山陽勢に好調な選手が多い!
前回の飯塚オートは、内山雄介が自身3度目の優勝を決めて幕を閉じた。それから約一ヶ月を空けて久々の開催となる。S級陣はやや手薄で、A級やB級選手にも優勝のチャンスがありそう。
今回の地元ランクトップは篠原睦。前走は伊勢崎のGIIレジェンドカップだった。この時は準決が不成立になるアクシデントがあったが、そのレースで7号車だった篠原は優出の権利を得た。優勝戦は序盤で好位置に付けたが、先頭を走っていた佐藤裕二を攻略できず後退。それでも、武器であるスタート力は示していたし、エンジンも今回のような一般開催なら十分な動きがある。
その同期の田中茂も前走は伊勢崎のGII。2日目に白星はあるが、シリーズを通してみると不本意な結果に終わってしまった。地元での競争は今回で今年2度目だが、前回はGII開催で優出していたので、地元でのレースなら心配はないか。桝崎陽介は前走が山陽3日間開催。肝心の準決で7着になったが、エンジン自体はある程度の位置で推移している。
外来で注目は全国ランク2位の佐藤貴也。前走の地元4日間開催では優勝戦まで進めなかったが、今年に入ってからは1着を量産しており、エンジン面は高いレベルで保てている。浜松からは伊藤信夫もS級として参戦。前走の伊勢崎のGIIレジェンドカップでは2日目から連勝で準決に進んだが、そこではまさかの不成立。6号車だった伊藤信は優勝戦への進出はならなかった。エンジン自体はソコソコ動いているので、今回はその時の悔しさをぶつけたい。
山陽からは佐々木啓がS級として参戦。今年に入ってからは優出が1回あるが、そこまで納得いく成績を残せていない。エンジンの調子の波が穏やかな方なので、今はやや低迷期といったところか。何らかの形で上昇のキッカケを掴みたい。
A級は山陽勢に調子のいい選手が多い。主に山陽のミッドナイトレースに出ていた選手だが、そこでは藤岡一樹が約7年ぶりの優勝を決めた。その前のミッドナイトでも準優勝と、リズムは急上昇。好調の波に乗ると、しばらく持続するタイプなので今節も要注目だ。藤岡が優勝したレースで準優勝だったのが吉松憲治。この節は初日から好調で、全てのレースで車券に絡める活躍を見せていた。前田淳も復調の兆しが出ている。前走のミッドナイトでは初日から2着を3本重ねて優出。優勝戦でも前田らしいイン走法を見せていた。
B級は山陽の33期勢が成長中。前走の地元一般開催で優出したのが山本将之と青木隆浩。優勝戦3着だった山本は今回不在だが、青木は参加。青木は善戦したが5着止まり。それでも着実に力を付けているので、初優勝を達成する日も近いか。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-7(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-22(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-35(28期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-2(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-29(24期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-21(23期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-29(29期)〕
前田 淳〔山陽 A-5(27期)〕
青山周平VS鈴木圭一郎のバトルは見もの!
今回の伊勢崎一般開催はS級選手がやや少なめ。それでも、全国ランク1位の鈴木圭一郎が浜松から参戦。近年はライバル関係にある青山周平が、地元総大将として挑戦を受ける。他にもこの両者に割って入る選手が散見され、シリーズが構成されていく。
青山も鈴木圭も前走は浜松一般開催だった。ここでは明暗がくっきりと分かれた。鈴木圭は初日から3連勝で優出。重走路の優勝戦では33期の伊藤正真が逃げ切り、鈴木圭は追い込み届かず準優勝。ただ、その前の節のGIではしっかりと優勝を決めており、ここ最近の流れはかなり良い。青山は初日白星、2日目は2着と上々だったが、準決3着で優出を逃してしまった。最終日も6着と振るわなかったので、今回の地元で巻き返しを図りたい。
地元S級で好調なのは内山高秀。前走のGIIレジェンドカップでは、オール連対の準優勝を決めた。26期以前の選手のみによる企画レースで、最も若手の期ではあったが、シリーズを通して安定した走りを見せていた。最後は優勝もありそうな激走っぷり。この勢いを持続させたいところ。
他に地元S級は早川清太郎と岩田行雄。早川は前走の浜松では初日から連勝を決めたが、準決と最終日はともに5着。後半は失速してしまった。ただし、今回の地元走路では常に好成績を収めるので、それほど心配はない。岩田は前走がGIIレジェンドカップ。タイトル名に相応しい選手だが、ここでは見せ場を作れなかった。
外来S級は他に岡部聡と重富大輔。岡部の前走はGIIレジェンドカップ。岡部も岩田と同様に、これまでレジェンドと呼ぶに相応しい戦績を残している。ただし、このシリーズでは3日目に落車妨害で1日罰休。最終日は1着を取っていたので落車による悪影響は少なそう。重富は前走が浜松GI。ここでは白星がなかったばかりか、大きな着が続いてしまったので大幅な立て直しが必要。
A級で大注目なのは伊藤正真。前走の浜松4日間開催で初優勝を決めてきた。それもシリーズ中はオール連対の大活躍。これでかなりの自信を付けたハズ。今後の大きな飛躍のキッカケになりそう。
同じ開催では三浦康平も優勝戦に乗っていた。その優勝戦では8着だったが、そこまでの3日間はオール連対。本来のスピードが出てきた模様。他では桜井晴光が前走のGIIレジェンドカップで優出。2回目の発走となった優勝戦ではスタートで失敗し、後続の車に被害を及ぼし反則妨害で失格。ただ、準決まではスピードある走りを見せていた。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-33(26期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 S-43(15期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
岡部 聡〔山陽 S-46(19期)〕
重富 大輔〔飯塚 S-27(27期)〕
鈴木 聡太〔伊勢崎 A-13(29期)〕
大木光が魂のこもった走りを見せそう!
