば、今回は優勝候補の筆頭に挙げられる。
次いで調子がいいのは井村淳一。前走もミッドナイトで優勝戦まで進んでいる。レース間隔が空いておらず同じ走路、同じ時間帯で走れるのは大きなアドバンテージ。連続優出を狙って初日から激走してくるだろう。
前走で優出と言えば片岡賢児。浜松一般開催で優出し4着に入った。初日に白星を挙げると、シリーズを通して上々のエンジン状態を保っていた。同じ開催では青山文敏も奮戦を見せていた。準決こそ4着で優出を逃したが、それ以外の3走は全て連対。以前からの武器である速攻に期待できる。
伊勢崎の竹本修も前走で優出していた。優勝戦は8着だったが、予選道中はしっかりと着をまとめていた。ただし、この開催では最重ハンの20M前に置かれていた。以前は最重ハンで走っていた同選手なので、それまでが不調だったからとはいえ、このハンデ位置は展開が楽すぎた。今回からハンデ重化も考えられるが、もしもハンデが据え置きなら積極的に狙ってみたい。
他では捌き巧者の牧野貴博、堅実な走りができる戸塚尚起、スピードを生かしたパワー駆けがある今田真輔などにも注目して見てみたい。B級ではあるが新井裕貴、鈴木啓示などはツボに入るとペースが上がるタイプなので、早めに先頭に立てるような展開では警戒したい存在。
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主な出場予定選手
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井村 淳一〔飯塚 A16-(28期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-57(29期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-67(27期)〕
片岡 賢児〔飯塚 A-188(21期)〕
戸塚 尚起〔伊勢崎 A-59(24期)〕
林 弘明〔山陽 A-79(24期)〕
牧野 貴博〔川口 A-91(24期)〕
今田 真輔〔浜松 A-154(29期)〕
第38回SGオールスターオートレース開幕!
昨年のオールスターは飯塚オートで行われ、浜松の佐藤貴也のSG初制覇で幕を閉じた。SGの中でも同タイトルは、この大会制覇を皮切りに快進撃を続ける傾向が高い。果たして、今年のオールスターを制するのは誰か。
昨年覇者の佐藤貴也は近況も絶好調。前走の山陽GI平成チャンピオンカップでは見事な走りを披露し、同大会を初めて制覇した。スタートのキレ、独走力、後続に抜かせないコース取りと全ての面において一流と言える。今回は地元の浜松で開催。オールスター連覇へ向け、態勢は整っている。
今回の地元浜松と言えば全国ランク1位の鈴木圭一郎。こちらも現在絶好調。前走の地元4日間の一般開催は、初日から全て1着の完全優勝を達成した。その前の山陽プレミアムカップで落車した不安を払拭している。今回のオールスターは2017年に制しており、2度目の栄冠へ向け視界は良好。同じ浜松地区では金子大輔、木村武之といった実力者に加え、鈴木宏和や中村友和、渡辺篤といった若手の部類の突き上げも著しく、選手層が分厚くなっている。外来勢を迎え撃つ態勢は万全だ。
昨年のオールスターで準優勝だったのは飯塚の篠原睦。SG初制覇を目指すべく、戦いに挑んだが佐藤貴の前に力及ばず2着だった。それでも長らくエンジンを高い位置で維持できる能力に加え、武器のスタート力や雨走路での走力は健在。今回こそ昨年のリベンジといきたい。飯塚地区では浦田信輔が、やや復調ムードにある。前走の山陽GI平成チャンピオンカップで優出を果たした。全盛期ほどの迫力は戻っていないが、随所で浦田らしい捌きが決まっている。他にも速攻力がある荒尾聡や、追い込みに定評がある田中茂などに期待できる。現在はA級ではあるが、有吉辰也の調子が上がっている。前々走の地元GIIを制すと、その後の山陽GI平成チャンピオンカップでも優出。SG3Vの猛者が完全復活をかけてくる。
その有吉と同期の永井大介は、飯塚GIIの優勝戦で落車していたが、その後の地元4日間の一般開催で初日から3連勝を決め準優勝。落車の悪影響は全くない。この優勝戦には大木光、山田達也、森且行、佐藤裕二なども乗っておりエンジンは上々。捌き巧者・中村雅人は前走の山陽GIでは優出できなかったが、今年はプレミアムカップを制するなど調子は悪くない。
昨年のオールスターで優勝戦3着だったのは高橋貢。前走の地元開催では珍しくフライングをしてしまったが、4走中1着が3回。更にその前の飯塚GIIでは準優勝だったのでエンジン状態は良さそうだ。昨年のオールスターで優勝戦4着だったのは青山周平。青山は前走の山陽GIで優出し3着。シリーズ中は、全て車券に絡む安定感だった。SG初優勝を狙う早川清太郎は、前々走の地元で優勝。その後の山陽GIでは振るわなかった。早川は地元で強い反面、遠征ではイマイチなことが多い。今回はその課題を克服できるか。
近況は以前ほどの選手層ではなくなった山陽地区。ただし、丹村飛竜は山陽エースとして、エンジンが並以上に仕上がれば強烈な攻めを見せられる状態。ここ数節の仕上がりがいいのは松尾啓史の方。前走の地元GIではそこまででもなかったが、それまでは全選手の中でも1、2を争う仕上がりを見せていた。その時の動きが戻れば、悲願のSG初制覇が見えてくる。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