地元勢が総力を挙げて牙城を守る!
SG日本選手権の興奮冷めやらぬ川口で、7日から4日間の一般開催が行われる。地元のS級は7人参加予定で、外来勢を迎え撃つには十分の構え。どのような戦いが展開されるのか。
地元のS級で最も状態が良いのは若井友和。先の日本選手権で優出している。エンジン自体はかなり高い位置にあると思われる。今回はハンデ戦になるが、前団が混み合っていても力強く進んでいける技術がある。地元勢をまとめ上げ、引っ張って行く存在になりそうだ。
若井と同期の森且行もエンジンは悪くない。試走は連日好タイムを出していた。走りの特徴として、レース後半は仕掛けが少なくなる傾向がある。スタートを含めて序盤の攻めがカギになりそう。攻撃力の高さで言ったら佐藤裕二もかなりのモノがある。前を走る選手がインコースを締めて走っていても、そのインに強引に入っていける勝負根性がある。困難な展開でも打破して行ける。レース運びが巧いのは中野憲人。SGでは全てオープン戦だったため課題のスタートで苦しい展開になることが多かったが、今回のようなハンデ戦なら持ち味を最大限に発揮できる。前を走る車の動きを見ながら、ナカから交わすか外から捲るか判断して仕掛けて行く。レース後半に威力を増すのが山田達也。序盤の仕掛けの甘さはあるが、ハンデ戦なら6周回をフルに活かして追い上げて行ける。鈴木清は逆に速攻タイプ。スタートで前の選手を叩いて、序盤で先頭に浮上するケースが多い。最後に加賀谷建明。フライング多発で、SGのオープン戦では活躍できなかったが、ハンデ戦なら追い込んで行ける。走路温度が低くなるこの時期は特に追い込みが効く。
外来勢で有力なのは浜野淳。今年は大きいレースで結果を残している。先のSGでもエンジンはそう悪くなさそうだった。卓越した捌きで魅せるレースができる。同じ山陽からは岡部聡も参戦。スタートを含め、仕掛けが早い方ではないが、堅実な攻めでレース後半追い込んでくる。天候に関わらず狙える強みもある。遠藤誠や久門徹は爆発的なスタートから一気の攻めを見せるタイプ。早船歩はエンジンがマズマズ安定。ここ最近は攻めに積極的な面が見られる。
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主な出場予定選手
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佐藤裕二〔川口 S-17(24期)〕
若井友和〔川口 S-20(25期)〕
加賀谷建明〔川口 S-26(27期)〕
森且行〔川口 S-46(25期)〕
早船歩〔船橋 S-18(27期)〕
遠藤誠〔浜松 S-47(25期)〕
久門徹〔飯塚 S-25(26期)〕
浜野淳〔山陽 S-21(24期)〕
永井大介が日本選手権4度目のV!
川口で行われたSG日本選手権は、船橋所属の永井大介がパワーのある走りでブッチ切った。永井にとっては今年初めてのSGV。胸にこみ上げてくるモノもあっただろう。
最内の荒尾聡が注文通りのスタートを決め主導権を握る。マズマズのスタートを切った鈴木圭一郎が、1周バックストレッチで中団をすり抜け2番手に立つ。しかし、永井がすかさず捌き、鈴木に代わり2番手に。鈴木はその後、すぐに永井を差し返す動きを見せるが入りきれず。むしろ、後ろを走っていた高橋貢に交わされてしまう。
逃げる荒尾を永井が追う展開。少しずつ差が詰まって行く。5周回2コーナーで、荒尾が軌道を乱す。立ち上がりでやや流れてしまう。そこを永井が見逃さずイン入り込む。これが功を奏し永井は先頭に立つ。ここからは独壇場。永井が2番手以下を引き離す一方の横綱相撲。脅威の上がりタイムで圧勝した。2着には、高橋の猛追を振り切った荒尾が残り、4着には鈴木が粘った。佐藤貴也、中村雅人、若井友和は見せ場もなく終始後方のままだった。
今節は永井の走りが光っていた。予選中から気合の入ったレース運びを見せていた。エンジンも納得いく状態になっていたのだろう。永井らしい力強い走りができていた。
永井は船橋支部長として、レース以外にもいろいろと仕事がある。時間を割かれ、体力を削がれ、精神力を擦り減らされる。そのような厳しい状況にも打ち負けず、SG最高峰の舞台で結果を残すのは流石の一言。レースを含め、これからもオートレースを引っ張って行く存在であり続けてもらいたい。
好調者不在で大混戦の様相!