前回の川口オートは永井大介が追い込みを決めて優勝。その永井は、伊勢崎のGIIに出場しているため今回は不在。留守を預かる地元一番手は大木光となる。外来勢もなかなか強力なメンバーが襲来し、熱の入ったバトルが展開されそう。
大木光は前走の地元で優出と、エンジン面は好調。その前の伊勢崎でも優出しており、乗り手は充実している。今回のメンバーを見渡しても優勝できるだけの状態にある。
その同期の山田達也も近況はマズマズの推移。レース後半に鋭い追い込みを見せることが多い。加賀谷建明も今のエンジンになってからは好調が続いている。前走の山陽の最終日には上がり3・358をたたき出し快勝。豊かなスピード力を遺憾なく発揮している。森且行も負けてない。今年に入ってからは3節走って全てで優出。そろそろ優勝の2文字をその手に収めたいところ。
飯塚からは荒尾聡と浦田信輔がS級として参戦。荒尾は今年、地元のGIIを制し、その後の浜松連戦でも一定の結果を残している。浦田は前々走の地元GIIで反則をするなど波に乗れていないが、前走の地元一般開催ではやや復調の兆しが出ていた。
伊勢崎からのS級は若手2人。新井恵匠は前々走の飯塚GIIで優出し3着。このレースでは後方から強烈な追い込みを見せていた。その後の地元でも好タイムを出していた。西原智昭は前走の浜松GIで優出。優勝戦は5着だったが、上がりタイムは3・354と良い数字をマークしていた。
浜松からのS級は金子大輔。前々走の地元GIで優出。その後の地元一般開催では優勝戦まで進めなかったが、エンジン自体はソコソコの位置を保てている。山陽からのS級は人見剛志。近況は浜松で連続参戦していたが、前々走のGIでは後半2日間で連続落車。その影響か、その後の一般開催では振るわなかった。どこかで悪い流れを断ち切りたい。
地元A級では片野利沙、古木賢、掛川和人が前走の地元一般開催で優出。片野は初優勝へ向けて0ハンから必死の逃げを見せていたが、最後には永井大介と中村雅人に捕まり3着。まだ優勝経験がない古木賢もそうだが、今回こそは初の栄冠を掴みたい。
外来A級は丸山智史と鈴木宏和が伸び盛り。丸山は前走の浜松と、その前の飯塚で優出し、現在は連続優出中。近況は捌くレースでも見せ場を作ることが多くなってきている。鈴木宏も同様に、スタートやスピードだけでなく捌きの方も修得中だ。
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主な出場予定選手
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大木 光〔川口 S-15(28期)〕
山田 達也〔川口 S-23(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-41(27期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-20(23期)〕
金子 大輔〔浜松 S-9(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-14(30期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-19(28期)〕
人見 剛志〔山陽 S-30(28期)〕
高橋貢がレジェンドの走りで激戦を制す!
