松尾啓史がシリーズリーダーに!
前回の山陽はGI平成チャンピオンカップが行われ、浜松の佐藤貴也の優勝で幕を閉じた。今回は4日間の一般開催だが、S級をはじめ強力な選手が集結しており、レベルの高いレースが見られそう。
今回出場する中で地元ランクトップは松尾啓史。SGオールスターではイマイチに終わったが、その後の伊勢崎ナイターではしっかりと優出を果たした。優勝戦は重走路で苦戦したが、予選道中の良走路ではいい動きをしていた。特に2日目は試走25を出すなどエンジン状態は良さそうだった。今回は地元のリーダーとして、周りを引っ張っていく走りを見せたい。
地元でランク次位は佐々木啓。しばらくエンジンの調子が上がらないでいた同選手だが、前走の飯塚では久しぶりに優勝戦まで駒を進めた。シリーズ中に白星がなかった点は気になるが、優出しているのでこのまま上昇気流に乗りたい。
地元S級は岩崎亮一、丸山智史、岡部聡、人見剛志なども控えているが近況の調子は良いとは言えない。前田淳は前走の飯塚では凡走に終わったが、その前のSGでは優出しており、気配には注目したい。
外来S級のビックネームは浦田信輔。ただし、前走の地元3日間開催では思うような結果が残らなかった。以前ほどの迫力が見られないが、それでも随所で強烈な差しを披露して車券には貢献してくる。弟分の田中茂は前走の地元で優勝戦まで進出。年齢的に中堅の域に入る同選手は、若手のスピードレースでは苦しむシーンも多いが、展開的にゴチャ付くようだと鋭い突っ込みを見せてくる。桝崎陽介は、やや低迷が続いていたが、少しずつ脱出の兆しが出ている。
浜松からは鈴木宏和がS級として唯一の参戦。前走の伊勢崎ナイターではピリッとしなかったが、ここ一番でのスタート力は全選手にとって脅威。エンジンが並より少しでも上にいけば、一気の仕掛けを見せてくる。
A級では東小野正道。山陽はほぼ1年ぶりの出走となるが、持ち味のスタート力と素早いイン攻めで車券に絡んでくるか。近況は成績的には今イチだが、整備次第では折り合い十分。伊勢崎の山中充智は前走の地元ナイターで優出していた。優勝戦は重走路で苦しんだが、予選道中はハンデ差を生かしての粘りが光っていた。B級では山本智大が好調。前走の川口3日目開催で優出し3着。予選中や、その前の節でも好走を連発していた。ガールズでは吉川麻季は逃げ展開なら一発力ある。稲原瑞穂は前走でやや上向きの傾向を見せている。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-29(23期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-31(25期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-34(26期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
東小野正道〔飯塚 A-35(25期)〕
山本 智大〔山陽 B-2(29期)〕
永井大介が2年ぶりに同大会Vを目指す!
川口オートレース場で行われているGII川口記念は最終日を迎えた。優勝戦メンバーはGIIらしく、SGやGIの時とは違った顔ぶれになった。
準決の第9Rは、ハンデが重くなった高塚義明と越智尚寿が激走を見せる。高塚は0ハン単騎から逃げ切り、越智も好ダッシュから粘りの走りで優出をもぎ取った。
第10Rは、3日目に高配当を提供した掛川和人がキーマンになった。まず0ハンの吉田祐也は早々と独走態勢。黒川京介が一旦は2番手に立ったが掛川が逆転。その後も掛川は佐藤摩弥と鈴木清を抑えていたが、ゴール前で鈴木清のチョイ差しが決まる。
第11Rは、永井大介が順当に勝ち切った。レース序盤はダッシュを決めた三浦康平だが、阿部剛士が差し込み2着入線。
第12Rは、0ハン先行の石井大輔がマイペースで走るところを、同ハンの平川博康が差すも中村雅人が自在に攻めて1着。
優勝戦は0ハン3車で内枠から高塚義明、平川博康、吉田祐也。10線は内から越智尚寿、阿部剛士、鈴木清、永井大介、中村雅人となった。
0ハンのスタート争いは高塚が先行か、もしくは外から吉田がカマシを決めるか。10線は枠ナリ発進になりそうだが、外寄りから永井が猛ダッシュを決めるケースもある。
0ハンは誰が逃げてもある程度ペースは上がりそう。高塚の逃げに同期の吉田がマークか、それに平川が仕掛けどころを狙っていくか。ただし、記念レースの優勝戦で8周回になるのは0ハン勢にとってマイナス材料。優勝者は10線の中から出るとみた。
実力から考えれば永井と中村になるだろう。では、どちらを重視するか。準決の上がりタイムは共に同じ3・405。今節中に一番良かった上がりタイムも2人共、3日目の3・376。エンジン状態は全くの互角と言える。では、内枠に入った永井の方が有利。現在、適用されているランクで言えば永井の方が上位であるが、今回は中村の内に置かれている。これは永井にとって負けられない位置。事実、3日目の特別予選でも内枠に置かれた永井が勝っている。そこで優勝戦も永井を本命に推す。
相手は当然、中村。ハンデ位置は楽ではないが、記念の優勝戦で8周回になるのは中村にとって好材料。執念の追い込みでゴール前のチョイ差しが見られるかも。次に阿部。準決はレース前半で厳しい位置に番手を下げたが、そこから見事な巻き返しを決めてみせた。エンジン状態は良いので、優勝戦も序盤の位置取り次第では上位争いに加われる。あとは0ハン。スタート行きそうな吉田や高塚の力走がありそうだ。
◎永井大介
○中村雅人
△阿部剛士
△吉田祐也
▲高塚義明
ナイター開催始動・まずはGII川口記念!