今回は直前にSGが行なわれている関係で、S級選手は不在。更にA級でも有力な選手は参加していないので、誰にでもチャンスがある。3日間開催で2日目に行なわれる準決は8個レース。最終日の優勝戦は7周回で行なわれる。選手のタイプ別に注目の選手を挙げていく。
まずは巧腕タイプ。今回出場する選手の中で、最も捌きがあるのは山陽の小林啓二。前走の浜松では優勝戦まで進めなかったが、最終日の選抜戦は1着で締めている。軽ハンでペース上げる選手がいなく、混戦になりそうなレースでは最大限の力を発揮できるだろう。同地区の松本康晃も混戦に強いタイプ。こちらはハンデがやや軽いので、序盤で後ろの選手にスタートで叩かれないかが不安。しっかり残せれば好レースを見せられる。同じくスタート不安だが捌きがあるのは田島敏徳。現在2連勝中。
地元で捌きがあるのは牧野貴博。試走タイムがやや劣勢でも狙っていける。栗原勝測も同じタイプ。試走タイムが出なくてもインをシッカリ回って結果を出すタイプ。岩佐常義も安定したコース取りで渋太さがある。
次に速攻タイプ。今回出場する地元では小林悠樹が典型的な速攻型。スタート力は2級車の時から定評があり、序盤の仕掛けも早い。ただし、前走の最終日に反則したのが気がかり。深沢隆もスタート力があり、インコースを外さずに回る走法。西村健も一気の抜け出しから粘り込むタイプだ。
外来では鈴木辰己が速攻得意。絶頂時の迫力は薄れているが、そのスタート力は健在。10M前の選手がスタート甘いと、迷わず叩き込んで行く。今回はメンバーも軽いので、優勝戦まで駒を進める可能性ある。同地区の鈴木静二も速攻が巧い。同ハンに何車か並んだ外枠に置かれても、1コーナーに飛び込むまでにはカマシて行くケースが多い。山陽は池田康範が速攻タイプに当てはまる。こちらはレース後半に伸びが止まる傾向あるので、序盤で先頭まで抜け出せるかがカギ。
最後にスピードタイプ。地元でスピードがあるのは佐久間健光と白次義孝。どちらもスタートにやや不安を抱えているが、道中でツボに入った時の車速はかなりのモノ。冷えてくるこの時期は活躍が期待できる。スタートも走りもムラあるが、爆発力が高いのは新村嘉之。試走タイムに関係なく強烈な走りを見せる時がある。平川博康もスピードはある。課題のスタートも近況は良くなってきている。
外来では千葉泰将や田中進など。どちらも安定した走りができるタイプではないが、時折り大駆けを見せる事がある。
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主な出場予定選手
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小林 悠樹〔船橋 A-2(28期)〕
落合 淳〔船橋 A-68(29期)〕
佐久間 健光〔船橋 A-85(26期)〕
永瀬 敏一〔船橋 A-96(11期)〕
小林 啓二〔山陽 A-33(8期)〕
鈴木 辰己〔浜松 A-75(13期)〕
青山 文敏〔飯塚 A-80(16期)〕
福田 勝則〔伊勢崎 A-86(24期)〕
満を持して永井大介が今年のSG初Vへ!