伊勢崎で行われていたGIIレジェンドカップは、地元の22期・高橋貢が制した。レースはタイトル名に相応しい激しい競り合いになった。最後は技術に勝る高橋貢の貫禄勝ち。
レースはまず高橋貢のフライングで再発走となった。2回目のスタートは0ハンの桜井晴光が失敗し、大きく後退。10線勢の車に大きな被害を及ぼした。この行為により桜井は結果的に反則失格。10線からは佐藤裕二が好ダッシュを決める。これに最内の内山高秀が踏ん張って付いていく。篠原睦、高橋貢も悪くない位置に付け、松尾啓史と木村武之は厳しい展開に。
序盤の2周は先頭の入れ替わりがあったが、その後は佐藤が主導権を奪い、コースを丁寧に守る走りに徹する。篠原が2番手に付け様子をうかがう。その後ろでは内山と高橋貢がやり合う形。ただし、内山は高橋貢に競り勝つと篠原をも交わして2番手奪取。逃げに入っていた佐藤にプレッシャーをかける。高橋貢も3番手まで追い上げていた。このまま佐藤が逃げ切るかにも見えたが、終盤で内山の捲りが決まり先頭に踊り出る。しかし、その直後に高橋貢が内山を差し切ってゴールを迎えた。
先頭を走っていた佐藤も悪いペースではなかった。コースを外さず、後続は攻めにくい状況だった。結果、2番手以下は大渋滞。まさにレジェンドカップらしい競争が展開されていた。若手のスピードレースもいいが、混戦での技の競い合いも見応え十分。オートレースの魅力を再確認させてくれる貴重な企画レース。このような大会がこれからも続くことを切に願う。
それにしても高橋貢の強さは際立っている。前を走る選手たちが状況を打開できずに戸惑っていても、高橋貢は冷静にチャンスを待っていられるし、そのチャンスが来た時にはどのような対処をすればいいか熟知している。これでGIIは24度目の制覇。SG、GIを含めると72回目のタイトル。今回のようなレースを続ければ、まだまだ数字を積み上げていけそうだ。
桜井晴光がGII初制覇を狙う!
伊勢崎で行われているGIIレジェンドカップは、優勝戦のメンバーが出揃った。準決の第11Rでは競争不成立になるアクシデントがあった。優勝戦へ駒を進めたのは、今回出場する中で最も若い期である26期から5人、25期、24期、22期から1人ずつ。やはりスピードある若手が好成績を収めるのか。優勝戦の展望をしていきたい。
ハンデ構成は0ハンに桜井晴光が単騎で控える。10線には7車。内から内山高秀、佐藤裕二、篠原睦、松尾啓史、木村武之、高橋貢、永井大介となった。
スタート争いだが、0ハンの桜井はシッカリと残しそう。10線は、ほぼ枠ナリとみた。遅れるとしたら5枠の松尾か。大外の永井は内枠を2車ぐらい置いて出る可能性もある。
レース展開は、0ハン単騎の桜井が序盤からペースを上げそう。これを内山と佐藤が追っていく。そこに篠原も乗って行きそうだ。佐藤と篠原が重なって走ると、その後続はかなり仕掛けづらい状況になりそう。つまり4番手以下はかなりの渋滞になりそうだ。そうなると有利なのは、その前を走る桜井や内山。この両者、総合力では内山の方が上とみているが、単純なスピード勝負では互角の評価。桜井が10M前から走るぶんだけのアドバンテージがある。後続が激しく競り合っているのを尻目に、桜井がまんまと逃げ切りそう。そこで当ブログでの本命には桜井を推す。桜井はこれまで2007年と2009年にGIを制している。その時もレース序盤から独走態勢に入り、グングンとペースを上げての逃げ切り勝ち。今回とレース展開が似ている。
相手は内山。10線の最内から先行しそうで、展開的にはかなり有利。前を走る桜井に隙が生まれれば、キッチリと差し込んで行きそうだ。佐藤や篠原が後続を抑えてくれるのも魅力ポイント。3番手には木村武。一つ内の松尾を抑えて出る可能性もあるので、そうなると佐藤、篠原を捌いて追撃態勢を作れる。絶対王者・高橋貢も地元だと総合戦力が大幅に増すイメージ。準決でも厳しい状況を克服して優出のキップを掴んでいる。そして、最後に松尾啓。スタート争いでは劣勢とみているが、枠ナリを死守できれば昨年に続いて同大会を制覇できるだけの機力はある。
佐藤や篠原もトップスタートを決めるなど、序盤の位置取りが上手くいけばチャンスは広がる。永井は準決が不成立になり、今節は一つレースが少ないのもあったが、上がりタイムが出ていない点は気になるし、現ランクなら7枠に入ってもいい所を大外になってしまった点も不利と言える。
◎桜井晴光
○内山高秀
△木村武之
△高橋貢
▲松尾啓史