今年度の川口ナイターは、このGII川口記念から始まる。川口でのナイター開催は、消音マフラーが取り付けられ、選手達はセッティングに苦戦するケースもある。前年度覇者は浜松の佐藤貴也。今年も参戦しており連続優勝を目論むが、地元勢も磐石の構えで迎え撃つ。
その佐藤貴は前走の地元SGでは消化不良に終わった。2日目に白星を挙げたが、肝心の準決は3着になり優出を逃してしまった。昨年はSGオールスターで優勝し、その勢いでGII川口記念も制したが、今年はオールスターの分も今回にぶつけたいところ。
今年のオールスターで優出し、今回も参戦するのは山陽の丹村飛竜と地元の黒川京介。丹村は予選道中を無難にこなすと、重走路の優勝戦では2番手に付けていたが吉原恭佑に交わされ3着。山陽で2期連続ランクトップになっている丹村は、その名に恥じないレース展開を見せている。黒川は最も若い33期だが、その中でSG優出一番乗りを挙げた。同期の中ではトップ選手で、スピードだけなら全選手の中でもかなり上位に入っている。当面は追い込むレースでの捌きとなるが、この辺も1走ごとに身に付けている様子。
SG15Vで、歴代2位タイに並ぶ永井大介は、前走のオールスターではサッパリだった。元々、浜松は全国の中で最も相性の悪い走路だったが、ここでも結果を出すことはできなかった。今回は地元なのでじっくりと立て直したい。他にも池田政和や大木光はシリーズ中に白星はあったが、準決までも進めないほど調子を崩していた。永井同様に、エンジンを上向かせたい。
逆に、マズマズの動きを見せていたのは中村雅人。オールスターの準決は3着で優出を逃したが、それ以外の4走は1着3本を含むオール連対。ほんの少し仕上がり切らずにいたが、捌きの方は変わらずキレていた。今回、地元勢で最も期待できる一人だ。
外来S級は他に早川清太郎、木村武之、篠原睦が参戦予定。オールスターでイマイチだった早川は、その後の地元のナイター一般開催では初日から快走を見せていた。木村武と篠原はオールスターでは1着を1回ずつ挙げていたが、本来の実力を考えれば不本意な内容だったと言える。
A級では高橋義弘が前走の地元3日間開催でオール1着の完全優勝を決めていた。準優勝だった中野憲人と共に、エンジン状態は良好だった。また、田村治郎、越智尚寿、藤岡一樹などもS級に匹敵する実力を持っているので、今回も上位争いに顔を出してきそうだ。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
池田 政和〔川口 S-10(23期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-11(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
SGオールスターVの荒尾聡が凱旋!