予選3日間は好天の下で行われていたSG日本選手権だったが、準決の日は重走路での戦いになった。川口の重走路の特徴をいち早く掴んだ者が、優勝戦のキップを掴むことができた。だいたいはSG優出常連組だが、田村治郎や佐藤貴也などが珍しく優出。若手では鈴木圭一郎も厳しい準決のバトルを勝ち抜け、優勝のチャンスを得ている。
SGの優勝戦は10周での争い。いつもより走る距離は長いが、0オープン戦である以上、スタートの比重はやはり大きい。誰が先行するのかは最大の焦点である。誰が行ってもおかしくはないが、ここ一番でのスタート力は荒尾聡が上位とみている。その荒尾を誰が追って行けるのか。
今節のエンジンの仕上がり度で言えば、永井大介が一番か。高橋貢も2日目あたりからエンジンが上向いてきていた。若井友和もソコソコのタイムを持っており、エンジン的にはマズマズの状態。エンジン下がり調子だった中村雅人は3日目のスーパードリーム戦で結果を残すなど、けっして悪い状態ではない。逆に、荒尾、田村、佐藤貴あたりは良走路ではエンジンやや足りないか。鈴木圭はエンジン悪くない上に、何かをやってくれそうな期待感はある。
当ブログでの本命には永井を推す。スタートで4番手までに出ることができれば、荒尾の逃げを捕まえるには十分だろう。今年はSGに縁が遠かった永井。ここらへんでしっかりと結果を残しておきたいところ。実力者が追い込み効かなかった初日でも、永井だけは後ろから追い込む走りができていた。今節の総合力では一枚上とみている。
相手には中村を挙げる。エンジン不満とのコメントとは裏腹に、良走路でのレースの内容が良い。追い込みタイプなので10周戦は中村に有利に働く。川口のSGでの相性は抜群。早めに2番手に立てれば永井を捌いての優勝も十分。次には高橋貢を推す。今年の前半はイマイチだったが、今の車に乗り替わってからはかつての王者の走りが戻ってきている。今節の動きも悪くない。まだまだSG優勝回数を増やせる状態にある。鈴木圭はSG未冠だが、いつ取ってもおかしくないくらいの成長を見せている。スピード面ではS級一ケタの選手達と全く遜色がない。序盤で揉まれる展開にならず、早めに抜け出せるようなら、様々な最短記録を塗り替えての栄冠もあり得る。最後に挙げるのは荒尾。やはりスタート力は大きな魅力。この上ない武器だ。トップスタートからペースを上げて逃げるか、インを封じて粘り込むかすれば2度目のSG制覇もある。
若井も地元開催の選手権だけに、見せ場は作るだろう。久々のSG優勝に闘志は全開のハズ。佐藤貴と田村も総合戦力に関しては未知数な部分が大きいので、大金星を挙げる可能性も否定できない。
◎永井大介
○中村雅人
△高橋貢
△鈴木圭一郎
▲荒尾聡
ハンデなし、日本一を決める戦い!