今回の飯塚一般開催は3日間の短期決戦。令和最初のSG覇者となった荒尾聡が地元に帰ってきて、シリーズの中心になりそう。他にもS級選手が多数参戦し、優勝争いは激しさを増す。
その荒尾は重走路のSG優勝戦で圧巻の走りを展開した。武器のスタート力を生かし、0Mオープンの4枠からトップ旋回を決めると、その後は後続を引き離しまくった。予選道中も良走路で良い走りを見せていたので、その勢いのまま今回も大暴れしそうだ。
ランク的に上位なのは浦田信輔。SGの準決は6着で優出を逃したが、逆に最終日の重走路では好スタートを見せ白星を挙げていた。この時の重走路はインしか利かない一本道のレースが多かったが、走路状況によっては重でも好走できることを証明した。今回はメンバーが大幅に軽化しているので、走路状態に関わらず力走を見せてくれそうだ。
田中茂、岩見貴史、桝崎陽介、久門徹、滝下隼平などはSGで良いところを見せられなかったので、今回の地元一般開催で巻き返しを図りたい。
外来S級で上り調子なのは前田淳。前走のSGでは準決で激走を見せ、優勝戦まで駒を進めた。優勝戦は重走路で見せ場を作れなかったが、良走路でいい走りができていたので良走路なら今回も楽しみな存在。伊藤信夫も前走のSGでは、良走路で好タイムをマークしていた。エンジン的には高い状態にあるとみていい。
A級は前走がミッドナイトだった選手に好調者が多い。井村淳一は、そのミッドナイトでオール連対で優勝を勝ち取った。その前のミッドナイトでも準優勝しており、深夜の時間帯のセッティングは見つかっている。エンジン本体も良さそうなので、昼間のレースにも合わせられれば上位陣を脅かす存在になり得る。
井村が優勝したレースで準優勝だったのは高林亮。ひと頃は調子を欠いていたが、ここ数節でエンジン状態が戻ってきた。スタートさえこなせば、持ち味のスピードを生かせるだろう。前走のミッドナイトではイマイチだった新村嘉之は、その前の山陽GIで大活躍を見せた。準優勝の結果は、もちろん素晴らしいが、シリーズを通してオール連対も見事だった。他では笠木美孝、西村龍太郎といったあたりも調子は上向いている。
B級では最も若い期である吉川麻季に注目。前走の川口4日間開催では初日から3連勝を決めた。準決も1着だったが、フライングをしてしまったため、優勝戦に進むことはできなかった。ただ、良走路なら試走35近辺は出るようになっているので、逃げるだけの展開なら再び車券に貢献できるだろう。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-16(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-34(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-39(29期)〕
角南 一如〔山陽 S-25(27期)〕
前田 淳〔山陽 S-37(27期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-24(31期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-30(24期)〕
令和時代最初のナイターレース!
5月1日から元号が令和に変わり、ミッドナイトレースの優勝戦は行われたが、ナイターレースとなると今回が初。今節は5月1日まで行われたSGオールスターオートレースで活躍した選手が多く参戦し、その時の動きが参考になる。S級を中心に近況を追ってみる。
SGオールスターで優出したのは高橋貢、青山周平、吉原恭佑の3人。高橋貢は初日の選抜戦は6着だったが、そこからは連対を重ねて優出。優勝戦では1枠に入ったもののスタートは外枠勢に行かれて苦しいレースになってしまった。それでも粘りの走りで4着に食い込む。青山は3枠に入ったがスタートでダッシュが付かず5着のままだった。ただ、この優勝戦は重走路で行われており、良走路に関してのエンジンは高橋貢も青山も良い状態と言える。
そして吉原。吉原は初日から着をまとめると優勝戦では8枠に入った。この枠から3番手スタートを決めると、前を走る丹村飛竜に執念のアタック。レース序盤から終盤までイン抑え込まれてしまったが、最後のコーナーで丹村のインが空くと、すかさず車をナカへ向けて2番手を奪取。準優勝の結果になった。吉原にとって、これは大きな経験につながるだろう。
遠征での走りが課題の一つであった早川清太郎は、SGでは力を出し切れないでいた。準決でもレース道中は優出圏内の2番手に付けていたが、後続の選手にやられ4着。優勝戦までは進めなかった。ただし、エンジンもスタートも悪くはなさそうなので、今回の地元ナイターでSGの時の分も取り戻したい。西原智昭も優出はできなかったが、シリーズを通して成績がまとまっていたように、エンジンは中堅上位で保てていた。
新井恵匠、松本やすしはホロ苦いSGシリーズになってしまった。松本は初日から早々、反則失格で勝ちあがり権利を喪失。新井は3日目にすでに一般戦回りになっていたが、ここで内線突破の反則を犯してしまった。それでも両者とも、シリーズ中に1勝を挙げており、エンジン面はそこまで悪いわけではなさそうだった。
外来勢で最も注目なのは、全国ランク1位の鈴木圭一郎。地元で行われたSGではいつもの走りができず、準決も4着で優勝戦までは進めなかった。初日の選抜戦はスタートを決め、好タイムで圧勝したように一人で走る状況なら悪くなさそう。当面の課題は、抜いて行くレースでのエンジン作り。これが決まれば全国ランク1位に相応しい走りを見せてくれるだろう。同期の鈴木宏和はSGではサッパリだった。早い段階で立て直しを図りたい。
山陽からは松尾啓史、丸山智史、人見剛志がS級として参戦。松尾は一時期ほどのエンジン力はないが、捌き巧者らしいレースを見せていた。丸山は近況、成長著しい選手だが、前走のSGではまだまだ力不足を露呈していた。これからの更なる成長に期待。人見はこのところ良くない。エンジンが並になれば切れ味鋭い捌きを発揮できるので、整備なり調整なりで機力アップを図りたい。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-22(32期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-19(32期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
丸山 智史〔山陽 S-32(31期)〕