今年もSG日本選手権の季節がやって来た。全日程全レースで0メートルオープン戦。選手個々人の実力がシッカリとレース結果に反映される。最終日、最終レースまでにエンジンを仕上げてくるのは誰か。各地区ごとに有力選手を挙げていく。
まずは開催地区である川口から。ランクトップは佐藤裕二。前走の地元開催では1着を3本重ねて優出すると、優勝戦は2着で準優勝だった。今回に向けて上り調子なのは間違いない。そのシリーズで優勝したのが平田雅崇。こちらもオール連対での優勝と、流れは最高潮。若井友和も同じシリーズで優勝戦まで進み5着。闘志は健在である。同期の森且行は前走イマイチだったが、試走タイムは出ているのでスタートさえ決まれば戦える状態。大注目は益春菜。追い込むレースはまだ不安を残すが、逃げるレースなら快速を発揮できる。こちらもスタートがカギになる。
選手の層が厚いのは船橋地区。全国ランク1位から2位に下がった中村雅人だが、パンチ力ある走りは変わってない。地元のGIは準決で厳しいレースを強いられたが、最終日は力強い走りを見せた。永井大介、青山周平、鈴木圭一郎はシッカリと優出した。準決あたりからエンジン仕上がった永井が最も状態は良いか。青山もスタートは切れており、選手権向きのスタイル。鈴木圭もスタート悪くはないが、もうワンランク上の切れ味を見せたい。道中の動きに関しては青山よりやや上だ。短ハンデ戦向きなのは早船歩と西原智昭。共に好ダッシュからの速攻に期待。池田政和は近況、初日に好成績を残すことが多い。
S級の参戦がわずか4人なのは伊勢崎。総大将・高橋貢はここ何ヶ月かはエンジン安定している。前走の船橋GIではイマイチだったが、これまでの実績からいって今回も活躍できそう。早川清太郎も前走の船橋GIでは良くなかった。しかし、その前の地元2節は共に優勝しているので、その時の動きが戻れば心配ない。むしろオープン戦でスタート争いがどうなるかの方が心配だ。田村治郎は前走の飯塚で優出し6着。悪くはない近況。松本やすしはオープン戦の経験が少ない点が気がかりだが、まだまだ伸びシロがあるぶん楽しみな存在。
最近は選手のレベルが高くなっている浜松勢。全国ランク1位の金子大輔は、乗り替わった前走の船橋GIで優勝戦まで進んだ。まだセットが完璧に決まってはいないだけに、これから更に上向く可能性大。期待度は高まる。伊藤信夫は金子と同じく優勝戦まで進出。しかも準優勝という内容だ。優勝した岩見貴史に対しエンジン的には強めだったので、今回も期待できる。木村武之も近況はマズマズの推移。前走は川口だったが、危なげなく優勝戦まで進んでいる。前回と同じ走路なので多少のアドバンテージはあるか。佐藤貴也、渡辺篤は共に前走が飯塚だったが、エンジン的にはもう少しの印象。遠藤誠は前走の船橋GIこそイマイチだったが、近況はエンジンが安定してる。
数年前までの一時期は最強地区と言われた飯塚。大将格の浦田信輔が前走の船橋GIで変調。やや不安を残しての参戦となる。同様に田中茂、荒尾聡もエンジンはピリッとしない。むしろ、岩見貴史が絶好調。前々走の地元開催で優勝すると、前走の船橋GIでも優勝。初めてのGI制覇となった。スタートは切れているし、インから抜かせない走りもできる。0オープン戦で最も力を出せるタイプの一人だ。篠原睦、久門徹ら中堅どころも、エンジン的にはもう一つ突き抜けない現状。整備で良化させたいところ。桝崎陽介は前走の地元開催で優出と流れは悪くない。東小野正道、竹谷隆にしても今のところ並だが、整備での仕上げ次第では十分戦えるだろう。A級ではあるが、細野俊介が地元開催で優勝しての参戦。爆発的なスピードには警戒したい。
最後に山陽地区。S級で前走優出したのは岩崎亮一、人見剛志、角南一如の3人。岩崎はちょっと前までエンジン崩していたが、徐々に立て直してきた。角南は前々走の飯塚に続いて、前走の伊勢崎でも優出と堅調保持。人見は節によってエンジン変調するタイプ。初日の走りには要注目だ。前走が船橋GI組は総じて良くはない。その中でも松尾啓史が、ここ最近の中では良くなってきた様子。前田淳、西村龍太郎はスタート力があるので連日注意。浜野淳は大舞台で強いタイプ。準決や優勝戦まで駒を進めるようなら連に絡めて買いたい。佐々木啓はややエンジン変調気味か。しかし、整備は巧い方なのでシリーズ中の盛り返しもあるだろう。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
木村 武之〔浜松 S-4(26期)〕
永井 大介〔船橋 S-5(25期)〕
青山 周平〔船橋 S-6(31期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-8(25期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